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【発明の名称】 走行装置およびロボット
【発明者】 【氏名】末吉 智

【氏名】浅野 浩

【氏名】主計 博行

【氏名】今中 崇之

【要約】 【課題】長い走行距離でも防塵機能を維持し、装置本体の高さを変えることのないコンパクトで安価な走行装置を提供する。

【構成】移動側の発塵部近傍に送風装置を設け、固定側にも装置の位置によって排気量を調節出来るようにしたフィルタ付きの排気装置を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行ベースと、前記走行ベースに動力を伝達する動力伝達手段と、前記走行ベースを案内する支持手段と、を備えた走行装置において、
前記動力伝達手段と前記支持手段を覆うカバー部と、
前記カバー部に設けられた複数のフィルタ付きの第1排気手段と、を備えたことを特徴とする走行装置。
【請求項2】
前記走行ベース上に送風手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の走行装置。
【請求項3】
走行ベースにケーブルを渡すためのケーブル保護手段を備え、前記ケーブル保護手段は前記カバー部に覆われたことを特徴とする請求項1記載の走行装置。
【請求項4】
走行ベースと、前記走行ベースに動力を伝達する動力伝達手段と、前記走行ベースを案内する支持手段と、を備えた走行装置において、
前記動力伝達手段と前記支持手段を覆うカバー部と、
前記カバー部に接続された排気ダクトと、
前記カバー部と前記排気ダクトとの接続部に設けられた複数の第1排気手段と、
前記排気ダクトに設けられて外部に通じるフィルタと、を備えたことを特徴とする走行装置。
【請求項5】
前記フィルタの前方または後方に、該排気ダクト内のエアを外部に排気する第2排気手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の走行装置。
【請求項6】
前記第1排気手段に代えて、開口部の大きさが変化する開閉弁としたことを特徴とする請求項4記載の走行装置。
【請求項7】
前記走行ベースの位置に応じて、前記第1排気手段の排気量が変化することを特徴とする請求項1または4いずれかに記載の走行装置。
【請求項8】
請求項1または4いずれかに記載の走行装置を備えたことを特徴とするロボット。
【請求項9】
上下軸コラムと、前記上下軸コラムに沿って上下に移動するアームと、を備えたロボットにおいて、
前記上下軸コラム内部を第1の室と第2の室とに仕切る隔壁と、
前記隔壁に設けられ、前記アームの駆動機構の設けられた前記第1の室から第2の室へエアを排気する複数の第1排気ファンと、
前記第2の室に設けられた第2排気ファンと、を備えたことを特徴とするロボット
【請求項10】
前記第2ファンは、前記第2の室の下部に設けられたことを特徴とする請求項9記載のロボット。
【請求項11】
前記第2ファンは、前記第1ファンよりも排気量が大きいことを特徴とする請求項9記載のロボット。
【請求項12】
前記アームの上下位置に応じて、前記複数の第1排気ファンの回転数を制御することを特徴とする請求項9記載のロボット。
【請求項13】
前記第1排気ファンのうち、前記アームの駆動機構近傍にある第1排気ファンのみが通常動作し、それ以外は、回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とする請求項9記載のロボット。
【請求項14】
前記第1排気ファンは、前記アームの駆動機構が通過した後、一定時間経過後に回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とする請求項9記載のロボット。
【請求項15】
前記アームの駆動機構の通過速度に応じて、前記一定時間が決定されることを特徴とする請求項14記載のロボット。
【請求項16】
上下軸コラムと、前記上下軸コラムに沿って上下に移動するアームと、前記上下軸コラム内部を第1の室と第2の室とに仕切る隔壁と、前記隔壁に設けられ、前記アームの駆動機構の設けられた前記第1の室から第2の室へエアを排気する複数の第1排気ファンと、前記第2の室に設けられた第2排気ファンと、を備えたロボットにおいて、
前記アームの上下位置に応じて、前記複数の第1排気ファンの回転数を制御することを特徴とするファンの制御方法。
【請求項17】
前記第1排気ファンのうち、前記アームの駆動機構近傍にある第1排気ファンのみが通常動作し、それ以外は、回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とする請求項16記載のファンの制御方法。
【請求項18】
前記第1排気ファンは、前記アームの駆動機構が通過した後、一定時間経過後に回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とする請求項16記載のファンの制御方法。
