トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 刻印用スクラッチツール
【発明者】 【氏名】カール バオホ

【要約】 【課題】簡易な制御によりスクラッチピンおよび工作機械に対する過大な反力を抑えるとともに、刻印溝の始端位置で所定深さの窪みを形成することができる簡易な構成の刻印用スクラッチツールを提供する。

【解決手段】刻印用スクラッチツールは、ハウジング1に対してスクラッチピン8を進退動作可能に収容し、このスクラッチピン8をサスペンションスプリング12によって弾性支持して構成され、上記スクラッチピン8は、その進退動作方向にスライド移動可能な質量部材であるハンマーピース3を上記サスペンションスプリング12との間に介設するとともに、上記スクラッチピン8に対するハンマーピース3の支持位置を切換えるスイッチ要素7を進退動作可能に設け、このスイッチ要素7は上記スクラッチピン8の進退動作と連動して支持位置を切換えるためのガイドカム作用を有するスイッチリング16を備えるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略筒状に形成したハウジング(1)に対してスクラッチ機能を有するスクラッチピン(8)をその中心軸線方向に進退動作可能に収容し、このスクラッチピン(8)をサスペンションスプリング(12)によって上記ハウジング(1)に対して弾性支持してなる刻印用スクラッチツールにおいて、
上記スクラッチピン(8)は、その進退動作方向にスライド移動可能な質量部材であるハンマーピース(3)を上記サスペンションスプリング(12)との間に介設するとともに、上記スクラッチピン(8)に対するハンマーピース(3)の支持位置を切換えるスイッチ要素(7)を進退動作可能に設け、このスイッチ要素(7)には上記スクラッチピン(8)の進退動作行程と連動して支持位置を切換えるためのガイドカム作用を有するスイッチリング(16)を設けたことを特徴とする刻印用スクラッチツール。
【請求項2】
前記サスペンションスプリング(12)には、その受け位置を変更調節するためのアジャスト機構(5)を備えたことを特徴とする請求項1記載の刻印用スクラッチツール。
【請求項3】
前記スクラッチピン(8)には、その進出方向に付勢するプレッシャスプリング(11)を介設することを特徴とする請求項1記載の刻印用スクラッチツール。
【請求項4】
前記プレッシャスプリング(11)には、その受け位置を変更調節するためのアジャスト機構(11a)を備えたことを特徴とする請求項3記載の刻印用スクラッチツール。
【請求項5】
前記ハウジング(1)には、前記スクラッチピン(8)をその進退動作を可能に支持するベアリングブッシュ(10)を前記スクラッチピン(8)の進退方向にスライド動作可能に設け、このベアリングブッシュ(10)は、その前端面を前記スクラッチピン(8)の先端の後退位置に合わせて配置するとともに、ベアリングブッシュスプリング(17)によって弾性支持したことを特徴とする請求項1記載の刻印用スクラッチツール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、NC工作機械等に装着して使用され、工作機械の刻印動作によってワーク表面に刻印表示加工をする刻印用スクラッチツールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のワークピースについて連続的で読み易いマーキングをNC工作機械やロボット機等の複数工程処理工作機械の外部で行うためには、スクラッチ法、ニードルグレーブ法、ディスチャージ法、レーザー法が使用される。そのようなマーキング装置は、複数工程処理用の工作機械の外部に配置されてそれぞれに制御部、表示部、駆動部を配置する。これらの必要から一方で高額の費用を要し、他方で取込みと取出しの命令によりマーキング装置内にワークピースを導入する必要がある。
【0003】
この外部マーキングのコストの大部分は、ハンドリング、クランピング、コントローリングの費用によるものである。それ故に、対象となる狙いは、マーキング加工をその工程処理に可能な限り直接的に連結することであり、それによってコントローリングとハンドリングの費用を節約することにある。
【0004】
