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【発明の名称】 マーキング装置及びその装置を用いたマーキング方法
【発明者】 【氏名】横山 大

【氏名】前川 祥生

【氏名】山田 学

【氏名】星野 達

【要約】 【課題】所定の設置物を据え付ける据付面に効率よく据付位置をマーキングすること。

【構成】マーキング装置14は、伸縮自在なポール22と、ポール22の先端部に設けられ、据付面16に押し付ける押付板24と、据付面24に向けて伸縮するスタンプ28を備えたマーキング部30と、マーキング部30に内蔵され、スタンプ28の軸線と一致する光軸を有し、据付面16に向けてレーザ光を照射することによって据付面上にスタンプ28の現在位置を投影するポイントレーザ52と、押付板24とマーキング部305の間に介在され、押付板24に対してマーキング部30をポール22に対して直交する面上を移動させるX−Y移動部26と、ポール22に設けられ、X−Y移動部26、スタンプ28、及びポイントレーザ52の駆動を少なくとも操作する手元操作部23と、を備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の設置物が据付けられる据付面の据付位置にマーキングを行うマーキング装置において、
伸縮自在なポールと、
前記ポールの先端部に設けられ、前記据付面に押し付ける押付板と、
前記据付面に向けて伸縮するスタンプを備えたマーキング部と、
前記マーキング部に内蔵され、前記スタンプの軸線と一致する光軸を有し、前記据付面に向けてレーザ光を照射することによって前記据付面上に前記スタンプの現在位置を投影するポイントレーザと、
前記押付板と前記マーキング部との間に介在され、前記押付板に対して前記マーキング部を前記ポールに対して直交する面上を移動させるX−Y移動部と、
前記ポールに設けられ、前記X−Y移動部、前記スタンプ、及び前記ポイントレーザの駆動を少なくとも操作する手元操作部と、を備えたことを特徴とするマーキング装置。
【請求項2】
前記ポールの基端部には台車が設けられることを特徴とする請求項1のマーキング装置。
【請求項3】
請求項1又は2のマーキング装置により、所定の設置物が据付けられる据付面の据付位置にマーキングを行うマーキング方法において、
伸縮自在なポールを伸ばして、前記ポールの先端部に設けられた押付板を前記据付面の据付位置付近に押し付け固定する工程と、
前記据付面にポイントレーザからレーザ光を照射して、前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとが一致するか否かを確認する工程と、
前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとが一致しない場合には、X−Y移動部を駆動して据付面に押し付け固定された押付板に対してマーキング部を移動させることにより、前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとを一致させる工程と、
前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとが一致した場合、スタンプを伸長させて据付位置にマーキングする工程と、を備えたことを特徴とするマーキング方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は施工現場における所定の施工対象に機器等の設置物を据付けるための据付位置のマーキングを行うマーキング装置及びその装置を用いたマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トンネルの施工現場においては、製缶物(設置物)をアンカーボルトで天井壁面に取り付ける作業を行うことが多く、この場合にはアンカーボルトの穴の数だけ墨出し作業を必要とする。トンネルのような施工現場に限らず、一般の施工現場でも天井壁面、側壁面等に機器を設置する場合には、予め機器を据え付ける位置を決定する墨出し作業(据付位置へのマーキング)が必要となる。
【0003】
従来の天井壁面への墨出し作業を説明すると、据付位置のX,Y座標位置に対応する床面位置に先ず暫定マーキングを施し、次ぎに、下げ降りやレーザ鉛直器を用いて、床面のマーキング位置から真上の天井壁面位置を提示し、この提示位置に天井壁面近傍に待機していた作業者がマーキング(墨出し)を行っていた。
