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【発明の名称】 マーキング装置およびマーキング方法
【発明者】 【氏名】鈴木 敏

【要約】 【課題】レーザー光が傾いて入射された場合でも対象物体に正確にマーキングが行い得るとともに、作業者が手作業により装置を動かさずとも、レーザー光の照射ポイントを把握し得るマーキング装置を提供すること。

【構成】スタンプ装置100に第一受光センサ36と第二受光センサ38を設ける。第一受光センサ36は第一平面上における光を検出し、第二受光センサ38は第二平面上における光を検出する。第一平面上における光の照射点の座標値と、第二平面上における光の照射点の座標値と、第一平面および第二平面と対象物体表面との位置関係とから、対象物体表面における光の照射点の座標値を計算する。このようにして求められた座標値にスタンパを移動して、対象物体表面にスタンプを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から対象物体に照射された光の照射点にマーキングを行うマーキング部材を有するマーキング装置において、
所定の第一平面および前記第一平面とは異なる第二平面上を移動可能に配置された受光部と、
前記受光部が前記第一平面上および前記第二平面上で移動するように前記受光部を駆動する受光部駆動手段と、
前記第一平面上を移動する前記受光部の受光情報および移動情報に基づいて、前記第一平面上における光の照射点を推定する第一推定手段と、
前記第二平面上を移動する前記受光部の受光情報および移動情報に基づいて、前記第二平面上における光の照射点を推定する第二推定手段と、
前記第一推定手段により推定された前記第一平面上における光の照射点、および、前記第二推定手段により推定された前記第二平面上における光の照射点、に基づいて、前記第一平面および前記第二平面とは異なる平面である第三平面上における光の照射点を推定する第三推定手段と、
前記第三推定手段により推定された光の照射点にマーキングし得るように前記マーキング部材を移動するマーキング部材移動手段と、
を備えることを特徴とするマーキング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマーキング装置において、
前記受光部は、複数の受光素子が配列した長尺状の受光領域を有し、前記長尺状の受光領域の長尺方向に垂直な方向に移動することを特徴とする、マーキング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のマーキング装置において、
前記第一推定手段は、前記第一平面上を移動する前記受光部の受光領域に受光された光の強度分布から、前記第一平面上での前記受光部の受光領域の長尺方向における光の照射位置である第一位置を決定する第一位置決定手段と、前記受光部駆動手段により移動される前記受光部の前記第一平面上での移動距離から、前記第一平面上での前記受光部の移動方向における光の照射位置である第二位置を決定する第二位置決定手段と、を有し、
前記第二推定手段は、前記第二平面上を移動する前記受光部の受光領域に受光された光の強度分布から、前記第二平面上での前記受光部の受光領域の長尺方向における光の照射位置である第三位置を決定する第三位置決定手段と、前記受光部駆動手段により移動される前記受光部の前記第二平面上での移動距離から、前記第二平面上での前記受光部の移動方向における光の照射位置である第四位置を決定する第四位置決定手段と、を有し、
前記第三推定手段は、前記第一位置、前記第二位置、前記第三位置および前記第四位置に基づいて、前記第三平面における光の照射点を推定することを特徴とする、マーキング装置。
【請求項4】
請求項3に記載のマーキング装置において、
前記第三推定手段は、前記第一位置および前記第二位置から前記第一平面上に定義される第一座標系における光の照射点の座標値(X1,Y1)を算出し、前記第三位置および前記第四位置から前記第二平面上に定義される第二座標系における光の照射点の座標値(X2,Y2)を算出し、前記座標値(X1,Y1)、前記座標値(X2,Y2)、前記第一座標系と前記第三平面上に定義される第三座標系との関係、および、前記第二座標系と前記第三座標系との関係に基づいて、前記第三座標系における光の照射点の座標値(X3,Y3)を推定することを特徴とする、マーキング装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマーキング装置において、
前記受光部駆動手段は、前記受光部を前記第一平面上で移動する第一受光部駆動手段と、前記受光部を前記第二平面上で移動する第二受光部駆動手段とを備えることを特徴とする、マーキング装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマーキング装置において、
前記受光部を前記第一平面から前記第二平面に移動する平面移動手段を備えることを特徴とするマーキング装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマーキング装置において、
前記受光部は、前記第一平面上を移動する第一受光部と、前記第二平面上を移動する第二受光部とを備えることを特徴とする、マーキング装置。
【請求項8】
光源から対象物体に照射された光の照射点にマーキングを行うマーキング方法であって、
前記光源から出射した光が通過する平面である第一平面上を受光部が移動することによって、光源からの光を前記第一平面上にて受光する第一受光ステップと、
前記第一受光ステップにて受光した光の受光情報および前記第一平面上を移動する前記受光部の移動情報に基づいて、前記第一平面上における光の照射点の位置を推定する第一照射点推定ステップと、
前記光源から出射した光が通過する平面であって前記第一平面とは異なる第二平面上を受光部が移動することによって、光源からの光を前記第二平面上にて受光する第二受光ステップと、
前記第二受光ステップにて受光した光の受光情報および前記第二平面上を移動する前記受光部の移動情報に基づいて、前記第二平面上における光の照射点の位置を推定する第二照射点推定ステップと、
前記第一照射点推定ステップにて推定された前記第一平面上における光の照射点、前記第二照射点推定ステップにて推定された前記第二平面上における光の照射点、に基づいて、対象物体の表面に面した第三平面における光の照射点を推定する第三照射点推定ステップと、
前記第三照射点推定ステップにて推定された光の照射点の位置に、マーキング部材を移動するマーキング部材移動ステップと、
前記マーキング部材移動ステップにて移動された前記マーキング部材により対象物体の表面にマーキングを行うマーキングステップと、
を含むことを特徴とするマーキング方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体表面にマーキングを行うマーキング装置およびマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物体に穴あけ等の加工を行う際、穴あけポイントを明示するために、穴あけ加工すべき部分をレーザー光で照射することが行われる。このとき、レーザー光によっては指示ポイントがわかりにくい場合があるため、対象物体表面におけるレーザー光の照射ポイントをマーキングするマーキング装置が提案されている。
【0003】
特許文献1には、マーキング装置を対象物体表面で移動させていき、装置内の予め設定された基準位置にレーザー光が照射されたときに、自動的に対象物体にマーキングを行う装置が記載されている。このマーキング装置は設定位置にレーザー光が照射されたときに自動的にマーキングが行われるため、マーキングをするための作業者の人為的動作を省略することができる。よって、人為的動作によって生じるマーキングの誤差を排除して、正確なマーキングを行うことができるという効果を奏する。
【特許文献1】特開平07−043155号公報
【発明の開示】
【0004】
