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【発明の名称】 人物識別システム
【発明者】 【氏名】清水 宏明

【要約】 【課題】特定人物の識別精度の向上が図れる人物識別システムを提供すること。

【構成】特定人物Mの識別に用いる識別情報において特定人物Mを識別するのに不足している条件を判断し、特定人物Mを追尾して移動するモビルロボットRにより上記条件となったときに特定人物Mの識別に用いる特徴情報を取得し、その特徴情報を特定人物Mの識別に用いる識別情報として設定して識別情報の更新を行う。特定人物Mを追尾するモビルロボットRにより識別に必要な特徴情報を取得するため、タイミングを逃すことなく確実にその特徴情報を取得することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定人物の識別を行う人物識別システムであって、
前記特定人物の識別に用いる識別情報において前記特定人物を所定以上の精度で識別するのに不足している条件を判断する判断手段と、
前記特定人物を追尾して移動しながら、前記判断手段に判断された条件となったときに前記特定人物の識別に用いる特徴情報を取得する自律移動体と、
前記自律移動体により取得された特徴情報を前記特定人物の識別に用いる識別情報として設定して前記識別情報の更新を行う識別情報更新手段と、
を備えた人物識別システム。
【請求項2】
前記判断手段は、前記特定人物の識別に用いる識別情報において前記特定人物を所定以上の精度で識別するのに不足している天候条件若しくは照度条件を判断し、
前記自律移動体は、前記天候条件若しくは前記照度条件となったときに前記特定人物の識別に用いる特徴情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の人物識別システム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記特定人物の識別に用いる識別情報において前記特定人物を所定以上の精度で識別するのに不足している前記特定人物の向き条件を判断し、
前記自律移動体は、前記特定人物の向き条件となったときに前記特定人物の識別に用いる特徴情報を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の人物識別システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特定人物の識別を行う人物識別システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特定人物の識別を行う装置として、例えば、自走式の自動搬送ロボットであって、取扱い登録者の人体の特徴などを読み取って登録者を認識する登録者認識部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、取扱い登録者を認識することにより、搬送物の盗難などを防止してセキュリティ機能を向上させようとするものである。
【特許文献1】特開2001−287183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような装置にあっては、認識時の天候や明るさが異なるなど認識環境が変化した場合、それに類似する登録者の特徴情報を取得していないと、登録者の識別が困難となる。そのような事態を回避するためには、登録者の特徴情報などを事前に多数記憶し、その記憶データに基づいて識別対象人物が登録者であるか否かを識別することが考えられる。ところが、登録者の特徴情報など多大なデータ数になると、登録者の固有の特徴が薄れて識別精度が低下するおそれがある。
【0004】
そこで本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、特定人物の識別精度の向上が図れる人物識別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明に係る人物識別システムは、特定人物の識別を行う人物識別システムであって、前記特定人物の識別に用いる識別情報において前記特定人物を所定以上の精度で識別するのに不足している条件を判断する判断手段と、前記特定人物を追尾して移動しながら、前記判断手段に判断された条件となったときに前記特定人物の識別に用いる特徴情報を取得する自律移動体と、前記自律移動体により取得された特徴情報を前記特定人物の識別に用いる識別情報として設定して前記識別情報の更新を行う識別情報更新手段とを備えて構成されている。
【0006】
