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吸着パッド及びそれを用いた表示パネルの製造装置 - 特開2008−12637 | j-tokkyo
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【発明の名称】 吸着パッド及びそれを用いた表示パネルの製造装置
【発明者】 【氏名】斉藤 貴翁

【要約】 【課題】耐久性の向上を図る。

【構成】パッド本体31の下面側には、弾性材料からなる弾性パッド部32が接続されている。弾性パッド部32は、吸着時に被吸着物である液晶パネル11に対して当接可能とされる。パッド本体31及び弾性パッド部32には、内部を貫通し弾性パッド部32における液晶パネル11との対向面に開口する排気路42が確保されている。パッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34は、外周側からカバー35によって保持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被吸着物を真空吸着して保持するための吸着パッドであって、
パッド本体と、
前記パッド本体よりも軟質な弾性材料からなり、パッド本体に接続されるとともに吸着時に前記被吸着物に対して当接される弾性パッド部と、
前記パッド本体及び前記弾性パッド部を貫通し弾性パッド部における前記被吸着物との対向面に開口する排気路と、
前記パッド本体及び前記弾性パッド部の接続部分を外周側から保持する保持部材とを備える吸着パッド。
【請求項2】
前記保持部材は、前記接続部分をほぼ全周にわたって取り囲む略筒状に形成されている請求項1記載の吸着パッド。
【請求項3】
前記保持部材は、弾性材料からなるとともに前記接続部分に対して圧接可能な弾性保持部と、この弾性保持部よりも硬質な材料からなるとともに弾性保持部の外周側に配される受け部とにより構成されている請求項1または請求項2記載の吸着パッド。
【請求項4】
前記保持部材は、ヒンジ部を介して開閉可能に組み付けられた一対の半割部品により構成され、前記接続部分に対して着脱可能とされている請求項2または請求項3記載の吸着パッド。
【請求項5】
前記弾性パッド部は、多層構造に形成され、層間の界面が曲面形状または凹凸形状に形成されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吸着パッド。
【請求項6】
前記弾性パッド部は、硬さが異なる複数の材料によって多層構造に形成され、このうち前記パッド本体に隣接する層が、パッド本体とは反対側に隣接する層よりも硬質な材料により形成されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の吸着パッド。
【請求項7】
表示パネルを製造するのに用いられるものであって、前記請求項1ないし前記請求項6のいずれかに記載の吸着パッドを備えている表示パネルの製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着パッド及びそれを用いた表示パネルの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、大まかには、表示パネルである液晶パネルと、液晶パネルに対して光を照射する外部光源であるバックライトとから構成され、このうち液晶パネルは、一対のガラス製の基板間に液晶を挟持した構造を有する。この液晶パネルの製造工程で用いられる搬送装置や分断装置では、基板や液晶パネルを真空吸着して保持するようにしており、そのために吸着パッドが備えられている。
【0003】
吸着パッドは、例えば金属製のパッド本体と、パッド本体に接続され基板や液晶パネルに対して当接されるゴム製の弾性パッド部とからなる。パッド本体及び弾性パッド部には、排気路が弾性パッド部における基板や液晶パネルとの対向面に開口する形態で貫通形成されている。この弾性パッド部を基板や液晶パネルに当接させた状態で排気路から真空ポンプなどで排気することで、基板や液晶パネルが弾性パッド部に真空吸着される。この吸着時には、弾性パッドが弾性変形することで、基板や液晶パネルに対する密着度が高められるとともに緩衝が図られるようになっている。
【0004】