上記特許文献1に記載のマーキング装置は、レーザー光の受光装置とマーキング用のプリンタ装置が一体化しており、受光装置の基準位置でレーザー光の受光を確認すると自動的にプリンタ装置が作動して対象物体にマーキングする構成を採用している。この場合、プリンタ装置から吐出されるマーキング手段としてのインクは、対象物体に対して垂直に吐出される。ところが、レーザー光はマーキング装置に垂直に入射するとは限らない。したがって、レーザー光がマーキング装置に傾いて入射している場合でもプリンタ装置は垂直にインクを吐出するため、インクの吐出方向とレーザー光の照射方向とのずれによって、対象物体における実際のレーザー光の照射ポイントとは異なった位置にマーキングされてしまうおそれがある。また、特許文献1に記載のマーキング装置は、レーザー光が受光装置の基準位置に照射されるまで作業者が手作業によりマーキング装置を動かさなければならないため、作業効率が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、レーザー光が傾いて入射された場合でも正確にマーキングが行い得るとともに、作業者が手作業により装置を動かさずとも、レーザー光の照射ポイントを把握し得るマーキング装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、光源から対象物体に照射された光の照射点にマーキングを行うマーキング部材を有するマーキング装置において、所定の第一平面および前記第一平面とは異なる第二平面上を移動可能に配置された受光部と、前記受光部が前記第一平面上および前記第二平面上で移動するように前記受光部を駆動する受光部駆動手段と、前記第一平面上を移動する前記受光部の受光情報および移動情報に基づいて、前記第一平面上における光の照射点を推定する第一推定手段と、前記第二平面上を移動する前記受光部の受光情報および移動情報に基づいて、前記第二平面上における光の照射点を推定する第二推定手段と、前記第一推定手段により推定された前記第一平面上における光の照射点、および、前記第二推定手段により推定された前記第二平面上における光の照射点、に基づいて、前記第一平面および前記第二平面とは異なる平面である第三平面上における光の照射点を推定する第三推定手段と、前記第三推定手段により推定された光の照射点にマーキングし得るように前記マーキング部材を移動するマーキング部材移動手段と、を備えるものとしたことにある。
【0007】
上記した本発明に係るマーキング装置によれば、受光部が受光部駆動手段によって第一平面上および第二平面上を移動し、異なった2平面上にて、光源から対象物体に向けて照射された光が受光される。第一平面上における光の照射点は、第一平面上での受光部の受光情報および受光部駆動手段による第一平面上での受光部の移動情報により推定される。第二平面上における光の照射点は、第二平面上での受光部の受光情報および受光部駆動手段による第二平面上での受光部の移動情報により推定される。このようにして推定された第一平面上での照射点の位置および第二平面上での照射点の位置に基づいて、第三平面上における照射点の位置が第三推定手段によって推定される。そして、マーキング部材移動手段によってマーキング部材が上記第三推定手段によって推定された第三平面上における照射点の位置に移動され、当該位置にてマーキングが行われる。
【0008】
したがって、第三平面に対し光が傾いた状態で照射されている場合においても、他の2平面(第一平面、第二平面)に照射される光の照射位置から光の傾きを加味して第三平面上における光の照射位置を推定することができる。よって、上記第三平面を対象物体の表面に直面させた状態で本発明に係るマーキング装置を配置し、光を対象物体に照射させれば、対象物体に光が傾いて照射されている場合でも、対象物体表面に照射される光の照射点の位置を正確に推定でき、このように正確に推定した光の照射点の位置に正確にマーキングを行うことができる。また、受光部駆動手段により受光部を移動させることによって光の照射点を自動的に探索することができるので、作業者が手作業により装置を動かして照射点を探索せずとも、光の照射点を把握することができる。
【0009】
上記本発明において、「第一平面」および「第二平面」は、受光部が移動するときの移動平面であり、マーキング装置が対象物体にマーキングを行うときに、対象物体に照射するレーザー光などの光が通過する面となる。また、「第三平面」は、当該マーキング装置が対象物体にマーキングを行うときに、対象物体表面のうちマーキングされる部分を含む面に直面する面である。これらの3平面は、それぞれ異なる平面である。また、これらの3平面は平行であるのが好ましい。
【0010】
上記発明において、「受光部」は、光を検知し、検知した光に関する情報を外部に出力するものであるとよい。また、検知した光の強度に比例した物理量(例えば電流)を外部に出力するものであるとよい。受光部としては、例えばCCD(電荷結合素子)が挙げられる。また、「受光情報」とは、受光部が光を検知したか否かが判別できる情報であり、好ましくは受光部が受光した光の強度が分かる情報である。また、「移動情報」とは、第一平面上または第二平面上で受光部が受光部駆動手段によって移動した量を示す情報である。移動情報としては、例えば、第一平面上または第二平面上における所定の基準位置からの移動距離が挙げられる。
【0011】
上記発明において、受光部は、受光部駆動手段によって第一平面上および第二平面上を移動するが、このとき各平面を通過する光を受光し得るように移動するのがよい。すなわち、受光部は、対象物体表面に光が照射されていて、その光が第一平面および第二平面を通過しているときに、両平面における光の通過部分を含む領域内を移動するのがよい。また、第一平面および第二平面が装置の構造上有限領域とされている場合であってこれらの有限領域をそれぞれ第一平面部および第二平面部とすると、第一平面部および第二平面部を光が通過するように当該装置を対象物体に対して配置するとともに、第一平面部および第二平面部のほぼ全領域を受光部が移動するものであるとよい。また、第三平面が装置の構造上有限領域とされている場合であってこの有限領域を第三平面部とすると、第一平面部、第二平面部および第三平面部はそれぞれ略平行であり、かつ、垂直方向に同軸的であるのがよい。さらに、すべての平面部がほぼ同一形状となるように構成されているものであるとよい。
【0012】
また、前記受光部は、複数の受光素子が配列した長尺状の受光領域を有するのがよい。そして、前記受光部は、前記受光部駆動手段によって、前記長尺状の受光領域の長尺方向に垂直な方向に移動するものであるのがよい。上記のような長尺状の受光部を用い、且つ受光部がその長尺方向と垂直方向に移動することにより、受光部を一方向に移動させるだけで、幅広い長方形状の領域について受光情報を得ることができる。なお、上記長尺状の受光領域は、複数のCCDなどの受光素子が配列して形成されていればよい。受光素子の配列形式は、整然と行列状に配列していても、千鳥配列状であっても、また雑然と配列していてもよい。さらに、複列で形成されたエリアセンサのみならず、単列で形成されたラインセンサのようなものでもよい。
【0013】
また、前記第一推定手段は、前記第一平面上を移動する前記受光部の受光領域に受光された光の強度分布から、前記第一平面上での前記受光部の受光領域の長尺方向における光の照射位置である第一位置を決定する第一位置決定手段と、前記受光部駆動手段により移動される前記受光部の前記第一平面上での移動距離から、前記第一平面上での前記受光部の移動方向における光の照射位置である第二位置を決定する第二位置決定手段とを有するものであるとよい。さらに前記第二推定手段は、前記第二平面上を移動する前記受光部の受光領域に受光された光の強度分布から、前記第二平面上での前記受光部の受光領域の長尺方向における光の照射位置である第三位置を決定する第三位置決定手段と、前記受光部駆動手段により移動される前記受光部の前記第二平面上での移動距離から、前記第二平面上での前記受光部の移動方向における光の照射位置である第四位置を決定する第四位置決定手段とを有するものであるとよい。そして、前記第三推定手段は、前記第一位置、前記第二位置、前記第三位置および前記第四位置に基づいて、前記第三平面における光の照射点を推定するものであるとよい。
【0014】
この場合、前記第三推定手段は、前記第一位置および前記第二位置から前記第一平面上に定義される第一座標系における光の照射点の座標値(X1,Y1)を算出し、前記第三位置および前記第四位置から前記第二平面上に定義される第二座標系における光の照射点の座標値(X2,Y2)を算出し、前記座標値(X1,Y1)、前記座標値(X2,Y2)、前記第一座標系と前記第三平面上に定義される第三座標系との関係、および、前記第二座標系と前記第三座標系との関係に基づいて、前記第三座標系における光の照射点の座標値(X3,Y3)を推定するものであるとよい。
【0015】
上記発明によれば、受光部が第一平面上を移動しているときに受光部の長尺状の受光領域にて受光された光の強度分布を解析することによって、第一平面上での受光部の長尺方向における光の照射点の中心位置(第一位置)を推定することができる。また、上記中心位置を推定したときの受光部の第一平面上での移動量を受光部駆動手段から取得することによって、第一平面上での受光部の移動方向(受光部の長尺方向と垂直な方向)における光の照射位置(第二位置)を推定することができる。また、この第一平面上に第一座標系を定義すれば、上記第一位置および第二位置で表される第一平面上の照射点の第一座標系における座標値(X1,Y1)が特定できる。これと同様にして、第二平面上に第二座標系を定義しておけば、第三位置および第四位置で表される第二平面上の照射点の第二座標系における座標値(X2,Y2)も特定できる。また、第三平面上にも第三座標系を定義しておけば、これらの座標値と、第一座標系と第三座標系との相対的位置関係と、第二座標系と第三座標系との相対的位置関係とに基づいて、第三座標系における光の照射点の座標値を推定することができる。このようにして、理論的に対象物体表面に直面する第三平面に照射される光の照射点を、第三座標系における座標値として正確に推定することができる。
【0016】
