トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 マーキング用器具
【発明者】 【氏名】泉 恵祐

【氏名】泉 吏津子

【要約】 【課題】合板や石膏ボードなどの板材の所定位置に釘やビスなどの留め具を打ち込むためのマークを基準線に沿って等間隔に捺印できるマーキング用器具を提供する。

【解決手段】マーキング用器具1はスライド部材2、マーキング部材3およびガイド部材5よりなる。ガイド部材5の摺動板51を板材の側面に当て、固定金具53を緩めてマーカー32の位置を設定し、固定金具53を締めてスライドバー52を固定した後、スライド部材2を前後方向にスライドさせれば、スライド部材2に回転自在に取り付けられた回転ドラム31はその両端に取り付けられた弾性リング33と板材との摩擦によって回転し、その表面に取り付けられたマーカー32によって板材の上に基準線に沿って等間隔のマークを付けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材に留め具の位置を等間隔にマーキングするための器具であって、スライド部材、マーキング部材およびガイド部材よりなり、上記スライド部材はその一部を欠切して設けた透孔、該透孔を挟んで相対向して設けた1対の支柱および上記板材の表面上を滑動するための滑動面とを備え、上記マーキング部材は上記1対の支柱に横架される回転軸に回転自在に軸架された円筒状の回転ドラム、該回転ドラムの円周面よりその先端が突出するように該回転ドラムに埋め込まれた少なくとも1個のマーカーおよび上記回転ドラムの両端に取り付けられた弾性リングとを備え、上記ガイド部材は上記板材の側面に沿って摺動する摺動板と該摺動板をその先端に取り付けたスライドバーとを備え、該スライドバーは上記スライド部材上に設けられた誘導金具によって摺動自在に支承されると共に所定の位置に固定金具によって固定できるように構成されていることを特徴とするマーキング用器具。
【請求項2】
上記マーカーは、マーカー用芯材、該マーカー用芯材を収容して上記回転ドラムの円周表面より内部に埋め込まれる円筒状容器、該円筒状容器の底部に挿入され該マーカー用芯材を外方に突き出させるためのバネ材および該マーカー用芯材に水溶性塗料または染料等の塗布液を供給するための液体吸着材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載されているマーキング用器具。
【請求項3】
上記液体吸着材は上記円筒状容器内に収容されると共に、該円筒状容器に開けられた連通孔を介して連通している上記回転ドラムの内部に設けられた空洞内に収容されていることを特徴とする請求項2に記載されているマーキング用器具。
【請求項4】
上記ガイド部材の固定金具は上記誘導金具に設けられた螺子溝に螺合する螺子棒と把持部を構成する大きな裸子頭部とを有することを特徴とする請求項1に記載されているマーキング用器具。
【請求項5】
上記スライド部材の上記滑動面には上記マーキングの軌跡と重なる部分を欠切して上記板材と接触しない凹溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載されているマーキング用器具。
【請求項6】
上記スライドバーには上記摺動板の摺動面からマーカーまでの距離を表示する目盛が付され、上記スライド部材には上記目盛りの基点となる目印が付けられていることを特徴とする請求項1に記載されているマーキング用器具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、合板、石膏ボードなどの板材を釘やビスなどの留め具によって下地材に止め付ける際に、板材に留め具の止め付け位置を等間隔にマーキングするための器具に関する。
【0002】
従来はこの作業は作業員が巻き尺とマーカーを使って等間隔に板材上にマーキングしていた。この作業は中腰になって、巻き尺の目盛りを見ながら行うので重労働であり、しかも、往々にして間隔を間違えるようなミスを犯すことがあった。
【0003】
そこで、把持部に回転自在に取り付けられた案内車の外周面にマーカーを等間隔に取り付けた表示具が提案された(特開平10−39767号公報参照)。この表治具は、把持部を持って留め具を打ち付ける基準線に沿って案内車を転がしてゆけば、案内車の外周面に取り付けられたマーカーによって板材上に等間隔にマーキングすることができるものであり、マーキングの作業能率を上げることができる。
【特許文献1】特開平10−39767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが上記特開H10−39767号公報に記載された表示具は、案内車は1輪であり手で押してゆくので基準線を離れたり、蛇行したりしてしまうという欠点がある。
更に、マーカーの先端は案内車の外表面に突出しているので、マーカーの先端が板材に当たるたびにがたがたと上下動するという欠点がある。また、案内車を押してゆく力の懸け具合によっては、案内車がスリップして、マーカの位置がずれてしまうという欠点もある。さらに、各マーカーは表示液を含浸したフエルト等を充填した棒状容器に収められているので、表示液の充填量が比較的少なく、たびたび表示液を補給しなければならないという欠点もある。
【0005】
本発明は、板材の所定位置に正確に等間隔にマークを捺印できるマーキング用器具を安価に提供することを第1の目的とする。
