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【発明の名称】 部品保持ハンド、部品挿入方法および部品挿入機
【発明者】 【氏名】吉野 信治

【氏名】田中 貴麿

【要約】 【課題】部品の姿勢変更が必要な場合でも、2つの保持ハンド間で部品を受け渡すことなく、短時間で部品の破損がない、部品保持ハンドを提供する。

【構成】部品2を吸着手段7で吸着し、部品2を挿入方向と平行な面で回転させて、部品2を部品保持ハンド4の第1アームと第2アームで把持し、部品の姿勢を変更する。その後、第3アーム6の先端の挿入手段で、基板に部品を挿入する。したがって部品の姿勢を短時間で変更でき、信頼性の高い部品の姿勢変更が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アームと第2アームの間で部品を把持する把持部と、部品を挿入する挿入手段と吸着手段とを配置した第3アームと、を備えたことを特徴とする部品保持ハンド。
【請求項2】
前記第3アームが3つ以上の自由度を有することを特徴とする請求項1に記載の部品保持ハンド。
【請求項3】
第1アームと第2アームの間で部品を把持する把持部と、3つ以上の自由度を有し先端に吸着手段を有する第3アームと、3つ以上の自由度を有し先端に部品を挿入する挿入手段を有する第4アームと、を備えたことを特徴とする部品保持ハンド。
【請求項4】
前記第1アームと前記第2アームにより部品を把持した状態で把持方向に垂直な面で部品子回転する回転手段を、前記第1アームと前記第2アームに設けたことを特徴とする請求項1から3に記載の部品保持ハンド。
【請求項5】
部品供給部と、基板位置決め部と、部品を保持する部品保持ハンドと、前記部品保持ハンドを移動させるハンド移動部とにより構成した部品挿入機において、
前記部品保持ハンドは、第1アームと第2アームの間で部品を把持する把持部と、先端に吸着手段を有する第3アームと、前記第3アームに部品を挿入する挿入手段と、により構成したことを特徴とする部品挿入機。
【請求項6】
部品保持ハンドの第3アームに配設した吸着手段により部品を吸着し、前記第3アームにより前記部品を回転し、前記部品保持ハンドの把持部により前記部品を把持し、前記部品の端子を基板に挿入することを特徴とする部品挿入方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、供給部より部品を把持し、その後、被挿入物に部品を挿入する部品保持ハンドに関するものである。より詳細には、回路基板(プリント基板)に電子部品を挿入する部品把持挿入手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の部品保持ハンドとしては、部品を把持する把持部の一対のアームの中に吸着部やサブハンドを内蔵しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。図6(A)は、前記特許文献1に記載された従来の部品挿入ハンドの第1例を示し、図6(B)従来の部品保持ハンドの第2例を示すものである。
【0003】
図6において、部品挿入ハンド101は、通常の大きい部品を保持する場合は、図6(A)に示すように第1アーム103と第2アーム104の中に部品を挟みこみ把持している。吸着により部品を保持する場合は第1アーム103や第2アーム104の中に内蔵した吸着手段105を第1及び第2アームの中から出し、吸着手段105の先端の吸着パッドと部品102を接触させた状態で真空吸引をし、部品102を保持する。その後、保持した部品102をプリント基板上に移動し、プリント基板へ部品を挿入したり装着したりする。また、基板などの部品上の2つの穴を利用して、部品を保持する場合は、図6(B)に示すように第1アーム103や第2アーム104の中に内蔵した一対のサブハンド106を第1及び第2アームの中から出し、部品107上の2つの穴に一対のサブハンド106を挿入し、部品107上の2つの穴の無い壁面を把持して、部品102を保持する。その後、保持した部品102をプリント基板上に移動し、プリント基板へ部品を挿入したり装着したりする。なお108は第1アーム103と第2アーム104を矢印方向に駆動する駆動手段を有する本体部である。
【特許文献1】実開平01−074084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、部品に電気接続用の端子があり、その端子付き部品の部品供給の姿勢と、回路基板に挿入や装着する姿勢が違う場合は、部品保持ハンドに保持した、端子付き部品の角度を90度あるいは180度姿勢変更しなければならない。しかしながら、従来の部品保持ハンド構成では、別のハンド等に部品を持ち替える必要があり、その持ち替える時間が必要であった。この一部品あたりの挿入・装着時間が長くなり、生産性を向上することが出来ない。また、別のハンド等に部品を持ち替える際に、部品の角や端子が破損することがあったり、部品の姿勢が所望の位置に来ず挿入・装着不良が発生する課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、部品の姿勢変更が必要な場合でも、2つの保持ハンド間で部品を受け渡すことなく、短時間で部品の破損がない、部品保持ハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の部品保持ハンドは、第1アームと第2アームの間で部品を把持する把持部と、部品を挿入する挿入手段と吸着手段とを配置した第3アームと、を備えたものである。