この発明によれば、特定人物を追尾して移動する自律移動体によって特定人物の識別に用いる特徴情報を取得することにより、識別に必要な特徴情報を取得できる時にタイミングを逃すことなく確実にその特徴情報を取得することができる。このため、特定人物の識別精度の向上が図れる。
【0007】
また本発明に係る人物識別システムにおいて、前記判断手段は、前記特定人物の識別に用いる識別情報において前記特定人物を所定以上の精度で識別するのに不足している天候条件若しくは照度条件を判断し、前記自律移動体は、前記天候条件若しくは前記照度条件となったときに前記特定人物の識別に用いる特徴情報を取得することが好ましい。
【0008】
また本発明に係る人物識別システムにおいて、前記判断手段は、前記特定人物の識別に用いる識別情報において前記特定人物を所定以上の精度で識別するのに不足している前記特定人物の向き条件を判断し、前記自律移動体は、前記特定人物の向き条件となったときに前記特定人物の識別に用いる特徴情報を取得することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、識別に必要な特徴情報を取得できる時に確実に取得することにより、特定人物の識別精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
【0011】
図1は本発明の第一実施形態に係る人物識別システムのモビルロボット及び特定人物を模式的に示した平面図、図2はモビルロボットの構造を示す側面図、図3はモビルロボットと基地局との関係を示す模式図、図4はモビルロボットにおける制御装置の構成概要を示すブロック図、図5は基地局の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、特定人物Mは、識別すべき対象となる人物であり、例えばモビルロボットRの使用者、オーナー、もしくは主人である。モビルロボットRは、特定人物Mを追尾して移動する自律移動体である。このモビルロボットRは、特定人物Mと所定の位置関係を保ちながら移動するものであり、例えば特定人物Mの近傍において特定人物Mおよびその周辺状況を観測しつつその観測情報に基づいて特定人物Mを先導し、あるいは特定人物Mに追従する。
【0013】
図2に示すように、モビルロボットRは、走行装置1により移動可能なボディR1と、このボディR1に対して回転可能に接続されたヘッドR2とを備えている。ボディR1には、報知、警報、案内などの各種のメッセージを画像や文字により表示可能なディスプレイ2が設置されている。そして、このボディR1には、電源としてのバッテリ3、ヘッドR2を回転駆動するためのヘッド駆動モータ4の他、走行装置1、ディスプレイ2、ヘッド駆動モータ4などを制御するための制御装置5が内蔵されている。
【0014】
一方、モビルロボットRのヘッドR2には、特定人物Mおよびその周辺に存在する障害物(他の人物や動物、構造物、設置物、車両等)などを含む周辺状況をステレオ画像として観測するための左右一対のCCDカメラ(または赤外線カメラ)6A、6Bと、報知、警報、案内などの各種メッセージの音声を発声可能なスピーカ7とが設置されている。また、ヘッドR2には、他のモビルロボットや基地局との間で送受信を行うためのアンテナ8が設けられている。
【0015】
図3に示すように、モビルロボットRと基地局Bとの間では、信号の送受信が可能となっている。基地局Bは、モビルロボットRが取得した情報を収集する情報管理センタとして機能するものであり、例えば基地局Bと無線によりモビルロボットRと通信可能となっている。基地局Bは、センタ制御装置B1、送受信用のアンテナB4などを備えている。
【0016】
図1および図2に示すように、走行装置1は、例えば、ホイールインモータ1A、1Bにより回転方向および回転速度が左右独立に制御される左右一対の駆動車輪1C、1Dと、360度の旋回が可能なキャスタ車輪1Eと、を有する。
【0017】
この走行装置1は、左右一対の駆動車輪1C、1Dが同方向に前転駆動または後転駆動されることでモビルロボットRを前進または後退させる。その際、左右一対の駆動車輪1C、1Dの回転速度が同速度であればモビルロボットRを直進させ、左右一対の駆動車輪1C、1Dの回転速度に差があれば駆動車輪1C、1Dのうち回転速度の遅い側にモビルロボットRを旋回させる。そして、この走行装置1は、左右一対の駆動車輪1C、1Dが同速度で相互に逆方向に回転駆動されると、モビルロボットRをその場で左右の何れかに回転させる。
【0018】
ここで、制御装置5は、ECU(ElectricControl Unit)等のマイクロコンピュータのハードウェアおよびソフトウェアを利用して構成されている。この制御装置5は、ホイールインモータ1A、1Bやヘッド駆動モータ4の駆動回路、ディスプレイ2、CCDカメラ6A、6B、スピーカ7等との間の入出力インターフェースI/OおよびA/Dコンバータの他、プログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等をハードウェアとして備えている。
