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【発明の名称】 測定用定盤
【発明者】 【氏名】塚 原 宥 誼

【氏名】塚 原 隆

【氏名】鈴 木 裕 一

【要約】 【課題】簡潔な構造で、表面の升目やポケット加工が不要で、簡単に素早い表面の仕上げ加工、製作及び補修コスト低減、測定物との間のゴミや異物の噛込み防止、連続的な高速測定検査等が可能で、測定物に合せた自由度に優れた測定用定盤を提供する。

【解決手段】本発明の測定用定盤は、板状の硬質部材からなり、複数のピン挿入孔1aが開孔された基板1と、基板1のピン挿入孔1aに圧入された硬質部材からなる複数のピン2とから構成され、これらピン2の上端部が同一平面上になるように仕上げられて測定物搭載面となる。さらに、ピン2には、エア流路孔2cが開孔され、ピン2の上端から基板1のピン挿入孔1aを経由して圧縮空気が噴出されるか、又は真空吸引されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の硬質部材からなり、複数のピン挿入孔が開孔された基板と、
該基板のピン挿入孔に圧入された硬質部材からなる複数のピンとから構成され、
これらピンの上端部が、同一平面上になるように仕上げられて測定物搭載面となることを特徴とする測定用定盤。
【請求項2】
前記複数のピンが、前記基板上で2種類以上の異種部材に区分され配置されていることを特徴とする請求項1記載の測定用定盤。
【請求項3】
前記ピンが測定物の測定箇所に合せて、該測定物を3点で支持するように前記基板上に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の測定用定盤。
【請求項4】
前記基板が金属板であり、
前記ピンが、硬質セラミックス又は/及び超硬合金製であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の測定用定盤。
【請求項5】
前記ピンは、少なくとも前記ピン挿入孔に挿入される部分が挿入方向に先細りテーパ状に形成されたテーパピンであり、前記基板のピン挿入孔に圧入されてテーパロックされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の測定用定盤。
【請求項6】
前記ピンは、前記ピン挿入孔に挿入される挿入部が細くストレート状又は挿入方向に先細りテーパ状に形成された段付きピンであり、前記基板のピン挿入孔に圧入されて固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の測定用定盤。
【請求項7】
前記ピンの上端面は、平面に対して略点又は線接触する凸曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の測定用定盤。
【請求項8】
前記ピンには、エア流路孔が開孔され、ピンの上端から前記基板のピン挿入孔を経由して圧縮空気が噴出されるか、又は真空吸引されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の測定用定盤。
【請求項9】
前記基板の下面に、圧縮空気源及び真空源に連結された流路を切り替える切替弁を備えたエアチャンバが、前記複数のピン挿入孔を覆い密閉状態で設けられていることを特徴とする請求項8記載の測定用定盤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生産現場において加工物測定用等に使用する測定用定盤に関し、特に素材及び加工コスト低減を含む経済性及び測定物との接触形態の自由度に優れた測定用定盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定用定盤として単一素材の金属板が一般的に用いられていた(例えば、特許文献1)。特許文献1には、図7に示すように、反りを有する平板102を載置する測定用定盤100と、加圧された平板102を一様に加圧する加圧ブロック105を有する加圧手段と、加圧された平板102に接触する測定子112及び測定ゲージ113を有する測定手段とを備えた平板厚さ測定装置が例示されている。
【0003】
また、従来、測定物と測定用定盤との間へのゴミや異物などの噛込みを防いだり、測定物の表面をラッピングしたりするために、測定用定盤の表面に升目(グリット状の溝)あるいは所定パターンの多数のポケットを穿設するのが主流となっていた(例えば、特許文献2、3)。
【0004】
