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【発明の名称】 内圧防爆構造のロボット
【発明者】 【氏名】高橋 真義

【氏名】草間 義裕

【要約】 【課題】内圧防爆構造のロボットにおいて、モータ及び位置検出器部内部に粉塵が入らない構造にするとともに、確実に掃気できる構成を開示することを目的とする。

【構成】気密室に内蔵する複数のモータ1の各々は、その内部がモータ部と位置検出部とに隔離され、モータフレーム6には、モータ部が存在するモータ部空間に貫通する第1の貫通穴部(18)と、位置検出部が存在する位置検出部空間に貫通する第2の貫通穴部(18)とを備えるよう構成し、保護気体が、第1の貫通穴部と、第2の貫通穴部とのそれぞれに供給されるように配管した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各関節軸を駆動する複数のモータと、前記複数のモータが内蔵され、保護気体が導入されて周囲の雰囲気よりも高い圧力で維持される気密室と、を備えた内圧防爆構造のロボットにおいて、
前記複数のモータの各々は、その内部が、モータ部と位置検出部とに隔離され、モータフレームには、前記モータ部が存在するモータ部空間に貫通する第1の貫通穴部と、前記位置検出部が存在する位置検出部空間に貫通する第2の貫通穴部とを備え、
前記保護気体が、前記第1の貫通穴部と、前記第2の貫通穴部とのそれぞれに直接供給されるようにしたことを特徴とする内圧防爆構造のロボット。
【請求項2】
前記モータフレームには、前記モータ部空間に貫通する第3の貫通穴部と、前記位置検出部空間に貫通する第4の貫通穴部と、を更に備え、前記第3の貫通穴部と前記第4の貫通穴部とから、前記保護気体が前記気密室に開放されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項3】
前記複数のモータの各々の前記位置検出部空間が、各々の前記第1および第3の貫通穴部を介して互いに管で接続され、前記複数のモータのうちの少なくとも1つの前記第1の貫通穴部から、前記複数のモータの全ての前記位置検出部空間に、前記保護気体が順次供給されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項4】
前記複数のモータの各々の前記モータ部空間が、各々の前記第2および第4の貫通穴部を介して互いに管で接続され、前記複数のモータのうちの少なくとも1つの前記第2の貫通穴部から、前記複数のモータの全ての前記モータ部空間に、前記保護気体が順次供給されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項5】
請求項3と請求項4との両方に記載された構成を備え、前記位置検出部空間と前記モータ部空間とに供給される前記保護気体とは別に、前記ロボットのアーム先端の前記気密室内で前記保護気体が開放される配管が設けられたことを特徴とする内圧防爆構造のロボット。
【請求項6】
前記気密室に接続され、該気密室の空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第1の気体排気部とは別に、前記互いに管で接続された位置検出部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第2の気体排気部を備えたことを特徴とする請求項3記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項7】
前記気密室に接続され、該気密室の空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第1の気体排気部とは別に、前記互いに管で接続されたモーター部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第3の気体排気部を備えたことを特徴とする請求項4記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項8】
前記気密室に接続され、該気密室の空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第1の気体排気部と
前記互いに接続された位置検出部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第2の気体排気部と、
前記互いに接続されたモータ部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第3の気体排気部と、をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項5記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項9】
前記第1の貫通穴部と、前記第2の貫通穴部との、少なくとも一方にフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項10】
