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【発明の名称】 荷物搬送ロボット
【発明者】 【氏名】村瀬 有一

【要約】 【課題】荷物搬送ロボットに関し、小さな操作力で重い荷物3を効率よく積載、荷下ろしすることを目的とする。

【構成】走行部1を備えた荷台2と、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部を備えた荷台と、
荷物をハンドリングするアームとを有し、
前記アームは、荷台に正対した床面上の荷物の荷台側辺縁部を引き上げて荷物を傾斜姿勢とした後、荷物の裏面が荷台辺縁により荷重支持された状態で荷台側に引き込んで荷物を荷台上に移載する荷物搬送ロボット。
【請求項2】
走行部を備えた荷台と、
荷物をハンドリングするアームとを有し、
荷台からの荷下ろし時において、荷物は、一端縁近傍がアームにより吊り上げられて先端縁が床面に、中央部裏面が荷台先端に当接する傾斜姿勢により保持され、
その後、走行部を荷物離隔方向に移動しながらアームによる吊り下げ部を降下させて荷物を床面上に荷下ろしする荷物搬送ロボット。
【請求項3】
前記荷台には、傾斜荷物の底面に当接する回転体が設けられ、
荷物の荷台上で移送操作力を軽減する請求項1または2記載の荷物搬送ロボット。
【請求項4】
走行部は、傾斜荷物の底面を支承可能な車輪またはクローラを備え、
前記走行部を荷物支承状態で前進、または後退駆動して荷物に移送力を付与する請求項1または2記載の荷物搬送ロボット。
【請求項5】
前記荷台上には、一端部が傾斜荷物の底面に当接可能で荷台中央部に延びるベルトコンベアが配設される請求項1または2記載の荷物搬送ロボット。
【請求項6】
アームにより荷物をハンドリングして荷台上に移載、または荷降ろしする荷物搬送ロボットにおける荷物の移載、荷降ろし方法であって、
荷物積載に際し、荷物を中央部底面が荷台端縁により支持された傾斜姿勢に移行させた後、荷台端縁により荷重支持して荷物を荷台側に引き込んで荷台上に移載する荷物搬送ロボットにおける移載、荷降ろし方法。
【請求項7】
前記荷台端縁による傾斜荷物の荷重支持姿勢への移行工程が、
アームによる荷台に正対した荷物の荷台側辺縁部の引き上げ操作と、
これに続く荷台の傾斜荷物底面側への移動操作とを含む請求項6記載の荷物搬送ロボットにおける移載、荷降ろし方法。




【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物搬送ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
床面上に載置された荷物を荷台上に移載する方法としては、特許文献1、2に記載されたものが知られている。特許文献1記載のものは、荷台前方に張り出したフォークフロントにより荷物をすくい上げた後、コンベアを使用して荷台上に移動させる。
【0003】
また、特許文献2のものは、荷台上に屈曲して姿勢変更可能で、先端部に多段スライドアームを備えた支持アームを備える。床面上の荷物は、支持アームの先端に設けられる把持機構により把持されて吊り上げられ、荷台上に移載される。
【特許文献1】特開平5-69776号公報
【特許文献2】特開平11-124298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これら従来例の移載装置を利用して荷物搬送ロボットを構成する場合には、以下の欠点がある。すなわち、前者のものは、フォークフロントを床面上に張り出させる必要があるために、大きな走行スペースを要するために、狭い廊下等がある一般室内で運用されるようなロボットには採用できない。
【0005】
また、後者のものは、荷物を直接吊下して荷物の搭載を行うために、強度、引き上げ力ともに大きなアームを要し、装置が大型化する。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、小さな操作力で重い荷物を効率よく積載、荷下ろしすることが可能な荷物搬送ロボットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
荷物搬送ロボットは、荷物3をハンドリングするためのアーム4が搭載された荷台2を有し、走行部1により走行駆動される。走行部1には、車輪、あるいはクローラが使用される。
【0008】
床面5上の荷物3を荷台2上に移載するに際し、まず、走行部1が駆動されて荷台2の前端縁が荷物3に正対する位置までロボットを移動させ(以後、本明細書において、荷台2が荷物3に正対した位置において、荷台2を中心に荷物3に正対する側を「前方」、反対方向を「後方」とする。)、次いで、アーム4を使用して荷物3の後端縁を引き上げる。
