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ロボットハンド用小型揺動開閉チャック - 特開2008−6549 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ロボットハンド用小型揺動開閉チャック
【発明者】 【氏名】谷口 久志

【要約】 【課題】フィンガーが物体を把持する力が強く、尚且つ小型であり、力の伝達効率の良いロボットハンド用揺動開閉チャックを提供することを目的とする。

【構成】ケーシング内に先端の断面がV形状のピストンとガイドロッドを備え、チャックの開動作をピストンの内部に配置されたガイドロッドのV部がスプリングの作用によってフィンガーとの接触部と接触しながら前部へ押し出されることによりフィンガーの先端を開方向へと回転させることで成し、閉動作をシリンダ室に流体を供給することによってピストンのV部がフィンガーとの接触部と接触しながら前部へ押し出されることによってフィンガーの先端を閉方向へと回転させることで成す。スプリングはガイドロッドの外径に沿う様に配置し、尚且つピストンとスプリングとガイドロッドをシリンダ室の径より狭い範囲に配置する。把持力の向上はピストンのV形状の角度を変更することで可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャックの閉動作を流体圧力によって行い、開動作をスプリングによって行うロボットハンド用揺動開閉チャックに於いて、ケーシングの内部に先端の断面形状がV形状のピストンを備え、前記ピストンの内部にガイドロッドとスプリングをピストンと同軸上で作用するよう配置し、尚且つピストンとガイドロッドにそれぞれ接触する接触部を設けた一対のフィンガーを備え、閉動作を流体圧力によってピストンのV部がフィンガーに接触しながら押し出されることによりフィンガー先端を閉方向へと動作させる事で行い、開動作を流体圧力の開放によって、ガイドロッドがスプリング力によりフィンガーと接触しながら押し出されることでフィンガー先端を開方向へと動作させる事で行う機構を持ったロボットハンド用揺動開閉チャック。
【請求項2】
請求項1のロボットハンド用揺動開閉チャックに於いて、ピストンの先端の断面のV形状の角度を変えることにより、一対のフィンガーが物体を把持する力の向上を可能としたロボットハンド用揺動開閉チャック。
【請求項3】
請求項1または2に於けるロボットハンド用揺動開閉チャックに於いて、フィンガーを開閉させる機構に当たるスプリングとガイドロッドとピストンがシリンダ室の径よりも小さく収められた機構を持つロボットハンド用揺動開閉チャック。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フィンガー部の開閉によって物品の把持を行なう開閉チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のチャックは、図1のようにケーシング1に備え付けられた供給口8よりシリンダ室9へ流体を供給することにより、ピストン3を後部へと押し出し、ピストン3に連結されたフィンガー4がピン6を軸に揺動回転することでフィンガー4の先端が閉方向へ回転し、ピストン3がカバー2に接触し停止することでフィンガー4の回転が停止した状態のチャックを閉の状態とし、流体の供給を停止することでスプリング5がピストン3を前部へと押し出し、ピストン3に連結されたフィンガー4がピン6を軸に揺動回転することでフィンガー4の先端が開方向へと回転し、ピストン3がケーシング1に接触し停止することでフィンガー4の回転が停止した状態のチャックを開の状態とする機構である。
【特許文献1】特開2004−249435
【0003】
また従来の技術として図2は、ケーシング11に備え付けられた供給口17よりシリンダ室18へ流体を供給することにより、先端の断面形状がV形状のピストン13が前部へと押し出され、ピン16を軸に自由に揺動回転するよう配置されたフィンガー14のピストン13のV部との接触部14aをピン16を軸に揺動回転させることでフィンガー14の先端が閉方向へ回転し、一対のフィンガー14の間に設けられたスプリング15の力によりフィンガー14の回転が停止した状態のチャックを閉の状態とし、流体の供給を停止することで閉の状態にある一対のフィンガー14の間に設けられたスプリング15の力により、ピン16を軸にフィンガー14の先端が開方向へと揺動回転し、回転したフィンガー14のピストン13との接触部14aがピストン13を後部へ押し出しカバー12と接触することでフィンガー14の回転が停止した状態のチャックを開の状態とする機構である。
【0004】
図2の場合、図1の機構に比べ、チャックが閉の状態で流体の圧力を受けるピストンの面積が広い為、ピストンの推力が大きくフィンガーが物体を把持する力が強い。しかし、図2に於いて一対のフィンガー14の間に設けられているスプリング15が湾曲して配置されており、本来スプリング力が作用すべきである直線上で作用していない為、力の伝達効率が悪くなっている。またフィンガー14の内部にスプリング15を設ける機構が必要な為、フィンガー自体が大きくなり、ケーシングの幅が広くなるので外観形状が大きくなる。
【0005】
