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【発明の名称】 パイプ差し込み長さマーキング用治具
【発明者】 【氏名】西岡 利明

【氏名】森 孝

【氏名】島坂 光明

【要約】 【課題】マーキング作業を正確かつ容易に行えるパイプ差し込み長さマーキング用治具を提供する。

【解決手段】回動軸11により開閉回動自在に連結された一対の作動片2,3と、パイプ9の端部12の外面12aに差し込み確認用のマークを記入するためのマーキングペン4と、一方の作動片2の先端側に、マーキングペン4のペン先挿通孔13を有する状態で設けられたマーキングペン保持部5と、他方の作動片3の先端側にパイプの端部12を支持するよう設けられたパイプ支持部6と、一方の作動片7の基端側および他方の作動片8の基端側に、一対の作動片2,3の先端側を閉じる方向に回動するようそれぞれ把持可能に設けられ、パイプの端部12をパイプ支持部6およびマーキングペン保持部5間に挟持させうる柄部7,8と、パイプの端面12からの差し込み長さを決定するパイプ差し込み長さ決定手段20とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動軸により開閉回動自在に連結された一対の作動片と、
継手に差し込まれるパイプの端部の外面に差し込み確認用のマークを記入するためのマーキングペンと、
一方の作動片の先端側に、マーキングペンのペン先挿通孔を有する状態で設けられたマーキングペン保持部と、
他方の作動片の先端側にパイプの端部を支持するよう設けられたパイプ支持部と、
一方の作動片の基端側および他方の作動片の基端側に、一対の作動片の先端側を閉じる方向に回動するようそれぞれ把持可能に設けられ、押し動作によって、パイプの端部をパイプ支持部およびマーキングペン保持部間に挟持させうる柄部と、
パイプの端面からの差し込み長さを決定するパイプ差し込み長さ決定手段とを備えたことを特徴とするパイプ差し込み長さマーキング用治具。
【請求項2】
前記パイプ支持部は、パイプの端部が支持可能に載置される一対のローラを他方の作動片の長手方向とは直角な水平方向に軸心が通った状態で有し、また、前記パイプ支持部は、パイプの端部が安定に載置されるよう一対のローラ間に凹所を有し、
前記マーキングペン保持部は、マーキングペンのペン先がペン先挿通孔を貫通した状態で、マーキングペンの柄を保持する筒体を有し、前記筒体は、一方の作動片の先端側の上面に、前記ペン先挿通孔に連通するよう立設されており、
また、一方の作動片の基端側の柄部は、片手で一対の作動片を押圧するときに手が滑らないよう、かつ、一対の作動片を押し易くするため上面に凹所を有し、
また、前記パイプ差し込み長さ決定手段は、他方の作動片の先端側におけるパイプ支持部の直下で、前記水平方向にスライド可能に設けられ、パイプの端面からの差し込み長さに合わせてスライドさせうるパイプ差し込み長さ決定部材と、この長さ決定部材のスライド移動を差し込み長さに合わせて規制する規制部材とから構成され、さらに、前記パイプ差し込み長さ決定部材は、平板の板体の一端を上向きに直角に折り曲げて構成されており、一対のローラに支持されたパイプの端部における端面が当接するストッパ片と、水平片とを有し、この水平片は鋸歯状波部を長手方向に沿った両端に有する一方、前記規制部材は、各鋸歯状波部に噛合する単一の山形歯を他方の作動片の先端側に有する請求項1に記載のパイプ差し込み長さマーキング用治具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、継手に対するパイプの差し込み作業において、パイプを切断した後、パイプ外面で、継手に対するパイプの差し込み長さに相当する位置にパイプ外面全周にわたって挿入確認用の標線(マーク)を記入するために用いられるパイプ差し込み長さマーキング用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給水と給湯の配管工事に際して、給水主管と、給湯設備からの給湯主管とを屋内に引き込んで、これら給水主管および給湯主管を給水用の配管用ヘッダーおよび給湯用の配管用ヘッダーにそれぞれ接続し、これら各ヘッダーと、例えば洗面所の湯水混合栓の上流に位置する各止水栓とを接続する水供給管、湯供給管として、熱に強く、変形しにくく、錆びることがないなど優れた耐久性を備えた樹脂パイプを蛇腹状の鞘管に挿通して成るものが使用されている。そして、水漏れ等の場合に鞘管はそのままにして前記樹脂パイプの両端の接続を解除するだけで鞘管内から前記樹脂パイプを取り出し、入れ替えできる点で利便性がある。