本構成によって、端子付き部品の部品供給の姿勢と回路基板に挿入や装着する姿勢が違う場合でも、別のハンドで部品を持ち替えることなく、部品の姿勢を短時間で変更でき、信頼性の高い部品の姿勢変更が可能になる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の部品保持ハンドによれば、部品の姿勢変更が必要な場合でも、2つの保持ハンド間で部品を受け渡すことなく、部品の姿勢を短時間で変更でき、信頼性の高い部品の姿勢変更が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の実施の形態1における部品保持ハンドの概略正面図、図1(B)は本発明の実施の形態1における部品保持ハンドの概略正面図、図1(C)は本発明の実施の形態1における部品供給部の概略図である。図1において、トレーやテープ等の部品供給手段1の凹部に、端子2を有する端子付き部品3が収納されている。この部品を保持する方法を2種類説明する。この部品を吸着する場合は、端子付き部品3を、部品保持ハンド4の本体部5から第3アーム6の先端に配置した吸着手段7で部品3の表面を吸着する。そして部品保持ハンド4で部品3を把持したまま、図示していないロボット等のハンド駆動手段により部品保持ハンド4を所望の位置に移動させる。
【0010】
また、部品供給手段1の凹部の内壁と部品3の外壁の間に、第1アーム8と第2アーム9の先端が入り込む隙間がある場合は、把持部を構成する第1アーム8と第2アーム9の先端を部品供給手段1の凹部の内壁と部品3の外壁の間に挿入し、本体部5に内蔵した把持駆動手段により第1アーム8と第2アーム9を矢印方向の把持方向に動かし、部品3の外壁を挟み込んで第1アーム8と第2アーム9の間に把持する。そして吸着したときと同様に部品保持ハンド4で部品3を把持したまま、図示していないロボット等のハンド駆動手段により部品保持ハンド4を所望の位置に移動させる。第3アーム6の動作は後で説明するが、第3アーム6は、第1リンク10と第2リンク11第3リンク12で構成され、夫々のリンクはモータ等の駆動手段で回転可能に接続されている。
【0011】
なお、本実施の形態において、吸着手段7を設けたが、この吸着方法は空気の減圧による真空吸着や、部品が磁力により吸着できるものであれば磁力吸着でもよく、さらに静電吸着としても良い。
【0012】
図2は部品の姿勢の変更の概略図である。図2を用いて、部品の姿勢の変更の方法を以下に説明する。吸着した部品の姿勢変更する場合は、図2(A)に示すように、部品保持ハンド4に配置した第3アーム6の先端の吸着手段で、部品供給手段1の凹部に収納した部品3を吸着する。そして、図2(B)に示すように、第3アーム6の先端の吸着手段で部品3を吸着保持したまま、第3アーム6の第1リンクと第2リンクと第3リンクを動作させ、部品3の端子が回路基板21の方向に向くように、部品3の姿勢を変更(吸着方向と平行な平面で回転する)する。そして、図2(C)に示すように、第3アーム6のリンクを動作させて、吸着手段で吸着している部品3を把持部22の第1アームと第2アームの間に移動し、把持部にて部品3を把持する。次に図示していないロボット等のハンド駆動手段により部品保持ハンド4を、回路基板21上の所望の位置に移動させる。上記部品の姿勢変更は部品保持ハンドの移動中に行うと部品挿入時間が更に短縮できる。最後に回路基板21の所望の位置に部品3の端子を挿入し、回路基板への部品の挿入が完了する。
【0013】
次に、把持部にて供給部から部品を把持し取り出す場合は、図2(D)に示すように、把持部にて部品3を把持する。把持部にて部品3を把持している状態で、第3アーム6の第1リンクと第2リンクと第3リンクを動作させ、吸着手段にて部品3の表面を吸着する。
【0014】
その後は、図2(A)、図2(B)、図2(C)で説明した動作と同様に、把持部の部品の把持を開放し否把持状態にして、第3アーム6の第1リンクと第2リンクと第3リンクを動作させ、部品3の端子が回路基板21の方向に向くように、部品3の姿勢を変更(吸着方向と平行な平面で回転する)する。そして、吸着した部品の姿勢変更の動作と同様の動作で、回路基板21の所望の位置に部品3の端子を挿入し、回路基板への部品の挿入を行う。
【0015】
上記例は基板への部品挿入で説明したが、部品の供給姿勢と基板に装着したときの部品の姿勢が異なる場合であっても、本願記載の部品保持ハンドで部品の姿勢を変更することができる。
【0016】
更に、部品の端子を回路基板21に挿入後に回路基板21からの部品の脱落を防止する為に、部品の端子を回路基板21に挿入する際に大きな力が必要な場合は、図3に示すように、把持部にて把持した部品3の端子を有する面とは反対方向の端面(部品挿入方向とは逆方向の端面)に、第3アーム6の先端に配置した挿入手段31を接触させる。そして、把持部の摩擦力での部品3の保持力に加えて、部品挿入手段31にて部品3の端面に部品挿入方向に力を加えながら、部品3の端子2を保持回路基板21の挿入穴に挿入する。
【0017】
なお、部品が回転不要な場合は第3アームによる姿勢変更は行わず、必要があれば、第3アームの先端に配置した挿入手段により部品の端面に部品挿入方向に力を加えながら、部品の端子を保持回路基板に挿入する。部品の回転(姿勢変更)の要不要や、把持による保持や吸着による保持の選択は、部品形状のCADデータや部品の供給形態等により部品データやCAD等により、部品の供給方法を自動的に選択することも出来る。