【0004】
なお、特許文献1には、工事原図を転写した環境モデルと、その環境モデル内における作業地点の座標と、台車の移動、作業機器の位置出し及び作業メニューに関するプログラムを制御部のコンピュータに予め入力し、出発点での自己位置同定を終えた台車を作業地点に向かって移動させ、さらに、光波測距測角儀で床面の基準点に配置した反射ターゲットまでの距離を測定して作業地点の近くに停止した台車と作業地点との間のずれ量を演算し、そのずれをXYテーブルで修正して作業機器を作業地点に位置決めし、その後、作業機器による作業を実施するようにしたものが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、3本以上の柱が垂直方向に延伸している室内において既存の柱を利用して現在位置を検出しながら移動し天井面に墨出しを行うようにしたマーキング装置が記載されている。所定の墨出し位置へと移動するために必要な自己位置を検出するための位置検出部には、各柱の幾何学的形状と位置を入力するコンピユータと、レーザ光を水平方向に回転させながら走査するレーザ走査手段と、前記レーザ光の反射光をマーキング装置上で受光するセンサと、各柱のエッジを検出して各エッジとマーキング装置とのなす角度を算出する角度検出手段と、前記コンピユータに入力されている各柱のエッジの位置を基準としてマーキング装置の自己位置を算出する自己位置検出手段とが設けられている。
【特許文献1】特開2001−289638号公報
【特許文献2】特開平8−1552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、機器据付位置の確認のために数多くの基準点の計測や方位角の計測を行う必要があるため、時間や作業順序、マーキング装置の設置状況に注意する必要があり、また、設計情報がない場所ではマーキングを行うことができないなどの問題もあった。
【0007】
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、効率よく据付位置のマーキングを行うことのできるマーキング装置及びその装置を用いたマーキング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の設置物が据付けられる据付面の据付位置にマーキングを行うマーキング装置において、伸縮自在なポールと、前記ポールの先端部に設けられ、前記据付面に押し付ける押付板と、前記据付面に向けて伸縮するスタンプを備えたマーキング部と、前記マーキング部に内蔵され、前記スタンプの軸線と一致する光軸を有し、前記据付面に向けてレーザ光を照射することによって前記据付面上に前記スタンプの現在位置を投影するポイントレーザと、前記押付板と前記マーキング部との間に介在され、前記押付板に対して前記マーキング部を前記ポールに対して直交する面上を移動させるX−Y移動部と、前記ポールに設けられ、前記X−Y移動部、前記スタンプ、及び前記ポイントレーザの駆動を少なくとも操作する手元操作部と、を備えたことを特徴とするマーキング装置を提供する。
【0009】
前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のマーキング装置により、所定の設置物が据付けられる据付面の据付位置にマーキングを行うマーキング方法において、伸縮自在なポールを伸ばして、前記ポールの先端部に設けられた押付板を前記据付面の据付位置付近に押し付け固定する工程と、前記据付面にポイントレーザからレーザ光を照射して、前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとが一致するか否かを確認する工程と、前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとが一致しない場合には、X−Y移動部を駆動して据付面に押し付け固定された押付板に対してマーキング部を移動させることにより、前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとを一致させる工程と、前記据付位置と前記レーザ光の照射ポイントとが一致した場合、スタンプを伸長させて据付位置にマーキングする工程と、を備えたことを特徴とするマーキング方法を提供する。
ここで、ポールの先端部に押付板を設けるとは、ポールの先端部に押付板を直接支持する場合と、ポールの先端部をマーキング部に固定し、X−Y移動部を介して押付板を支持する場合との両方を含む。