前記フィルタは、メッシュサイズが2〜7ml/cm・secであることを特徴とする請求項9記載の内圧防爆構造のロボット。
【請求項11】
請求項1記載の内圧防爆構造のロボットを備えたことを特徴とするロボットシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内圧防爆構造のロボットに使用する各関節を駆動するモータの構造と、それを使用したロボットの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内圧防爆構造のロボットは、主に塗装場など爆発性の気体が存在する危険雰囲気に設置されるため、内部にほぼ密閉された気密室を有し、この気密室にロボットの各関節を駆動するモータを配置している。一方、ロボットの外部から、気密室に空気などの清浄な気体を送出し、気密室内部の気体を、爆発性の気体でない気体(保護気体)へと置換し、更に気密室内の圧力を周囲の危険雰囲気よりも高く維持することで、気密室内部への爆発性気体の侵入を防いでいる。気密室に侵入した恐れがある爆発性気体を、保護気体に置換することによって、確実に気密室の外部へ排出させる作業は、掃気動作と呼ばれ、これは旧労働省産業安全研究所公表の工場電気設備防爆指針などに記載されている。
この掃気動作が、特に爆発性の危険が高いモータに対して有効に効果を奏するような構成が、従来からいくつか開示されている。
例えば特許文献1では、ロボットの各関節を駆動するモータに、気密室へ流入させた保護気体が侵入するような穴を設け、モータ(複数)内の保護気体を排出させる管路を統合させている。
また、特許文献2にも特許文献1と同様な構成が開示されている。特許文献2は特許文献1の先願である。
また、特許文献3にも気密室の保護気体をモータに侵入させ、保護気体が不要な箇所には流出しないような構成を開示している。
【特許文献1】特開平4−217489号公報
【特許文献2】実用新案登録公報第2516618号
【特許文献3】特開平9−149600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1乃至3に記載されたモータ及びロボットの構造は、モータのフレームから気密室内の保護気体を流入させ、モータ内部の全体を循環した保護気体を再びフレームから排出させる構成であったため、気密室に粉塵等が入っていた場合、これがモータ内部に侵入してモータを故障させる原因となってしまう可能性があった。
また、モータ内部の、例えばブレーキ部から発塵した粉塵が、保護気体によってモータ内部を循環し、モータのセンサ部に侵入して、同じくモータを故障させる原因となっていた。特に、センサ部はモータの回転位置を検出するため、昨今、精密な基板や微小な隙間を介して検出する位置検出器が設けられており、特にブレーキ部からの発塵による故障が問題となることが多い。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、内圧防爆構造のロボットにおいて、各関節を駆動するモータの内部空間を、確実に掃気できるとともに、モータの信頼性を向上させるモータを開示する。また、そのモータを使用したロボットの構造について開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は以下のように構成した。
請求項1記載の発明は、各関節軸を駆動する複数のモータと、前記複数のモータが内蔵され、保護気体が導入されて周囲の雰囲気よりも高い圧力で維持される気密室と、を備えた内圧防爆構造のロボットにおいて、前記複数のモータの各々は、その内部が、モータ部と位置検出部とに隔離され、モータフレームには、前記モータ部が存在するモータ部空間に貫通する第1の貫通穴部と、前記位置検出部が存在する位置検出部空間に貫通する第2の貫通穴部とを備え、前記保護気体が、前記第1の貫通穴部と、前記第2の貫通穴部とのそれぞれに直接供給されるようにした。
請求項2記載の発明は、前記モータフレームには、前記モータ部空間に貫通する第3の貫通穴部と、前記位置検出部空間に貫通する第4の貫通穴部と、を更に備え、前記第3の貫通穴部と前記第4の貫通穴部とから、前記保護気体が前記気密室に開放されるようにした。
請求項3記載の発明は、前記複数のモータの各々の前記位置検出部空間が、各々の前記第1および第3の貫通穴部を介して互いに管で接続され、前記複数のモータのうちの少なくとも1つの前記第1の貫通穴部から、前記複数のモータの全ての前記位置検出部空間に、順次前記保護気体が供給されるようにした。
請求項4記載の発明は、前記複数のモータの各々の前記モータ部空間が、各々の前記第2および第4の貫通穴部を介して互いに管で接続され、前記複数のモータのうちの少なくとも1つの前記第2の貫通穴部から、前記複数のモータの全ての前記モータ部空間に、順次前記保護気体が供給されるようにした。
請求項5記載の発明は、請求項3と請求項4との両方に記載された構成を備え、前記位置検出部空間と前記モータ部空間とに供給される前記保護気体とは別に、前記ロボットのアーム先端の前記気密室内で前記保護気体が開放される配管を設けるようにした。
