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【発明の名称】 連結具
【発明者】 【氏名】辻村 勉

【要約】 【課題】工具を使用する際などに、工具の落下防止などを図るうえで好適に使用することができる連結具において、工具に対する着脱が簡単且つ迅速に行えると共に、工具の外形状に関する制限を緩和して汎用性を拡大できるようにした。

【解決手段】バネ素材を1巻き以上のコイル形状にすることによって工具Wの棒状部Gにその端部から嵌合しかつ挟持する嵌着部2と、素材の両端部が嵌着部2の外周側へ突出されていて遠近移動により嵌着部2を拡縮させる一対のツマミ部3,4とが形成され、ツマミ部3,4の少なくとも一方に索体5を接続するための接続部6が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バネ特性を有する素材を1巻き以上のコイル形状にすることによって工具(W)の棒状部(G)にその端部から嵌合しかつ挟持する嵌着部(2)と、前記素材の両端部が嵌着部(2)の外周側へ突出されていて遠近移動により前記嵌着部(2)を拡縮させる一対のツマミ部(3,4)とが形成され、前記一対のツマミ部(3,4)の少なくとも一方に索体(5)を接続するための接続部(6)が形成されていることを特徴とする連結具。
【請求項2】
前記素材は板バネ又は線バネで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記嵌着部(2)内に、嵌着部(2)の拡縮により内径が弾力的に拡縮可能な挟持補助体(7)が内嵌されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連結具。
【請求項4】
前記挟持補助体(7)には、周方向の1箇所を分断する拡縮用隙間(22)が形成され、及び/又は、軸方向の少なくとも一端に径方向外方へ張り出して前記嵌着部(2)に軸方向に係合するフランジ部(21)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の連結具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、工具を使用する際などに、工具の落下防止などを図るうえで好適に使用することができる連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
工具を使用する際に、工具を手元から落下させてしまうのを防止するため、工具に紐や鎖、ロープなどの索体を接続する場合にあって、工具と索体とを接続する部分へ使用する落下防止具が知られている(特許文献1参照)。この公知の落下防止具は、工具まわりへ巻き付けるために輪状に形成した紐状部分を有し、この紐状部分の輪の根本に圧着スリーブを嵌め付けたものとなっている。
工具が落下しようとするとき、輪状に形成した紐状部分には工具の軸方向と交差する向きに力が加わり、この輪状部分が工具を締め付けるので、工具から外れず、従ってこの落下防止具に接続された索体の他端部を作業者へ繋いでおけば、結果として工具の落下が防止されると説明されている。
【特許文献1】特開2007−53835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来公知の落下防止具では、輪状に形成した紐状部分に対して、工具の軸方向と交差する向きに力が加わったときに工具への締め付け作用を生じさせるようにしてあるが、もし、この締め付け作用が弱いと、輪状の紐状部分から工具が抜け出してしまうことが容易に予測される。すなわち、工具に対する確実な落下防止作用を得るためには、工具において細く括れた棒状部が形成されていなければならず、且つこの括れ部分へ輪状の紐状部分を巻き付ける必要がある。
このようなことから、適用できる工具として、その外形状が特定されてしまう(汎用性が制限されてしまう)ことになる。また工具に対して輪状の紐状部分を巻き付け、その後で圧着スリーブの嵌め付けを行わなければならないため、工具への着脱が極めて面倒であるという欠点があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、工具に対する着脱が簡単且つ迅速に行えると共に、工具の外形状に関する制限を緩和して汎用性を拡大できるようにした連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る連結具1は、バネ特性を有する素材を1巻き以上のコイル形状にすることによって工具Wの棒状部Gにその端部から嵌合しかつ挟持する嵌着部2と、前記素材の両端部が嵌着部2の外周側へ突出されていて遠近移動により前記嵌着部2を拡縮させる一対のツマミ部3,4とが形成され、前記一対のツマミ部3,4の少なくとも一方に索体5を接続するための接続部6が形成されている。
このような構成とすれば、嵌着部2を拡径させる方向へ向けて一対のツマミ部3,4を遠近移動させ、そのまま嵌着部2を工具Wの棒状部Gへ嵌合させた後、ツマミ部3,4の遠近移動を解除するだけで、嵌着部2を工具Wの棒状部Gへ挟持状態とさせることができる。この挟持状態とさせることで工具Wと嵌着部2とを離脱不能にできるので、ツマミ部3,4のうち少なくとも一方に対して設けられた接続部6へ索体5を接続し、この索体5の他端部を作業者などに繋いでおくことで、作業者からの工具Wの離脱(落下や紛失など)を防止できることになる。