複数工程処理用の工作機械内におけるマーキングのためには、現に油圧や空圧で駆動されるニードルツールが複数ある。特許文献1、特許文献2を参照ください。これらツールは、多くはある限られた圧力範囲でしか作動しない。その送りスピードは、作動時のニードル振動とツールの摩耗が激しいことから5m/min未満に限定される。
【0005】
一方では、いわゆるグレーバー、すなわち、メタルカッティングツールがマーキングの溝掘りをするために使用される。これらのツールは欠点があり、僅かな送り速度しか実施できず、また、高速のスピンドルスピードが必要である。その上に、それらのツールは、破損しやすく、また、摩耗しやすく、マーキングの安全を大きく低下させる。
【0006】
その他では、スクラッチツールが工作機械内におけるマーキングに使用され、またそれらが同類のNCオートメーションによって製造されるようにして、そこではスピンドル回転やニードル駆動手段は必要でない。更に、このツールは利点があり、無制限のマーキングスピードができる。
【0007】
既存のものの欠点としては、挿入線に沿うバリがカールアップされることである。また、このツールは、今日まで、ドットマトリクスを実現するには妥当でない。より深いマーキングには次のことが特に問題で、すなわち、そのスクラチピンやニードルが押込み行程についてゆっくりと押込み動作しているということである。これについてはスモールフォントサイズについて顕著である。そのスクラッチピンは、多くのケースで適正深さを達成するために1〜2mmの行程を要求する。そのことは、僅か2mmのフォントサイズにとっても不完全で不明確なマーキングを招く。
【0008】
下記の改良の課題は、スクラッチマーキング用ツールを創出することであり、そのツールは、バリのカールアップをかなり減少させまたは排除するものであり、また必要とされるマーキング深さをその最初から既に動作しているものであり、また、それはドットマトリクスコードの実現をも許容するものである。ここで考慮を要するのは、いろいろな材料、表面、硬さに応じて、圧力とインパルスを広く変化することが要求されることである。過度に狭い位置のマーキングにも正しいアクセスを確実にするために、そのツールは非常に薄い形に作り上げられる必要がある。少しでもベアリング負荷を最小化するためには全体としての長さが要求される。スクラッチピンロードとそのインパルスの高さをその外部または工作機械から簡易に変更することが達成を要する追加的要求である。
【特許文献1】DE10210630B4号公報
【特許文献2】EP1172178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の問題点は、以下のように要約される。
一般に、刻印用スクラッチツールは、略筒状のハウジング内にスクラッチピンを交換可能に保持し、この筒状ハウジングを介してNC工作機械等に取付け、機械加工の最終工程として組み込むことにより、ワーク加工の一環として刻印工程までを処理することができる。したがって、刻印専用機を使用する場合と対比すると、ワークの移動および着脱のための付加工程を要しない点で低コストで迅速な加工が可能となる。
【0010】
その刻印加工動作は、ワーク表面に対してスクラッチピンの先端を押し付けた上で横移動させるものであり、溝線による線描刻印がワーク表面に形成される。この場合、スクラッチピンにサスペンションスプリングを介設することにより、刻印加工工程においてスクラッチピン側への過大な反力が抑えられるとともに溝の深さが略一定になり、その結果、スクラッチピンや工作機械本体の耐久性の確保および刻印加工制御の簡易化が可能となる。
【0011】
しかしながら、上記刻印用スクラッチツールは、スクラッチピンがサスペンションスプリングによって支持されていることから、そのサスペンションスプリングが一定の撓みに達するまでの間では溝の深さが次第に変化し、この刻印溝の始端側における溝底の傾斜により刻印線質が不均一となるという問題があった。
【0012】