特許文献2には、測定用定盤そのものではないが、図8に示すように、表面にグリット状の溝24が穿設され加工作用面となる球状黒鉛鋳鉄層21が低熱膨張鋳鉄合金層ベースプレート22上に締結ボルト23により固着された2層構造のラッピング定盤が開示されている。このラッピング定盤は、測定用定盤に適用可能な構造である。
【0005】
特許文献3には、図9(a)及び(b)に示すように、測定用定盤31の測定面部分31aを平面研削盤により平面研削加工を行なって所定平面度を有する面に形成した後、刃部の曲率半径が大きなボールエンドミル32を備えたNC機をプログラム制御して測定用定盤31の測定面部分31aに0.03〜0.05mmの深さを有する多数のポケット33を平面格子状等のパターンで形成する測定用定盤の加工方法が開示されている。
【0006】
また、図10(a)及び(b)に示すように、製作が容易でかつ被研磨物にスクラッチなどが発生するのを防止し得ることを意図して、円形状の取付板体41の表面に穿設された凹部41aに取付板体41とは別体の円柱形状の研磨用ビット42を取付ボルト43により多数取付けた研磨定盤が提案されている(例えば、特許文献4)。この研磨定盤も、測定用定盤に適用可能な構造である。
【特許文献1】実開昭61−48302号公報
【特許文献2】特開2000−158326号公報
【特許文献3】特開平5−69215号公報
【特許文献4】特開平11−291160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の測定用定盤100は、単一素材であるため所望の硬質材料を使用した定盤を製作する場合、使用するのに必要な大きさ以上の高価な硬質材料の素材寸法を要するとともに、精度を確保するために時間をかけてその表面全体を仕上げる必要があるなど製作あるいは補修のコストアップとなるという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2のラッピング定盤の構造は、低熱膨張鋳鉄合金層ベースプレート22上に加工作用面となる球状黒鉛鋳鉄層21を配した2層構造とすることにより素材コストを抑えるという上記特許文献1における問題点を改善してはいるものの、定盤の表面に升目(グリット状の溝)を穿設する必要があるとともに升目(グリット状の溝)の間の表面平坦部にゴミや異物などが付着して測定物との間に噛込み易い上、表面の仕上げ加工を含む加工コストも嵩む等の問題点が依然として残されている。
【0009】
一方、特許文献3の測定用定盤は、その表面にNC制御加工方法により効率よく多数のポケット33を穿設することができるようになっているが、測定用定盤の硬質材料の素材、NC機及びその制御プログラム等が高価であり製作及び補修コストが嵩む上、ポケット33の間の表面平坦部にゴミや異物などが付着して測定物との間に噛込み易い等の問題点が依然として残されている。
【0010】
また、特許文献4の研磨定盤の構造は、取付板体41の表面に加工作用面となる多数の円柱形研磨用ビット42を配した2層構造とすることにより、前記特許文献2、3のような板状体の表面に升目あるいはポケットなどの溝部を加工するものに比べてバリの発生がないため被研磨物にスクラッチが発生するのを防止することができるとともに、高価な硬質材料の素材コストを抑えるという上記特許文献1及び3における問題点等を改善してはいるものの、研磨用ビット42の表面平坦部にゴミや異物などが付着して測定物との間に噛込み易い上、多数の研磨用ビット42表面の仕上げ加工を含む加工コストも嵩む等の問題点が依然として残されている。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡潔な構造で、表面の升目(グリット状の溝)又は多数のポケット加工が不要で測定物との間にゴミや異物などの噛込みを防止することができ、表面の仕上げ加工が簡単に素早く可能であるとともに、連続的に素早く測定する高速測定検査が可能であり、製作及び補修コスト低減を含む経済性に優れるとともに測定物との接触形態の自由度に優れた測定用定盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の測定用定盤は、板状の硬質部材からなり、複数のピン挿入孔が開孔された基板と、該基板のピン挿入孔に圧入された硬質部材からなる複数のピンとから構成され、これらピンの上端部が同一平面上になるように仕上げられて測定物搭載面となることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の測定用定盤であって、前記複数のピンが、前記基板上で2種類以上の異種部材に区分され配