【0009】
後端縁近傍が引き上げられた荷物3は前端縁を回転中心として前傾姿勢となり、この後、さらに、アーム4により荷物3を斜め上方に引き上げ、あるいは荷台2を前進移動させて荷台2前端を傾斜荷物3の底面に接触させる。次いで、荷物3の後端を荷台2側に引き上げると、荷物3の前端が床面5から離れる。この状態で荷物3の荷重の一部は、荷台2先端により支持されており、アーム4への荷重負担が軽減する。
【0010】
この結果、アーム4の操作力、および強度を過度に大きくする必要がなくなり、ロボットの専有面積を小さくすることが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小さな操作力で重い荷物を効率よく積載、荷下ろしすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に示すように、荷物搬送ロボットは、走行部1を備えた荷台2上にアーム保持部8を搭載して形成される。荷台2には、加重計、あるいは反射型フォトインタラプタ等により形成される荷物確認センサ9が搭載される。
【0013】
走行部1は、4個の車輪から構成されてモータ等の走行部用アクチュエータ10により回転駆動され、さらに、図外の操舵部により方向転換できる。なお、この実施の形態において走行部1は車輪から構成されるが、クローラにより構成することもできる。
【0014】
4は先端に荷物3の把持、係止、押圧等の操作が可能な荷物ハンドリング部4aを備えたアームであり、中間に関節部4bを有してアーム保持部8に連結される。アーム保持部8は、荷台2部上に前後方向移動可能に立設される支柱8aと、支柱8aに上下移動可能に連結され、上記アーム4の一端が連結されるアーム連結ブロック8bとを有する。また、アーム保持部8の上端には、カメラ、レーザレンジファインダ等により形成される荷物位置計測センサ11を備えた頭部12が固定される。
【0015】
アーム4の荷物ハンドリング部4aを所望の位置に移動させるために、ロボットには、アーム駆動用アクチュエータ13が搭載される。図1において、アーム駆動用アクチュエータ13は、支柱8aを前後方向に駆動し、さらに、アーム連結ブロック8bを支柱8aに沿って上下駆動するアーム位置変更用アクチュエータ13aと、アーム4のアーム連結ブロック8bに対する回転駆動、関節部4bにおける回転駆動、および荷物ハンドリング部4aの駆動を行うアーム姿勢変更用アクチュエータ13bとから構成される場合を示したが、配置、個数は適宜変更できる。
【0016】
したがってこの実施の形態において、アーム位置変更用アクチュエータ13aを駆動することにより、用途に応じた種々の姿勢を取ることができる。図1(a)は、アーム連結ブロック8bを支柱8aの上端近傍に位置させるとともに、支柱8aを荷台2の後端部近傍に位置させることにより、荷物3への引き上げ操作力付与が可能で、かつ、荷台2上に荷物3搭載スペースを確保した姿勢を示す。
【0017】
これに対し、図1(b)は、アーム連結ブロック8bを支柱8aの下端近傍に位置させるとともに、支柱8aを前方に移動させてアーム連結ブロック8bを荷台2の中央部に位置させることにより重心位置を低く、かつ、荷台2中心に位置させ、高速走行時の安定性を高めた姿勢を示す。
【0018】
以上のように構成される荷物搬送ロボットの荷台2上への荷物3の移載動作を説明する。ロボットは、図2(a)に示すように、荷物3移載、あるいは荷下ろし動作を制御する荷物処理制御部14を備える。図外の総合制御部から荷物3の移載命令を受けた荷物処理制御部14は、図2(b)に示す制御フローにしたがって、まず、床上の荷物3を検出する(ステップS1)。図3(a)に示すように、荷物位置計測センサ11により荷物3が検出されると、荷台2と荷物3の相対位置を確認し(ステップS2)、最適位置になるまで走行部用アクチュエータ10を駆動して前進、あるいは後退駆動する(ステップS2-1)。
【0019】
最適位置までロボットを移動させると、次に、図3(b)に示すように、荷物ハンドリング部4aによる荷物3のハンドリングが可能なように、アーム駆動用アクチュエータ13を駆動し(ステップS3)、次いで、荷物ハンドリング部4aにより荷物3の後端を引き上げて図3(c)に示すように、荷物3を傾ける(ステップS4)。
【0020】
ステップS4において後面上縁が荷台2上縁より高くなるまで荷物3が傾斜したことを荷物位置計測センサ11が検知すると、走行部1を前進駆動し(ステップS5)、荷台2前縁を傾斜荷物3の底面に当接させる(図4(a)参照)。荷物3底面への荷台2前縁の突き当て操作は、荷台2前縁を荷物3の下に入れた後、アーム4へのサーボ制御をオフ状態として行われる。