解決しようとする問題点は、簡易な制御によりスクラッチピンおよび工作機械に対する過大な反力を抑えるとともに溝の深さを一定に維持でできるサスペンションスプリングの作用を生かしつつ、刻印の線質を始端から終端まで均一に確保することができ、また、いわゆるドットマトリクスの刻印処理を可能とするべく、刻印溝の始端位置で所定深さの窪みを形成することができる簡易な構成の刻印用スクラッチツールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、略筒状に形成したハウジング1,2に対してスクラッチ機能を有するスクラッチピン8をその中心軸線方向に進退動作可能に収容し、このスクラッチピン8をサスペンションスプリング12によって上記ハウジング2に対して弾性支持してなる刻印用スクラッチツールにおいて、上記スクラッチピン8は、その進退動作方向にスライド移動可能な質量部材であるハンマーピース3を上記サスペンションスプリング12との間に介設するとともに、上記スクラッチピン8に対するハンマーピース3の支持位置を切換えるスイッチ要素7を進退動作可能に設け、このスイッチ要素7には上記スクラッチピン8の進退動作行程と連動して支持位置を切換えるためのガイドカム作用を有するスイッチリング16を設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明の刻印用スクラッチツールの主要な構成は、図1の半縦断面を伴う全体図に示すように、ハウジング1はヘッド2部を一体として略筒状に構成し、このハウジング1内にスクラッチ加工具としてのスクラッチピン8をその中心軸線方向に進退動作可能に収容する。スクラッチピンベアリング6はスクラッチピン8と一体の摺動部であり、このスクラッチピンベアリング6にその軸線方向にスライド動作可能な質量部材であるハンマーピース3を設け、このハンマーピース3をサスペンションスプリング12により上記ハウジング1に対して弾性支持する。スクラッチピンベアリング6には、図2の要部拡大図に示すように、進退動作可能にリターンスプリング14付きのスイッチ要素7をスクラッチピン8の複数の半径線(図例は1つの直径線)上に設け、このスイッチ要素7は、ハンマーピース3を位置可変に支持する位置可変支持部材として同ハンマーピース3から突出するディスタンスピン3pの進入を許容する小径部8gを備え、その端部7tに接してスクラッチピン8の進退動作行程に応じてガイドカムとして機能するスイッチリング16を設ける。
【0015】
請求項1の構成の刻印用スクラッチツールの動作は、図3の要部拡大図に示すように、工作機械本体の刻印動作によってスクラッチピン8がワーク表面に押し付けられ、サスペンションスプリング12が一定位置まで撓んだ時点で、スイッチ要素7のカム動作によってハンマーピース3の支点となるディスタンスピン3pの支持位置が小径部7gに切換えられ、その結果、ハンマーピース3が切換後の支持位置までスライド動作して衝撃的にスクラッチピン8に作用し、その衝撃力によりスクラッチピン8がワーク表面から一定深さまで押し込まれて1つのドット分の窪みが形成される。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記サスペンションスプリング12には、その受け位置を変更調節するためのアジャスト機構5、12を備えたことを特徴とする。
ハウジング1と螺合するアダプタ4等によってサスペンションスプリング12の支持位置をスライド可能に変更するスライダ5を設けることによってアジャスト機構5を構成することにより、サスペンションスプリング12の予圧力の調整が可能となる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1の構成において、前記スクラッチピン8には、その進出方向に付勢するプレッシャスプリング11を介設することを特徴とする。
上記スクラッチピン8の端部にスプリングガイド13を設けてプレッシャスプリング11を作用させることにより、スクラッチピン8が衝撃力によってワーク表面に押し込まれた後にも、プレッシャスプリング11による押圧力が作用する。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項3の構成において、前記プレッシャスプリング11には、その受け位置を変更調節するためのアジャスト機構11aを備えたことを特徴とする。
図4に示すように、上記プレッシャスプリング11に設けたセットスクリュー11a等によるアジャスト機構によりその予圧調整が可能となる。
【0019】
請求項5に係る発明は、請求項1の構成において、前記ハウジング1には、前記スクラッチピン8をその進退動作を可能に支持するベアリングブッシュ10を前記スクラッチピン8の進退方向にスライド動作可能に設け、このベアリングブッシュ10は、その前端面を前記スクラッチピン8の先端の後退位置に合わせて配置するとともに、ベアリングブッシュスプリング17によって弾性支持したことを特徴とする。