この場合、第一座標系、第二座標系および第三座標系は、いずれも平面座標系であり、それぞれの座標軸原点は一本の直線上の点とされ、且つこの直線は、全ての座標系の座標平面と垂直であるのがよい。こうすることにより、各平面部を垂直に光が通過した場合、各平面部の座標系における座標値は等しく、各平面部は垂直方向に所定距離離間している関係となる。上記所定距離は装置の構造から容易に知ることができるので、第三座標系における光の照射点の座標値をより簡便に推定することができる。
【0017】
また、前記受光部駆動手段は、前記受光部を前記第一平面上で移動する第一受光部駆動手段と、前記受光部を前記第二平面上で移動する第二受光部駆動手段とを備えるものとしてもよい。このようにすれば、第一平面および第二平面にて移動する受光部の移動における自由度を高めることができる。この場合、前記受光部は、前記第一平面上を移動する第一受光部と、前記第二平面上を移動する第二受光部とを備えるものとしてもよい。こうすることにより、第一平面および第二平面を別個に受光部が移動でき、それぞれの受光部の移動を独立に制御することができる。また、受光部を一つとしてマーキング装置を構成する場合には、前記受光部を前記第一平面から前記第二平面に移動する平面移動手段を備えるものとするのがよい。この平面移動手段により一つの受光部が第一平面から第二平面に移動することができるので、一つの受光部で両平面にて光を受光することができる。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、光源から対象物体に照射された光の照射点にマーキングを行うマーキング方法であって、前記光源から出射した光が通過する平面である第一平面上を受光部が移動することによって、光源からの光を前記第一平面上にて受光する第一受光ステップと、前記第一受光ステップにて受光した光の受光情報および前記第一平面上を移動する前記受光部の移動情報に基づいて、前記第一平面上における光の照射点の位置を推定する第一照射点推定ステップと、前記光源から出射した光が通過する平面であって前記第一平面とは異なる第二平面上を受光部が移動することによって、光源からの光を前記第二平面上にて受光する第二受光ステップと、前記第二受光ステップにて受光した光の受光情報および前記第二平面上を移動する前記受光部の移動情報に基づいて、前記第二平面上における光の照射点の位置を推定する第二照射点推定ステップと、前記第一照射点推定ステップにて推定された前記第一平面上における光の照射点および、前記第二照射点推定ステップにて推定された前記第二平面上における光の照射点に基づいて、対象物体の表面に面した第三平面における光の照射点を推定する第三照射点推定ステップと、前記第三照射点推定ステップにて推定された光の照射点の位置に、マーキング部材を移動するマーキング部材移動ステップと、前記マーキング部材移動ステップにて移動された前記マーキング部材により対象物体の表面にマーキングを行うマーキングステップと、を含むことを特徴とするマーキング方法とすることにある。
【0019】
上記本発明の方法によれば、光源から照射された光は、第一平面上および第二平面上で受光部によって受光される。第一平面上で受光部によって受光される光の受光情報と、第一平面上を移動する受光部の移動情報とから、第一平面上での光の照射点が推定される。同様に、第二平面上での光の照射点も推定される。そして、推定された第一および第二平面上における光の照射点の位置から、対象物体の表面に直面した第三平面上における光の照射点が推定される。そして、推定された第三平面上における光の照射点にマーキング部材が移動され、その位置にてマーキングが行われる。よって、対象物体の表面に正確にマーキングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるマーキング装置としてのスタンプ装置の外観図である。図に示すように、スタンプ装置100は、外枠12および基台13によりその外郭が構成されている。外枠12は、図示下部が開口しているとともに、上部面に方形状の窓部14が形成されており、この窓部14には、透明の材質(例えばガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等)で形成された窓が取り付けられている。基台13は外枠12の図示下部に配置しており、外枠12の下部開口に面した状態で外枠12が被せられ、四隅にてネジによって外枠12に結合している。
【0021】
外枠12の上部面には、起動ボタン16が取り付けられている。この起動ボタン16の押圧によってスタンプ装置100の作動が開始される。また、外枠12の上部面には、停止ランプ18、作動ランプ20、警告ランプ22が設けられている。停止ランプ18はスタンプ装置100の作動が停止しているときに点灯するとともに作動しているときに消灯する。作動ランプ20はスタンプ装置100が作動しているときに点灯するとともに作動が停止しているときに消灯する。警告ランプ22は、スタンプ装置100が作動して後述するレーザー光の検出を試みたがレーザー光を検出することができなかったときに所定時間点滅し、その後消灯する。
【0022】
図2は、基台13上にセットされている装置の内部構造を示す概略斜視図である。なお、図2において、説明の便宜上、図示矢印A方向を前方向、図示矢印B方向を後方向、図示矢印C方向を左方向、図示矢印D方向を右方向とし、前後方向と左右方向とは直交するものとする。図2に示すように、基台13は方形状に形成されており、その略中央に大きな方形の孔部13aが形成されている。また、基台13上の四隅付近からは4つの支柱31(第一支柱31a、第二支柱31b、第三支柱31c、第四支柱31d)が鉛直に立設されている。第一支柱31aと第三支柱31cとの間には、第一前後フレーム32aが両支柱31a,31cの上端部を連結するように取り付けられている。同様に、第二支柱31bと第四支柱31dとの間には、第二前後フレーム32bが両支柱31b、31dの上端部を連結するように取り付けられている。第一前後フレーム32aと第二前後フレーム32bは、同じ高さ位置で平行配置されている。
【0023】
また、各支柱31の下端に近い部分には、2本の前後フレーム32(第三前後フレーム32c、第四前後フレーム32d)および2本の左右フレーム33(第一左右フレーム33a、第二左右フレーム33b)が取り付けられている。第三前後フレーム32cは、第一前後フレーム32aの鉛直下方に位置するように、第一支柱31aと第三支柱31cとの間に取り付けられている。同様に、第四前後フレーム32dは、第二前後フレーム32bの鉛直下方に位置するように、第二支柱31bと第四支柱31dとの間に取り付けられている。第三前後フレーム32cと第四前後フレーム32dは、同じ高さ位置で平行配置している。また、第一左右フレーム33aは第一支柱31aと第二支柱31bとの間に、第二左右フレーム33bは第三支柱31cと第四支柱31dとの間に取り付けられており、両左右フレーム33a,33bは同じ高さ位置で平行配置されている。
【0024】
第一前後フレーム32aおよび第二前後フレーム32bには、その図示上面に長尺方向(前後方向)に沿ってガイド溝34a、34bがそれぞれ形成されている。同様に、第三前後フレーム32cおよび第四前後フレーム32dの図示上面にも、長尺方向(前後方向)に沿ってガイド溝34c,34dがそれぞれ形成されている。第一前後フレーム32aおよび第二前後フレーム32bのガイド溝34a,34bには、両溝を跨ぐように第一移動体35が取り付けられている。第三前後フレーム32cおよび第四前後フレーム32dのガイド溝34c、34dには、両溝を跨ぐように第二移動体37およびスタンパ移動体40が取り付けられている。
【0025】
第一移動体35は、図に示すように左右方向に長板状に構成されており、その両端の下面には前後方向に沿った突条35a,35aが形成されている。この突条35a,35aがそれぞれ第一、第二前後フレーム32a,32bのガイド溝34a,34b内に嵌まり込んでいる。このため、第一移動体35はガイド溝34a,34bに突条35a,35aがガイドされて前後方向への移動が可能とされるとともに、左右方向への移動は規制される。また、第一移動体35の図示上面には第一受光センサ36が取り付けられている。本実施形態において第一受光センサ36はCCD(電荷結合素子)が単列に配列されたラインセンサで構成されていて、このCCDの配列領域に光が照射されると、その光の強度に応じた電流が発生されるようになっている。また、第一受光センサ36の受光領域は、第一移動体35の形状に倣って、左右方向に長尺状に形成されている。
【0026】
第一移動体35の左端側の下面には、下方に突出した突出部35bが形成されている。突出部35bには前後方向に貫通したネジ孔35cが形成されている。ネジ孔35cには第一スクリュー35dが螺合している。第一スクリュー35dは前後方向に延びた棒形状を呈している。第一スクリュー35dの前方端には第一モータ35eの出力軸が連結している。なお、第一モータ35eは、第二支柱31bの上端側の右側面から右方向に出張って形成されているブラケット35fに固定的に取り付けられている。また、第一スクリュー35dの後方端は、第四支柱31dの上端側の右側面から右方向に出張って形成されているブラケット35gに取り付けられたベアリングなどの軸受け部材35hによって回転可能に軸支されている。