【0010】
請求項1は本発明を装置として構成したものであり、請求項3はその装置を使用したマーキング方法である。尚、本発明のマーキング装置及び方法は、作業者がポールを把持し、手元操作部で操作することによりマーキングを行うことを基本とした発明である。
本発明によれば、据付位置の付近に本装置を設置すれば、特別な基準点の計測や方位角の計測を行うことなく、簡単な装置で効率よくマーキングできる。また、押付板を据付面に押し付け固定することで、マーキング装置のポールを把持する作業者の負担を軽減できるとともに、マーキング装置が振らつかないので、正確なマーキングを実施できる。更に、請求項2のように、ポールの基端部に台車を設ければ、ポールは押付板と台車とを介して据付面と床面や地面(又は据付面に対向する壁面)との間で突っ張った状態になるので、作業者がポールを把持して支えなくてもマーキング装置を固定でき、更なる労力の軽減になるとともに、マーキング精度もよくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、効率よく据付位置のマーキングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に従って、本発明のマーキング装置及び方法の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明のマーキング装置が適用される施工支援システム10の一例の構成図である。同図に示すように施工支援システム10は、主として、三次元計測器11とマーキング装置14と携帯情報端末装置18で構成される。三次元計測器11は、目標を視準して視準先にレーザ光(或いは近赤外光)を照射し、再帰する反射光を受光検知することにより、視準先までの距離及び方位を測定して視準先の三次元座標を演算する機能を有する。視準とは、設定された方向に三次元計測器11の向きを変えることを意味しており、三次元計測器11に内蔵されている望遠鏡12を覗いた場合に、その先に視準先である据付位置(墨出しすべき墨位置)が存在することになる。また、視準の向きの設定は、三次元計測器11に入力された設計図面における据付位置の三次元座標情報に基づいて、三次元計測器11に内蔵される駆動手段(図示を省略)により望遠鏡12の向きが自動的に可変される。そして、視準先を三次元計測することにより、視準先(提示位置)の三次元座標が得られる。
【0014】
三次元計測器11に入力する据付位置の三次元座標データは、青図等の設計図面から手動で取得して三次元計測器11に入力してもよいが、携帯情報端末装置18から無線通信または有線通信により三次元計測器11に自動入力することが好ましい。
【0015】
三次元計測器11には、ポイントレーザ(図示を省略)が内蔵されており、視準先をポイントレーザで照射することにより図1に示すようにマーキング装置14でマーキング(スタンプ)すべき据付位置Pを据付面16に提示する。
【0016】
なお、三次元計測器11に三次元座標データを入力しなくても、前述の視準を行うだけでも、視準先としての据付位置Pを据付面16に提示することもできる。
【0017】
マーキング装置14は、図1に示すように、主として、台車部20と、台車部20に垂直に立設された伸縮自在なポール22と、ポール22の先端部に支持され、ポール22を伸ばすことにより据付面16に押し付け固定する押付板24と、XY移動部26(スタンプ移動部)と、スタンプ28を備えたマーキング部30とによって構成されている。
【0018】
台車部20は、マーキング装置14全体を支持すると共に、作業者Mが台車部20を人力で走行させることにより、マーキング装置14を所望の場所に容易に移動させることができるようになっている。図1の符号32は、台車部20のキャスタ32である。
【0019】
図2、図3で更に詳しく説明すると、マーキング装置14は、人の手で把持可能なポール22を有し、このポール22にマーキング部30が支持されている。連結部34は、スタンプ28の移動方向(Z方向)がポール22の軸線方向に対して平行となるように、マーキング部30をポール22に連結している。
【0020】