上記ベアリングブッシュ10は、図5の別例の要部拡大図に示すように、スクラッチピン8の先端近傍にスライド動作可能にスプリング17で支持し、ベアリングブッシュ10の先端をスクラッチピン8の後退位置でワーク表面に作用しうる位置に配置することにより、刻印加工と同時にバリが押さえ込まれる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の構成の刻印用スクラッチツールは、刻印用スクラッチツールのスクラッチピン8をワーク表面に押し付けることにより、スクラッチピンに作用する衝撃力によってその作用点に刻印加工することができるという特性を備える。したがって、線描刻印における溝線の始端部から終端部まで均一な線質が可能となり、また、散点状のドットマーキングによってドットマトリクスを含む点描刻印が可能となる。このように、本発明の刻印用スクラッチツールは、高品質の刻印工程までがNC工作機械等によるワーク加工の一環として処理することができるという効果を有するものである。
【0021】
請求項2の構成のアジャスト機構5、12によりサスペンションスプリング12の予圧力の調整が可能となることから、衝撃力の調整に応じて各種の刻印に幅広く適用することができる。
【0022】
請求項3の構成のプレッシャスプリング11により、独立した強さの押圧力による線描刻印が可能となる。
【0023】
請求項4の構成のアジャスト機構11aによるプレッシャスプリング11の予圧力の調整によって各種の線描刻印に幅広く適用することができる。
【0024】
請求項5の構成のベアリングブッシュ10により、後処理工程を要することなく、スクラッチピン8のスクラッチ加工動作とともにそのバリを押さえたマーキングが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
発明の課題は以下の構成により解決される。
(バリ取り)
スクラッチピンには突出端に円錐が形成され、同端部はその頂点で丸く形成されている。バリのカールアップを平らにするか又は全て取り除くために、円錐形の研磨部分の長さは0.2〜0.4mmの最大スクラッチ深さに限定される。その平面の上の円錐によって作られる半径部はそのカールアップしたバリの平面化に役立つ。反対にその変化は後ろに窪んだ円錐としても形成され、結果としてその外側部分がそのバリを削り取るのに使われる。
【0026】
1つのスクラッチピンに両機能を組み合わせたオプションとして、この機能もベアリングブッシュを合わせたスクラッチピンによって実現できる。この場合、スクラッチピンはその窪みを挿入することを実現する。平面化ブッシュの次のパセッジは、そのバリを除去し、または平らにする効果を持つ。ベアリングブッシュの平面またはワークピース表面との接触面は、カッターとしてくさび形に、または平面化要素として丸い形状に形成されうる。
【0027】
寸法誤差の平準化のためには、ベアリングブッシュにスプリングを軸方向に取付けることが適切である。ベアリングブッシュのスプリングは、スクラッチピンのものと比較して、非常に高い誤差の可能性がある。調整可能なアダプタでスクラッチピンの押付力を変更できる。押付深さにより、またはワークピース表面とワークピースヘッドとの間の距離によって、ベアリングブッシュに対する作用圧力を初期インパルスの起動と同様に決定することができる。
【0028】
上記ツールの機能は次のように説明される。
(初期インパルス)
マーキングを効果付けるために、そのツールは、グレービングピンが僅かにスプリングするようにその平面上に配置される。その非常に堅いスクラッチピンを移動することにより、そのワークピース表面上のマーキングが行われる。その材料の剛性と要求されるマーキング深さに対応して、スクラッチピンの異なる荷重が要求される。この荷重は、調整用アダプタ手段によってセットされ、アダプタはスライダー上のスプリングのプリテンションに影響する。特に深いマーキングのためには、その行程の進行時にスクラッチピンが単に必要なスクラッチ深さに押込む。
【0029】
最初から正しい深さでのマーキングを達成するためには、次のことが要求され、すなわち、スタート位置でのスクラッチピンの適切な深さの押込みのためにスクラッチピンに小さなインパルスを加えることである。提案されたツールは、スクラッチピンのベアリング上の一撃の起動を行うスプリング付きのハンマーピースによりこの決着を可能とし、この方法はスクラッチピンのスプリング深さに応じてスクラッチピンの引き金となる。