【0021】
以上のようにして荷台2前縁を荷物3底面に突き当てた後、アーム駆動用アクチュエータ13を駆動して荷物3を引き上げる(ステップS6)。図4(b)に示すように、ステップS6は、荷物3の底面が荷台2の前端に載った状態で実行されるために、アーム4だけで荷物3を吊り上げる場合に比して小さな操作力で荷物3の引き上げ操作を行うことができる。
【0022】
ステップS6による荷物3の引き上げ操作は、荷物確認センサ9が確認信号を出力するまで実行され(ステップS7)、荷物3積載が確認されると、アーム4がリリースされて移載操作が終了する(図4(c)参照)。
【0023】
図5以下に図1の変形例を示す。なお、以下の説明において、上述した実施の形態と実質的に同一の構成要素は図中に同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
図5は荷台2の前端にコロ状の回転体6を配置した変形例を示す。このように荷台2前端に回転体6を空転自在に配置することにより、アーム4により荷物3を引き上げる際の荷物3と荷台2との摺動抵抗が軽減されるため、より操作力を低減させることができる。
【0025】
また、図6は、走行部1の前輪を回転体6として使用する場合の変形例を示す。この変形例において、まず、ステップS5を実行し、図6(a)に示すように、前輪を傾斜荷物3の底面に当接させた後、図6(b)に示すように、走行部1を後退駆動する。後退動に伴う前輪の回転に伴って、前輪に乗り上げている荷物3には後方への移動操作力が付与され、荷物3は所定位置に移動する。前輪の走行部1の後退駆動に際し、アーム4による荷物3の拘束は、コンプライアンス制御への切り替え、あるいは弱いサーボゲインへの切り替えにより緩やかな状態とされ、荷物3の傾き角の変化に追随する。
【0026】
図7に図5、6の変形例を示す。図7(a)は図5の回転体6と前輪の車軸に固定したプーリとをベルト15で連結したもので、図7(a)において矢印Aで示すように、前輪の後退回転により回転体6が回転駆動され、荷物3を荷台2中央部に搬送する。したがってこの変形例によると、図6に示すように、前輪を荷台2の前方に張り出させることなく走行部1の駆動力を荷台2上での荷物3搬送力に利用できる。
【0027】
なお、以上において、図7(a)を、前輪の車軸の回転力を巻き掛け伝動により伝達する例として示したが、ベルトを車軸とは独立して回転駆動されるモータに巻き掛けるように構成することもできる。この場合、荷台2上での荷物3の移動は、走行部1の駆動を要しないために、作業開始位置に留まったまま作業を終結させることができる。
【0028】
また、図6、7(a)において回転体6は荷台2前端にのみ配置されているが、荷台2上での荷物3の移動操作を容易にするために、荷台2上に複数の回転体6を空転自在に並べたり、あるいは図7(b)に示すように、ベルトコンベア7を構成することができる。空転する回転体6を並べる場合には、荷物3の荷台2からの脱落を防止するための適宜のストッパが設定される。なお、図7(b)においては、走行部1とは独立して駆動されるモータ7aによりベルトコンベア7を駆動する場合が示されているが、適宜のクラッチ手段を配置することを条件に走行部1の動力により駆動することも可能である。
【0029】
また、以上においては、床面5上の荷物3を荷台2上に移載する場合を例にとって本発明を説明したが、荷台2からの荷下ろしも移動時と逆の手順を踏むことにより同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を示す図で、(a)はアームを高い位置に保持した姿勢を示す図、(b)はアームを降下させた状態を示す図である。
【図2】ロボットの制御を示す図で、(a)は機能ブロック図、(b)はフローチャートである。
【図3】ロボットの動作を示す図である。
【図4】ロボットの動作を示す図である。
【図5】図1の変形例を示す図である。
【図6】図1の他の変形例を示す図である。
【図7】図1のさらに他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 走行部
2 荷台
3 荷物
4 アーム
5 床面
6 回転体
7 ベルトコンベア
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男


【公開番号】 特開2008−23639(P2008−23639A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197627(P2006−197627)