【0006】
嵌着部2の素材は、板バネ又は線バネで形成されたものとすることができる。
嵌着部2内に、嵌着部2の拡縮により内径が弾力的に拡縮可能な挟持補助体7が内嵌されたものとすることができる。
このような挟持補助体7を用いると、工具Wの棒状部Gが嵌着部2の内径よりも細い場合にも挟持補助体7を介して嵌着部2を嵌め付け、確実な挟持状態にすることができる(挟持補助体7にスペーサ的作用を生じさせることができる)。また、この挟持補助体7により、工具Wの棒状部Gに対する滑止め効果や傷つき防止効果などを得ることもできる利点がある。
【0007】
挟持補助体7には、周方向の1箇所を分断する拡縮用隙間22が形成されたものとすることができる。また挟持補助体7には、軸方向の少なくとも一端に径方向外方へ張り出して前記嵌着部2に軸方向に係合するフランジ部21が形成されたものとすることができる。
拡縮用隙間22の形成は、挟持補助体7の内径を拡縮させ易くさせるうえで有益となる。またフランジ部21の形成は、嵌着部2に対する挟持補助体7の確実な装着と位置ズレ防止効果を得るうえで有益となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る連結具では、工具に対する着脱が簡単且つ迅速に行えると共に、工具の外形状に関する制限を緩和して汎用性を拡大できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図5は、本発明に係る連結具1の第1実施形態を示している。なお、図例では工具Wがラジオペンチである場合を示しており、連結具1を装着する棒状部Gは、いずれか一方のグリップ部ということになる。
この連結具1は、嵌着部2と、一対のツマミ部3,4とを有して形成されたもので、少なくとも一方のツマミ部(図例ではツマミ部3)に、紐や鎖、ワイヤ、ロープ、或いは樹脂製又は金属製のコイル紐などの索体5を接続するための接続部6が形成されている。また本第1実施形態の連結具1では、嵌着部2内に挟持補助体7が内嵌されたものとしてある。
【0010】
嵌着部2は、バネ特性を有する素材を1巻き以上のコイル形状にすることによって形成されている。本第1実施形態では素材に帯状をした所定長さの板バネを用いてあり、この板バネの一方の端部2a寄りには板中央に沿って長孔10を形成すると共に、板バネの他方の端部2b寄りには長孔10へ通過可能となる細い板幅のくびれ部11を形成し、このくびれ部11を長孔10へ通した両端部が交差するようにしてある。
一対のツマミ部3,4は、素材(バネ板)における両側の端部2a,2bのうち、長孔10とくびれ部11とで交差させた後、嵌着部2の外周側へ突出する部分で形成させてある。なお、これら突出部分を互いに寄せ合うような方向で折り曲げることにより、両側のツマミ部3,4を摘み易くさせるのが好適である。
【0011】
このようなことから、両側のツマミ部3,4を摘むように操作力を加えると、長孔10とくびれ部11とが交差して嵌着部2の外周側へ突出する量を減少させつつ両ツマミ部3,4が相対近接する方向へ移動するようになり、嵌着部2を形成させている素材が弾力に抗しつつ縮径するようになる。
また、このように嵌着部2が縮径された状態から両ツマミ部3,4への操作力を弛緩乃至解除すると、嵌着部2に対して蓄えられた弾力が復元作用を起こすことで、長孔10とくびれ部11とが交差して嵌着部2の外周側へ突出する量を増加させつつ両ツマミ部3,4は相対離反する方向へ移動し、嵌着部2は拡径するようになる。
【0012】
このようにして、ツマミ部3,4を互いに遠近移動させることにより、嵌着部2が拡縮することになる。なお、素材とする板バネは、バネ鋼製とすればよいが、構造的又は材質的に十分なバネ特性が得られる場合は樹脂製等とすることも可能である。
なお、図例では、くびれ部11を設けた方の端部2bを部分的に幅広に形成させ、長孔10を設けた方の端部2aと同じ幅にすることで、ツマミ部3,4の形状を揃えさせ、もってこれらツマミ部3,4へ指を掛けたり摘み操作のために力を伝えたりすることが容易且つ確実に行えるようにしてある。
【0013】
接続部6は、ツマミ部3に丸孔を貫通させることで形成してあり、索体5にはその接続側の端部に適宜接続金具15,16を連結させてある。なお接続部6は、他方のツマミ部4に設けることもでき、場合によっては両方のツマミ部3,4に設けることも可能である。
挟持補助体7は、嵌着部2にガタツキ無く内嵌可能となる円筒状の本体部20と、この本体部20における軸方向の両端部から径方向外方へ張り出したフランジ部21とを有して形成されている。本体部20の内径は、工具Wの棒状部Gに対してガタツキ無く嵌合できる寸法(僅かな径大又は径小を含む同等寸法)として形成されており、また本体部20の長さ(両フランジ部21間の内法寸法)は嵌着部2の軸方向長さと略同じか僅かに大きい程度の寸法として形成されている。
【0014】