【0027】
したがって、第一モータ35eが回転駆動すると、この回転は出力軸を介して第一スクリュー35dに伝達される。第一スクリュー35dの回転により第一スクリュー35dに螺合しているネジ孔35cが形成された第一移動体35が第一スクリュー35dの軸方向に沿って移動する。第一移動体35の上面には第一受光センサ36が取り付けられているので、第一受光センサ36は、第一モータ35eの駆動によって第一移動体35の上面を含む平面(第一平面)内で移動可能とされることになる。また、第一受光センサ36の移動方向は、図から明らかなように第一受光センサ36の長尺状の受光領域に垂直な方向である。
【0028】
第二移動体37も、第一移動体35と同様に左右方向に長板状に構成されており、図2に示すように両端の下面には前後方向に沿った突条37a,37aが形成されている。この突条37a,37aがそれぞれ第三、第四前後フレーム32c,32dのガイド溝34c,34d内に嵌まり込んでいる。このため、第二移動体37はガイド溝34c,34dに突条37a,37aがガイドされて前後方向への移動が可能とされるとともに、左右方向への移動は規制される。また、第二移動体37の図示上面には第二受光センサ38が取り付けられている。第二受光センサ38も第一受光センサ36と同様にCCD(電荷結合素子)が単列に配列したラインセンサで構成され、左右方向に長尺状に形成されている。
【0029】
第二移動体37の左端側の下面には、下方に突出した突出部37bが形成されている。この突出部37bには前後方向に貫通したネジ孔37cが形成されていて、このネジ孔37cに第二スクリュー37dが螺合している。第二スクリュー37dは前後方向に延びた棒形状を呈しており、その前方端には第一左右フレーム33aの左端部に取り付けられている第二モータ37eの出力軸が連結している。第二スクリュー37dの後方端は、第二左右フレーム33bの左端部に取り付けられているベアリングなどの軸受け部材(図示省略)によって回転可能に軸支されている。
【0030】
したがって、第二モータ37eが回転駆動すると、この回転は出力軸を介して第二スクリュー37dに伝達される。第二スクリュー37dの回転により第二スクリュー37dに螺合しているネジ孔37cが形成された第二移動体37が第二スクリュー37dの軸方向に沿って移動する。第二移動体37の上面には第二受光センサ38が取り付けられているので、第二受光センサ38は、第二モータ37eの駆動によって、第二移動体37の上面を含む平面(第二平面)内で移動可能とされることになる。また、第二受光センサ38の移動方向は、図から明らかなように第二受光センサ38の長尺状の受光領域に垂直な方向である。
【0031】
スタンパ移動体40は、左右方向に長尺状に形成されたスタンパガイド部41と、スタンパガイド部41にガイドされて左右方向に移動可能なスタンパ保持部42と、スタンパ保持部42に保持されているスタンパ43を備える。スタンパガイド部41の図示両端の下面には前後方向に沿った突条41a,41aが形成されている。この突条41a,41aはそれぞれ第三、第四前後フレーム32c,32dのガイド溝34c,34d内に嵌まり込んでいる。このため、スタンパガイド部41はガイド溝34a,34bに突条41a,41aがガイドされて前後方向への移動が可能とされるとともに、左右方向への移動は規制される。また、スタンパガイド部41の右端側の下面には、下方に突出した突出部(図示省略)が形成されていて、この突出部には前後方向に貫通したネジ孔(図示省略)が形成されている。このネジ孔には第三スクリュー(図示省略)が螺合している。第三スクリューは前後方向に延びた棒形状を呈しており、その前方端には、第一左右フレーム33aの右端側に固定された第三モータ41eの出力軸が連結している。また、第三スクリューの後方端は、第二左右フレーム33bの図示右端側に取り付けられたベアリングなどの軸受け部材(図示省略)によって回転可能に軸支されている。したがって、第三モータ41eが回転駆動すると、この回転は出力軸を介して第三スクリューに伝達される。第三スクリューの回転により第三スクリューに螺合しているネジ孔が形成されたスタンパガイド部41が第三スクリューの軸方向(前後方向)に沿って移動する。
【0032】
スタンパガイド部41は、その上面に長手方向(左右方向)に沿ってガイド溝41bが形成されている。このガイド溝41bには、スタンパ保持部42が係合している。スタンパ保持部42は直方体状を呈しており、図に示すように、その下面に左右方向に沿って突条42aが形成されている。突条42aはスタンパガイド部41のガイド溝41bに嵌め込まれている。したがって、スタンパ保持部42は、ガイド溝41bに突条42aがガイドされて左右方向への移動が可能とされるとともに、前後方向への移動は規制される。
【0033】
スタンパ保持部42の後端部側には左右方向に貫通したネジ孔42cが形成されている。ネジ孔42cには第四スクリュー42dが螺合している。第四スクリュー42dは、左右方向に延びた棒形状を呈しており、その右方端には、スタンパガイド部41の右端に形成されたブラケット41gに固定された第四モータ42eの出力軸が連結している。また、第四スクリュー42dの左方端は、スタンパガイド部41の左端に形成されたブラケット41gに取り付けられたベアリングなどの軸受け部材(図示省略)によって回転可能に軸支されている。したがって、第四モータ42eが回転駆動すると、この回転は出力軸を介して第四スクリューに42d伝達される。第四スクリュー42dの回転により第四スクリュー42dに螺合しているネジ孔42cが形成されたスタンパ保持部42が第四スクリューの軸方向(左右方向)に沿って移動する。
【0034】
スタンパ保持部42の前端部側には、上下に貫通した孔部が形成されていて、この孔部にはスタンパ43が取り付けられている。スタンパ43は、図に示すように長細いペン状に形成されていて、その先端(図示下方端)には、対象物体にマーキングを行うことができるペン先が取り付けられている。このペン先は、基台13の孔部13aから突出可能なように図示上下方向に伸び縮みすることができるようにされており、この伸縮動作によって、ペン先が孔部13aに対面する対象物体の表面に触れ、対象物体表面上にマーキングが行われる。スタンパ43は上述のようにスタンパ保持部42に保持され、スタンパ保持部42はスタンパガイド部41にガイドされている。よって、スタンパ43は、スタンパガイド部41の前後移動およびスタンパ保持部42の左右移動により、基台13の孔部13aに面した平面を前後左右に移動可能とされる。
【0035】
図1に示す外枠12の内側には、スタンプ装置100の作動を制御するコントローラおおびこのコントローラに接続される電気回路が取り付けられている。図3は、コントローラ50の電気的接続関係を示すブロック図である。図3に示すように、第一モータ35e、第二モータ37e、第三モータ41e、第四モータ42e、起動ボタン16、停止ランプ18、作動ランプ20、警告ランプ22、スタンパ43、第一受光センサ36および第二受光センサ38は、コントローラ50に電気的に接続している。コントローラ50は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする。各モータ35e,37e,41e,42eはコントローラ50からの指令信号に基づいて駆動制御され、各ランプ18,20,22はコントローラ50からの指令信号に基づいて点灯、消灯、点滅の制御がなされる。また、コントローラ50からの指令信号に基づき、スタンパ43が伸縮して対象物体にマーキングを行う動作が制御される。第一受光センサ36および第二受光センサ38は、光を受光したときにその強度に応じて出力される電流値をコントローラ50に出力する。起動ボタン16は、作業者により起動ボタン16が押圧されたことを示す信号(起動信号)をコントローラ50に出力する。
【0036】
また、各モータ35e,37e,41e,42eは、それぞれ移動距離計算回路51(第一移動距離計算回路51a、第二移動距離計算回路51b、第三移動距離計算回路51c、第四移動距離計算回路51d)に電気的に接続される。第一移動距離計算回路51aおよび第二移動距離計算回路51bは、コントローラ50から第一モータ35eおよび第二モータ37eの駆動開始の指令を受けると、第一モータ35eおよび第二モータ37eに組み込まれた各エンコーダ35e1および37e1から入力されるパルス信号のパルス数のカウントを開始するとともに、パルスカウント数に相当する第一移動体35、第二移動体37の移動距離を算出してそのデジタル信号をコントローラ50に出力する。そして、コントローラ50から第一モータ35eの駆動停止あるいは第二モータ37eの駆動停止の指令信号を受けると、停止指令に係るモータについての移動距離の算出を停止する。また、コントローラ50から第一、第二受光センサ36,38を初期位置に戻す指令を受け、且つその後に第一、第二モータ35e,37eの各エンコーダ35e1、37e1からのパルス信号の入力が無くなった場合、コントローラ50に初期位置に移動完了したことを表す信号を出力し、パルスカウント数をリセットする。また、第一移動距離計算回路51aおよび第二移動距離計算回路51bは、コントローラ50から第一、第二モータ35e,37eの駆動指令を受けているにもかかわらず、各エンコーダ35e1,37e1からパルス信号の入力がない場合に、限界位置信号をコントローラ50に出力する。