【0030】
その球形や円錐形の形状により、押込み深さはスクラッチピンの荷重に対して固定された割合である。そのツールは、スプリングが少ない場合に初期インパルス無しにマークを付けるオプションもある。より大きなスプリング深さのためには、その開始インパルスがきっかけとなる。
【0031】
そのインパルスは次の方法で発生され、すなわち、その後側スプリングピンがスクラッチピンベアリングおよびハンマーピースのディスタンスピンとともにシフトバックしてそのハンマーピースは延長上の位置でブロックされ、そしてハンマーピースは作用しているスプリングフォースに抗してそれを後側にスライドすることとなる。
【0032】
スプリング付きの一体のスイッチ要素を伴うスクラッチピンベアリングが配置されている場所であるヘッドのプリセット内部輪郭により、ハンマーピースと連結されているディスタンスピンの追加の固定に必要な範囲でプリセットポジションが到達される時にスイッチング要素が押し込まれ、そして僅かな力で駆動されるディスタンスピンがスクラッチピンベアリングの方向に加速され、数ミリメータの後にそれと衝突することとなる。
【0033】
そのツールを持ち上げる時は、ハンマーピースがスクラッチピンベアリングとともにリミットストップに到達するまで単に前進されることとなる。中央のスプリングは、それから同ベアリングとともにスクラッチピンの方向にリミットストップに到達するまで移動することとなる。そこまでの距離は、スクラッチピンベアリング内でスイッチ要素に達するまでのハンマーピースに固定されたディスタンスピースの押し込み深さより少し大きい。
【0034】
このようにして次のことが行われ、すなわち、スプリング付きのスイッチ要素がロッキングポジションの外に移動され、かつ、スプリングを次回に撓ませる時に次のインパルスがスクラッチピンについて発生する。インパルス発生のこの選択こそが、このツールでドットマトリクスの発生に必要なワークピース表面上に継続的な定められた点を形成することを可能とする。
【0035】
(動作説明)
刻印用スクラッチツールは、NCプログラムに従って事前に定められたパスに追従して移動する工作機械のスピンドルによる文字や形状を掘るために使用される。
そのスピンドルからスクラッチピン8の尖端への動力伝達は、ハウジング1および一体構成のヘッド2について行われ、そのヘッド2はベアリングの上およびスクラッチピンベアリング6の上にわたってベアリングブッシュ10と同様に作用する。スクラッチピン8はトータル長さを超えるアウトプットポジションでベアリング上を移動し、飛び出した範囲だけそのピンを曲げることができる。
【0036】
図1に示されるタイプは、プレッシャスプリング11とスクラッチピン8に作用するサスペンションスプリング12の低撓みスプリングによって区別される。
パスに沿う初期インパルスの放出により、ハンマーピース3は、スクラッチピン8の大きなスプリング撓みだけで放出され、スクラッチピンベアリング6に対し、そして続いてスクラッチピン8に対しても、スプリング12によるスプリングロードによって衝突する。
このインパルスによるスプリング12のスプリングパワーは、ハンマーピース3の選択された移動パスに応じて、またはハンマーピース3のディスタンスピン3pの長さに応じて減少される。
【0037】
初期インパルスの放出は、スイッチリング16または十分に長いヘッド2の内郭により、スイッチ要素のリターンスプリング14の撓みに対抗してスイッチ要素7を特に内部に押すことにより行われるので、ディスタンスピン3pのロッキングとそれに続くハンマーピース3のロッキングが埋め合わされる。ヘッド2の内郭またはスイッチリング16の平らな表面は、スクラッチピン8がリバウンドしている時に、含まれるディスタンスピン3pとともにハンマーピース3を特に後側に保持するのに役立つので、スイッチ要素7がそのリターンスプリング14によって外側にスクラッチピン8のリミットポジションのロックポジションに移動されうる。
【0038】
ネジ4を有する調整用アダプタを回すことにより、その軸方向位置を変更することができる。所定のスライダ5を設け、これが調整用アダプタによってシフトされ、これが両スプリング11,12に作用し、そのスプリングのプリテンションは各種の材質、表面硬さ、スクラッチ深さ、スクラッチピン形状について必要な方法で調整される。規制部材15は、スクラッチピンベアリング6を備えるスクラッチピン8の軸方向移動の結果によるスライドベアリング9のシフト動作や干渉動作を避けるのを助ける。