請求項6記載の発明は、前記気密室に接続され、該気密室の空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第1の気体排気部とは別に、前記互いに管で接続された位置検出部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第2の気体排気部を備えるようにした。
請求項7記載の発明は、前記気密室に接続され、該気密室の空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第1の気体排気部とは別に、前記互いに管で接続されたモーター部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第3の気体排気部を備えるようにした。
請求項8記載の発明は、前記気密室に接続され、該気密室の空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第1の気体排気部と、前記互いに接続された位置検出部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第2の気体排気部と、前記互いに接続されたモータ部空間に接続され、該空間の圧力を監視するとともに該空間から排出される保護気体を封止または開放させる第3の気体排気部と、をそれぞれ設けるようにした。
請求項9記載の発明は、前記第1の貫通穴部と、前記第2の貫通穴部との、少なくとも一方にフィルタを設けるようにした。
請求項10記載の発明は、前記フィルタは、メッシュサイズが2〜7ml/cm・secであるようにした。
請求項11記載の発明は、請求項1記載の内圧防爆構造のロボットを備えたことを特徴とするロボットシステムとした。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、モータ内部にエアを直接供給する構造なので、モータ内を確実に掃気できるとともに、気密室内の粉塵をモータ内に入らないように構成できる。このため、防爆に関して非常に安全な内圧防爆構造のロボットとすることができる。
また、本発明の他の実施例によれば、モータの位置検出部を循環する保護気体を、位置検出部以外のモータ内を循環する保護気体から分けて供給するようにしたので、更にモータの信頼性および掃気の確実性が向上する。
また、本発明の他の実施例によれば、モータの位置検出部を循環する保護気体と、位置検出部以外のモータ内を循環する保護気体と、に分けてそれぞれ供給できるようにしたので、モータへ、効果的に多くの保護気体を流すことが可能となり、掃気時間の短縮がはかれるとともに、モータの信頼性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
まず、本発明の内圧防爆構造のロボットを使用したシステムの概略構成について説明する。図2はシステムの概略構成図である。
図2において、21は本発明の内圧防爆構造のロボットで、22はロボット21を制御するコントローラである。コントローラ22にはロボット21内部のほぼ密閉された気密室37(後述する)へ保護気体を供給する気体供給部23が取り付けられている。気密室37には、ロボットの各関節を駆動するモータ1(後述する)が複数設置されている。また、ロボット21には、気密室37から排出される気体を制御する気体排気部24が取り付けられている。コントローラ21と気体供給部23は、非危険雰囲気に設置されており、ロボット21と気体排気部24は、塗装場などの、爆発性気体が存在する危険雰囲気に設置されている。また、ロボット21とコントローラ22は、制御ケーブル25で接続されており、ロボット21の各関節を駆動するモータ1を、コントローラ22が制御できる。また、気体供給部23とロボット21とは管路26で接続されており、気体供給部23から、ロボット21内の気密室37へ保護気体が供給される。また、ロボット21と気体排気部24は管路27で接続されており、気体排気部24は、気密室37から排出される気体を検出したり、封止させたりする。このため、気体排気部24は、通信ケーブル29によってコントローラ22に接続されている。また、気体排気部24の内部には、後述する開放弁が設置されており、これを制御するための制御気体を送出する管路28が、気体供給部23から気体排気24に接続されている。
【0008】
次に、本発明に適用するモータの構造について詳しく説明する。本発明では、図1のような構成のモータを使用する。本モータを、図2に記載しているように、ロボット21の各関節を駆動するモータとして使用する。ここでは、本モータを、ACサーボモータの構造にて説明する。図1において、2は回転軸、3は回転子、4は固定子、5はセンサ部、6はモータフレーム、7はベアリング、8はマグネット、9は巻線、10はディスク、11はブレーキ巻線、12はブレーキ、13はブレーキ部、14は円盤、15はシール、をそれぞれ示している。即ち、本発明に適用するモータは、回転軸2、回転子3、固定子4、ブレーキ部13らが存在するモータ部空間と、センサ部5が存在する位置検出部空間とに隔てるシール15を有するモータを使用する。なお、モータの各部については、既知のものであるから説明は省略する。