【請求項19】
前記アームの駆動機構の通過速度に応じて、前記一定時間が決定されることを特徴とする請求項18記載のファンの制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、発塵が禁忌となっているクリーンルーム内などで動作する走行装置およびロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の走行装置は、筐体内に排気用ファンを設けて、防塵を図っている(例えば、特許文献1参照)。
図7において、71はロボット、72はロボット71を移動させる走行装置、73は制御装置、77は排気用ファンである。
ロボットが走行装置によって移動すると、これに伴い発塵する。しかし、筐体74の内部は、排気用ファン77によって負圧に保たれているので、移動用の隙間穴76から排気用ファン77へとエアが流れ、発塵した塵がクリーンルーム内に飛散するのを防止することができる。
【特許文献1】特開平2−41889号公報(第2−3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の走行装置は走行範囲全体において空気の流れを作り出す必要があり、走行距離が長い装置においては、複数の排気用ファンを設ける必要があり、高価なものになるという問題があった。
一方で、何らかの防塵機構を設けることで防塵を図ることも行なわれるが、一般的に防塵機構を設けると、その分装置本体の高さが高くなる。その結果、ガラスを搬送する場合には、その搬送高さが上がりクリーンルーム全体の容積が大きくなり、空調等の維持費が増大するという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、発塵部近傍に局部的な空気の流れを横方向に作り出し、フィルタを介して外部に排出することによって高い防塵機能を維持するとともに、消費電力と騒音を抑えることのできる走行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、走行ベースと、前記走行ベースに動力を伝達する動力伝達手段と、前記走行ベースを案内する支持手段と、を備えた走行装置において、前記動力伝達手段と前記支持手段を覆うカバー部と、前記カバー部に設けられた複数のフィルタ付きの第1排気手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、前記走行ベース上に送風手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、走行ベースにケーブルを渡すためのケーブル保護手段を備え、前記ケーブル保護手段は前記カバー部に覆われたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、走行ベースと、前記走行ベースに動力を伝達する動力伝達手段と、前記走行ベースを案内する支持手段と、を備えた走行装置において、前記動力伝達手段と前記支持手段を覆うカバー部と、前記カバー部に接続された排気ダクトと、前記カバー部と前記排気ダクトとの接続部に設けられた複数の第1排気手段と、前記排気ダクトに設けられて外部に通じるフィルタと、を備えたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、前記フィルタの前方または後方に、該排気ダクト内のエアを外部に排気する第2排気手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、前記第1排気手段に代えて、開口部の大きさが変化する開閉弁としたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、前記走行ベースの位置に応じて、前記第1排気手段の排気量が変化することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1または4いずれかに記載の走行装置を備えたことを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、上下軸コラムと、前記上下軸コラムに沿って上下に移動するアームと、を備えたロボットにおいて、前記上下軸コラム内部を第1の室と第2の室とに仕切る隔壁と、前記隔壁に設けられ、前記アームの駆動機構の設けられた前記第1の室から第2の室へエアを排気する複数の第1排気ファンと、前記第2の室に設けられた第2排気ファンと、を備えたことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、前記第2ファンは、前記第2の室の下部に設けられたことを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、前記第2ファンは、前記第1ファンよりも排気量が大きいことを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明は、前記アームの上下位置に応じて、前記複数の第1排気ファンの回転数を制御することを特徴とするものである。