前述に挙げたスプリングが湾曲して配置される問題点を解決した現在の技術を図3に示す。ケーシング21に備え付けられた供給口27よりシリンダ室28へ流体を供給することにより、T形状のピストン22が前部へと押し出され、ピン26を軸に自由に揺動回転するよう配置されたL形のフィンガー23のピストン22との接触部23aがピン26を軸に揺動回転する事によってフィンガー23の先端が閉方向へと回転し、回転したフィンガー23のカバー25との接触部23bがカバー25を後部へと押し出し、カバー25がピストン22に接触することでフィンガー23の回転が停止したチャックを閉の状態とする。流体の供給を停止することで、カバー25の内部にカバー25と同軸上に力が作用するよう配置されたスプリング24がカバー25を前部へ押し出し、且つピストン22を後部へと押し出す。押し出されたピストン22はケーシング21と接触することで停止する。カバー25が前部へ押し出されることによってフィンガー23は開方向へと揺動回転し、回転したフィンガー23がピストン22と接触部23bで接触することでフィンガー23の回転が停止したチャックを開の状態とする。
【0006】
図3の場合、フィンガーを揺動回転させるためのスプリングは直線上で作用する為、力の伝達効率が良い。しかし、L形状のフィンガーを配置し、そのフィンガーとの接触部をシリンダ室よりも幅広い位置に備えたT形状のピストンを配置している為、ケーシングの幅が広くなり外観形状が大きくなる。また、ピストンの形状が複雑になり機械加工による生産性が悪い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題を解決すべく、ワークを把持する力が強く、尚且つ小型で、力の伝達効率の良いロボットハンド用揺動開閉チャックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為に本発明は、フィンガーを揺動させる断面がV形状のピストンを備え、且つ同軸上に力が作用するようにスプリングをピストン内部に設ける事により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るロボットハンド用揺動開閉チャックは、閉時にピストンが流体の圧力を受ける面積が広く、物体を把持する力が強い。また、スプリングがガイドロッドに沿って直線上で作用する為、スプリングが湾曲する事無くスプリング力を効率良くフィンガーへと伝達することができる。尚且つフィンガーを開閉させる機構であるガイドロッドとスプリングとピストンがシリンダ室の径よりも狭い範囲に配置される為、チャック自体の幅を小さくすることが可能となり、また、図7のようにケーシングの形状をチャックの幅に内接した円筒状にすることが可能となる。また、図6のようにケーシングとフィンガーの隙間に、隙間のクリアランスを調整するためのプレート42を挿入することでフィンガーの左右のガタつきを抑制することが可能となる。また、機構に係る部品の形状が円筒状や板状のように単純形状である為、機械加工による加工性が良い。また、ピストンの断面形状であるV形状の角度を変えることで、物体を把持する力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例について以下に図面を参照しつつ説明する。
【0011】
ロボットハンド用揺動開閉チャックは、図4に示すようにケーシング31の前部に一対のフィンガー34を設けており、一対のフィンガー34は図に於いて開閉方向に揺動するように配置されている。フィンガー34はケーシング31に装着されているピン37を軸として自由に揺動回転するように取り付けられている。フィンガー34はピストン33との接触部34aとガイドロッドとの接触部34bを備えている。
【0012】
ケーシング31には流体をシリンダ室41へ供給する供給口40を備えたカバー32がシリンダ室41を密閉するように配置されている。密閉する手段の例として図4・図5に於いてカバー32にパッキン39を備えている。
【0013】
ケーシング31の内部には、ピストン33がシリンダ室と同軸上を動作するよう配置されており、ピストン33にはパッキン38が取り付けられている。供給口40から供給された流体はパッキン38より前部へ越えることが無い為、シリンダ室41の圧力が上昇することによってピストン33を前部へと押し出す。ピストン33は先端部の断面形状がV形状になっており、V部が接触部34aにて接触するよう配置されている。ピストンの先端形状の例として断面形状を押し出した形状51や円錐形状52、三角錐形状53が挙げられる。(図8)
【0014】
ピストン33には、先端の断面形状がV形状のガイドロッド36がピストン33と同軸上を動作するよう配置されており、尚且つガイドロッド36のV部が接触部34bにて接触するよう配置されている。またガイドロッド36にはスプリング35の座巻き部を受けるための肩36aが備えられている。
【0015】
ピストン33の内部には、スプリング35がガイドロッド36の外径に沿うように配置されており、スプリング35の前部の座巻き部はガイドロッド36の肩36aで受け、後部の座巻き部はピストン33の内部で受けるよう配置されている。
【0016】
供給口40よりシリンダ室41へ流体が供給されていない場合、スプリング35の力によりピストン33は後部へと押し出され、カバー32と接触し停止する。尚且つガイドロッド36は接触部34aと接触しながら前部へと押し出され、フィンガー34の先端はピン37を軸に開方向へと回転する。フィンガー34の開方向への揺動回転はフィンガー34とピストン33が接触部34aで接触することで停止する。この状態のチャックを開の状態とする。(図4)
