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【発明の名称】 墨位置記録スタンプ
【発明者】 【氏名】横山 大

【氏名】前川 祥生

【氏名】樋口 重雄

【氏名】星野 達

【要約】 【課題】効率よく墨位置の記録(マーキング)を行う。

【解決手段】有底の筒体20と、前記筒体20に設けられており、墨位置を特定させるためのパターンを有する印面31とその印面の反対側の裏面とを有するとともに前記印面31と前記裏面とを貫通する貫通孔32が形成されたスタンプ部30と、前記筒体20内に配置された弾性部材40と、前記スタンプ部30に形成された貫通孔32に挿入されており、前記弾性部材40により付勢されて突出させられる墨位置確認針50と、を備えており、前記墨位置確認針50の突出部分は、この突出部分50に加えられる力により前記弾性部材40が弾性変形させられて、前記筒体20内に収納される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底の筒体と、
前記筒体に設けられており、墨位置を特定させるためのパターンを有する印面とその印面の反対側の裏面とを有するとともに前記印面と前記裏面とを貫通する貫通孔が形成されたスタンプ部と、
前記筒体内に配置された弾性部材と、
前記スタンプ部に形成された貫通孔に挿入されており、前記弾性部材により付勢されて突出させられる墨位置確認針と、
を備えており、
前記墨位置確認針の突出部分は、この突出部分に加えられる力により前記弾性部材が弾性変形させられて、前記筒体内に収納されることを特徴とする墨位置記録スタンプ。
【請求項2】
前記墨位置を特定させるためのパターンは、その中心位置の推定が容易であるが中心部が中空であるパターンであり、
前記貫通孔は、前記パターンの中心位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の墨位置記録スタンプ。
【請求項3】
前記墨位置確認針は、その先端部からインクを射出できるように中空に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の墨位置記録スタンプ。
【請求項4】
前記墨位置確認針は、その先端部から光を照射できるように中空に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の墨位置記録スタンプ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は墨位置(アンカーボルト打込み位置)を記録(マーキング)するための墨位置記録スタンプに係り、特にポイントレーザなどで壁面や天井面に指示された墨位置に効率よく記録を行うための墨位置記録スタンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施工現場における天井面や壁面の機器据付位置の記録については、次のように行われている。
【0003】
まず、現場担当者が施工図面や現場状況を考慮して決定し、その結果として指定された位置を床面に記録する。次に、この床面に記録した位置を、下げ振りや上下方向にポイントレーザを照射するレーザ鉛直器を用いて天井面や壁面等の墨位置記録対象面に投影する。この投影後、機器据付位置付近で待機している作業員が墨位置を確認し、チョークなどを用いて壁面にマークを描く。以上のようにして機器据付位置の記録を行っている。また、記録装置等を用いて自動で記録することも提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特願2005−204452号
【特許文献2】特開2001−289638号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業員がチョークなどを用いて墨位置の記録を行うと、その記録のために引いた線の太さが不安定となる。さらに、×印を記録パターンとして選択した場合には交差点と墨位置が合致しない可能性が高いなどの不安要素が含まれる。一方、特許文献1等に記載の記録装置は大型であり、手が届く範囲での記録には向いていない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、従来技術の欠点を解消し、効率よく墨位置の記録(マーキング)を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、有底の筒体と、前記筒体に設けられており、墨位置を特定させるためのパターンを有する印面とその印面の反対側の裏面とを有するとともに前記印面と前記裏面とを貫通する貫通孔が形成されたスタンプ部と、前記筒体内に配置された弾性部材と、前記スタンプ部に形成された貫通孔に挿入されており、前記弾性部材により付勢されて突出させられる墨位置確認針と、を備えており、前記墨位置確認針の突出部分は、この突出部分に加えられる力により前記弾性部材が弾性変形させられて、前記筒体内に収納されることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、例えば、壁面等の墨位置記録対象面に墨位置確認針(の先端)を突き当て、そのまま墨位置記録スタンプを押し当てると、墨位置確認針に墨位置記録対象面から力(反力)が加えられ、弾性部材が弾性変形させられる。すなわち、墨位置確認針の突出している部分が徐々に空間内に収納され、その突出している部分が短くなる。これにより、スタンプ部の印面と墨位置記録対象面との間隔が徐々に狭まり、最終的にスタンプ部の印面と墨位置記録対象面とが接触する。すなわち、墨位置記録対象面に対して印面による墨位置の記録が行われる。