【0039】
刻印用スクラッチツールの特別なタイプにおいて、これがカールアップしたバリを除去または平面化し、ベアリングブッシュスプリング17が、好ましくはディスクスプリングと称され、スライドベアリング9とベアリングブッシュ10との間に挿入される。それを備えることでワークピース表面に接触する時にそのベアリングブッシュ10が後方にシフトされることができ、またそれに続きツールからワークピースまでの各種の距離の場合に衝突を避ける。そのベアリングブッシュ10は、バリの立ち上がりを平らにする半径部、または進入側でバリを除去するカッターを備える。
【0040】
(構成の特徴点)
NC工作機械およびロボット機用の刻印用スクラッチツールの特徴をまとめると、次のとおりである。
シフト動作可能なスクラッチピン8は、これがハウジング1内のベアリング上を移動し、エネルギ蓄積体とアクチュエータの少なくとも一方であって独立に作用する少なくとも2つと連結されるものであり、それに対して、少なくとも1つのエネルギ蓄積体またはアクチュエータがスイッチユニットと組み合わされ、それにハンマーピースを備え、これにその動作行程、作用力、信号に従って制御されるスクラッチピン8を設ける。
【0041】
スクラッチピン8の直接的なパワーアドミッションは、ハンマーピース3に関する間接的なアドミッションと同様で、プレッシャースプリングを介して行われる。
スクラッチピン8のアドミッションは、空圧または油圧のピストンを介し、かつ他方ではスプリング力を介して行われる。
スクラッチピン8の直接的なパワーアドミッションは、ハンマーピース3に関する間接的なアドミッションと同様で、アクチュエータを介して行われ、ハウジングシャフトを通して伝えられるマシンスピンドルおよびエネルギ供給体を介して作動できる。
【0042】
カラー、ショルダー、または規制要素15は、ヘッド2内またはハウジング1内に挿入されているハンマーピース3の軸方向行程の規制のためである。
位置可変の軸方向規制体は、ヘッド2内またはハウジング1内に挿入されているハンマーピース3の軸方向行程規制のためである。
ヘッド2は内部輪郭を持ち、これは行程依存のスイッチカーブとして機能し、スクラッチピン8の方向に向かうハンマーピース3のスイッチインパルスを引き起こすためである。
行程依存のスイッチカーブは、セットカラーであって軸方向にシフト動作するように配置される。
ハンマーピース3のパワー依存の起動は衝突インパルスを発生するのに役立ち、その手段はスプリング式スイッチ要素7で、これが円錐ヘッド、ボールヘッドまたはどのような曲線でもヘッド2を備え、そのヘッド2で円錐や円筒の窪みに少なくとも一部を押し当てるものである。
【0043】
全てのスプリングは、エネルギ蓄積体として機能してスライダ5上に作用しているスクラッチピン8に荷重し、かつ、セットリングを介して予張力を受けることできる。
すべてのスプリングは、エネルギ蓄積体として機能してスライダ5上に作用しているスクラッチピン8に荷重し、かつ、いくつかのセット要素を介して異なる予張力を受けることできる。
セントラルプレッシャキーのプリテンションは、スライダ5からスクラッチピン8に直接的に作用し、これがハウジングシャンクに配置されているセットスクリュウから行われる。
【0044】
スクラッチピンベアリング6は、軸方向の穴を配置し、これらが深いことからハンマーピース3のディスタンスピン3pは完全に押込むことができる。
ハンマーピース3は、スクラッチピンベアリング6に向いてその基底位置に長い距離で配置され、ヘッド2内の軸方向の限界停止体により、スクラッチピンベアリング6内でスプリングを備えるスイッチ要素7がロックポジションに到達できる。
スプリング11およびスプリング12のプリテンションは、空圧や油圧作動のピストンを介して行われる。
スクラッチピン8をガイドするためにヘッド2内に挿入された硬質ブッシングの配置は、ロックリングを介して軸方向変化に対して固定される。
【0045】
半径と円錐のベアリング面が備えられたヘッド2は、ハウジング1内に正確で隙間のない配置を確保する。
ヘッド2とハウジング1との間の連結部は、両部材を通るラジアルピンを介して固定される。
硬質化された移動可能なベアリングブッシュ10はヘッド2内で軸方向にあるベアリング上でスクラッチピン8のために動作し、かつ、スプリング要素を介してスクラッチピン尖端方向に押される。