なお、この種の吸着パッドの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【特許文献1】特開2003−191191公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板や液晶パネルを真空吸着する際や、保持した基板や液晶パネルを移動させる際には、弾性パッド部に横向き、つまり接続部分の面方向に沿った向きの力が作用することがある。このとき、金属製のパッド本体に対してゴム製の弾性パッド部が横方向にずれると、両者の接続部分の界面に剥離が生じるおそれがあり、このため、弾性パッド部の交換頻度が高くなる、という問題があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、耐久性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吸着パッドは、被吸着物を真空吸着して保持するための吸着パッドであって、パッド本体と、前記パッド本体よりも軟質な弾性材料からなり、パッド本体に接続されるとともに吸着時に前記被吸着物に対して当接される弾性パッド部と、前記パッド本体及び前記弾性パッド部を貫通し弾性パッド部における前記被吸着物との対向面に開口する排気路と、前記パッド本体及び前記弾性パッド部の接続部分を外周側から保持する保持部材とを備える構成とされる。
【0008】
このようにすると、弾性パッド部を被吸着物に当接させつつ排気路から排気すると、被吸着物が弾性パッド部に真空吸着されて保持される。この真空吸着時などには、弾性パッド部に対し、接続部分の面方向に沿った向きの力が作用することがあるが、接続部分を外周側から保持部材により保持するようにしたから、この保持部材により上記力を受けることができるとともに、パッド本体に対する弾性パッド部のずれを抑制できる。これにより、接続部分に剥離が生じ難くすることができる。
【0009】
本発明の実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記保持部材は、前記接続部分をほぼ全周にわたって取り囲む略筒状に形成される構成とする。このようにすれば、接続部分の剥離防止に一層有効となる。その上、保持部材による接続部分の保護にもより有効となる。
【0010】
(2)前記保持部材は、弾性材料からなるとともに前記接続部分に対して圧接可能な弾性保持部と、この弾性保持部よりも硬質な材料からなるとともに弾性保持部の外周側に配される受け部とにより構成されるものとする。このようにすれば、接続部分に対して圧接された弾性保持部が、それよりも硬質な材料からなる受け部によって外周側で受けられるから、接続部分をほぼ隙間無く保持することができる。
【0011】
(3)前記保持部材は、ヒンジ部を介して開閉可能に組み付けられた一対の半割部品により構成され、前記接続部分に対して着脱可能とされる構成とする。このようにすれば、保持部材を接続部分から取り外すことで、弾性パッド部の交換作業を容易に行うことができる。
【0012】
(4)前記弾性パッド部は、多層構造に形成され、層間の界面が曲面形状または凹凸形状に形成される構成とする。このようにすれば、弾性パッド部の層間の界面における表面積が増加するので、弾性パッド部に作用する力の分散化を図ることができる。
【0013】
(5)前記弾性パッド部は、硬さが異なる複数の材料によって多層構造に形成され、このうち前記パッド本体に隣接する層が、パッド本体とは反対側に隣接する層よりも硬質な材料により形成される構成とする。このようにすれば、弾性パッド部に作用する力を、パッド本体に隣接する層とは反対側の軟質な材料からなる層によって良好に吸収することができる。
【0014】
(6)表示パネルを製造するのに用いられるものであって、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の吸着パッドを備えている表示パネルの製造装置とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐久性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10を構成する液晶パネル11の製造工程で用いられる装置に備えられた吸着パッド30を例示する。
【0017】
まず、液晶表示装置10の構造について説明する。液晶表示装置10は、図1に示すように、大まかには、画像を表示するための液晶パネル11と、液晶パネル11の裏側(後側)に配される外部光源であるバックライト12とを互いに組み付けた構成とされる。液晶パネル11は、その裏側のバックライト12と、表側(前側)に配された略枠形をなすベゼル13との間に挟まれた状態で保持される。