ポール22を最短の長さにした運搬状態のマーキング装置14を図4(A)に示し、ポール22を最短時よりも伸長させた使用状態のマーキング装置14を図4(B)に示す。ポール22の長さは、例えば、最短時が1.8m、最長時が4.3mである。ポール22は、入れ子構造に形成された複数のロッドによりロッドアンテナ状に形成され、内蔵された駆動部(図示せず)により上下方向に伸縮動作するようになっている。ポール22の伸縮動作は、ポール22を構成するロッドの最も台車部20に近いロッドに支持された手元操作部23によって操作される。そして、ポール22の伸縮動作によってマーキング部30が昇降動作してマーキング部30の高さが変更される。また、マーキング部30のX−Y面(水平面)における位置の調整は、後述するX−Y移動部26で行われるようになっている。このX−Y移動部26の駆動は手元操作部23によって操作され、マーキング部30をX−Y面において精密に(例えば1mm単位で)移動できる。すなわちスタンプ28がX−Y平面において精密に移動される。尚、ポール22の伸縮は作業者Mが手動で行うようにしてもよい。
【0021】
また、押付板24は、L字状に形成され、三次元計測器11から据付面16の据付位置Pに照射されるレーザ光の光路を邪魔しないようになっている。押付板24はポール22を把持した作業者Mがポール22を伸長動作させることにより、据付面16に当接するように押し付ける。このように、押付板24を据付面16に押し付け固定することで、マーキング装置14のポール22を把持する作業者Mの負担を軽減できるとともに、マーキング装置14が振らつかないので、正確なマーキングを実施できる。この場合、ポール22の基端部(下端部)に台車部20が設けられているので、ポール22は押付板24と台車部20とを介して据付面16と床面38又は地面38との間で突っ張った状態になるので、作業者Mがポール22を把持して支えなくてもマーキング装置14を固定でき、更なる労力の軽減になるとともに、マーキング精度もよくなる。
【0022】
また、押付板24とスタンプ28を含むマーキング部30支持する基台40との間には、図2中に示すX方向およびY方向において、マーキング部30を押付板24に対して相対移動させるX−Y移動部26が介在される。また、基台40上にはスタンプ28の他に据付面16を撮像するカメラ42を設け、手元操作部23の近くに取り付けたモニタ(図示せず)に据付面の画像が写し出されるようにすることが好ましい。
【0023】
図5は、X−Y移動部26を概念的に示した図である。図5に示すように、X−Y移動部26は、押付板24に固定されたX軸駆動部26Aによって駆動されてX軸方向にスライドするX軸スライダー26Bと、X軸スライダー26Bに固定されたY軸駆動部26Cによって駆動されてY軸方向にスライドするY軸スライダー26Dと、で構成される。X−Y移動部26の駆動機構としては、例えばリニアモータ駆動機構や、送りねじ駆動機構等を好適に使用することができる。尚、リニアモータ駆動機構や、送りねじ駆動機構は公知の技術であり、説明は省略する。
【0024】
X−Y移動部26の駆動は手元操作部23によって操作される。これにより、ポール22によって据付面16に押付板24を押し付け固定した状態で、手元操作部23を操作してX−Y移動部26を駆動すると、据付面16に押し付け固定された押付板24に対して基台40がX−Y方向に移動するので、基台40に支持されたスタンプ28を含むマーキング部30をX−Y方向に移動させることができる。
【0025】
図6は、X−Y移動部26によりスタンプ28を移動させる一例を示したものであり、図6(A)はX−Y移動部26を駆動させる前の状態である。図6(B)に示すように、Y軸駆動部26CによってY軸スライダー26DをY軸方向に移動させると、基台40に搭載されたスタンプ28もY軸方向に移動される。更に、図6(C)に示すように、X軸駆動部26AによってX軸スライダー26BをX軸方向に移動させると、基台40に搭載されたスタンプ28もX軸方向に移動される。これにより、スタンプ28をX−Y面(水平面)上で移動させることができる。尚、図6では、スタンプ28のみが移動する図で示したが、基台40の移動によりスタンプ28を含むマーキング部30全体が移動する。これにより、据付面16の据付位置(第1のレーザポイントP)に対して、スタンプ28の現在位置(第2のレーザポイントS)が相対的に移動することになる。この場合、ポール22にマーキング部30を支持した場合には、X−Y移動部26の駆動によってマーキング部30を介してポール22も移動することになるが、ポール22はキャスタ32付きの台車部20上に立設されているので、ポール22の移動に連動して台車部20も移動する。従って、X−Y移動部26の駆動を阻害することはない。しかし、X−Y移動部26の駆動によってマーキング部30のみを移動し、ポール22を連動させたくない場合には、ポール22の先端部を押付板24に直接支持すればよい。