【0008】
この墨位置の記録の際、墨位置記録スタンプ(スタンプ部)は墨位置に突き当てられた墨位置確認針にガイドされる形で移動することになるので、墨位置に墨位置確認針(の先端)を突き当てた後は、墨位置を意識することなく、適正位置に墨位置の記録を行うことが可能となる。すなわち、効率よく墨位置の記録(マーキング)を行うことが可能となる。また、手が届く範囲での墨位置の記録を容易に行うことができるように状況を整えることも可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記墨位置を特定させるためのパターンは、その中心位置の推定が容易であるが中心部が中空であるパターンであり、前記貫通孔は、前記パターンの中心位置に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、墨位置の記録の際、墨位置記録スタンプ(スタンプ部)は墨位置に突き当てられた墨位置確認針にガイドされる形で移動することになるので、墨位置に墨位置確認針(の先端)を突き当てた後は、墨位置を意識することなく、適正位置に墨位置の記録を行うことが可能となる。すなわち、効率よく墨位置の記録(マーキング)を行うことが可能となる。また、手が届く範囲での墨位置の記録を容易に行うことができるように状況を整えることも可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記墨位置確認針は、その先端部からインクを射出できるように中空に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、中心にも墨位置の正確な記録を残すことが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記墨位置確認針は、その先端部から光を照射できるように中空に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、針先と壁面等が離れた場所であっても記録を行う墨位置を効率よく確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率よく墨位置の記録(マーキング)を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第一実施形態である墨位置記録スタンプについて図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の第一実施形態である墨位置記録スタンプの構成を説明するための斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の墨位置記録スタンプ10は、スタンプ本体20、スタンプ部30、弾性部材40、及び、墨位置確認針50等を備えている。
【0019】
スタンプ本体20は有底の筒体であり、その一端面(開口側)にはスタンプ部30が固定されている。スタンプ部30は、例えば、インキを含浸させた多孔質印字体を備えたいわゆる浸透印であり、連続して墨位置を記録することが可能となっている。スタンプ部30は、その表面に墨位置を特定させるためのパターンを有する印面31を備えている。
【0020】
墨位置を特定させるためのパターンとしては各種のものが考えられるが、本実施形態では、図1に示すように、径が異なりかつ同心上に配置された二つの円と、その円と円の間に配置された放射状に延びる四つの直線部と、を含むパターンを採用している。このパターンによれば、壁面等の墨位置記録対象面Mには、図2に示す印影が得られる。図2に示すように、このパターンの中心には印影が存在しないが、二つの円及び放射状に延びる四つの直線部により構成される印影により、中心位置の推定が容易となっている。すなわち、このパターンが本発明の中心位置の推定が容易であるが中心部が中空であるパターンに相当する。なお、図2中、一つの円及び放射状に延びる四つの直線部のみのパターン、又は、放射状に延びる四つの直線部のみのパターンを採用してもよい。
【0021】
スタンプ部30の中心位置にはその裏面と印面31を貫通する貫通孔32が形成されている。この貫通孔32には墨位置を把握するための墨位置確認針50が挿入されている。スタンプ部30は一定の厚みを有しており、かつ、その貫通孔32の径は墨位置確認針50の径よりも若干大きく設定されているので、墨位置確認針50は、この貫通孔32にガイドされる形でその軸方向に進退可能となっている。
【0022】
墨位置確認針50の基端51には、スタンプ本体20内壁及びスタンプ部30裏面により規定される空間K内に配置されたプレートPが固定されている。墨位置確認針50は、空間K内に配置されたスプリング等の弾性部材40によりプレートPを介して付勢されている。これにより、墨位置確認針50は、スタンプ部30の印面31(パターンの)中心位置から突出している。
【0023】
次に、以上のように構成された墨位置記録スタンプ10により墨位置を記録する動作例について説明する。
【0024】
まず、現場担当者が施工図面や現場状況を考慮して決定し、その結果として指定された位置を床面に記録する。次に、この床面に記録した位置を、下げ振りや上下方向にポイントレーザを照射するレーザ鉛直器を用いて天井面や壁面等の墨位置記録対象面Mに投影する。この投影後、機器据付位置付近で待機している作業員が墨位置を確認する。
【0025】