【0046】
突出しているベアリングブッシュ10の平らな表面はカッタとして形成されている。
スクラッチピン8のピンは円錐状にデザインされ、ボールエンドおよび平らな表面に続く円形窪み内に尖端が立ち上がる基部を備える。
スクラッチピン尖端の基部が球面状に形成されている。
少なくともスクラッチピン8の一部分には円滑性の硬質表面コーティングがされている。
【0047】
(効果)
上記構成の刻印用スクラッチツールの効果は次のとおりである。
この刻印用スクラッチツールは工作機械上で、ワークにスクラッチマーキングと2次元コード(データマトリックス)マーキングの両マーキングができる画期的なものである。
【0048】
しかしながら、上記刻印用スクラッチツールは工作機械上でワークにマーキング作業を行なうことでセットアップ時間を短縮でき、プログラム制御による機械軸移動でマーキングを行なう為文字品質の安定が保持できる。更に、通常の工具と異なり主軸回転させずにスクラッチングを行なうので、軸振れ等による付加がかからず正常使用の場合、工具破損は皆無である。又、先端ニードルは高硬度な特殊合金の為、磨耗が少なく長寿命でランニングコストが抑えられる。
【0049】
次に2次元コード(データマトリックス)マーキングに関しては、同様に専用機によるドットマーキングは多く市場で採用されているが、本機は工作機械上でこのドットマーキングがワーク上に行なえるという利点がある。
ドットは全て工作機械制御装置により位置決めされることから品質が安定する。又、工作機械上でのマーキングとなるので、機外へ持ち出す時間、再セットアップする時間が短縮され生産現場における生産性の向上に寄与する。又、加工後に即座のマーキングが可能な為、製品トレーサビリティを目的としたマーキングの場合、その確実性は機外専用機に比べはるかに高いものとなる。
【0050】
一方、従来のスクラッチマーキングに関しては、従来のマーキング方法として工作機械外においては専用機若しくはマニュアルでのエアーペンを使用することが主流で、又工作機械上では、小径のエンドミル等工具で文字を削りだす方法が主流であった。
【0051】
これら従来方法は機外への持ち出しや専用機へのセッティングの時間的なロス及びマニュアル方式による品質の不安定等が生産現場での問題点の一つであった。又、工作機械上での加工は小径ツールを使う為、送りスピードの制限による加工の長時間化、又頻繁に起きる工具破損等による短寿命性から生じる高価なランニングコストの問題があったが、上記刻印用スクラッチツールによってそのような問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】刻印用スクラッチツールの半縦断面を伴う全体構成図である。
【図2】図1の刻印用スクラッチツールの要部拡大図である。
【図3】動作状態を示す要部拡大図である。
【図4】別構成の刻印用スクラッチツールの部分縦断面を伴う全体構成図である。
【図5】さらに別の構成の刻印用スクラッチツールの要部拡大図である。
【図6】スクラッチピンの構成例である。
【符号の説明】
【0053】
1 ハウジング
2 ヘッド(ハウジング)
3 ハンマーピース
3p ディスタンスピン
4 アダプタ
5 スライダ
6 スクラッチピンベアリング
7 スイッチ要素
7g 小径部
7t 端部
8 スクラッチピン
9 スライドベアリング
10 ベアリングブッシュ
11 プレッシャスプリング
12 サスペンションスプリング
14 リターンスプリング
16 スイッチリング
17 ベアリングブッシュスプリング
【出願人】 【識別番号】505209625
【氏名又は名称】株式会社キャプテン インダストリーズ
【出願日】 平成19年4月20日(2007.4.20)
【代理人】 【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎

【識別番号】100078260
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 レイ子

【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男


【公開番号】 特開2008−264931(P2008−264931A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−111441(P2007−111441)