本体部20には、周方向の1箇所を分断する拡縮用隙間22が形成されている。また両側のフランジ部21は、本体部20を嵌着部2へ内嵌することによって嵌着部2の軸方向両端部に係合するような張出寸法で形成されている。そして、これら本体部20及びフランジ部21は、ゴムや軟質樹脂などの弾性材により一体的に形成されており、この挟持補助体7(本体部20)を嵌着部2へ内嵌させた状態で嵌着部2を拡縮させると、この嵌着部2の拡縮に伴って当該挟持補助体7の内径も、弾力的に拡縮するようになる。
このような構成の連結具1を使用するには、まず、ツマミ部3,4を相対近接方向へ摘み、嵌着部2と共にこの嵌着部2に内嵌された挟持補助体7の内径を拡径させる。この状態のまま、挟持補助体7の本体部20を工具Wの棒状部Gにその端部から嵌合させ、棒状部Gの適当な位置でツマミ部3,4への摘み操作を解除させる。
【0015】
こうすることで、嵌着部2の弾力により、当該嵌着部2と共に挟持補助体7の内径が縮径し、挟持補助体7の内周面が工具Wの棒状部Gに圧接される。従って、工具Wの棒状部Gに対してこの連結具1が位置ズレすることも離脱することもなく、しっかりと結合した状態となる。
ツマミ部3の接続部6に適宜接続金具15,16を介すか又は介さないで索体5を接続した状態とし、この索体5の他端部を作業者側へ繋いでおけば、作業者からの工具Wの離脱(落下や紛失など)を防止できることになる。
【0016】
ところで、挟持補助体7は、工具Wの重さ、形体、用途、及び工具Wにおける棒状部Gの太さなどに応じて、使用したり使用しなかったりを適宜選択できるものである。そのため、嵌着部2の内径が種々に異なるものや、挟持補助体7の内径が種々に異なるものなどを予め製作し、準備しておくのが好適となる。
また、図6及び図7に示すように、例えば工具Wがドライバーなどの回転操作を必要とするものである場合には、工具Wの棒状部Gに対してベアリングなどの回転自在なスリーブ部材30を嵌着させ、このスリーブ部材30の外周側に嵌着部2を直接的、又は挟持補助体7を介して間接的に嵌着させるようにすればよい。
【0017】
このようなスリーブ部材30を使用すれば、連結具1が索体5によって回転を制限される状況下にあっても、スリーブ部材30を介して工具Wを回転自在な状態に保持できるので、工具Wの使用上、不便を感じることはなくなる。
なお、スリーブ部材30についても、工具Wの棒状部Gに対して着脱自在とすることができるため、工具Wへの特別な加工などは不要である。
図8は、本発明に係る連結具1の第2実施形態を示している。本第2実施形態の連結具1は、嵌着部2を形成する素材として線バネが採用されたものである。図例では、線バネを2巻きさせることで嵌着部2を形成させてある。また、嵌着部2を形成させる途中(2巻きさせる途中)で、線バネを嵌着部2から径方向外方へ突出させるようにしてツマミ部3及びツマミ部4を形成させてあり、これら嵌着部2及び両ツマミ部3,4の一体化を可能にしてある。
【0018】
そして一方のツマミ部3では、嵌着部2から突出する根本部にカシメ用の圧着具31を取り付けることで、この圧着具31より先方側に形成される輪部で索体5用の接続部6が形成されるようにしてある。
本第2実施形態の連結具1における使用状況(挟持補助体7を必要に応じて使用したり使用しなかったりできる点を含む)や作用効果は、上記した第1実施形態の場合と略同様であるため、ここでの詳説は省略する。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0019】
例えば、嵌着部2の巻き形状やツマミ部3,4の突出角度、挟持補助体7の形状などは何ら限定されるものではない。またこれらを形成する素材としても、所定の弾力を有するものであればその他は特に限定されるものではない。
挟持補助体7において、フランジ部21は本体部20に対する一端側のみとしてもよいし、設けないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図2に示した連結具の使用例を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る連結具の第1実施形態を示した斜視図である。
【図3】図2に示した連結具の分解斜視図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】図3中の一部(嵌着部及びツマミ部まわり)を拡大して示した斜視図である。
【図6】図2に示した連結具の別の使用例を示した分解斜視図である。
【図7】図6の使用状況としたときの連結具を示した側断面図である。
【図8】本発明に係る連結具の第2実施形態を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 連結具
2 嵌着部
3 ツマミ部
4 ツマミ部
5 索体
6 接続部
7 挟持補助体
21 フランジ部
22 拡縮用隙間
W 工具
G 棒状部
【出願人】 【識別番号】593076840
【氏名又は名称】株式会社マインド
【出願日】 平成19年5月16日(2007.5.16)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄


【公開番号】 特開2008−284633(P2008−284633A)
【公開日】 平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願番号】 特願2007−130450(P2007−130450)