【0019】
そして、この制御装置5は、図4に示すように、画像生成部11、特定人物検出部12、ヘッド駆動モータ制御部13、走行障害物検出部14、ホイールインモータ制御部15、報知情報作成部16、表示制御部17、通信部18、データ収集部19及びデータベース20を備えている。
【0020】
CCDカメラ6A、6Bは、特定人物Mを含む周辺状況を撮影し、撮影データを計測時刻情報とともに画像生成部11に所定時間毎に出力する。画像生成部11は、左右のCCDカメラ6A、6Bから出力される左右の撮影データおよび計測時刻情報に基づいて各計測時刻におけるステレオ画像を順次生成し、その画像データを計測時刻情報とともに特定人物検出部12、走行障害物検出部14及びデータベース20へ所定時間毎に繰り返して出力する。
【0021】
このCCDカメラ6A、6Bは、モビルロボットRが屋外にいるときには空の色を撮像することにより天候検出手段として機能する。例えば、CCDカメラ6A、6Bが撮像した空の色に基づいて、その撮像時が晴れであるとか曇りであるとか天候を検出することができる。また、特定人物Mの影の有無に基づいて撮影時が晴れであるか否かを判定することができる。
【0022】
特定人物検出部12は、画像生成部11から順次出力される画像データに基づいて特定人物Mの検出を行うものであり、例えば、画像生成部11から順次出力される画像データに基づいて撮影画像のエッジ処理を行い、予め記憶されている特定人物Mの輪郭モデルとのマッチング処理により特定人物Mを検出する。特定人物検出部12は、検出された特定人物Mのステレオ画像をステレオマッチング処理することにより、特定人物Mの3次元位置を三角測量の原理で所定時間毎に推測して特定人物Mの3次元データを検出する。特定人物検出部12は、検出した特定人物Mの3次元位置データをヘッド駆動モータ制御部13およびホイールインモータ制御部15に出力する。
【0023】
ヘッド駆動モータ制御部13は、出力された特定人物Mの3次元位置データに基づき、特定人物Mがたとえば画像中央に位置するようにヘッド駆動モータ4の回転を制御してモビルロボットRのヘッドR2を回転させる。
【0024】
走行障害物検出部14は、画像生成部11から所定時間毎に順次出力された画像データに基づいて撮影画像のエッジ処理を行うことにより、撮影画像中に存在する障害物(他の人物や動物、構造物、設置物、車両等)を検出する。走行障害物検出部14は、検出された障害物のステレオ画像をステレオマッチング処理することにより、障害物の3次元位置を三角測量の原理で所定時間毎に推測して障害物の3次元データを検出する。走行障害物検出部14は、検出した障害物の3次元位置データをホイールインモータ制御部15および報知情報作成部16に出力する。
【0025】
ホイールインモータ制御部15は、出力された特定人物Mおよび障害物の3次元位置データに基づいて、モビルロボットRが特定人物Mの近傍において障害物を避けつつ特定人物Mを先導し、あるいは特定人物Mに追従するように、ホイールインモータ1A、1Bの回転を個別に制御して走行装置1の駆動車輪1C、1Dの回転方向および回転速度を個別に制御する。
【0026】
報知情報作成部16は、特定人物検出部12から出力された特定人物Mおよび走行障害物検出部14から出力された障害物の3次元位置データに基づき、モビルロボットRが特定人物Mの近傍において障害物があるか否かを検出する。また、障害物が検出された場合には、スピーカ7に障害物がある旨を報知させるとともに、ディスプレイ2に表示させて、特定人物Mに障害物の存在を知らせる。
【0027】
表示制御部17は、報知情報作成部16から表示情報を受けてディスプレイ2に画像表示信号や表示制御信号を出力してディスプレイ2の表示制御を行う。
【0028】
通信部18は、CCDカメラ6A、6Bで撮像した画像データを撮像時の時刻情報及び撮像時の位置情報と共に、図3に示す基地局Bへアンテナ8を介して送信する。その際、通信部18は、撮像時の位置情報を送信せず、画像データを撮像時の時刻情報と共に送信する場合もある。また、通信部18は、基地局Bのセンタ制御装置B1から送信される情報を受信し、受信した情報をデータベース20に記録する。
【0029】
データ収集部19は、指定された条件の下における特定人物Mの画像データを収集するものである。例えば、指定された条件が雨天時である場合、CCDカメラ6A、6Bに雨天時に特定人物Mの画像データを撮像させ、その画像データを特定人物Mの特徴情報として通信部18に基地局Bへ送信させる。