【0003】
そして、樹脂パイプ用継手として、従来から図5、図6に示すように、継手本体71、袋ナット72および割リング73よりなるものがある。樹脂パイプPの接続手順は以下の通りである。
【0004】
(1)まず最初に、切断された樹脂パイプPの継手本体71への差込量Lを確認するため、樹脂パイプPの端面aより差込量Lだけ離れた位置に油性ペン等で樹脂パイプ外面全周にわたり、マーク74が作業者によって記入される〔図5(A)参照〕。
(2)工場出荷の時点で組付けられた前記継手の継手本体71から袋ナット72、割リング73を一旦取り外し、袋ナット72、割リング73の順でこれらを樹脂パイプPに挿通する〔図5(B)参照〕。
(3)継手本体71へ樹脂パイプPを確実に奥まで差し込む〔図5(C)参照〕。
(4)割リング73を継手本体71に突き当たるまで押しつけ、割リング73と前記マーク74の位置が一致することを確認する〔図6(A)参照〕。
(5)袋ナット端部72aより、割リング73の先端73aが約1mm突出するまで継手本体71に袋ナット72を締め付ける〔図6(B)参照〕。この場合、工具を使って袋ナット72を締め付けるが、割リング73が樹脂パイプPから外れないよう袋ナット72を三回転程回す必要がある。
(6)締め付け後、袋ナット72と継手本体71にマーク75を描く〔図6(C)参照〕。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記差込量Lとして、規定された長さを差し込むことが品質管理上重要であるけれども、樹脂パイプPの端面aより規定された位置を定規ではかり、この位置に油性ペンを用いて前記マーク74を記入することから、樹脂パイプPに定規を当てて樹脂パイプPの円周外面に沿って正確にマーキングする作業は難しく、また、面倒である。そのため、前記定規を使わずに作業者の目視やかんに頼る場合が多く、結果として品質管理上問題が生じることになる。
【0006】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、継手に対するパイプの差し込み長さを確保するためのマーキング作業を正確かつ容易に行えるパイプ差し込み長さマーキング用治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明のパイプ差し込み長さマーキング用治具は、
回動軸により開閉回動自在に連結された一対の作動片と、
継手に差し込まれるパイプの端部の外面に差し込み確認用のマークを記入するためのマーキングペンと、
一方の作動片の先端側に、マーキングペンのペン先挿通孔を有する状態で設けられたマーキングペン保持部と、
他方の作動片の先端側にパイプの端部を支持するよう設けられたパイプ支持部と、
一方の作動片の基端側および他方の作動片の基端側に、一対の作動片の先端側を閉じる方向に回動するようそれぞれ把持可能に設けられ、押し動作によって、パイプの端部をパイプ支持部およびマーキングペン保持部間に挟持させうる柄部と、
パイプの端面からの差し込み長さを決定するパイプ差し込み長さ決定手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
固定されたパイプの端部を、パイプ支持部およびマーキングペン保持部間に挟持しながら片手で一対の作動片を回転させることによってパイプの端面から規定の差し込み長さに相当する位置に全周にわたって差し込み確認用のマークを正確に記入することができるとともに、マーキングの作業の簡便化も図れる。