【0026】
マーキング部30には、図7に示すように、ポイントレーザ52が内蔵される。尚、図7では、押付板24、X−Y移動部26、カメラ42を省略して図示している。ポイントレーザ52は、スタンプ28の軸線と一致する光軸を有し、据付面16に向けてレーザ光を照射することによって据付面16上にスタンプ28の現在位置を投影する。即ち、Z方向に伸長するエアシリンダ53には、中空のレーザ照射ガイド用のパイプ55が、ポール22に対して平行に、すなわちZ方向に対して平行に、取り付けられている。パイプ55の先端には、マーキングを行うスタンプ28が取り付けられている。パイプ55の内部には、レーザ光を発するポイントレーザ52が取り付けられている。このようにパイプ55によって、ポイントレーザ52の軸線とスタンプ28の軸線とが一致された構造となっており、ポイントレーザ52から発したレーザ光は、パイプ55に案内されて、スタンプ28のレーザ照射孔57から図のZ方向に照射される。また、エアシリンダ53を作動させると、エアシリンダ53に取り付けられているスタンプ押出棒54がZ方向に伸長し、マーキング対象である天井面などの据付面16にスタンプ28の先端面が当接して、据付面16にマーキングが行われる。
【0027】
この場合、据付位置Pを提示するために三次元計測器11のポイントレーザから据付面16に対して照射されるレーザ光の色と、スタンプ28の現在位置Sを提示するためにマーキング装置14のポイントレーザ52から据付面16に対して照射されるレーザ光の色とは、異なる色にしてある。例えば、据付位置Pを提示する第1のレーザの光が赤色であり、スタンプ28の現在位置Sを提示する第2のレーザ52の光が緑色である。そのため、スタンプ28の現在位置Sが据付位置Pに一致したときに観測される第1のレーザの照射点(第1のレーザポイント)と第2のレーザ52の照射点(第2のレーザポイント)の色が赤色と緑色の混色になるため、容易に2つのレーザポイントが一致したことを検知することができる。従って、ポイントレーザから据付面16に照射されるポイント、即ちスタンプ28のマーキング位置を、三次元計測器11から据付位置に照射されるポイントに一致させるようにスタンプ28を移動することができる。
【0028】
また、ポール22に設けられた手元操作部23には、ポイントレーザ52(第2のレーザ)の発光及び非発光の切換え操作を行うポイントレーザスイッチ、X−Y移動部26を押付板24に対して相対移動させる操作を行うXY移動スイッチ、スタンプ28を据付面16に押印させる操作(マーキング操作)を行うスタンプスイッチ等のスイッチと、が設けられている。図8(a)は、マーキング部30の本体内へスタンプ押出棒54が引き込まれた状態、すなわちZ方向においてスタンプ28が押付板24よりも内側(ポイントレーザ52側)へ引き込まれた状態を示す。図8(b)は、マーキング部30の本体からスタンプ押出棒54が押し出された状態、すなわちZ方向においてスタンプ28が押付板24よりも外側(据付面16側)へ押し出された状態を示す。
【0029】
次に、上記の如く構成されたマーキング装置14を用いて、施工現場で所定の設置物が据え付けられる据付面の所望の据付位置にマーキングを行う据付位置記録処理(マーキング処理)の流れの一例を、図9のフローチャートに示す。
【0030】
図9において、まず、三次元計測器11のポイントレーザ(以下「第1のレーザ」という)によって、据付面16に設置物の据付位置Pが提示される(ステップS1)。本例では、第1のレーザが赤色のレーザ光を発し、据付面16である天井面に、赤色の照射点(以下「第1のレーザポイント」という)が設置物の据付位置Pとして提示される。
【0031】
作業者Mは、据付位置Pの床面(又は地面)付近に、マーキング装置14を設置する(ステップS2)。図1のマーキング装置14は、台車部20により手動で移動する。
次に作業者Mは、マーキング装置14の手元操作部23を操作して、マーキング装置14に装着されるカメラ42によって据付面16を撮影(ステップS3)すると共に、ポイントレーザ52からレーザ光を据付面16に向けて照射して、据付面16にスタンプ28の現在位置Sを提示する(ステップS4)。本例では、第2のレーザが緑色のレーザ光を発し、据付面16である天井面に、緑色の照射点(以下「第2のレーザポイント」という)がスタンプ28の現在位置Sが投影される。