【0017】
チャックが開の状態から、供給口40よりシリンダ室41に流体を供給することで、ピストン33は前部へと押し出される。ピストン33はフィンガー34との接触部34aと接触しながら前部へと動作する為、フィンガー34の先端はピン37を軸に閉方向へと回転する。フィンガー34はガイドロッド36との接触部34bで接触しながら閉方向へと回転し、ガイドロッド36を後部へと押し出す。ガイドロッド36はスプリング35の作用によりフィンガー34との接触部34bを常に前部へと押し出しているため、フィンガー34の閉方向への回転はピストン33がケーシング31と接触し停止することで停止する。この状態のチャックを閉の状態とする。(図5)この時チャックに供給する流体圧力はスプリング35の力以上に大きな推力が発生するよう調整された圧力である。
【0018】
流体の供給を停止しシリンダ室31の内部圧力を開放することで、図4と同じ状況下となり、チャックの開の状態を得ることができる。
【0019】
上記のようにガイドロッドとスプリングを先端の断面がV形状のピストンの内部に配置することで、フィンガーが開閉する機構に当たる前記部品をシリンダ室の径よりも狭い範囲に配置することができ、それによりケーシングの幅を狭めることが可能となる。
【0020】
本ロボットハンド用揺動開閉チャックに於いて、物体を把持する力を向上させる方法を示す。
【0021】
図9において、原点Oを中心に回転するフィンガー61のピストン62との接触部は円弧で形成されており、ピストン62のフィンガー61との接触面は前記円弧の接線として表される。原点Oからフィンガー61のピストン62との接触点Qまでの距離をLoとし、原点Oから物体を把持する任意の位置Pまでの距離をLとすると、把持力Fは次の式(1)で与えられる。
【0022】
F=Fx・Lo/L ・・・(1)
【0023】
図10において、シリンダ推力Foは円弧の中心O´を通る接線の法線上へ働く。ベクトルQO´をFoとすると、Foは点Oを中心とし接触点Qを通る円の接線方向Fxと法線方向Fyに分けられる。ピストンのV部の角度をθとすると、Fxは次式(2)で与えられる。
【0024】
Fx=Fo・cosθ ・・・(2)
【0025】
数式(1)に数式(2)を代入して、
【0026】
F=Fo・cosθ・Lo/L ・・・(3)
【0027】
したがって、把持力Fはcosθに比例するので、ピストンのV部の角度を変更することでチャックが物体を把持する力の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来のロボットハンド用揺動開閉チャックを示す正面の断面図である。
【図2】従来のロボットハンド用揺動開閉チャックを示す正面の断面図である。
【図3】従来のロボットハンド用揺動開閉チャックを示す正面の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るロボットハンド用揺動開閉チャックの開の状態を示す正面の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るロボットハンド用揺動開閉チャックの閉の状態を示す正面の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るロボットハンド用揺動開閉チャックを示す側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るロボットハンド用揺動開閉チャックを示す上面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るロボットハンド用揺動開閉チャックに備えられているピストンの先端形状の例である。
【図9】本発明を解析するための幾何学解説図である。
【図10】本発明を解析するための幾何学解説図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ケーシング
2 カバー
3 ピストン
4 フィンガー
5 スプリング
6 ピン
7 ピン
8 供給口
9 シリンダ室
11 ケーシング
12 カバー
13 ピストン
14 フィンガー
14a フィンガーとピストンの接触部
15 スプリング
16 ピン
17 供給口
18 シリンダ室
21 ケーシング
22 ピストン
23 フィンガー
23a フィンガーとピストンの接触部
23b フィンガーとカバーの接触部
24 スプリング
25 カバー
26 ピン
27 供給口
28 シリンダ室
31 ケーシング
32 カバー
33 ピストン
34 フィンガー
34a フィンガーとピストンの接触部
34b フィンガーとガイドロッドの接触部
35 スプリング
36 ガイドロッド
36a ガイドロッドの肩
37 ピン
38 パッキン
39 パッキン
40 供給口
41 シリンダ室
42 スペーサ
51 ピストンの先端形状の例1
52 ピストンの先端形状の例2
53 ピストンの先端形状の例3
61 フィンガー
62 ピストン

【出願人】 【識別番号】391003521
【氏名又は名称】株式会社ニューエラー
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6549(P2008−6549A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180328(P2006−180328)