【0037】
第三移動距離計算回路51cおよび第四移動距離計算回路51dは、コントローラ50からスタンパ43の移動指令を受けると、第三モータ41eおよび第四モータ42eに組み込まれたエンコーダ41e1,42e1から入力されるパルス信号のパルス数のカウントを開始するとともに、カウント数に相当する移動距離を算出してそのデジタル信号をコントローラ50に出力する。そして、コントローラ50からスタンパ43の移動を停止する指令を受けると、移動距離の算出を停止する。また、コントローラ50からスタンパ43を初期位置へ移動させる指令を受け、且つその後に第三、第四モータ41e,42eの各エンコーダからのパルス信号の入力がなくなった場合、コントローラ50に初期位置に移動完了したことを表す信号を出力し、カウント数をリセットする。
【0038】
上記構成のスタンプ装置100において、作業者が対象物体に対してレーザー光を照射しているときに、対象物体上の照射ポイントが窓部14に入るようにスタンプ装置100を対象物体の表面上に移動し、スタンプ装置100を対象物体に固定する。その後、作業者は、レーザー光が窓部14を透過したと判断したとき、スタンプ装置100の起動ボタン16を押圧する。すると、コントローラ50に起動信号が入力されて、コントローラ50は、図4〜図6に示す照射点計算プログラムの実行により、対象物体上におけるレーザー光の照射点の正確な位置を求める。
【0039】
照射点計算プログラムは図4のステップS100にて開始され、ステップS101にてまず初期化が実行される。この初期化は、第一移動体35、第二移動体37、スタンパガイド部41、スタンパ保持部42を初期位置に戻すことを含む。なお、本実施形態においては、第一移動体35および第二移動体37の初期位置は、スタンプ装置100の前方端、スタンパガイド部41の初期位置は後方端、スタンパ保持部42の初期位置は左方端である。
【0040】
ステップS101にて初期化が行われた後、コントローラ50はステップS102にてカウンタ値nおよびmの初期値として1をそれぞれ設定する。次いで、ステップS104にて停止ランプ18を消灯し、作動ランプ20を点灯する。これによりスタンプ(マーキング)処理が開始されたことを作業者に伝える。次いで、コントローラ50はステップS106にて第一モータ35eを正転駆動する。これにより第一モータ35eが回転し、第一移動体35が初期位置(図2において前方端位置)から図2における後方側に移動する。このとき、第一モータ35eのエンコーダ35e1により出力されるパルス信号が第一移動距離計算回路51aに入力される。
【0041】
上記のようにして第一モータ35eの駆動によって第一移動体35が移動することにより、第一移動体35の上面に設けられた第一受光センサ36も第一平面内を移動する。この移動方向は、長尺状に形成された第一受光センサ36の受光領域に垂直な方向(前後方向)であるため、第一平面内において幅広い長方形状の領域を第一受光センサ36が通過することになる。よって、第一移動体35が初期位置から後方端まで一度移動するだけで、外枠12に形成された窓部14から入射して第一平面内を通過するほぼ全ての光を第一受光センサ36により受光することができる。
【0042】
ステップS106にて第一モータ35eを駆動した後、コントローラ50は、ステップS108にて、第一モータ35eが駆動して第一受光センサ36が第一平面を移動中に、第一受光センサ36によりレーザー光が検出されているかを判定する。この判定は、第一受光センサ36を構成する全ての受光素子のうちのいずれか一つにでもレーザー光が検出されているか否かを判定するものである。レーザー光が検出されている場合はステップS110に進み、光が検出されていない場合はステップS152に進む。
【0043】
ステップS108にて第一受光センサ36にてレーザー光が検出されていないと判定されて、ステップS152に進むと、このステップS152にて、第一移動距離計算回路51aから限界位置信号が入力されているかを判定する。限界位置信号が入力されていない場合は、まだ第一移動体35は移動可能と考えられるため、ステップS108に戻って再度、第一モータ35eの駆動中に第一受光センサ36によりレーザー光が検出されているかを判定する。ステップS152にて限界位置信号が入力されていると判定した場合はステップS154に進む。
【0044】
ステップS152にて限界位置信号が入力されていると判定する場合は、これ以上第一移動体35を移動させることが不可能な場合である。このような状況、つまり第一受光センサ36によってレーザー光を一度も受光しないまま第一移動距離計算回路51aから限界位置信号の入力がなされる状況は、レーザー光の照射方向がスタンプ装置100から大きく外れており、スタンプ装置100の窓部14からレーザー光が入射していない場合に起こり得る。よって、このような状況ではスタンプ装置100によりレーザー光を検出することができないため、次のステップS154にて第一モータ35eの駆動を停止し、次いで、ステップS155にて第一移動体35を初期位置に移動させる。このステップS155の処理によって第一モータ35eを逆方向に回転駆動し、第一移動体35が初期位置である前方端に移動する。
【0045】
次いで、ステップS156にて警告ランプ22を点滅させるとともに、ステップS158にて停止ランプ18を点灯させ、作動ランプ20を消灯させる。斯かるランプの状態変化により、作業者は、スタンプ装置100がレーザー光の検出に失敗し、作動が停止していることを認識することができる。次いで、ステップS160にて所定時間経過したかが判定され、所定時間経過した場合にステップS162にて警告ランプ22の点滅を止め、警告ランプを消灯させる。そして、ステップS164にてこのプログラムの実行を終了する。
【0046】
一方、ステップS108にて第一受光センサ36により光が検出されていると判定されて、ステップS110に進んだ場合は、このステップS110にて、第一移動距離計算回路51aから入力された最新の移動距離L1を距離L1(n)としてコントローラ50の記憶領域に記憶する。次いで、ステップS112に進む。ステップS112では、第一受光センサ36が受光している受光データD1を受光データD1(n)としてコントローラ50の記憶領域に記憶する。この場合、コントローラ50は、第一受光センサ36を構成する全ての受光素子が受光している光の強度値あるいはそれに対応する物理量を取り込み、受光データD1(n)として記憶する。また、受光データD1(n)は、それぞれの受光素子の受光データがどの受光素子から入力されたものであるかをわかるようにして記憶されている。
【0047】
ステップS110およびステップS112にて移動距離L1(n)および受光データD1(n)を記憶した後は、コントローラ50は、ステップS114にてカウンタ値nをインクリメントしてn+1とする。続いて、コントローラ50はステップS116にて、第一受光センサ36により現在レーザー光が検出されているかを判定する。レーザー光が検出されていないと判定した場合は、第一受光センサ36による第一平面上でのレーザー光の検出が終了したものと考えられる。よって、第一受光センサ36による受光ステップを終了するため、ステップS122に進んで第一モータ35eを駆動停止する。
【0048】
一方、ステップS116にて第一受光センサ36により光が検出されていると判定したときは、未だ、第一平面上におけるレーザー光の全ての照射領域を検出するに至っていないと判断できる。この場合はステップS118に進み、第一移動距離計算回路51aから限界位置信号が入力されているかを判定する。限界位置信号が入力されている場合は、これ以上第一移動体35を移動させることができないと判断できる。このような状況、すなわち第一受光センサ36によってレーザー光を検出しているのに、第一移動体35がこれ以上移動することができずに、レーザー光の全ての照射点を把握し得ない状況は、レーザー光がスタンプ装置100の窓部14の隅に照射されており、第一平面上を第一受光センサ36が移動し得るぎりぎりのところでレーザー光が第一受光センサ36に検知されているが、レーザー光の照射領域を全て検知する前に第一移動体35が移動限界に達した場合に起こり得る。この場合は、上述したステップS154に進み、このステップS154にて第一モータ35eの駆動を停止し、次いで、第一移動体35を初期位置に移動させ(S155)、警告ランプ22を点滅させ(S156)、停止ランプ18を点灯させるとともに作動ランプ20を消灯させる(S158)。所定時間経過した後に警告ランプを消灯させ(S160,S162)このプログラムの実行を終了する(S164)。