【0032】
次に、作業者Mは、カメラ42で撮像されたモニタの撮像画像上で、赤色の照射点である第1のレーザポイントPと、緑色の照射点である第2のレーザポイントSが一致しているかを確認する(ステップS5)。
【0033】
そして、2つのポイントP,Sが一致している場合には、作業者Mは、マーキング装置14のスタンプ28を伸長動作させて据付面16の第1のレーザポイントPに当接させることにより、マーキングする(ステップS6)。
【0034】
2つのポイントP,Sがズレている場合には、作業者Mは、手元操作部23を操作してX−Y移動部26を駆動することにより、据付面16に押し付け固定されている押付板24に対してスタンプ28を含むマーキング部30をX−Y方向(水平方向)に移動する(ステップS7)。
【0035】
そして、ステップS5の前に戻って、撮像画像上において2つのポイントP、Sが一致したら、スタンプ28を伸長し、据付面16にマーキングを行う(ステップS6)。
【0036】
尚、上記のマーキング方法では、カメラ42で撮像されたモニタの撮像画面上で第1のレーザポイントPと第2のレーザポイントSとを一致させるようにしたが、作業者Mが据付面16を目視して、据付面16上で第1のレーザポイントPと第2のレーザポイントSが一致するようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態では、天井面にマーキングする例で説明したが、本発明のマーキング装置14は壁面にマーキングするために使用することもできる。図10は壁面用のマーキング装置140’の斜視図を示す。このマーキング装置140’は、図3に示すマーキング装置140のうちで、マーキング部30とポール22との連結部34を410’に取り替えることにより構成を変更してなる。図9において、連結部410’は、ポール22の軸線方向に対してスタンプ28の移動方向(Z方向)が直交するように、マーキング部30をポール22に連結している。他の構成要素は図3に示したマーキング装置14と同じであり、説明を省略する。このマーキング装置140’を用いて略垂直な壁面160にマーキングを行う場合には、壁面160に対して略平行にポール22を立てる。壁面160に対して押付板24を押付け、X−Y移動部26によってマーキング部30を図のX方向及びY方向において移動させることにより、据付位置に向けてスタンプ28の現在位置を移動させて、スタンプ28を壁面160に押印する点は、図3に示したマーキング装置14と同じである。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るマーキング装置を組み込んだ施工支援システムの一例の全体構成図
【図2】図1のマーキング装置の斜視図
【図3】図1のマーキング装置の側面図
【図4】(A)はマーキング装置のポールを縮めた状態を示す説明図であり、(B)はマーキング装置のポールを伸ばした状態を示す説明図
【図5】マーキング装置の主としてX−Y移動部を説明する説明図
【図6】X−Y移動部を駆動したことにより、押付板に対するスタンプの移動を説明する説明図
【図7】ポイントレーザを説明する説明図
【図8】スタンプの伸縮を説明する説明図
【図9】マーキング処理の流れの一例を示すフローチャート
【図10】本発明において、壁面にマーキングするマーキング装置の説明図
【符号の説明】
【0040】
10…施工支援システム、11…三次元計測器、12…三次元計測器の望遠鏡、14…マーキング装置、16…据付面、18…携帯情報端末装置、20…台車部、22…ポール、24…押付板、26…X−Y移動部、28…スタンプ、30…マーキング部、32…キャスタ、34…連結部、38…床面、40…基台、42…カメラ、52…マーキング部のポイントレーザ(第2のレーザ)、53…マーキング部のエアシリンダ、54…マーキング部のスタンプ押出棒、55…マーキング部のレーザ照射ガイドパイプ、M…作業者
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三


【公開番号】 特開2008−30156(P2008−30156A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−206670(P2006−206670)