【0006】
本発明は、マーカーを保持した回転ドラムが蛇行したり、ガタガタと上下動せずにスムーズに回転して、正確に等間隔のマークを捺印できるマーキング用器具を提供することを第2の目的とする。
【0007】
本発明は、充分な表示液を内部に保有可能にし、長時間連続使用可能なマーキング用器具を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のマーキング用器具は、スライド部材、マーキング部材およびガイド部材よりなり、上記スライド部材はその一部を欠切して設けた透孔、該透孔を挟んで相対向して設けた1対の支柱および上記板材の表面上を滑動するための滑動面とを備え、上記マーキング部材は上記1対の支柱に横架される回転軸に回転自在に軸架された円筒状の回転ドラム、該回転ドラムの円周面よりその先端が突出するように該回転ドラムに埋め込まれた少なくとも1個のマーカーおよび上記回転ドラムの両端に取り付けられたゴム等の弾性リングとを備え、上記ガイド部材は上記板材の側面に沿って摺動する摺動板と該摺動板をその先端に取り付けたスライドバーとを備え、該スライドバーは上記スライド部材上に設けられた誘導金具によって摺動自在に支承されると共に所定の位置に固定金具によって固定できるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
上記マーカーは、マーカー用芯材、該マーカー用芯材を収容して上記回転ドラムの円周表面より内部に埋め込まれる円筒状容器、該円筒状容器の底部に挿入され該マーカー用芯材を外方に突き出させるためのバネ材および該マーカー用芯材に水溶性塗料または染料等の塗布液を供給するための液体吸着材とを備えている。この液体吸着材としては脱脂綿、不織紙またはスポンジ等が用いられる。
【0010】
液体吸着材は円筒状容器内に収容されると共に、円筒状容器に開けられたスリット等の連通孔を介して連通している回転ドラムの内部に設けられた空洞内にも収容することができる。
【0011】
上記ガイド部材の誘導金具はスライド部材上に取り付けられスライドバーを挿入できる誘導孔を有し、固定金具は誘導金具に設けられた螺子溝に螺合する螺子棒と把持部を構成する大きな裸子頭部とを有する。
【0012】
従って、ガイド部材はスライド部材に対して伸縮自在に動かすことができ、板材の側壁から予め定められた距離に固定することができるので、マーカーを板材から予め定められた基準線上に沿って誘導することができる。
【0013】
ガイド部材のスライドバーに摺動板の摺動面からマーカーまでの距離を表示する目盛が付され、スライド部材にはその目盛りの基点となる目印が付けられているので、マーカーを正しい位置に設定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマーキング用器具は、スライド部材上に設けた1対の支柱に横架される回転軸に回転自在に軸架された回転ドラムに埋め込まれたマーカーの両脇に弾性リングを設けているので、スライド部材を板材上で摺動させると、弾性リングと板材との摩擦によって回転ドラムが回転し、等間隔で板材上にマーキングを施すことができる。そして、マーカーと板材が接触した際に弾性リングはクッションとなるので、ガタガタすることなくスムーズにマーキング操作を行うことができる。
【0015】
本発明のマーキング用器具は、ガイド部材のスライドバーがスライド部材に対して伸縮自在に動かせると共に、板材の側壁から予め定められた距離に固定することができるので、マーカーを板材の側壁から予め定められた距離にある基準線上に沿って誘導することができ、正確な位置にマーキングを施すことができる。
【0016】
本発明のマーキング用器具は、マーカーに塗布液を供給するための液体吸着材を円筒状容器内に収容すると共に、円筒状容器に開けられたスリット等の連通孔を介して連通している回転ドラムの内部に設けられた空洞内にも収容することができるので、大量の塗布液を貯蔵することができ、長時間にわたって塗布液の補給なしに連続使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の最良の実施形態を次の実施例によって説明する。
【実施例】
【0018】
(実施例1)
図1は本発明のマーキング用器具の斜面図、図2はその平面図、図3は正面図、図4は側面図である。
マーキング用器具1はスライド部材2、マーキング部材3およびガイド部材5よりなる。スライド部材2は方形の金属の厚板よりなり、その下面に板材の表面上を滑動するための滑動面211(図3)を備えている。また両サイドはやや上方向に反り返って裾部26、26を構成しているので、スライド部材2を前後方向に移動させるときに、多少のゴミくず等が存在してもスムーズに摺動させることができる。
【0019】
マーキング部材3はスライド部材2の表面に開けられた大きな四角の透孔28を挟んで立設された1対の支柱21、21に横架された回転軸22に回転自在に軸架された円筒状の回転ドラム31、この回転ドラム31の円周面よりその先端が突出するように回転ドラム31に埋め込まれた少なくとも1個のマーカー32および回転ドラム31の両端に取り付けられた弾性リング33、33とを備えている。弾性リング33はゴム等の弾性体よりなり、回転ドラム31を回転させると共に、マーカー32の芯体321(図7)に過度な力が加わるのを防いでいる。