【0030】
モビルロボットRには、位置センサ9aが設けられている。位置センサ9aは、モビルロボットRが自己位置を検出する自己位置検出手段として機能するものである。位置センサ9aとしては、例えばGPS装置が用いられる。位置センサ9aにより検出された位置情報は、データベース20に記録される。その際、位置情報は、時刻情報と共に記録することが好ましい。
【0031】
また、モビルロボットRには、雨滴センサ9bが設けられている。雨滴センサ9bは、雨滴の有無を検出するセンサであって、天候検出手段として機能するものである。雨滴センサ9bにより検出された雨滴情報は、データベース20に記録される。その際、雨滴情報は、時刻情報と共に記録することが好ましい。
【0032】
さらに、モビルロボットRには、照度センサ9cが設けられている。照度センサ9cは、モビルロボットR周辺の照度を検出するセンサであって、照度検出手段として機能するものである。照度センサ9cにより検出された照度情報は、データベース20に記録される。その際、照度情報は、時刻情報と共に記録することが好ましい。
【0033】
図5に示すように、センタ制御装置B1は、通信部31、データベース32、識別性能判定部33、不足データ判断部34、データ収集指示部35、および識別学習部36を備えている。また、センタ制御装置B1には、モニタB2、表示内容入力部B3、およびアンテナB4が接続されている。
【0034】
通信部31は、モビルロボットRと通信するための通信手段であり、モビルロボットRから送信される画像データ、撮像時の時刻情報、撮像時の位置情報などを受信し、それらの受信データや受信情報をデータベース32に出力する。このデータベース32は、表示内容入力部B23の指令信号を受けて所定のデータや情報をモニタB2に出力する。
【0035】
また、データベース32は、特定人物Mを識別するための識別情報である識別画像データを記録保存している。この識別画像データは、画像撮像時の天候や照度に応じて分類して保存され、識別学習する際に用いられる。
【0036】
また、データベース32には、特定人物Mの識別性能を評価するための評価用画像データが記録保存されている。この評価用画像データは、特定人物Mの識別性能を評価する際に用いられる。
【0037】
識別性能判定部33は、データベース32に記録される識別画像データを用いて特定人物Mを識別する際の識別性能を判定するものであり、例えば画像撮像時の天候や照度に応じて分類された識別画像データ毎に識別性能値を算出し、その識別性能値が所定の設定しきい値以上であるか否かを判定する。
【0038】
不足データ判断部34は、データベース32に記録される識別画像データを用いて特定人物Mを識別する際に所定以上の識別精度で識別を行うために不足する識別画像データを判断するものである。
【0039】
データ収集指示部35は、不足データ判断部34で不足していると判断された識別画像データを収集させるものであり、通信部31にデータ収集指示信号を出力する。これにより、通信部31は、モビルロボットRに対し、所定条件において不足している画像データの収集指示の信号を送信する。
【0040】
識別学習部36は、データベース32において識別画像データとして設定される画像データに基づいて特定人物Mの識別学習を行うものである。この識別学習部36は、識別画像データとして新たな画像データが追加された場合には、その画像データを含む識別画像データにより識別学習を実行する。
【0041】
次に本実施形態に係る人物識別システムの動作について説明する。
【0042】
図3において、モビルロボットRは、特定人物Mを追従して移動しながら、特定人物Mを撮像し、その画像データを基地局Bに送信する。基地局Bでは、その画像データを受信し、画像データについて特定人物Mの識別性能の評価を行い、所定の識別性能を発揮するために不足する画像データを判定し、その不足データを収集するようにモビルロボットRに指令信号を送信する。また、基地局Bでは、画像データについて識別学習を行い、識別学習結果をモビルロボットRに送信する。モビルロボットRは、これらの信号を受信して、識別画像データを収集し、特定人物Mの識別に活用する。これにより、人物識別システムが、特定人物Mを識別する際のモビルロボットRのオンライン学習システムとして機能する。
【0043】
図6は、基地局Bにおける識別性能評価処理を示すフローチャートである。
【0044】