そして、図3に示すように、その確認した墨位置に墨位置確認針50の先端52を突き当て、そのまま墨位置記録スタンプ10を押し当てる。すると、墨位置確認針50に墨位置記録対象面Mから力(反力)が加えられる形となり、弾性部材40が弾性変形させられる。すなわち、墨位置確認針50の突出している部分が徐々に空間K内に収納され、その突出している部分が短くなる。これにより、スタンプ部30の印面31と墨位置記録対象面Mとの間隔が徐々に狭まり、最終的にスタンプ部30の印面31と墨位置記録対象面Mとが接触する。すなわち、墨位置記録対象面Mに対して印面31による墨位置の記録が行われる。
【0026】
この墨位置の記録の際、墨位置記録スタンプ10(スタンプ部30)は墨位置に突き当てられた墨位置確認針50にガイドされる形で移動することになるので、墨位置に墨位置確認針50の先端52を突き当てた後は、墨位置を意識することなく、適正位置に墨位置の記録を行うことが可能となる。すなわち、効率よく墨位置の記録(マーキング)を行うことが可能となる。
【0027】
なお、墨位置の記録が完了し、墨位置記録スタンプ10を墨位置記録対象面Mから離すと、弾性部材40の元の形状に復帰しようとする作用により、墨位置確認針50は再び元の長さ突出するので、連続して墨位置を記録することが可能となっている。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の墨位置記録スタンプ10によれば、手持ちが可能な筒体であるスタンプ本体20にスタンプ部30を取付けているので、簡便な持運びと容易な墨位置の記録を実現できる。また、印面31(パターン)の中心位置から墨位置確認針50を突出させているので、正確な墨位置を記録前に確認可能となる。
【0029】
次に、第二実施形態である墨位置記録スタンプについて図面を参照しながら説明する。
【0030】
図4は、本発明の第二実施形態である墨位置記録スタンプの構成を説明するための斜視図である。
【0031】
本実施形態の墨位置記録スタンプ60は、第一実施形態と異なり、墨位置確認針50を中空に形成してある。他の構成については第一実施形態と同様であるので、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0032】
本実施形態の墨位置記録スタンプの墨位置確認針50´は、その先端52´から基端51´に貫通する貫通孔53´が形成された中空の針である。墨位置確認針50´の基端51´にはインク供給管70が接続されており、その先端52´からインクを射出することが可能となっている。
【0033】
これにより、墨位置確認針50´の先端52´からインクを供給しない場合には、図5(a)に示すように、中心に印影が存在しないが、墨位置確認針50´の先端52からインクを射出した場合には、図5(b)に示すように、中心にも印影が存在する。すなわち、本実施形態の墨位置記録スタンプ60によれば、中心にも墨位置の記録を行うことが可能となる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の墨位置記録スタンプ60によれば、墨位置確認針50´が中空に形成されており、その先端52´からインクを射出可能となっているので、印面31(パターン)の中心での墨位置記録を実現でき、これにより、より高精度の墨位置記録を実現できる。
【0035】
なお、墨位置確認針50´の基端51´に、インク供給管70に代えて、光(例えばレーザ光)供給管を接続し、その先端52´から光(例えばレーザ光)を照射するようにしてもよい。
【0036】
このようにすれば、墨位置確認針50´の軸心が壁面等の墨位置記録対象面のどの位置に投影されるかを示すことができる。したがって、この墨位置記録スタンプ60を平行移動可能なXYアームと上下方向に移動可能なエアシリンダに取付ければ、特願2005−204452号に記載のマーキング機構の様に、壁面等の墨位置記録対象面に接触することなく墨位置の確認ができるマーキング装置の一部品として使用することが可能となる。また、離れた場所からでも記録を行う墨位置の確認を効率よく行うことが可能となる。
【0037】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第一実施形態である墨位置記録スタンプの構成を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態である墨位置記録スタンプによる印影を説明するための図である。
【図3】本発明の第一実施形態である墨位置記録スタンプによる墨位置記録動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第二実施形態である墨位置記録スタンプの構成を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態である墨位置記録スタンプによる印影を説明するための図である。
【符号の説明】
【0039】
10…墨位置記録スタンプ、20…スタンプ本体、30…スタンプ部、31…印面、32…貫通孔、40…弾性部材、50…墨位置確認針、51…基端、52…先端、53…貫通孔、60…墨位置記録スタンプ、70…インク供給管、K…空間、M…墨位置記録対象面、P…プレート
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成18年9月27日(2006.9.27)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三


【公開番号】 特開2008−80452(P2008−80452A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−263457(P2006−263457)