【0049】
ステップS118にて限界位置信号の入力がなされていないと判定したときは、ステップS120に進む。このステップS120においては、現在入力されている第一移動距離計算回路51aからの距離L1の最新値と、前回記憶した距離L1(n)との差が所定の距離B以上であるかを判定する。この判定により、前回記憶した距離L1(n)から第一移動体35がBだけ移動したか否かが判断される。ステップS120にて上記差がBよりも小さい場合はステップS116に戻り、ステップS118を経て再度ステップS120の判定を行う。
【0050】
ステップS120にて、距離L1の最新値と前回記憶した距離L1(n)との差がB以上となった場合には、ステップS110に戻る。そして、このステップS110にて、現在検出されている移動距離L1の最新値をL1(n+1)として記憶する。その後ステップS112に進み、このステップS112にて、現在検出されている第一受光センサ36からの最新の受光情報D1をD1(n+1)として記憶する。続いて、ステップS114にてカウンタ値nをインクリメントし、ステップS116、ステップS118、ステップS120を経て再度移動距離および受光データを取得する。
【0051】
上記のようにして、ステップS110〜ステップS120の処理を繰り返すことによって、第一移動体35の移動距離L1がB増加する毎に、第一受光センサ36から得られる受光情報D1を記憶する。よって、移動距離L1(1),L1(2),L1(3)・・・・L1(n)に対応して、それぞれ、受光データD1(1),D1(2),D1(3)・・・D1(n)がコントローラ50の記憶領域に記憶される。そして、この繰り返しの処理の途中で、ステップS116における判定がNoとなった場合、つまり、第一受光センサ36によるレーザー光の検出がなくなった場合には、第一受光センサ36による第一平面上でのレーザー光の検出が終了したと判断し、ステップS122に進んで第一モータ35eを停止する。そして、ステップS123にて第一移動体35を初期位置(図1における前方端)に移動するように第一モータ35eを逆方向に回転駆動する。
【0052】
第一平面上でのレーザー光の照射領域の検出が完了してステップS122に進み、第一モータ35eを停止させ、ステップS123にて第一モータ35eを逆方向に回転駆動させて第一移動体を初期位置に移動させた後は、コントローラ50は図5に示すステップS124に進み、このステップS124にて第二モータ37eを正転駆動する。これにより第二モータ37eが回転し、第二移動体37が初期位置(図1において前方端位置)から図2における後方側に移動する。このとき、第二モータ37eのエンコーダ37e1により出力されるパルス信号が第二移動距離計算回路51bに入力される。
【0053】
上記のようにして第二移動体37が移動することにより、第二移動体37の上面に設けられた第二受光センサ38も第二平面内を移動する。この移動方向は、長尺状に形成された第二受光センサ38の受光領域に垂直な方向(前後方向)であるため、第二平面内において幅広い長方形状の領域を第二受光センサ38が通過することになる。よって、第二移動体37が初期位置から後方端まで一度移動するだけで、外枠12に形成された窓部14から入射して第二平面内を通過するほぼ全ての光を第二受光センサ38により受光することができる。
【0054】
ステップS124にて第二モータ37eを駆動した後、コントローラ50は、ステップS126にて、第二モータ37eが駆動して第二受光センサ38が第二平面を移動中に、第二受光センサ38によりレーザー光が検出されているかを判定する。この判定は、第二受光センサ38を構成する全ての受光素子のいずれか一つにてレーザー光が検出されているか否かを判定するものである。レーザー光が検出されている場合はステップS128に進み、光が検出されていない場合はステップS166に進む。
【0055】
ステップS126にて第二受光センサ38にてレーザー光が検出されていないと判定されて、ステップS166に進むと、このステップS166にて、第二移動距離計算回路51bから限界位置信号が入力されているかを判定する。限界位置信号が入力されていない場合は、まだ第二移動体37は移動可能と考えられるため、ステップS126に戻って再度、第二モータ37eの駆動中に第二受光センサ38によりレーザー光が検出されているかを判定する。ステップS166にて限界位置信号が入力されていると判定した場合はステップS167に進む。
【0056】
ステップS166にて限界位置信号が入力されていると判定した場合は、これ以上第二移動体37を移動させることが不可能な場合である。このため、次のステップS167にて第二モータ37eの駆動を停止し、次いで、ステップS168にて第二移動体37を初期位置に移動させる。このステップS168の処理によって第二モータ37eが逆方向に回転駆動し、第二移動体37が初期位置である前方端に移動する。
【0057】
次いで、ステップS156に戻って警告ランプ22を点滅させ、ステップS158にて停止ランプ18を点灯させるとともに作動ランプ20を消灯させる。続いて、ステップS160にて所定時間経過したかが判定され、所定時間経過した場合にステップS162にて警告ランプ22の点滅を止め、警告ランプを消灯させる。そして、ステップS164にてこのプログラムの実行を終了する。
【0058】
一方、ステップS126にて第二受光センサ38により光が検出されていると判定されて、ステップS128に進んだ場合は、このステップS128にて、第二移動距離計算回路51bから入力された最新の移動距離L2を距離L2(m)としてコントローラ50の記憶領域に記憶する。次いで、ステップS130に進む。ステップS130では、第二受光センサ38が受光している受光データD2を受光データD2(m)としてコントローラ50の記憶領域に記憶する。この場合、コントローラ50は、第二受光センサ38を構成する全ての受光素子が受光している光の強度値あるいはそれに対応する物理量を取り込み、受光データD2(m)として記憶する。また、受光データD2(m)は、それぞれの受光素子の受光データがどの受光素子から入力されたものであるかをわかるようにして記憶されている。
【0059】
ステップS128およびステップS130にて移動距離L2(m)および受光データD2(m)を記憶した後は、コントローラ50は、ステップS132にてカウンタ値mをインクリメントしてm+1とする。続いて、コントローラ50はステップS134にて、第二受光センサ38により現在レーザー光が検出されているかを判定する。レーザー光が検出されていないと判定した場合は、第二受光センサ38による第二平面上でのレーザー光の検出が終了したものと考えられる。よって、第二受光センサ38による受光ステップを終了するため、ステップS138に進んで第二モータ37eを駆動停止する。
【0060】
一方、ステップS134にて第二受光センサ38により光が検出されていると判定したときは、未だ、第二平面上におけるレーザー光の全ての照射領域を検出するに至っていないと判断できる。この場合はステップS135に進み、第二移動距離計算回路51bから限界位置信号が入力されているかを判定する。限界位置信号が入力されている場合は、これ以上第二移動体37を移動させることができないと判断できる。したがって、ステップS167に進み、このステップS167にて第二モータ37eの駆動を停止し、次いで、第二移動体37を初期位置に移動し(S168)、警告ランプ22を点滅させ(S156)、停止ランプ18を点灯させるとともに作動ランプ20を消灯させる(S158)。所定時間経過した後に警告ランプを消灯させ(S160,S162)、このプログラムの実行を終了する(S164)。
【0061】
ステップS135にて限界位置信号の入力がなされていないと判定したときは、ステップS136に進む。このステップS136においては、現在入力されている第二移動距離計算回路51bからの距離L2の最新値と、前回記憶した距離L2(m)との差が所定の距離B以上であるかを判定する。上記差がBよりも小さい場合はステップS134に戻り、ステップS136を経て再度ステップS136の判定を行う。
【0062】
ステップS136において、距離L2の最新値と前回記憶した距離L2(m)との差がB以上となった場合には、ステップS128に戻る。そして、このステップS128にて、現在検出されている移動距離L2の最新値をL2(m+1)として記憶する。その後ステップS130に進み、このステップS130にて、現在検出されている第二受光センサ38からの最新の受光情報D2をD2(m+1)として記憶する。その後、ステップS132にてカウンタ値mをインクリメントし、ステップS134,ステップS135、ステップS136を経て再度移動距離および受光データを取得する。
【0063】