この図6の識別性能評価処理は、センタ制御装置B1によって所定の周期で繰り返し実行される。まず、S60に示すように、識別性能値の算出処理が行われる。識別性能値の算出処理は、データベース32に記録される特定人物Mを識別するための識別画像データについて識別性能値を算出する処理である。例えば、評価用画像データを用いられ、画像撮像時の天候や照度に応じて分類された識別画像データをその分類毎に識別性能値が算出される。識別性能値の算出手法としては、例えば識別画像データと評価用画像データの相関値が算出され、その相関値に基づいて識別性能値が算出される。
【0045】
そして、S62に移行し、識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であるか否かが判断される。この判断処理は、画像撮像時の天候や照度に応じて分類された分類毎に行われる。
【0046】
このS62にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であると判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S62にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合、例えばある分類で識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合には、特定人物Mの特徴情報として画像データの収集指示処理が行われる(S64)。
【0047】
この収集指示処理は、識別性能値が設定しきい値以上でない識別画像データを不足データとし、その不足データの撮像条件における識別画像データの収集をモビルロボットRに対して指示する処理である。例えば、雨天の天候条件における識別性能値が所定値より低い場合には、雨天の撮影条件における画像データの収集する指令信号をモビルロボットRに対して送信する。この収集指示処理を終えたら、識別性能評価処理の制御処理を終了する。
【0048】
図7は、モビルロボットRにおけるデータ収集処理を示すフローチャートである。
【0049】
この図7のデータ収集処理は、制御装置5によって所定の周期で繰り返し実行される。まず、S70に示すように、指定データ収集指令があるか否かが判断される。すなわち、通信部18が指定条件の画像データを収集する指令信号を受信したか否かが判断される。例えば、通信部18が指定条件の画像データを収集する指令信号を受信した場合に収集指令フラグをセットすることとし、この収集指令フラグがセットされているか否かに基づいて指定データの収集指令があったか否かを判断すればよい。
【0050】
S70にて指定データ収集指令がないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S70にて指定データ収集指令があると判断された場合には、指定条件の判定処理が行われる(S72)。例えば、雨天時の画像データを収集する指令があった場合には、雨滴センサ9bの検出信号に基づいて雨天条件になっているか否かが判定される。また、晴天時の画像データを収集する指令があった場合には、CCDカメラ6A、6Bの撮像画像を用いた空の色彩検出や影の有無検出などに基づき、晴天条件になっているか否かが判定される。また、所定照度の画像データを収集する指令があった場合には、照度センサ9cの検出信号に基づいて所定照度条件になっているか否かが判定される。
【0051】
そして、S74に移行し、指定条件となっているか否かが判断される。例えば、指定条件が雨天である場合、S72にて雨天であると判定された場合には指定条件となっていると判断される。一方、S72にて雨天でないと判定された場合には指定条件となっていないと判断される。
【0052】
S74にて指定条件となっていないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S74にて指定条件となっていると判断された場合には、データ収集処理が行われる(S76)。すなわち、CCDカメラ6A、6Bにより特定人物Mが撮像され、その撮像画像が特定人物Mの特徴情報としてデータベース20に記録される。この場合、複数の向きから特定人物Mの画像を取得することが好ましい。
【0053】
そして、S78に移行し、特徴情報送信処理が行われる。この特徴情報送信処理は、S76で取得された指定条件における特定人物Mの画像データを特徴情報として基地局Bに送信する処理である。この特徴情報送信処理を終えたら、モビルロボットRにおけるデータ収集処理を終了する。
【0054】
図8は、基地局Bにおける識別情報補充処理を示すフローチャートである。
【0055】
この図8の識別情報補充処理は、センタ制御装置B1によって所定の周期で繰り返し実行される。まず、S80に示すように、指定した特定人物Mの特徴情報を取得したか否かが判断される。すなわち、指定した条件における特定人物Mの画像データを受信したか否かが判断される。
【0056】