【0018】
また、第1アームと第2アームの先端が基板上の既に装着や挿入されている他の部品と干渉する場合は、第3アームのみを動作させて部品を基板に挿入しても良い。
【0019】
次に、部品保持ハンドの制御方法の一例について記載する。第3アームを構成する第1リンクと第2リンクと第3リンクは互いに回転軸により回転可能に接続している。そして、その接続軸の内部には小型の電動モータが内蔵されており、制御部からの指令で第1リンクと第2リンクと第3リンクは互いに協調しながら動作することが出来る。この協調動作の一例としては、第3リンク先端の挿入手段を部品に接触させた状態で、部品の挿入方向に直線的に移動させる。さらに、基板への部品の挿入時に加圧が必要な場合は、制御部により、第3アームの制御を位置制御からトルク制御に切り替え、その位置情報を元に、第3アームの先端の挿入手段の方向が一定の状態で、第3リンクの各アームを協調動作させることで、部品挿入方向への加圧制御動作を実現している。この加圧制御動作は、部品の端子に基板からの抜け防止の突起がある場合に特に有効である。一方部品の足に抜け防止の突起が無い場合は、部品の端子を基板に挿入後、端子が基板表面から出ている基板の裏面で、端子のクリンチ処理(曲げ処理)を行う為、第3アームの先端の挿入手段にて部品の端面を加圧する加圧制御動作が必要となる。
【0020】
以上のような構成と動作により、部品の供給姿勢が多種多様であったとしても、単独の部品保持ハンドで、効率良く高品質の部品挿入を実現することが出来る。
【0021】
この部品保持ハンドの使用の例としては、部品装着機や部品挿入機に取付けて用いる。図4に部品挿入機の概略図を示す。図4において、部品供給部41より部品3を部品保持ハンド4により保持した状態で、部品保持ハンド移動部42により、部品供給部41の上部に部品保持ハンド4を移動し、さらに、基板位置決め部43の回路基板21の上の部品挿入位置に移動させる。その後前述の部品挿入動作を行う。この動作を繰返す際に部品の種類が異なる場合は、図示していない制御部に保存している部品データやCAD等により、前記部品の供給方法を自動的に選択し、部品の回転(姿勢変更)の要不要や、把持による保持や吸着による保持等を決定する。
【0022】
(実施の形態2)
図5(A)は、本発明の実施の形態2の部品保持ハンドの概略正面図、図5(B)は本発明の実施の形態2における部品保持ハンドの概略側面図である。図5において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。保持する部品の重量が重くかつ部品の供給姿勢と基板への部品の挿入姿勢が異なる等の場合は、把持部で部品を大きい加圧力で把持した状態で、第1アーム及び第2アームの先端に配置した回転手段52により、第2の部品51を回転させ、第2の部品51の姿勢を変更する。この時部品の慣性力が大きい場合や、部品の把持している端面が滑りやすい等で、把持力が十分でない場合は、第3アームの吸着手段や挿入手段51と回転手段52を協調し、第2の部品51の姿勢を変更しても良い。
【0023】
なお、第3アーム先端に配置した部品挿入手段は、第3アームとは別の第4アームに配置して第3アーム先端の吸着手段とは、独立して動作させても良い。
【0024】
また、第2の部品51があらかじめ端子のクリンチ処理(曲げ処理)をされている場合は、第2の部品51の端子の先端を基板に挿入後、第2の部品51を回転させながら第2の部品51を挿入してもよい。
【0025】
さらに、第3アーム先端に配置した部品吸着手段は吸着方向に垂直な平面で回転する回転機構を設け、吸着方向に垂直な平面で部品の回転姿勢の変更を行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の部品保持ハンドは、部品の姿勢変更が必要な場合でも、2つの保持ハンド間で部品を受け渡すことなく、部品の姿勢を短時間で変更でき、信頼性の高い部品の姿勢変更が可能になり、複数の種類の被把持物を保持する必要がある隔離された空間の中のマニュピュレータの用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(A)本発明の実施の形態1における部品保持ハンドの概略正面図(B)本発明の実施の形態1における部品保持ハンドの概略側面図(C)本発明の実施の形態1における部品供給部の概略図
【図2】(A)(B)(C)(D)本発明の実施の形態1における部品の姿勢の変更の4つの概略図
【図3】本発明の実施の形態1における部品挿入時の概略図
【図4】本発明の実施の形態1における部品挿入機の概略図
【図5】(A)本発明の実施の形態2における部品保持ハンドの概略正面図(B)本発明の実施の形態2における部品保持ハンドの概略側面図
【図6】(A)従来の部品保持ハンドの第1例の概略図(B)従来の部品保持ハンドの第2例の概略図
【符号の説明】
【0028】
1 部品供給手段
3 部品
4 部品保持ハンド
5 本体部
6 第3アーム
7 吸着手段
8 第1アーム
9 第2アーム
31 部品挿入手段
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−23641(P2008−23641A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197891(P2006−197891)