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の測定用定盤であって、前記ピンが測定物の測定箇所に合せて、該測定物を3点で支持するように前記基板上に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の測定用定盤であって、前記基板が金属板であり、前記ピンが、硬質セラミックス又は/及び超硬合金製であることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の測定用定盤であって、前記ピンは、少なくとも前記ピン挿入孔に挿入される部分が挿入方向に先細りテーパ状に形成されたテーパピンであり、前記基板のピン挿入孔に圧入されてテーパロックされることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の測定用定盤であって、前記ピンは、前記ピン挿入孔に挿入される挿入部が細くストレート状又は挿入方向に先細りテーパ状に形成された段付きピンであり、前記基板のピン挿入孔に圧入されて固定されることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の測定用定盤であって、前記ピンの上端面は、平面に対して略点又は線接触する凸曲面状に形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の測定用定盤であって、前記ピンには、エア流路孔が開孔され、ピンの上端から前記基板のピン挿入孔を経由して圧縮空気が噴出されるか、又は真空吸引されることを特徴とする。
【0020】
請求項9の発明は、請求項8記載の測定用定盤であって、前記基板の下面に、圧縮空気源及び真空源に連結された流路を切り替える切替弁を備えたエアチャンバが、前記複数のピン挿入孔を覆い密閉状態で設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、基板の表面に複数配置された硬質部材からなるピンの上端部を測定物搭載面とすることにより、従来の測定用定盤に比べて次のような効果がある。
【0022】
(1)測定物に適したピンの素材選択及び配置とすることができることから測定定盤の形態の自由度が向上する。
【0023】
(2)ピンの上端部の研磨、ラッピングなどによる仕上げ加工が容易で、加工時間を大幅に短縮することができる。
【0024】
(3)測定用定盤の表面に升目(グリット状の溝)あるいは多数のポケットを設ける必要がなく、ピンの上端部面積及び測定物との接触面積が僅少であるためゴミや異物などが付着し難く、測定物との間へのゴミや異物などの噛込み防止が大幅に向上する。したがって、測定結果にゴミや異物などによる影響を及ぼすことがない。
【0025】
(4)ピンが基板のピン挿入孔に圧入されているので、摩耗など損傷したピンだけを前記ピン挿入孔の下側から力を加えて容易に抜き取り新しいピンと交換できるので、補修時間を大幅に低減することができる。
【0026】
このように、簡潔な構造で、測定物搭載面となるピンが小容積であることから、ピンの高価な硬質素材を含む製作及び補修等のコスト低減が可能で、経済性及び測定物との接触形態の自由度に優れた測定用定盤を提供することができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な効果を有するのに加えて、前記複数のピンが、前記基板上で2種類以上の異種部材に区分され配置された構成であるため、測定物に適したピンの素材選択及び配置とすることが容易になることから測定定盤の形態の自由度が一層向上するという効果がある。
【0028】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明と同様な効果を有するのに加えて、ピンが測定物の測定箇所に合せて測定物を3点で支持するように基板上に配置された構成であることから、測定物の測定箇所以外の面に測定用定盤が接触することがないため測定物の平面度が測定物の厚みなどの測定結果に影響を及ぼすことがなく、測定結果の正確性を確保することができるという効果がある。すなわち、従来の平坦な測定用定盤での測定における、測定用定盤表面と接触する測定物の平面度が測定結果に影響を及ぼし易いという問題点を改善するものである。