そのS80にて指定した特定人物Mの特徴情報を取得していないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、指定した特定人物Mの特徴情報を取得したと判断された場合には、特徴情報記録処理が行われる(S82)。特徴情報記録処理は、取得した特定人物Mの特徴情報である画像データを識別画像データとしてデータベース32に記録する処理である。その際、取得した画像データは、その画像データが属する分類に指定されて記録される。
【0057】
そして、S84に移行し、識別性能値の算出処理が行われる。識別性能値の算出処理は、データベース32に記録される特定人物Mを識別するための識別画像データについて識別性能値を算出する処理であり、図6のS60と同様に行われる。その際、S80で取得された画像データも識別画像データの一つに設定され、算出処理が行われる。
【0058】
そして、S86に移行し、識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であるか否かが判断される。この判断処理は、図6のS62と同様に行われ、例えば画像撮像時の天候や照度に応じて分類された分類毎に行われる。
【0059】
このS86にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であると判断された場合には、識別学習処理が行われる(S88)。識別学習処理は、識別画像データを用いて識別学習を行う処理である。例えば、分類分けされた識別画像データからパターン辞書を構成し、識別対象画像に対しパターン認識により識別できるようにする。
【0060】
一方、S86にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合、例えばある分類で識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合には、特定人物Mの特徴情報として画像データの収集指示処理が行われる(S90)。
【0061】
この収集指示処理は、識別性能値が設定しきい値以上でない識別画像データを不足データとし、その不足データの撮像条件における識別画像データの収集をモビルロボットRに対して指示する処理である。図6のS64と同様な処理が行われる。この収集指示処理を終えたら、基地局Bにおける識別情報補充処理の制御処理を終了する。
【0062】
以上のように、本実施形態に係る人物識別システムによれば、特定人物Mを追尾して移動するモビルロボットRによって特定人物Mの識別に用いる特徴情報を取得することにより、識別に必要な特徴情報を取得できる時にタイミングを逃すことなく確実にその特徴情報を取得することができる。このため、特定人物Mの識別精度の向上が図れる。
(第二実施形態)
【0063】
次に本発明の第二実施形態に係る人物識別システムについて説明する。
【0064】
本実施形態に係る人物識別システムは、上述した第一実施形態に係る人物識別システムとほぼ同様に構成されるものであるが、第一実施形態に係る人物識別システムでは天候条件や照度条件について識別画像データの不足データをモビルロボットRに取得させるものであるのに対し、本実施形態に係る人物識別システムでは、識別すべき人物の向きの条件について識別画像データの不足データをモビルロボットRに取得させるものである。
【0065】
本実施形態に係る人物識別システムは、図1〜5に示すものとほぼ同様に構成されるが、モビルロボットRとして雨滴センサ9b、照度センサ9cの設置を省略したものを用いてもよい。
【0066】
また、本実施形態に係る人物識別システムにおいて、基地局Bにおける識別性能評価処理、モビルロボットRにおけるデータ収集処理、基地局Bにおける識別情報補充処理は、図6〜図8に示すフローチャートにより実行することができるが、第一実施形態に係る人物識別システムと制御処理の内容が異なっている。
【0067】
図6〜8を用いて、本実施形態に係る人物識別システムの動作について説明する。
【0068】
基地局Bにおける識別性能評価処理は、まず、S60に示すように、識別性能値の算出処理が行われる。識別性能値の算出処理は、データベース32に記録される特定人物Mを識別するための識別画像データについて識別性能値を算出する処理である。例えば、評価用画像データを用いられ、特定人物Mの向きに応じて分類された識別画像データをその分類毎に識別性能値が算出される。例えば、識別画像データは、右向き、左向き、下向き、上向きなどの分類で分けられており、これらの分類毎に識別性能値が算出される。識別性能値の算出手法としては、例えば識別画像データと評価用画像データの相関値が算出され、その相関値に基づいて識別性能値が算出される。
【0069】