そして、本発明では、以上で構成されたモータに対して、モータフレーム6に、複数の貫通穴18を設けている。複数の貫通穴18の1つは、上述のモータ部空間へ貫通しており、接続部45aがモータフレーム6に設けられている。また、別の貫通穴18の1つは、同じく上述のモータ部空間へ貫通しており、開放部45bがモータフレーム6に設けられている。
また、上述の位置検出器部へ通じる貫通穴18には、同様に接続部47aが設けられている。また、位置検出部へ通じる別の貫通穴18が設けられていて、モータフレーム6には、同じく開放部47bが設けられている。
貫通穴18の直径は、本実施例では10mm程度としている。そして、接続部45aと接続部47aは、パッキン49を取り付けたブロック50がモータフレーム6に固定され、更に、貫通穴18に対してフィルタ16が固定されている。また、ブロック50には、継手51が接続されている。開放部45bと開放部47bは、フィルタ16と、それをモータフレーム6に固定するカバ17とで構成されている。
フィルタ16は、貫通穴18からモータ内部に異物が侵入することを防ぐものであるが、フィルタ16によって、上記の掃気動作による気体置換が妨げられないよう、メッシュサイズに留意している。ここでは、2〜7ml/cm・secのサイズを使用している。図1記載のモータでは、上記のメッシュサイズのフィルタを、18の4箇所の貫通穴に設置している。
【0009】
以上で説明したモータを使用したときの、図2における系統図が図3である。図3において保護気体の流れについて詳しく説明する。気体供給部23には、図示しない外部の圧力気体発生源より圧縮空気(保護気体)が導入され、保護気体はフィルタ31を通って、三経路に分岐され、それぞれ圧力調整器32と33と34に送出されている。保護気体は圧力調整弁32により、ロボット21は周囲の危険雰囲気の圧力より若干高い圧力に調整される。また、同じく、保護気体は圧力調整器33により、圧力調整器32よりも更に高い圧力に調整される。これら圧力調整器32と33で調整された保護気体は、電磁弁35から管路26と43を介して、ロボット21内のモータ1に送出される。
ロボット21は、気密室37を備えており、気密室にはモータ1が複数個設置されている。この実施例では、ロボット21が6個のモータを備える場合について説明する。各々のモータ1a、b、c、d、e、fは、ロボット21の各関節を駆動する。管路26は、分岐されて、ロボット21下部の管路接続部30を介してロボット21内部の管路43に接続される。分岐されたうちの1つの管路43aは、複数の継手44で更に分岐され、モータ1a、b、c、d、e、fの各々のモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bより気密室37内に開放される。一方、もう1つの管路43bは、同じく複数の継手48で更に分岐され、モータ1a、b、c、d、e、fの各々の位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bより気密室37に開放される。
また、管路接続部30には管路27の一端が接続され、管路27の他端はエア排気部24に設置されている開放弁38へと接続されている。開放弁38までの管路27の途中には、フロースイッチ39(取り付けられない場合もある)と、圧力検出器40と、圧力調整弁41が接続されている。フロースイッチ39と圧力検出器40とには通信ケーブル29の一端が接続され、その他端はコントローラ22に接続されている。通信ケーブル29は、これらフロースイッチ39と圧力検出器40の信号をコントローラ22へ伝達している。圧力検出器40は、気密室37の圧力が所定値よりも低くなるとコントローラ22に信号を伝達する。また、フロースイッチ39は、所定の気体流量が通過すると、コントローラ22に信号を伝達する。また、圧力調整弁41は、管路27の圧力、すなわち気密室37の内部圧力が、所定値よりも高くなった場合に、気体を排出し、気密室37の内部圧力を軽減させる。
また、フィルタ31を通過した保護気体の3経路のうち更に1経路の保護気体は、圧力調整器34により、電磁弁36を動作させることができる程度の圧力に調整され、電磁弁36と管路28を介して開放弁38に接続されている。開放弁38は、電磁弁36から送出されてくる保護気体によって空圧作動し、管路27から排出されてくる気密室37内部の気体を排出させるか、または封止することができる。
【0010】
以上によって構成される、本発明のモータを使用した内圧防爆機構のロボットにおいて、まず通常運転について説明する。通常運転は、ロボットが塗装作業などを行う運転状態を示す。通常運転は、後述する掃気動作が終了してから行われる。つまり、気密室37の内部から、危険雰囲気の爆発性気体を排除したのちに通電され、運転が開始される。通常運転の場合、開放弁38は、閉の状態であって、気密室37には、圧力調整器32によって調整された危険雰囲気よりも若干高い圧力の空気が導入されている。このため、ロボット21の気密室37は、危険雰囲気より若干高い圧力に保たれる。また、管路27に接続された圧力検出器40は、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くなった場合を検知する。