【0029】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、小容積のピンを大容積の基板の金属とは異質の硬質セラミックス又は/及び超硬合金製とすることにより、高価な硬質セラミックスや超硬合金等の素材コストを大幅に削減することができるとともに、測定用定盤の補修時にはピン上端のみを研磨、ラッピングなどによる再仕上げ加工するか又は損耗したピンのみを調整した新品と交換すればよいので、測定用定盤の製作及び補修コスト共大幅に削減することができるという効果がある。
【0030】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、前記ピンは、少なくとも前記ピン挿入孔に挿入される部分が挿入方向に先細りテーパ状に形成され、ピン挿入孔に圧入されてテーパロックされるので、ピンの取付け固定がワンタッチででき、かつピン取付けの信頼性が向上するとともに、損傷したピンをピン挿入孔の下側から力を加えて一層容易に抜き取り新しいピンと交換できるので、測定用定盤の製作及び補修コスト共さらに大幅に削減することができるという効果がある。
【0031】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、ピンをピン挿入孔に挿入部が細くストレート状又は挿入方向に先細りテーパ状に形成された段部まで圧入して固定することにより、基板からのピン突出長さが均一化され、基板へのピン装着の信頼性が一層向上する。これにより、ピンの上端部からなる測定物搭載面の平面仕上げ時間が大幅に短縮され、測定用定盤の製作及び補修コスト共一層削減することができるという効果がある。
【0032】
請求項7の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、ピンの上端面が平面に対して略点又は線接触する凸曲面状に形成されているので、ピンの上端部面積及び測定物との接触面積が僅少であるためゴミや異物などが一層付着し難く、測定物との間へのゴミや異物などの噛込み防止がさらに大幅に向上し、測定結果にゴミや異物などによる影響を及ぼすことがないという効果がある。
【0033】
請求項8の発明によれば、請求項1乃至請求項7のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、エア流路孔が開孔されたピンの上端から噴出される圧縮空気により、測定物に対するゴミなどの付着物が除去されるので測定結果にゴミや異物などによる影響を及ぼすことが一層改善されるとともに、例えば各種メディアディスクなどの測定物を浮上させて移動を容易にすることができるので摺り傷の発生や高精度な平面同士で発生し易いリンキング(吸付き)を防止することができる。
【0034】
また、これとは反対に、ピンの上端のエア流路孔から真空吸引することにより、例えば各種メディアディスクなどの測定物をピン上端に容易に定着することができるので、測定効率を上げることができるなどの効果がある。
【0035】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様な効果を有するのに加えて、基板の下面のエアチャンバに設けられた切替弁によりピン上端からの圧縮空気噴出と真空吸引とを交互に切替えることができるので、測定物の除塵、浮遊移動、定着、及び測定の一連の作業を連続的に行う高速測定検査が容易に可能になる。これにより、測定検査の経済性が一層向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の測定用定盤を実施するための最良の形態の具体例を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0037】
図1は本発明の実施例1の測定用定盤の平面図、図2はその縦断面図である。
【0038】
実施例1の測定用定盤は、板状の硬質部材からなる基板1と、基板1の表面に複数配置された硬質部材からなるピン2とから構成されている。
【0039】
図2に示すように、基板1には複数のピン挿入孔1aが開孔されており、ピン2は、基板1上からピン挿入孔1aに圧入され固定されており、ピン2の上端部が同一平面上になるように、研磨、ラッピングなどにより例えば平面度0.0001mmオーダーの精度で仕上げられて測定物10の搭載面となる。
【0040】
この例では、少なくともピン挿入孔1aに挿入される部分が挿入方向に先細りテーパ状に形成されたテーパピンであり、ピン挿入孔1aに所定の一定の力で圧入されテーパロックされている。ピン径は、異物付着防止、平面度仕上げ加工の容易性、コスト等の面から細い方がよいが、研削力に対して変形せずテーパ加工精度が保持できる例えば10mm前後程度が最適である。一方、ピン挿入孔1aは、ピンを圧入可能なピン径より若干細めのストレート孔で、あるいはピンより緩傾斜のテーパ孔としてもよい。