また、パイプの端部をパイプ支持部およびマーキングペン保持部間に挟持した状態でマーキングを施すので、すなわち、この発明のパイプ差し込み長さマーキング用治具は挟み式であるので、マークを正確に記入することができることができる上に、通常の樹脂パイプとは構成が異なる三層パイプなどの規定外のパイプ径を有するパイプにも使用でき、汎用性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
【0010】
図1〜図4は、この発明の一つの実施の形態を示す。
図1〜図4において、パイプ差し込み長さマーキング用治具1は、一対の作動片2,3と、マーキングペン4と、マーキングペン保持部5と、パイプ支持部6と、一対の柄部7,8と、パイプ9の端面10からの差し込み長さを決定するパイプ差し込み長さ決定手段とを主として備えている。
一対の作動片2,3は、回動軸11により開閉回動自在に連結されている。この実施の形態では、一方の作動片2は他方の作動片3に対して可動するよう構成されている。マーキングペン4は、継手(図示せず)に差し込まれるパイプの端部12の外面12aに差し込み確認用のマーク(図示せず)を記入するためのものである。マーキングペン保持部5は、一方の作動片2の先端側に、マーキングペン4のペン先挿通孔13を有する状態で設けられている。パイプ支持部6は、他方の作動片3の先端側にパイプの端部12を支持するよう設けられている。柄部7は、一方の作動片2の基端側に設けられ、押し動作によって、パイプの端部12をパイプ支持部6およびマーキングペン保持部5間に挟持させるためのものである。柄部8は、他方の作動片3の基端側に設けられている。
【0011】
さらに、前記パイプ支持部6は、パイプの端部12が支持可能に載置される一対の回転可能なローラ14,14を他方の作動片3の長手方向(両矢印Bで示す方向)とは直角な水平方向(両矢印Cで示す方向)に軸心iが沿った状態で有する。
また、前記パイプ支持部6は、パイプの端部12が安定に載置されるよう一対のローラ14,14間に円弧状湾曲面によって形成される一対の凹所15を他方の作動片3の先端側の上面に有する一方、前記マーキングペン保持部5は、一方の作動片2の先端側の下面に前記一対の凹所15,15に対向する形で円弧状湾曲面によって形成される凸状の湾曲面16,16を有する。
前記マーキングペン保持部5は、マーキングペン4のペン先4aが一方の作動片2の先端側に形成されたペン先挿通孔13(図4参照)を貫通した状態で、マーキングペン4の柄4bを保持する筒体17を有し、この筒体17は、一方の作動片2の先端側の上面Mに、前記ペン先挿通孔13に連通するよう立設されている。4bは、筒体17に挿通されたマーキングペン4を筒体17内に強固に固定するための締付けビスである。
一方の作動片2の基端側の柄部7は、片手で一対の作動片2,3を押圧するときに手が滑らないよう、かつ、一対の作動片2,3を押し易くするため上面mに凹所18を有する。
前記パイプ差し込み長さ決定手段は、他方の作動片3の先端側におけるパイプ支持部6の直下で、前記水平方向(C方向)にスライド可能に設けられ、パイプの端面12からの差し込み長さに合わせてスライドさせうるパイプ差し込み長さ決定部材20と、この長さ決定部材20のスライド移動を差し込み長さに合わせて規制する一対の規制部材21,21とから構成されている。
前記パイプ差し込み長さ決定部材20は、平板の板体の一端を上向きに直角に折り曲げて構成されている。すなわち、前記パイプ差し込み長さ決定部材20は、一対のローラ14,14に支持されたパイプの端部12における端面10が当接するストッパ片22と、長尺の水平片23とを有し、この水平片23は一直線上に等しいピッチ(既知)間隔でC方向に設けられた複数の鋸歯部分aより構成される鋸歯状波部24,24を長手方向に沿った両端に有するとともに、他方の作動片3の先端側に形成された一対のスライド用の切欠R,Rを通して設けられている一方、規制部材21は、鋸歯状波部24,24に噛合する単一の山形歯25,25を他方の作動片3の先端側に有している。
【0012】