【0018】
バックライト12は、表側(液晶パネル11側)に向けて開口した略箱形をなすケース14と、ケース14内に互いに平行に並んだ状態で収容される複数本の線状光源15(例えば冷陰極管)と、ケース14の開口部に積層した状態で配される複数の光学シート16(例えば裏側から順に拡散板、拡散シート、レンズシート、及び輝度上昇シート)と、これら光学シート16群をケース14との間で挟んで保持するための略枠状のフレーム17とから構成される。各光学シート16は、各線状光源15から発せられる光を面状に変換するなどの機能を有するものである。
【0019】
液晶パネル11は、大まかには、全体として矩形状をなしており、一対の透明な(透光性を有する)ガラス製の基板18,19と、両基板18,19間に挟持されるとともに電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶20とを備えている。両基板18,19は、互いに対向するとともに図示しないスペーサによって間に所定の間隔(ギャップ)を空けた状態で貼り合わせられ、間に挟持された液晶20は、シール剤21によって取り囲まれて液密状態に保たれる。また、両基板18,19の外面側には、それぞれ表裏一対の偏光板22,23が貼り付けられている。
【0020】
両基板18,19は、表側がCF基板18とされ、裏側がアレイ基板19とされる。アレイ基板19における内面側(液晶20側、CF基板18との対向面側)には、スイッチング素子(例えばTFT)及び画素電極が多数個並んで設けられるとともに、これらスイッチング素子及び画素電極(画素)の周りには、格子状をなすソース配線及びゲート配線が取り囲むようにして配設されている。アレイ基板19の縁近辺には、各配線の端子部が設けられ、この端子部に対して画像信号を供給する外部回路に接続されたドライバ(電子部品)が圧着接続されるようになっている。一方、CF基板18には、アレイ基板19側の画素電極と対向する対向電極が設けられるとともに、各画素に対応した位置にカラーフィルタが多数個並んで設けられている。カラーフィルタは、R,G,Bの三色が交互に並ぶ配置とされる。
【0021】
続いて、上記した構成の液晶表示装置10のうち、液晶パネル11の製造工程について簡単に説明する。各基板18,19をなす母材(マザーガラス)に対して、既知のフォトリソグラフィ法などによりスイッチング素子やカラーフィルタなどを形成した後、母材の状態の両基板18,19を貼り合わせるとともに、その間に液晶20を注入してから、製造する液晶パネル11の大きさに合わせて分断する。得られた液晶パネル11に対して偏光板22,23を貼り付けるとともに、アレイ基板19側にドライバを実装する作業などを行う。
【0022】
上記した液晶パネル11の製造過程では、母材の状態の基板18,19や液晶パネル11を搬送したり、所定の位置に固定する必要があることから、各製造装置(例えば基板分断装置やドライバの実装装置)には、基板18,19や液晶パネル11を真空吸着して保持するための吸着パッド30が備えられている。続いて、各種の製造装置に用いられる吸着パッド30について詳細に説明する。なお、この吸着パッド30は、図示はしないが、製造装置に多数個設置され、協同して基板18,19や液晶パネル11を搬送したり固定することができるようになっている。
【0023】
吸着パッド30は、図2に示すように、大まかにはパッド本体31と、パッド本体31に接続される弾性パッド部32と、パッド本体31及び弾性パッド部32を貫通して設置された排気管33と、パッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34に対して着脱可能に取り付けられるカバー35とから構成される。なお、本実施形態に係る接続部分34は、詳細は続いて説明するが、パッド本体31のうちの拡径部36と、弾性パッド部32のうちの第1層37及び第2層38(弾性パッド部32のうち密着片41を除いた部分)とからなる。
【0024】
パッド本体31は、金属材料(弾性パッド部32よりも硬質な材料)からなり、上端側が製造装置のうち液晶パネル11や基板18,19を搬送するための搬送部や、液晶パネル11や基板18,19を固定するための固定部を構成するシリンダに接続されるとともに、そのシリンダに対して上下動可能とされる。パッド本体31は、図示上下方向(被吸着物である液晶パネル11や基板18,19の板面と略直交する方向)に沿って延びる略円筒状に形成され、その下端部については段付き状に拡径した中空の略円柱状をなす拡径部36とされる。この拡径部36の下面側に次述する弾性パッド部32が接続されている。なお、パッド本体31の内径寸法は、全長にわたって同じとされる。