請求項13に記載の発明は、前記第1排気ファンのうち、前記アームの駆動機構近傍にある第1排気ファンのみが通常動作し、それ以外は、回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とするものである。
請求項14に記載の発明は、前記第1排気ファンは、前記アームの駆動機構が通過した後、一定時間経過後に回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とするものである。
請求項15に記載の発明は、前記アームの駆動機構の通過速度に応じて、前記一定時間が決定されることを特徴とするものである。
請求項16に記載の発明は、上下軸コラムと、前記上下軸コラムに沿って上下に移動するアームと、前記上下軸コラム内部を第1の室と第2の室とに仕切る隔壁と、前記隔壁に設けられ、前記アームの駆動機構の設けられた前記第1の室から第2の室へエアを排気する複数の第1排気ファンと、前記第2の室に設けられた第2排気ファンと、を備えたロボットにおいて、前記アームの上下位置に応じて、前記複数の第1排気ファンの回転数を制御することを特徴とするものである。
請求項17に記載の発明は、前記第1排気ファンのうち、前記アームの駆動機構近傍にある第1排気ファンのみが通常動作し、それ以外は、回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とするものである。
請求項18に記載の発明は、前記第1排気ファンは、前記アームの駆動機構が通過した後、一定時間経過後に回転数を落とすまたは回転を停止することを特徴とするものである。
請求項19に記載の発明は、前記アームの駆動機構の通過速度に応じて、前記一定時間が決定されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1乃至6、8、9、10に記載の発明によると、発塵部近傍の局所的な横方向の空気の流れを作り、フィルタを介して排気することにより、長い走行距離でも高い防塵機能を維持することができる。
請求項7、11乃至15に記載の発明によると、消費電力と騒音を抑えた走行装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明の走行装置の概略構成の断面を示す図である。図において、4は筐体1に取り付けられたレール2と前記レール2を介して摺動自由に連結されたブロック3に固定されている走行装置のベースであり、図示しないモータに取り付けられたピニオンギヤを装備しており、筐体1に取り付けられたラックギヤ5を介して摺動力を得ている。
6はケーブルベア(ケーブル保護手段)で固定側の筐体1と移動側の走行ベース4に各々固定され相対運動することによって走行ベースに渡るケーブルを保護している。
7,8,9,10は発塵源である相対運動部を覆っている防塵用カバーである。防塵用カバーは、ボールネジ、ベルト、ラックギヤ5、ピニオンギヤ等の駆動系(動力伝達手段)、ブロック3、レール2ローラ等の支持系およびケーブルベア(ケーブル保護手段)を覆っている。
100は気流の向きを表す矢印であり、11は送風ファン(送風手段)で気流の向きが水平方向になるように移動側である走行ベース4に設置してあり、12はフィルタ付きの排気用ファンで気流の向きが水平方向になるように固定側である防塵カバー7に取り付けてあり、排気口には排気の向きを変更するための排気用カバー13が取り付けてある。
【0008】
図2は走行装置の上面を示す図であり、走行方向に複数のフィルタ付き排気用ファン(第1排気手段)が適当な間隔をあけて取り付けてある。
【0009】
図1に示すように、気流が水平方向になるように走行ベース4に取り付けられた送風ファン11によって発生した水平方向の気流はブロック3とレール2の摺動やラックギヤ5と図示しないピニオンギヤの噛み合い部やケーブルベア6によって発生したダストを含む気流となり、防塵カバー7に取り付けられたフィルタ付き排気ファン12を介して排気用カバー13に沿って走行装置の外に排出される。
さらに、走行ベース4の位置を図示しない駆動モータの回転角度から把握し走行ベース4近傍のフィルタ付き排気ファン12を作動させる。
【0010】
本実施例によれば、排出される気流はフィルタ付き排気ファン12のフィルタによってダストが濾過されるため清浄な気流となって走行装置の外に排出される。
また、送風ファン11、フィルタ付き排出ファン12を水平方向に取り付けることで、走行装置全体の高さを抑えることが出来る。
さらに、走行装置全体ではなくダストが発生する部位に局部的に気流を発生させることが出来るため、消費電力を抑えることが出来る。
【実施例2】
【0011】
図3は第2実施例の構成を示す図であり、フィルタ付き排気ファン12の代わりにフィルタ無し排気ファン(第1排気手段)102にて構成している。そのため、排気ダクト101を設けその排気口に排気フィルタ103を装着している。