そして、S62に移行し、識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であるか否かが判断される。この判断処理は、特定人物Mの向きに応じて分類された分類毎に行われる。
【0070】
このS62にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であると判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S62にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合、例えばある分類で識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合には、特定人物Mの特徴情報として画像データの収集指示処理が行われる(S64)。
【0071】
この収集指示処理は、識別性能値が設定しきい値以上でない識別画像データを不足データとし、その不足データの撮像条件における識別画像データの収集をモビルロボットRに対して指示する処理である。例えば、右向きの識別性能値が所定値より低い場合には、右向きの撮影条件における画像データの収集する指令信号をモビルロボットRに対して送信する。この収集指示処理を終えたら、識別性能評価処理の制御処理を終了する。
【0072】
次に、本実施形態に係る人物識別システムにおけるモビルロボットRのデータ収集処理について説明する。
【0073】
モビルロボットRのデータ収集処理は、まず、図7のS70に示すように、指定データ収集指令があるか否かが判断される。すなわち、通信部18が指定条件の画像データを収集する指令信号を受信したか否かが判断される。例えば、通信部18が指定条件の画像データを収集する指令信号を受信した場合に収集指令フラグをセットすることとし、この収集指令フラグがセットされているか否かに基づいて指定データの収集指令があったか否かを判断すればよい。
【0074】
S70にて指定データ収集指令がないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S70にて指定データ収集指令があると判断された場合には、指定条件の判定処理が行われる(S72)。例えば、右向きの画像データを収集する指令があった場合には、CCDカメラ6A、6Bの撮像画像により特定人物Mが右向きになっているか否かが判定される。その際、右向きの特定人物Mが撮像されるようにモビルロボットRを移動させることが好ましい。
【0075】
そして、S74に移行し、指定条件となっているか否かが判断される。例えば、指定条件が右向きの撮像である場合、S72にて特定人物Mが右向きであると判定された場合には指定条件となっていると判断される。一方、S72にて特定人物Mが右向きでないと判定された場合には指定条件となっていないと判断される。
【0076】
S74にて指定条件となっていないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S74にて指定条件となっていると判断された場合には、データ収集処理が行われる(S76)。すなわち、CCDカメラ6A、6Bにより特定人物Mが撮像され、その撮像画像が特定人物Mの特徴情報としてデータベース20に記録される。
【0077】
そして、S78に移行し、特徴情報送信処理が行われる。この特徴情報送信処理は、S76で取得された指定条件における特定人物Mの画像データを特徴情報として基地局Bに送信する処理である。この特徴情報送信処理を終えたら、モビルロボットRにおけるデータ収集処理を終了する。
【0078】
次に、本実施形態に係る人物識別システムにおける基地局Bの識別情報補充処理について説明する。
【0079】
基地局Bの識別情報補充処理は、まず、図8のS80に示すように、指定した特定人物Mの特徴情報を取得したか否かが判断される。すなわち、指定した条件における特定人物Mの画像データを受信したか否かが判断される。
【0080】
そのS80にて指定した特定人物Mの特徴情報を取得していないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、指定した特定人物Mの特徴情報を取得したと判断された場合には、特徴情報記録処理が行われる(S82)。特徴情報記録処理は、取得した特定人物Mの特徴情報である画像データを識別画像データとしてデータベース32に記録する処理である。その際、取得した画像データは、その画像データが属する分類に指定されて記録される。
【0081】
そして、S84に移行し、識別性能値の算出処理が行われる。識別性能値の算出処理は、データベース32に記録される特定人物Mを識別するための識別画像データについて識別性能値を算出する処理であり、図6のS60と同様に行われる。その際、S80で取得された画像データも識別画像データの一つに設定され、算出処理が行われる。