【0025】
弾性パッド部32は、ゴム材などの弾縮変形可能な弾性材料(パッド本体31よりも軟質な材料)からなるとともに、上下方向に沿って延びる中空の略円柱状に形成されている。弾性パッド部32は、パッド本体31の拡径部36の下面側(被吸着物である液晶パネル11や基板18,19側)に両面テープや接着剤などの固定手段によって接続状態に固定されている。弾性パッド部32は、その外径寸法及び内径寸法がパッド本体31の拡径部36とほぼ同じに設定され、外周面及び内周面が段差無く連続している。
【0026】
この弾性パッド部32は、硬さが異なる2種類の弾性材料により2層構造に形成されており、硬質な弾性材料からなる第1層37と、軟質な弾性材料からなる第2層38とを上下に積層した構造となっている。弾性パッド部32の第1層37の上面と、パッド本体31の拡径部36の下面とが両者31,32の接続面39とされ、両接続面39は共に上下方向と略直交する水平な面として形成されている。
【0027】
弾性パッド部32における第1層37と第2層38との界面40は、波形の曲面形状に形成されており、界面40における表面積の増大化が図られている。第2層38の下面38aにおける周縁部からは、薄肉状で先端側に行くに連れて径寸法が次第に大きくなる、いわゆるラッパ状に形成された密着片41が下方へ突出して設けられている。吸着時には、この密着片41が液晶パネル11や基板18,19に対して密着されるようになっている。また、弾性パッド部32は、例えば二色成形などにより一体に形成されている。なお、図2では被吸着物として偏光板22,23を貼り付ける前の状態の液晶パネル11の概略を例示している。
【0028】
排気管33は、合成樹脂製とされ、上下方向に沿って延びる略円筒状に形成されている。この排気管33は、パッド本体31及び弾性パッド部32の内部空間(中心位置)を上下に貫通した状態で設けられている。この排気管33は、下端部が弾性パッド部32における第2層38の下面38aの中心位置に開口しており、その内部空間が密着片41により囲まれた空間に連通している。この排気管33内の空間及び密着片41により囲まれた空間が、吸着パッド30における排気路42とされる。この排気路42は、弾性パッド部32の下面(被吸着物である液晶パネル11や基板18,19との対向面)に開口するとともに、排気管33の上端側に接続された真空ポンプPによって排気されるようになっている。
【0029】
続いて、カバー35について詳細に説明する。カバー35は、図2及び図3に示すように、大まかには一対の半割部品43がヒンジ部44を介して開閉可能に組み付けられた構成とされ、パッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34における外周側に着脱可能に装着されるようになっている。両半割部品43のうち、一方の半割部品43におけるヒンジ部44とは反対側の端部には、ロック片45が設けられ、他方の半割部品43におけるヒンジ部44とは反対側の端部には、ロック片45が係止可能なロック部46が設けられており、これにより両半割部品43が閉止状態でロック(保持)されるようになっている。両半割部品43は、上下方向に沿って延びる略半円筒状をなし、その上端部には、径方向について内側に張り出す張出部47が形成されている。張出部47は、パッド本体31の拡径部36における上端面に対して当接(係止)可能とされている。
【0030】
両半割部品43は、装着状態では周方向に関してパッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34の外周面を全周にわたって覆うことができる一方、上下方向については、パッド本体31の拡径部36の上端位置から、パッド本体31と弾性パッド部32との接続面39を越えて、さらに弾性パッド部32における両層の界面40よりも下側の位置に至る範囲を覆うような長さに設定されている。
【0031】