而して、パイプ差し込み長さマーキング用治具1を利用して、継手に対するパイプ9の差し込み長さに相当する位置にパイプ外面12aの全周にわたって挿入確認用の標線(マーク)を記入するマーキング作業を行うにあたり、まず最初に、マーキングペン4のペン先4aおよびストッパ片22間の長さが当該パイプ9の差し込み長さに相当する長さになるよう、パイプ差し込み長さ決定部材20をスライドさせる。図3におけるXは、ストッパ片22の内面22aおよび鋸歯状波部24の特定の位置にある鋸歯部分a1 間の長さを示している。続いて、固定状態のパイプの端部12の端面10をストッパ片22の内面22aに当接させた状態で、パイプの端部12をパイプ支持部6の一対のローラ14,14間に載置する。次に、片手で柄部7,8を持ちながら柄部8に対する柄部7の押し動作によって、図4に示すように、パイプの端部12をパイプ支持部6の一対の凹所15,15およびマーキングペン保持部5の凸状の湾曲面16,16間に挟持させる。なお、図4において、二点鎖線で示すパイプ9’はパイプ9よりも小径のものを示す。
そして、パイプの端部12を挟みながらパイプの端部12のまわりを一対の作動片2,3が片手で回転されることによってパイプの端部12の外面12aに差し込み確認用のマークを記入する。
このように、鋸歯部分a1 を山形歯25に噛合させることでパイプ9の差し込み長さを正確に決定しているので、差し込み確認用のマークも正確に記入することができる。ここで、一対の作動片2,3の回転は、マーキングペン4のペン先4aが正しくパイプの端部12の外面12aに接するようマーキングペン4が筒体17によって保持されておれば、通常は一回の回転で全周にわたるマークを正確に記入することができる。その後、一対の作動片2,3による挟持状態を解除することによりマーキング作業を完了する。
【0013】
なお、同じ太さのパイプ9でもパイプ9の差し込み長さXに変更がある場合は、パイプ差し込み長さ決定部材20をスライドさせて、鋸歯状波部24の前記鋸歯部分a1 とは別の位置にある鋸歯部分aを山形歯25に噛合させることで対処できる。
また、パイプの端部をパイプ支持部およびマーキングペン保持部間に挟持した状態でマーキングを施すので、すなわち、この発明のパイプ差し込み長さマーキング用治具は挟み式であるので、マークを正確に記入することができることができる上に、通常の樹脂パイプ(例えば架橋ポリエチレンパイプ)とは構成が異なる三層パイプなどの規定外のパイプ外径を有するパイプにも使用でき、汎用性を有する。前記樹脂パイプは、例えば外径が13mm,17mm,21mm,27mmの4種類がありメーカーで統一されているが、三層パイプは外径がメーカーによって16mm,20mm,26mmとバラツキがあり、統一されていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一つの実施の形態におけるパイプの挟持状態を示す斜視図である。
【図2】上記実施の形態におけるマーキング作業手順を示す斜視図である。
【図3】上記実施の形態で用いたパイプ差し込み長さ決定手段を示す斜視図である。
【図4】上記実施の形態において、互いに異なる径を有するパイプの挟持状態を示す側面図である。
【図5】継手に対するパイプの差し込み作業の前半を説明するための図である。
【図6】継手に対するパイプの差し込み作業の後半を説明するための図である。
【符号の説明】
【0015】
1 パイプ差し込み長さマーキング用治具
2,3 一対の作動片
4 マーキングペン
5 マーキングペン保持部
6 パイプ支持部
7,8 一対の柄部
9 パイプ
10 端面
11 回動軸
12 パイプの端部
12a 外面
13 ペン先挿通孔
20,21 パイプ差し込み長さ決定手段
【出願人】 【識別番号】000144072
【氏名又は名称】株式会社三栄水栓製作所
【出願日】 平成19年1月24日(2007.1.24)
【代理人】 【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫


【公開番号】 特開2008−178936(P2008−178936A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−13861(P2007−13861)