【0082】
そして、S86に移行し、識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であるか否かが判断される。この判断処理は、図6のS62と同様に行われ、例えば特定人物Mの向きに応じて区分けされた分類毎に行われる。
【0083】
このS86にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上であると判断された場合には、識別学習処理が行われる(S88)。識別学習処理は、識別画像データを用いて識別学習を行う処理である。例えば、分類分けされた識別画像データからパターン辞書を構成し、識別対象画像に対しパターン認識により識別できるようにする。
【0084】
一方、S86にて識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合、例えばある分類で識別画像データの識別性能値が所定の設定しきい値以上でないと判断された場合には、特定人物Mの特徴情報として画像データの収集指示処理が行われる(S90)。
【0085】
この収集指示処理は、識別性能値が設定しきい値以上でない識別画像データを不足データとし、その不足データの撮像条件における識別画像データの収集をモビルロボットRに対して指示する処理である。図6のS64と同様な処理が行われる。この収集指示処理を終えたら、基地局Bにおける識別情報補充処理の制御処理を終了する。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る人物識別システムによれば、第一実施形態に係る人物識別システムと同様な作用効果が得られる。すなわち、特定人物Mを追尾して移動するモビルロボットRによって特定人物Mの識別に用いる特徴情報を取得することにより、識別に必要な特徴情報を取得できる時にタイミングを逃すことなく確実にその特徴情報を取得することができる。このため、特定人物Mの識別精度の向上が図れる。
【0087】
なお、上述した各実施形態は、本発明に係る人物識別システムの一例を示すものである。本発明に係る人物識別システムは、これらの実施形態に係る人物識別システムに限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る人物識別システムを変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0088】
例えば、上述した各実施形態では、識別性能を判定する識別性能判定部33、識別画像データの不足を判断する不足データ判断部34、不足データを補って識別学習する識別学習部36を基地局Bに設けた場合ついて説明したが、これらの識別性能判定部33、不足データ判断部34、識別学習部36をモビルロボットRに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第一実施形態に係る人物識別システムにおけるモビルロボットRと特定人物Mを模式的に示す平面図である。
【図2】第一実施形態に係る人物識別システムにおけるモビルロボットRの側面図である。
【図3】第一実施形態に係る人物識別システムにおけるモビルロボットR、基地局B通信状況の説明図である。
【図4】図2のモビルロボットRにおける制御装置の構成概要を示すブロック図である。
【図5】第一実施形態に係る人物識別システムの基地局Bの構成概要を示すブロック図である。
【図6】図5の基地局Bにおける識別性能評価処理を示すフローチャートである。
【図7】図4のモビルロボットRにおけるデータ収集処理を示すフローチャートである。
【図8】図5の基地局Bにおける識別情報補充処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1…走行装置、2…ディスプレイ、5…制御装置、6A、6B…カメラ、7…スピーカ、8…アンテナ、9a…位置センサ、9b…雨滴センサ、9c…照度センサ、B…基地局、M…特定人物、R…モビルロボット(自律移動体)。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹

【識別番号】100122770
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 和弘


【公開番号】 特開2008−12636(P2008−12636A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188104(P2006−188104)