そして、両半割部品43は、ゴム材などの弾縮変形可能な弾性材料からなる弾性保持部48と、金属材料(弾性保持部48をなす弾性材料よりも硬質な材料)からなる受け部49とを内外に配した2層構造とされる。このうち、弾性保持部48における張出部47を除いた筒状部分の内径寸法は、パッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34の外径寸法よりも少し小さく設定されているので、装着状態では、弾性保持部48がやや弾縮された状態でその内周面が接続部分34の外周面に対して圧接されるようになっている。この装着状態では、弾性保持部48がその外周側に配される受け部49によって受けられることで、接続部分34の外周面に対してほぼ隙間無く密着されるようになっている。なお、本実施形態に係る弾性保持部48を構成する弾性材料の硬さは、弾性パッド部32の第1層37をなす弾性材料とほぼ同じかそれよりも硬くなる設定とされる。但し、弾性保持部48を構成する弾性材料の硬さは、それ以外にも任意に変更可能である。
【0032】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。本実施形態では、偏光板22,23を貼り付ける前の状態の液晶パネル11を吸着パッド30により真空吸着する場合を示す。吸着作業を行う前の段階で、予めカバー35をパッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34に装着しておくものとする。
【0033】
図2に示す状態から吸着パッド30を液晶パネル11に向けて下降させるか、液晶パネル11を載せたステージ(図示せず)を上昇させるかして、吸着パッド30を液晶パネル11に対して上下方向について相対変位させることで、弾性パッド部32の密着片41を液晶パネル11の表面に当接させる。この状態で真空ポンプPによって排気路42内の空気を吸引して排気を行う。すると、図4に示すように、密着片41が液晶パネル11の表面に密着されるとともに、液晶パネル11が吸着パッド30により真空吸着されて保持される。この状態で、例えば吸着パッド30を移動させることにより、液晶パネル11を搬送することができる。
【0034】
ところで、真空吸着したり真空破壊する際や、液晶パネル11を搬送する際には、弾性パッド部32に対して、横向き(上下方向と略直交する方向、接続部分34の接続面39の面方向に沿った向き)の力が作用することがある。その場合でも、パッド本体31及び弾性パッド部32の接続部分34が外周側からカバー35によって保持されているので、このカバー35によって上記した横向きの力を受けることができる。
【0035】
詳しくは、カバー35のうち弾性保持部48は、外周側に配された金属製の受け部49により受けられることで、接続部分34の外周面に対して圧接し隙間無く密着している。従って、横向きの力により弾性パッド部32がパッド本体31に対して相対的に横方向に変形しようとしても、圧接した弾性保持部48が弾性パッド部32と共に変形することで、作用する力を吸収できるとともに、弾性パッド部32の変形量が抑制される。これにより、パッド本体31に対する弾性パッド部32の横ずれを抑制することができ、接続面39に剥離が生じ難くすることができる。
【0036】
さらには、弾性パッド部32のうち、吸着時に液晶パネル11に対して直接接触する密着片41を備えた第2層38が、パッド本体31に接続された第1層37よりも軟質な弾性材料により形成されているから、上記横向きの力が作用したときに、第2層38が比較的大きく変形するので、第1層37の変形量が抑制されることになる。これにより、パッド本体31に対する第1層37の横ずれを抑制することができるので、接続面39に一層剥離が生じ難くすることができる。以上により、弾性パッド部32の交換頻度を下げることができ、もって吸着パッド30の耐久性を向上させることができる。
【0037】
上記のように接続部分34の劣化が抑制されているとはいえ、その劣化は経時的に徐々に進行するため、メンテナンスにより弾性パッド部32を交換しなければならない場合がある。その場合でも、カバー35は、ヒンジ部44を介して開閉可能な半割部品43により構成されているので、接続部分34から容易に取り外すことができ、もって弾性パッド部32の交換作業を簡単に行うことができる。
【0038】