次に掃気動作について説明する。まず、コントローラ22の電源を供給すると、コントローラ22より電磁弁36の切り換え命令がだされ、圧力調整器33により通常運転時の圧力より更に高い圧力に調整された保護気体が、管路26を介して、気密室37に導入される。このとき、コントローラ22内の図示しないタイマーは時間のカウントを開始する。また、このとき開放弁38は閉の状態である。
管路26は、上述のように、各々のモータの内部へフィルタを介して保護気体を開放しているため、モータ内部空間の気体は確実に保護気体に置換される。
そして、タイマーが所定の時間を計測し終わると、コントローラ22から電磁弁36に切り換え命令がだされ、開放弁38を開の状態にする。なお、タイマーの計測する時間は、気密室の圧力が所定の圧力になるまでの時間であって、予め試験等で計測しておく。そして、開放弁38の開放と同時にフロースイッチ39により、気密室37から排出される気体の流量測定を開始する。所定量の流量が流出すると、フロースイッチ39の信号によって、コントローラ22は電磁弁36へ切り換え命令を送出し、開放弁38が閉の状態になり、掃気が完了する。そして、モータへの電源供給が可能となり、上述した通常運転状態としてロボット動作が可能となる。
なお、圧力検出器40は、これら掃気動作中においても、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くなった場合を検知し、圧力調整弁41は、気密室の圧力が高くなりすぎた場合に圧力を開放する。フロースイッチ39が設けられない場合には、圧力検出器40の掃気動作時の圧力監視において、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くならないことで代用する場合も有る。
【実施例2】
【0011】
本実施例では図5のような構成のモータを使用する。図1のモータ構成とほぼ同一であるが、図5においては、位置検出部が存在する空間へ貫通する貫通穴18の開放部47bにもブロック50および継手51が設けられている。
【0012】
図4は、上記のモータを使用したときのロボットの系統図である。図3と同等個所については、同番号を付している。同等部分については、説明を省略する。
本実施例においては、主に管路43bの系統が図3と異なる。管路43bは、モータ1aの位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bが管路46cに接続される。そして管路46cは、モータ1bの位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bが管路46dに接続される。そして管路46dは、モータ1cの位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bが管路46eに接続される。そして管路46eは、モータ1dの位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bが管路46fに接続される。そして管路46fは、モータ1eの位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bが管路46gに接続される。そして管路46gは、モータ1fの位置検出器部へ通じる接続部47aに接続され、開放部47bが管路46hの一端に接続される。すなわち、複数のモータ1の位置検出部が存在する空間が1系統で直列に接続されており、モータ部が存在する空間とは別に保護気体が流入される構成となっている。
一方、管路接続部30には管路27aが接続されており、また、管路46hの他端が、管路27bの一端が接続されている。そして、管路27aおよび27bのそれぞれの他端が、エア排気部24に設置されている開放弁38へ接続されている。管路27aおよび27bの途中の構成は、図3で説明した構成とそれぞれ同等である。
なお、本実施例では位置検出部の空間を全て直列に接続したが、気密室37において、管路43bを更に適当な箇所で分岐させて接続部47aに接続し、各々の開放部47bから管路を適当な箇所で集約させて、管路27bに至るように構成しても良い。すなわち、位置検出部が存在する空間に供給される保護気体が、モータ部が存在する空間に供給される保護気体と分離されていれば良い。
【実施例3】
【0013】
本実施例では図7のような構成のモータを使用する。図1のモータ構成とほぼ同一であるが、図7においては、位置検出部が存在する空間へ貫通する貫通穴18の開放部47bにもブロック50および継手51が設けられているのに加えて、更に、モータ部が存在する空間へ貫通する貫通穴18の開放部45bにもブロック50および継手51が設けられている。
【0014】
図6は、上記のモータを使用したときのロボットの系統図である。図3と同等個所については、同番号を付している。同等部分については、説明を省略する。