上記のようにして、ステップS128〜ステップS136の処理を繰り返すことによって、第二移動体37の移動距離L2がB増加する毎に、第二受光センサ38から得られる受光情報D2を記憶する。よって、移動距離L2(1),L2(2),L2(3)・・・・L2(m)に対応して、それぞれ、受光データD2(1),D2(2),D2(3)・・・D2(m)がコントローラ50の記憶領域に記憶される。そして、この繰り返しの処理の途中で、ステップS134における判定がNoとなった場合、つまり、第二受光センサ38による光の検出がなくなった場合には、第二受光センサ38による第二平面におけるレーザー光の照射領域の検出が終了したと判断し、ステップS138に進んで第二モータ37eを停止する。
【0064】
第二平面上でのレーザー光の照射領域の検出が完了してステップS138に進み、第二モータ37eを停止させた後は、コントローラ50は図6に示すステップS140に進み、このステップS140にて、第二移動体37を初期位置(図1において前方端)に移動するように第二モータ37eを逆方向に回転駆動する。次に、コントローラ50は、ステップS141にて、第一平面上でのレーザー光の照射点(通過点)の座標値を計算する。この場合において、第一受光センサ36が移動する移動平面である第一平面において、第一受光センサ36の受光領域の長尺方向(図2における左右方向)をx方向、第一受光センサ36の移動方向(図2における前後方向)をy方向とし、第一移動体35が初期位置にあるときの第一受光センサ36のy方向位置を0とし、そのときの第一受光センサ36の図2において最も右端に配置している受光素子のx方向位置を0として、座標軸原点を定める。そして、このように第一平面に定義された座標系(第一座標系)内で、レーザー光の照射点の座標値(X1,Y1)を算出する。
【0065】
ここで、コントローラ50が記憶している移動距離L1(n)は、第一座標系におけるy方向成分に対応する距離である。また、コントローラ50が記憶している受光データD1(n)は、第一受光センサ36を構成する各受光素子にて検出された光の強度を示すデータであるが、第一受光センサ36はラインセンサであるので、各受光素子は第一座標系のx軸方向に沿って配列している。したがって、コントローラ50は、y軸に移動距離L1(n)を採り、x軸に第一受光センサ36の各受光素子の第一座標系の原点からの距離を採り、z軸に各移動距離L1(n)における各受光素子が検出した光の強度値を採ることでレーザー光の強度分布のデータを揃える。このデータを視覚的に示すと図7に示すようなグラフになる。このグラフは、第一平面上に定義された第一座標系におけるレーザー光の強度分布を示す。
【0066】
そして、コントローラ50は、レーザー光の強度分布のデータから、第一座標系におけるレーザー光の中心位置の座標値を計算する。この計算は、簡易的には、図7において所定の光強度以上の値となる領域を抽出し、この領域におけるx軸方向の中心位置およびy軸方向の中心位置を求め、この中心位置で表される座標値をレーザー光の中心位置の座標値とすることである。このようにして計算された第一平面上でのレーザー光の照射点の座標値を、例えば(X1,Y1)とする。
【0067】
次に、コントローラ50は、ステップS142にて、第二平面上でのレーザー光の照射点の座標値を計算する。この場合において、第二受光センサ38が移動する移動平面である第二平面において、第二受光センサ38の受光領域の長尺方向(図2における左右方向)をx方向、第一受光センサの移動方向(図2における前後方向)をy方向とし、第二移動体37が初期位置にあるときの第二受光センサ38のy方向位置を0とし、そのときの第二受光センサ38の図2において最も右端に配置している受光素子のx方向位置を0として、座標軸原点を定める。そして、このように第二平面に定義された座標系(第二座標系)内で、レーザー光の照射点の座標値を計算する。この場合も座標値(X1,Y1)を計算したときと同じように、y軸に第二移動体37の移動距離L2(m)を採り、x軸に第二受光センサ38の各受光素子の第二座標系の原点からの距離を採り、z軸に各移動距離L2(m)における各受光素子が検出した光の強度値を採ることでレーザー光の強度分布のデータを揃える。このデータを視覚的に示すと図8に示すようなグラフになる。このグラフは、第二平面上に定義された第二座標系におけるレーザー光の強度分布を示す。そして、このレーザー光の強度分布のデータよりレーザー光の照射中心の座標値を求める。このようにしてステップS142にて計算された座標値を、例えば(X2,Y2)とする。
【0068】
次に、コントローラ50は、ステップS143にて、第三平面上での照射点の座標値を計算する。本実施形態において、第三平面は、スタンプ装置100の基台13の図2において下方面を含む平面とされる。基台13の下方面は、スタンプ装置100を対象物体に取り付けるときに、対象物体の表面に直面する面となる。よって、基台13の下方面は、対象物体の表面ともいえる。
【0069】
本実施形態において、基台13の下方面(第三平面)と、第一受光センサ36の移動平面である第一平面と、第二受光センサ38の移動平面である第二平面とは、平行に形成されている。また、第三平面に定義される座標系を第三座標系とすると、第一座標系、第二座標系および第三座標系の座標軸原点を結ぶ直線は、各平面と垂直な関係とされる。つまり、各平面に定義される座標系は、各平面に垂直な方向に所定間隔だけずれて形成されている関係とされる。このような関係であれば、基台13の下方面から第一平面までの垂直方向距離z1、および、基台13の下方面から第二平面までの垂直方向距離z2は、装置の構造から予め知り得る値となる。
【0070】
図9は、第一平面、第二平面および第三平面の関係、および、これらの平面をレーザー光が通過する様子を示す模式図である。図9において、y方向は、スタンプ装置100における前後方向(図2参照)、x方向は左右方向(図2参照)である。また、z方向は、上記x方向およびy方向に垂直な方向である。また、図10は、図9に示された様子をx−z平面上で示した模式図、図11は、図9に示された様子をy−z平面上で示した模式図である。
【0071】
図10において、第一平面上でのレーザー光の照射点Aと第二平面上でのレーザー光の照射点Bとを結んだ直線は、スタンプ装置100に入射するレーザー光をx−z平面から見た直線である。よって、この直線が第三平面と交わる点の座標値のx成分が、第三平面上でのレーザー光の照射点のx座標値を示す。この場合、第一平面と第三平面との垂直方向距離をz1とし、第二平面と第三平面との垂直方向距離をz2とし、第一平面上におけるレーザー光の照射点の座標値のx成分をX1とし、第二平面上におけるレーザー光の照射点の座標値のx成分をX2とし、第三平面上におけるレーザー光の照射点の座標値のx成分をX3とすると、相似の関係から、(X1−X2):(z1−z2)=(X1−X3):z1という関係が成り立つ。上記式からX3は下記式1のように表すことができる。
【数1】


【0072】
また、図11において、第一平面上でのレーザー光の照射点Cと第二平面上でのレーザー光の照射点Dとを結んだ直線は、スタンプ装置100に入射するレーザー光をy−z平面から見た直線である。よって、この直線が第三平面と交わる点の座標値のy成分が、第三平面上でのレーザー光の照射点のy座標値を示す。この場合、第一平面上におけるレーザー光の照射点の座標値のy成分をY1とし、第二平面上におけるレーザー光の照射点の座標値のy成分をY2とし、第三平面上におけるレーザー光の照射点の座標値のy成分をY3とすると、相似の関係から、(Y1−Y2):(z1−z2)=(Y1−Y3):z1という関係が成り立つ。上記式からY3は下記式2のように表すことができる。
【数2】


【0073】
したがって、第三平面上、すなわち対象物体表面上におけるレーザー光の正確な照射ポイントの第三座標系における座標値(X3,Y3)は、下記式3のように表すことができる。
【数3】


【0074】
このようにして、ステップS143にて対象物体上におけるレーザー光の正確な照射ポイントの第三座標系における座標値を計算した後は、コントローラ50は、ステップS144にて、第三座標系における受光位置の座標値(X3,Y3)が計算されたかを判定する。これは、レーザー光の傾きの度合いによって、第一受光センサ36または第二受光センサ38のいずれか一方でレーザー光の照射ポイントの座標値が計算できたにもかかわらず、いずれか他方では照射ポイントの座標値が計算できない場合もあり、斯かる場合は第三平面における座標値(X3,Y3)を計算することができないからである。ステップS144にて座標値(X3,Y3)が計算されたと判定した場合はステップS145に進む。計算されていないと判定した場合はステップS156に進んでランプ処理を施した後にこのプログラムの実行を終了する。