以上説明したように本実施形態によれば、パッド本体31と弾性パッド部32との接続部分34を外周側からカバー35によって保持するようにしたから、カバー35により弾性パッド部32に対して作用する接続部分34の面方向に沿った向きの力を受けることができ、パッド本体31に対する弾性パッド部32のずれを抑制することができる。これにより、接続部分34に剥離が生じ難くすることができ、もって吸着パッド30の耐久性の向上を図ることができる。なお、カバー35が接続部分34の外周側に配されているので、仮に内周側に配した場合にカバー(保持部材)を排気路42に設置しなければならないのと比較すると、排気路42ひいては吸着パッド30の設計上の制約を低減でき、また接続部分34の保護も図ることができる。
【0039】
また、カバー35が接続部分34をほぼ全周にわたって取り囲む略筒状に形成されているから、弾性パッド部32に作用する力を確実に受けることができ、接続部分34の剥離防止に一層有効となる。その上、カバー35による接続部分34の保護に一層有効となる。
【0040】
また、カバー35が、弾性材料からなるとともに接続部分34に対して圧接可能な弾性保持部48と、弾性保持部48よりも硬質な材料である金属材料からなるとともに弾性保持部48の外周側に配される受け部49とにより構成されているから、弾性保持部48により接続部分34をほぼ隙間無く保持することができる。
【0041】
また、カバー35が、ヒンジ部44を介して開閉可能に組み付けられた一対の半割部品43により構成され、接続部分34に対して着脱可能とされているから、カバー35を接続部分34から取り外すことで、弾性パッド部32の交換作業を容易に行うことができる。
【0042】
また、弾性パッド部32が、2層構造に形成され、両層37,38間の界面40が曲面形状に形成されているから、弾性パッド部32の両層37,38間の界面40における表面積が増加するとともに、界面40が横方向に対して交差する面を含むことになるので、弾性パッド部32に作用する力の分散化を図ることができる。
【0043】
また、弾性パッド部32が、硬さが異なる2種類の弾性材料によって2層構造に形成され、このうちパッド本体31に隣接する第1層37が、パッド本体31とは反対側に隣接する第2層38よりも硬質な弾性材料により形成されているから、弾性パッド部32に作用する力を、軟質な第2層38によって良好に吸収することができ、第1層37とパッド本体31との接続面39への影響を緩和することができる。
【0044】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図5によって説明する。この実施形態2では、弾性パッド部32Aの構造を変更したものを示す。なお、この実施形態2では、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0045】
弾性パッド部32Aは、図5に示すように、パッド本体31に接続された第1層37Aと、その下側に設けられた第2層38Aと、さらにその下側に設けられた第3層50とから構成される。第1層37Aと第3層50とは、同じ弾性材料により構成され、その弾性材料は第2層38Aを構成する弾性材料よりも硬質なものとなっている。第3層50の下面50aには、薄肉状の密着片41Aが周縁部から突設されるとともに、中心位置には排気管33が開口している。また、各層37A,38A,50間の界面40A,51は曲面形状とされる。
【0046】
以上のように、弾性パッド部32Aのうち、被吸着物である液晶パネル11や基板18,19と直接接触する第3層50について、パッド本体31に接続された第1層37Aに隣接する第2層38Aよりも硬質な弾性材料により形成したから、液晶パネル11や基板18,19との間で生じる摩擦による弾性パッド部32Aの劣化を抑制することができる。なお、第3層50の弾性材料は、必ずしも第1層37Aと同じものである必要はなく、第1層37Aとは異なる弾性材料を用いても構わない。
【0047】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図6によって説明する。この実施形態3では、パッド本体31Bと弾性パッド部32Bとの接続面39Bの形状を変更したものを示す。なお、この実施形態3では、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0048】
パッド本体31B及び弾性パッド部32Bの接続面39Bには、図6に示すように、段付きの凹凸形状に形成されている。詳しくは、パッド本体31Bの拡径部36Bの下面には、多数個の凹部52が形成されているのに対し、弾性パッド部32Bの第1層37Bの上面には、上記凹部52に対して嵌合される凸部53が多数個形成されている。凹部52及び凸部53は、その周面が横方向に沿った面と上下方向に沿った面とを有するとともに、互いの周面が当接した状態に保たれている。