【0020】
図5は支柱の側面図を示すものであって、回転ドラムの大小に応じて、複数の軸受け穴212が削設されている。213は支柱21固定用のL字型の脚である。
【0021】
図6はスライド部材2の裏面を示すものである。スライド部材2に開けられた透孔28より回転ドラム31の弾性リング33が僅かに突出して、板材Tと接触して回転ドラム31に回転力を与え、回転ドラム31の回転によってマーカー32で板材T上に等間隔でマークを付けて行く。マーカー32の塗布液に水溶性のものを使用した場合は乾きが悪く、マークを付けた直後にスライド部材2を摺動させると、未乾燥の塗布液を擦って板材を汚してしまうので、マーカー32が通過する軌跡と重なるスライド部材2の滑動面211の一定範囲の底面を削って凹溝29を形成している。
【0022】
ガイド部材5は板材Tの側面Sに沿って摺動する摺動板51とこの摺動板51をその先端に取り付けたスライドバー52とを備えている。スライドバー52はスライド部材2上に設けられた誘導金具23によって摺動自在に支承されると共に所定の位置に固定金具53によって固定される。固定金具53はその下部に螺子棒54が下方に突出しており、その上部は大きな把持部55が構成されている。螺子棒54は誘導金具23に設けられた裸子孔(図示せず)に螺合され、その先端は誘導金具23を貫通してスライドバー52の表面に接している。
【0023】
スライドバー52の表面には目盛り56が刻まれ、摺動板51の表面即ち板材Tの側面Sからの距離を表示することができる。一方、スライド部材2の表面には矢印27が刻まれ、板材Tの側面Sからマーカー32までの距離を読み取ることができるようになっている。従って、マーカー32を基準線Lにそって正確に誘導することができる。
【0024】
マーカー32は図7および図8に示すように、回転軸22を挿通するための貫通孔322を有する回転円筒323とそれに直交するように取り付けられたマーカー容器324よりなる。マーカー容器324はその下端に設けられた雄螺子部326と回転円筒323に設けた台座325の雌螺子部327とは螺合されているので、必要に応じて両者を分離解体することができる。
【0025】
マーカー容器324はその先端に穴331を有し、そこから芯材321が突出している。容器324内の芯材321の周囲には不織布328等が巻きつけられている。容器324の底部にはスプリング334が収納され、芯材321を常に外方に突出するように付勢している。
【0026】
マーカー容器324の周囲には複数個のスリット333が設けられ、回転ドラム31に開けられた空洞部313に収容されるスポンジ329等に吸収された塗布液を容器324内に流入させている。空洞部313には蓋311を嵌めてスポンジ329が脱落するのを防いでいる。空胴部313は充分な容量を確保することが容易であるので、ここには充分な塗布液を吸収するためのスポンジ329を収容することができる。
【0027】
蓋311の内側に設けた円筒状の栓332は回転円筒323に嵌め込まれ、回転軸22が挿通されている貫通孔を通じて塗布液が外部に流出するのを防いでいる。
【0028】
図中314は回転ドラム31に設けたボスで、回転ドラム31と支柱21との間のクリアランスを確保するためのものであり、反対側にも同様な目的でカラー315が回転軸22に嵌め込まれている。221は回転軸22の固定用のナットである。
【0029】
このマーキング用器具1の使用に当たって、まず、図2に示すように、摺動板51の側面を板材Tの側面Sに当て、スライドバー52の固定金具53を緩めてスライド部材2を所定の位置にセットする。この際、板材Tの側壁Sからマーカー32までの距離は目盛り56によって読み取ることが出来るので、スライド部材2を正しい位置に容易にセットすることができる。固定金具53を締めてから摺動板51と固定金具53の把持部55を両手で持って手前方向にスライド部材2を摺動させれば、回転ドラム31は回転してマーカー32によって基準線L上に等間隔のマークを付けることができる。
【0030】
スライド部材2の側壁20は回転ドラム31の回転軸22に対して直角であるので、小物の板材の場合は、直接この側壁20に定規を当ててスライド部材2を摺動させても、マーキング作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のマーキング用器具の斜面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図2のA−A線による断面図。
【図4】図2のB−B線による断面図。
【図5】支柱の側面図。
【図6】スライド部材の裏面図。
【図7】回転ドラムの拡大断面図。
【図8】マーカーの斜面図。
【符号の説明】
【0032】
1 マーキング用器具
2 スライド部材
3 マーキング部材
5 ガイド部材
31 回転ドラム
32 マーカー
【出願人】 【識別番号】591073050
【氏名又は名称】シンワ測定株式会社
【出願日】 平成19年3月30日(2007.3.30)
【代理人】 【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護


【公開番号】 特開2008−246618(P2008−246618A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−90462(P2007−90462)