なお、必要であれば排気フィルタ103の前方あるいは後方に排気ファン(第2排気手段)を設置し走行装置内の気流の強さを調整することも出来る。
【実施例3】
【0012】
図4は第3実施例の構成を示す図である。排気ファンの代わりに開閉弁105を用いて構成しており、実施例2と同様に排気ダクト101の排気口に排気ファン104と排気フィルタ103を装着している。走行ベース4の位置によって開閉弁105の開口率を変化させることで走行装置内に局所的な気流を発生させることが出来る。
【0013】
なお、送風機構をなくすために、ダウンフローや周囲からの気流の流れ込みなど横方向の気流を作り出すようにカバー開口部に工夫しても良い。また、上記実施例を組み合わせても良い。
【実施例4】
【0014】
本実施例は、実施例1と2の組合せによるものである。
図5は、本実施例の液晶搬送ロボットを示す図である。図において、51は第1のアーム、52は第2のアームであり、支持部材56で連結されている。また、先端にはそれぞれハンド53が取り付けられている。第1のアーム、第2のアームは、それぞれ水平多関節形であり、第1と第2のアームを伸縮させて、ハンドに載置した液晶ガラス基板を搬送する。55は、上下軸コラム(走行装置)であり、支持部材56を上下に駆動することで、第1と第2のアームを上下方向に移動させるものである。すなわち、実施例1記載の走行装置に、第1および第2のアームが設けられた構成となっている。
【0015】
図6は、上下軸の構成を示す垂直断面図および水平断面図である。支持部材56に固定されるアームについては、記載は省略している。また、アーム(支持部材56)を上下に駆動する駆動機構、例えば、ラック&ピニオン機構についても記載は省略している。
図において、62は上下軸コラム55内を室A(第1の室)とB(第2の室)に仕切る隔壁である。
65は、隔壁62に複数並んで設けられた小型排気ファン(第1排気ファン)であり、室AからBの方向へとエアを排気する。66は、室B下部に設けられたフィルタ付き大型排気ファン(第2排気ファン)であり、小型排気ファン65によって排気されたエアを室Bから上下軸コラム55外部へと排気する。
【0016】
次に、その動作について以下に説明する。
アーム(支持部材56)が上下軸に沿って動作すると、駆動機構等から塵が発生する。上下軸の駆動機構は、全て室A内に収められているために、室Aのカバーやシールベルトの隙間から上下軸コラム55外に流出しようとする。ここで、小型排気ファン65が動作していると、室A内は負圧となり、ここから塵が上下軸コラム55外に流出することなく、室Bへ排出される。室Bに排出された塵は、さらに上下軸コラム55下部に設けられた大型排気ファン66によって排出されるが、フィルタで濾過されるため、外部に塵が流出することは無くなる。
さらに、アームを上下動作すると、アーム位置検出手段(不図示)が検出した位置に応じて、支持部材56の近傍にある小型排気ファンのみを通常の回転数で動作させ、それ以外は回転数を落として動作させる。
【0017】
本実施例によれば、塵の外部への流出を最小限に抑えることができる。発塵部分の近傍にある小型排気ファンのみを発塵部分の位置に応じて動作させるので、消費電力を抑えると共に、騒音の低減を図ることができる。また、大型排気ファン66は室B下部に設けられているので、クリーンルーム内のダウンフローを乱すことがない。
なお、支持部材56の近傍にある小型排気ファンのみを通常の回転数で動作させるだけでなく、支持部材56が通過した直後は、通常の回転数で動作させ、一定時間経過後に回転数を落としても良い。さらに、回転数を落とすのではなく、動作を完全に停止させても良い。さらに、アームの駆動機構の通過速度が速いときは、長い時間経過した後に、遅い時は、短い時間経過した後に回転数を落としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例を示す走行装置の断面図
【図2】本発明の第1実施例を示す走行装置の断面図
【図3】第2実施例を示す走行装置の平面図
【図4】第3実施例を示す走行装置の平面図
【図5】第4実施例を示すロボット
【図6】上下軸コラムの断面図
【図7】従来の走行装置を備えたロボットの外観図
【符号の説明】
【0019】
1 筐体
2 レール
3 ブロック
4 走行ベース
5 ラックギヤ
6 ケーブルベア
7、8、9、10 防塵カバー
11 送風ファン
12 フィルタ付き排気ファン
13 排気用カバー
100 気流の向きを示す矢印
101 排気ダクト
102 フィルタ無し排気ファン
103 排気フィルタ
104 排気ファン
105 開閉弁
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−18497(P2008−18497A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192555(P2006−192555)