【0041】
ピン2の上端面は、角部が欠損防止のため丸み加工(図示しない)されるとともに、例えば球面状など平面に対して略点又は線接触する凸曲面状に形成することが望ましい。
【0042】
このように、基板1の表面に複数配置されたピン2の上端部を測定物搭載面とすることにより、従来の測定用定盤に比べて、ピン2の上端面の研磨、ラッピングなどによる仕上げ加工が容易で、加工時間が大幅に短縮することができる。また、従来のように測定用定盤の表面に升目(グリット状の溝)あるいは多数のポケットを設ける必要がなく、ピン2の上端部面積及び測定物10との接触面積が僅少であるため測定物10と測定用定盤のピン2との間にゴミや異物などが噛込み難く、測定結果にゴミや異物などによる影響を及ぼすことがない。
【0043】
また、ピン2は、図1の例では基板1上で硬質セラミックス製ピン2aと超硬合金製ピン2bとの2種類の異種部材に区分され配置されている。従来の鋳物や天然石の定盤では、摩耗し易く、特に後者は材質的に不均一であるという欠点があるが、例えばSiC、SiN、ジルコニア(酸化ジルコニウム:ZrO2)などの硬質セラミックス製及びWC系超硬、サーメットなどの超硬合金製のものは、実績的にも摩耗がなく安定した定盤とすることができる。
【0044】
ピン2が2種類の異種部材に区分され配置されることにより、測定物に適したピン2の素材選択及び配置とすることが容易になるため、測定定盤の形態の自由度を一層向上させることができる。
【0045】
基板1は、ピン2がピン挿入孔1aに圧入されテーパロックされ、測定物の重量にも十分耐えられる比較的硬質の鋳鋼その他各種材料の金属板あるいは非金属部材により適宜形成することができる。特に、屋外における防錆さらには食品関係用など衛生性が要求される場合には、Al合金、SUSなど又はこれらを鉄鋼材料と合せた合板などが用いられる。
【0046】
ピン2の上端面としては、平面に対して略点接触する球面状などの他に、図示しないが、線接触する円筒曲面状あるいは小面積の小円形平面状などとすることもできる。球面状の方が先端部の面積が小さく表面にゴミや異物などが付着し難い点では最も優れているが、特に、大きな重量の測定物に対しては後者の方が線接触あるいは面接触により接触応力(ヘルツ接触応力又はヘルツ応力)を低く抑えることができる点で有利といえる。
【0047】
以上のように、小容積のピン2を大容積の基板1の金属とは異質の硬質セラミックス又は/及び超硬合金製とすることにより高価な硬質セラミックスや超硬合金等の素材コストを大幅に削減することができる。また、測定用定盤の補修時にはピン2の上端のみを研磨、ラッピングなどによる再仕上げ加工するか又は損耗したピンのみを調整した新品と交換すればよい。ピン2は、ピン挿入孔1aに圧入されテーパロックされるので、ピンの取付け固定が信頼性高くワンタッチでできるとともに、損傷したピン2をピン挿入孔1aの下側から力を加えて容易に抜き取り新しいピンと交換できるので、測定用定盤の製作及び補修コスト共大幅に削減することができる。
【実施例2】
【0048】
図3は本発明の実施例2の測定用定盤の平面図、図4はその側面(要部縦断面)図である。ここで分かり易くするため、実施例2においても、実施例1に対して部分的に形状が異なっていても同一の機能を有する部材には同一の符号を付して対応させてある。
【0049】
実施例2の測定用定盤は、ピン2が測定物10の測定箇所に合せて、測定物10を3点で支持するように基板1上に配置されている構成である。
【0050】
この例においては、図3、4に示すように、測定物10を基板1上の3個のピン2による3点で支持するように移動させながら、そのピン2の1点上で順次ダイヤルゲージ20やインジケータ(図示しない)などにより測定物10の厚みを測定することができる。
【0051】
したがって、実施例2においては、測定物10の測定箇所以外の面に測定用定盤が接触することがないため、従来の平坦な測定用定盤におけるような測定物10の平面度が測定物10の厚みなどの測定結果に影響を及ぼすことがなく、測定結果の正確性を確保することができる。
【実施例3】
【0052】
図5は、本発明の実施例3の測定用定盤の要部縦断面図である。ここで分かり易くするため、実施例3においても、実施例1又は2に対して部分的に形状が異なっていても同一の機能を有する部材には同一の符号を付して対応させてある。
【0053】
実施例3の測定用定盤は、ピン2の軸心に沿ってエア流路孔2cが開孔され、ピン2の上端から基板1のピン挿入孔1aを経由して圧縮空気が噴出されるか、又は真空吸引される構成である。