【0049】
以上により、パッド本体31B及び弾性パッド部32Bの接続面39Bにおける表面積が増加するとともに、接続面39Bが横方向に対して直交する上下方向に沿った面を含んでいるから、接続面39Bに一層剥離が生じ難くすることができる。なお、上記とは逆に、パッド本体31B側に凹部を、弾性パッド部32B側に凸部を設けるようにしても構わない。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0051】
(1)上記した実施形態では、カバーを着脱可能な別体とした場合を例示したが、パッド本体または弾性パッド部に対してカバーを一体的に固定したものも本発明に含まれる。また、必ずしもカバーが一対の半割部品から構成されるものに限らず、他の形態のカバーを用いるようにしても構わない。
【0052】
(2)上記した実施形態では、パッド本体を金属製とした場合を例示したが、弾性パッド部に用いられる弾性材料と比較して硬質な材料であれば、合成樹脂材料など他の材料を用いるようにしても構わない。カバーの受け部の材料についても、同様に、金属材料以外に合成樹脂材料など他の材料を用いるようにしても構わない。
【0053】
(3)上記した実施形態では、カバーが接続部分の全周を覆う形態のものを例示したが、接続部分を周方向について部分的に覆う形態(筒状以外の形状)の保持部材を用いるようにしてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
【0054】
(4)上記した実施形態では、カバーが弾性保持部と受け部とからなる2層構造のものを例示したが、弾性保持部または受け部のいずれか一方のみにより構成される形態としてもよい。逆に、カバーを3層以上の多層構造としてもよい。
【0055】
(5)上記した実施形態では、弾性パッド部が2層構造または3層構造のものを例示したが、弾性パッド部を4層以上の多層構造としてもよい。
【0056】
(6)上記した実施形態では、弾性パッド部の層間の界面を曲面形状としたものを例示したが、段付きの凹凸形状または横方向に沿って真っ直ぐな平面形状としたものも本発明に含まれる。
【0057】
(7)上記した実施形態では、排気管が弾性パッド部に達する形態のものを例示したが、排気管がパッド本体に留まり、弾性パッド部に排気管に連通する孔を形成するようにしたものも本発明に含まれる。
【0058】
(8)上記した実施形態では、被吸着物として液晶パネルを図示したが、液晶パネルを構成する基板(マザーガラス)を吸着するものも勿論本発明に含まれる。また、被吸着物として液晶パネル以外の表示パネルを扱うものにも本発明は適用可能である。さらには、被吸着物として表示パネル以外にも、例えばプリント基板など他の種類の板状部材を扱うものにも本発明は適用可能である。また、被吸着物として板状ではない部材を扱うものにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の断面図
【図2】吸着パッド及び液晶パネルの断面図
【図3】吸着パッドの平面図
【図4】吸着パッドにより液晶パネルを真空吸着した状態を示す断面図
【図5】本発明の実施形態2に係る吸着パッドの断面図
【図6】本発明の実施形態3に係る吸着パッドの断面図
【符号の説明】
【0060】
11…液晶パネル(被吸着物)
18,19…基板(被吸着物)
30…吸着パッド
31,31B…パッド本体
32,32A,32B…弾性パッド部
34…接続部分
35…カバー(保持部材)
37,37A,37B…第1層(層)
38,38A…第2層(層)
40,40A,51…界面
42…排気路
43…半割部品
44…ヒンジ部
48…弾性保持部
49…受け部
50…第3層(層)
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100096840
【弁理士】
【氏名又は名称】後呂 和男

【識別番号】100124187
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 二郎

【識別番号】100124198
【弁理士】
【氏名又は名称】水澤 圭子


【公開番号】 特開2008−12637(P2008−12637A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188297(P2006−188297)