本実施例においては、電磁弁35からの管路26が3つに分岐される。そして、管路43aと43bとを介して、保護気体がモータ1の各々に送出される。そして、実施例1と比較して、実施例2のように管路43bの系統が配管されるのに加えて、更に管路43aが管路43bと同様に構成される。また、管路26の3つのうち、1つは管路接続部30を介して配管され、ロボット21の気密室37の先端(アームの先端のほう)の開放位置42で開放される。開放位置42で開放された保護気体は、気密室37全体を、先端部のほうから加圧させる。
管路43aは、モータ1aモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bを介し管路46iに接続される。管路46iは、モータ1bのモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bが管路46jに接続される。管路46jは、モータ1cのモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bが管路46kに接続される。管路46kは、モータ1dのモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bが管路46lに接続される。管路46lは、モータ1eのモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bが管路46mに接続される。管路46mは、モータ1fのモータ部へ通じる接続部45aに接続され、開放部45bが管路46nの一端に接続される。すなわち、位置検出部が存在する空間が1系統で直列に接続されているのと同様に、複数のモータ1のモータ部が存在する空間も1系統で直列に接続されており、これらの空間に対して各々に保護気体が流入される構成となっている。
一方、管路接続部30には管路27aが接続されており、また、管路46hの他端が、管路27bの一端に接続されている。更に、管路46nの他端が、管路27cの一端に接続されている。そして、管路27a、27bおよび27cのそれぞれの他端が、エア排気部24に設置されている開放弁38へそれぞれ接続されている。管路27a、27bおよび27cの途中の構成は、図3で説明した構成とそれぞれ同等である。
なお、本実施例では位置検出部およびモータ部が存在する空間を、全て直列に接続し、2系統になるように接続したが、気密室37において、管路43aおよび管路43bを更に適当な箇所で分岐させて接続部45aおよび接続部47aに接続し、各々の開放部47aおよび開放部47bから管路を適当な箇所で集約させて、管路27b、27cに至るように構成しても良い。すなわち、位置検出部が存在する空間とモータ部が存在する空間とに供給される保護気体が別系統で分離されていれば良い。
【0015】
以上、本発明の各実施例によれば、内圧防爆構造のロボットに使用するモータに、モータ部の空間と位置検出部の空間とに分かれたモータを使用し、更にそのモータのフレームに、モータ部空間へ貫通する貫通穴と、位置検出部へ貫通する貫通穴を、少なくとも2箇所ずつ設けて、保護気体の供給口と排気口として構成するとともに、これらモータに供給する前に、保護気体を少なくとも2系統に分岐させ、モータ部が存在する空間と位置検出部が存在する空間とで分けて保護気体を流入させるように構成したので、例えば、モータ部のブレーキから発生した粉塵が、保護気体によって位置検出部に運ばれることが無く、位置検出部の粉塵による故障発生を抑えることができる。また、モータの保護気体の供給口には、それぞれフィルタを設けているので、保護気体に異物があってもモータ部や位置検出部にそれが進入することが無く、モータの故障発生を更に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の内圧防爆ロボットに使用するモータの断面図
【図2】本発明の内圧防爆ロボットのシステム構成図
【図3】図2における系統図
【図4】第2の実施例の系統図
【図5】第2の実施例のモータ断面図
【図6】第3の実施例の系統図
【図7】第3の実施例のモータ断面図
【符号の説明】
【0017】
1 モータ
2 回転軸
3 回転子
4 固定子
5 センサ部
6 モータフレーム
7 ベアリング
8 マグネット
9 巻線
10 ディスク
11 ブレーキ巻線
12 ブレーキ
13 ブレーキ部
14 円盤
15 シール
16 フィルタ
17 カバー
18 貫通穴

21 ロボット
22 コントローラ
23 気体供給部
24 気体排気部
25 制御ケーブル
26 管路
27 管路
28 管路
29 通信ケーブル

30 管路接続部
31 フィルタ
32 圧力調整器
33 圧力調整器
34 圧力調整器
35 電磁弁
36 電磁弁
37 気密室
38 開放弁
39 フロースイッチ
40 圧力検出器
41 圧力調整弁
42 開放位置
43 管路
44 継手
45a,47a 接続部(供給口)
45b,47b 開放部(排気口)
46 管路
48 継手
49 パッキン
50 ブロック
51 継手
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−12601(P2008−12601A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183145(P2006−183145)