【0054】
エア流路孔2cが開孔されたピン2の上端から噴出される圧縮空気により、測定物10に対するゴミなどの付着物が除去されるので測定結果にゴミや異物などによる影響を及ぼすことが一層改善される。また、例えば各種メディアディスクなどの測定物を浮上させて移動を容易にすることができるので、摺り傷の発生や高精度な平面同士で発生し易いリンキング(吸付き)を防止することができる。
【0055】
これとは反対に、ピン2の上端のエア流路孔2cから真空吸引することにより、例えば各種メディアディスクなどの測定物をピン2の上端に容易に定着することができ、測定効率を上げることができる
【0056】
さらに、基板1の下面には、圧縮空気源連結管6及び真空源連結管7に連結された流路を切り替える切替弁5が連結管4により連結されたエアチャンバ3が、複数のピン挿入孔1aを覆い密閉状態で設けられている。
【0057】
したがって、実施例3においては、前記実施例と同様な優れた利点を有するのに加えて、基板1の下面のエアチャンバ3に設けられた切替弁5によりピン2上端からの圧縮空気噴出と真空吸引とを交互に切替えることができるので、測定物10の除塵、浮遊移動、定着、及び測定の一連の作業を連続的に行う高速検査が容易に可能になり、測定検査の経済性が一層向上する。
【実施例4】
【0058】
図6は、本発明の実施例4の測定用定盤の要部縦断図である。
【0059】
実施例4の測定用定盤においては、ピン200が、ピン挿入孔1aに挿入される挿入部201が若干細くストレート状又は挿入方向に先細りテーパ状に形成された段202付きピンとなっている構成である。
【0060】
この例では、ピン200は、段202部が基板1の上面に当接するまでピン挿入孔1aに挿入部201が圧入されて固定される。
【0061】
このため、基板1からのピン200の突出長さが均一化され、基板1へのピン200装着の信頼性が向上し、ピン200の上端部からなる測定物搭載面の平面仕上げ時間が大幅に短縮され、測定用定盤の製作及び補修コスト共一層削減することができる
【0062】
以上のように、本発明によれば、基板1の表面に複数配置された硬質部材からなるピン2の上端部を測定物搭載面とする簡潔な構造で、測定物搭載面となるピン2が小容積であることから、ピン2の高価な硬質素材を含む製作及び補修等のコスト低減が可能で、経済性及び測定物10との接触形態の自由度に優れた測定用定盤を提供することができる。
【0063】
なお、本発明の測定用定盤1は、図1〜6等に示した実施例以外にも例えばピンの形状や配置形態あるいはその他の部材を含む材質等を任意に変更した構成とすることができる。例えば、ピンの材質として、硬質セラミックス、超硬合金の他に、ダイヤやその他の硬質部材を測定物の特性に合せて任意に単独又は組合せて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例1の測定用定盤の平面図である。
【図2】図1の測定用定盤の縦断面図である。
【図3】本発明の実施例2の測定用定盤の平面図である。
【図4】図3の測定用定盤の側面(要部縦断面)図である。
【図5】本発明の実施例3の測定用定盤の側面(要部縦断面)図である。
【図6】本発明の実施例4の測定用定盤の要部縦断面図である。
【図7】従来の特許文献1の測定用定盤の側面図である。
【図8】従来の特許文献2のラッピング定盤の構造を示す説明図(断面図)である。
【図9】(a)は従来の特許文献3の測定用定盤の加工方法の実施例を示す説明図、(b)は(a)の加工方法により形成された定盤測定面の平面図である。
【図10】(a)は従来の特許文献4の測定用定盤の平面図、(b)は(a)の要部断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 基板
2、200 ピン
2a セラミック製ピン
2b 超硬合金製ピン
2c エア流路孔
3 エアチャンバ
4 連結管
5 切替弁
6 圧縮空気源連結管
7 真空源連結管
10 測定物
20 ダイヤルゲージ
201 挿入部
202 段部
【出願人】 【識別番号】595036943
【氏名又は名称】株式会社城北工範製作所
【出願日】 平成19年5月7日(2007.5.7)
【代理人】 【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−272911(P2008−272911A)
【公開日】 平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願番号】 特願2007−122463(P2007−122463)