ステップS145では、上記座標値(X3,Y3)までスタンパ43が移動するように、第三モータ41eおよび第四モータ42eを駆動制御する。第三モータ41eが回転駆動すると、第三モータ41eに連結した第三スクリューが回転し、第三スクリューの回転駆動によって、第三スクリューと螺合しているスタンパガイド部41が図2において前後方向に移動する。これに伴って、スタンパ43も前後方向(y方向)に移動する。また、第四モータ42eが回転駆動すると、第四モータ42eに連結した第四スクリュー42dが回転し、第四スクリュー42dと螺合しているスタンパ保持部42が左右方向(x方向)に移動する。これに伴って、スタンパ保持部42に取り付けられたスタンパ43もx方向に移動する。このようにして第三モータ41eおよび第四モータ42eの駆動によって、スタンパ43がx方向およびy方向に移動する。スタンパ43が座標値(X3,Y3)に到達したら、次のステップS146にてスタンプを行い、対象物体にマーキングする。その後、ステップS147にて、第三モータ41eおよび第四モータ42eを駆動してスタンパ43を初期位置まで戻し、ステップS148にて停止ランプ18を点灯させるとともに作動ランプ20を消灯し、ステップS150にてこのプログラムの実行を終了する
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、対象物体の表面(第三平面)とは異なる2平面(第一平面および第二平面)におけるレーザー光の照射点の位置(座標値(X1,Y1)および座標値(X2,Y2))および各平面同士の相対的位置関係(第一平面と第三平面との距離z1および第二平面と第三平面との距離z2)に基づいて、対象物体表面(第三平面)におけるレーザー光の照射点を推定しているので、レーザー光が傾いて照射されている場合においても、この傾きを加味した正確な照射点を推定することができる。
【0076】
(第二実施形態)
図12は、本発明の第二実施形態に係るスタンプ装置の内部構成を示す概略図である。なお、本実施形態に係るスタンプ装置の外観は第一実施形態にて説明した図1と同様である。また、第一実施形態にて説明したスタンプ装置は、第一平面上でレーザー光を受光する受光センサ(第一受光センサ36)と第二平面上でレーザー光を受光する受光センサ(第二受光センサ38)とを別々に設けた例を示したが、本実施形態は、一つの受光センサによって、第一平面上および第二平面上におけるレーザー光を受光するようにしている。さらに、本実施形態に係るスタンプ装置200は、上記第一実施形態において説明した第一移動体35および第二移動体37が一つの受光部移動体に共通化されており、これに伴いこの受光部移動体を第一平面から第二平面に移動するための平面移動手段を具備している。それ以外の構造的な構成は、上記第一実施形態と同様である。よって、図12において、第一実施形態と同一部分は同一符号で示し、その具体的説明は省略する。
【0077】
図12に示すように、本実施形態に係るスタンプ装置200において、受光部移動体65は、受光部支持部651、右側ガイド部652および左側ガイド部653の3つの部分に分けて形成されている。受光部支持部651は図に示すように左右方向に長尺状に形成されていて、その上面には受光センサ39が取り付けられている。本実施形態において、受光センサ39は、ラインセンサである。また、受光部支持部651の左端側には上下方向に貫通したネジ孔651aが形成されている。
【0078】
右側ガイド部652は、受光部支持部651の右端側に設けられていて、第一前後フレーム32aから第三前後フレーム32cにかけて鉛直方向に形成されている。また、右側ガイド部652の下面には、前後方向に沿って突条652aが形成されており、この突条652aは第三前後フレーム32cの上面に形成されているガイド溝34cに嵌まり込んでいる。したがって、右側ガイド部652は、上記突条652aとガイド溝34cとの嵌め合いによって、前後方向への移動が可能とされているとともに、左右方向の移動が規制されている。左側ガイド部653は、受光部支持部651の左端側に設けられていて、第二前後フレーム32bから第四前後フレーム32dにかけて鉛直方向に形成されている。左側ガイド部653の下面には、前後方向に沿って突条653aが形成されており、この突条653aは第四前後フレーム32dの上面に形成されているガイド溝34dに嵌まり込んでいる。したがって、左側ガイド部653は、上記突条653aとガイド溝34dとの嵌め合いによって、前後方向への移動が可能とされているとともに、左右方向の移動が規制されている。
【0079】
右側ガイド部652の左側ガイド部653に対向した面にはガイド溝(図示省略)が形成されている。同様に、左側ガイド部653の右側ガイド部652に対向した面にはガイド溝653fが形成されている。右側ガイド部652に形成されたガイド溝には、受光部支持部651の右端面に形成されている突起部(図示省略)が嵌まり込んでいる。また、左側ガイド部653に形成されたガイド溝653fには、受光部支持部651の左端面に形成されている突起部(図示省略)が嵌まり込んでいる。従って、受光部支持部651は、その両端に形成された突起部が左右側ガイド部652,653のガイド溝に嵌まり込むことによって、上下方向に移動可能とされているとともに、前後左右方向への独立した移動は規制される。また、図に示すような状態で左側ガイド部653が前後方向に移動すると、これに伴って受光部支持部651および右側ガイド部652も前後方向に移動する。この場合において、左側ガイド部653の前後方向への移動力が直接右側ガイド部652に伝達されるように、例えば受光部支持部651の図示下方側に連結部材を配置し、この連結部材によって左側ガイド部653と右側ガイド部652とを連結するように構成してもよい。
【0080】
左側ガイド部653の図示下方には、右方に突出した第一突出部653bが形成されている。また、左側ガイド部653の図示上方にも、右方に突出した第二突出部653cが形成されている。第一突出部653bには、上下に貫通した孔(図示省略)が形成されており、この孔には上下スクリュー653dが挿通されている。上下スクリュー653dは、当該孔を挿通すると同時に、受光部支持部651に形成されたネジ孔651aにも挿通しており、このネジ孔651aにて受光部支持部651に螺合された状態となっている。また、上下スクリュー653dの図示上端は、第二突出部653cの下面に取り付けられたベアリングなどの軸受け部材(図示省略)に回転自在に軸支されている。上下スクリュー653dの図示下端は、第一突出部653bに固定された上下モータ653eの出力軸に連結している。したがって、上下モータ653eの回転駆動によって上下スクリュー653dが回転すると、この回転に伴って受光部支持部651が上下動するようになっている。
【0081】
また、第一突出部653bには、前後方向に貫通したネジ孔653gも形成されている。このネジ孔653gには、前後スクリュー653hが螺合している。前後スクリュー653hは前後方向に延びた棒形状を呈しており、その前方端には第一左右フレーム33aの左端部に取り付けられている前後モータ653iの出力軸が連結している。前後スクリュー653hの後方端は、第二左右フレーム33bの左端部に取り付けられているベアリングなどの軸受け部材(図示省略)によって回転可能に軸支されている。したがって、前後モータ653iが回転駆動すると、この回転は出力軸を介して前後スクリュー653hに伝達される。前後スクリュー653hの回転により前後スクリュー653hに螺合している左側ガイド部653が前後スクリュー653hの軸方向に沿って移動する。この左側ガイド部653の前後方向移動に伴って、受光部支持部651および右側ガイド部652も前後方向に移動される。なお、これ以外の構成は、上記第一実施形態と同様であるので、具体的説明は省略する。
【0082】
図13は、本実施形態におけるスタンプ装置200の作動を制御するコントローラの電気的接続関係を示すブロック図である。図13に示すように、前後モータ653i、上下モータ653e、第三モータ41e、第四モータ42e、起動ボタン16、停止ランプ18、作動ランプ20、警告ランプ22、スタンパ43、受光センサ39は、コントローラ250に電気的に接続している。各モータ653i、653e、41e、42eはコントローラ250からの指令信号に基づいて駆動制御される。
【0083】
前後モータ653iは、前後移動距離計算回路102に電気的に接続される。前後移動距離計算回路102は、コントローラ250から前後モータ653iの駆動開始の指令を受けると、前後モータ653iに組み込まれたエンコーダ653i1から入力されるパルス信号のパルス数のカウントを開始するとともに、パルスカウント数に相当する受光部移動体65の移動距離を算出してそのデジタル信号をコントローラ250に出力する。この場合、コントローラ250から前後モータ653iの駆動停止の指令を受けても移動距離の算出は継続する。ここで、エンコーダ653iからのパルス信号は回転方向が検知できる信号になっているため、コントローラ250から前後モータ653iの駆動停止の指令を受けた後、初期位置に移動する場合(つまり前後モータ653iが逆方向に回転した場合)は、前後モータ653iの停止前までにカウントしたパルスカウント数から、初期位置に移動する際にカウントするパルスカウント数を減じたカウント数を算出し、算出されたカウント数に基づいて受光部移動体65の移動距離を算出し、コントローラ250に出力する。また、コントローラ250から受光センサ39を初期位置へ移動させる指令(前後モータ653iを逆方向に回転させる指令)を受けた後に、前後モータ653iのエンコーダ653i1からのパルス信号の入力が無くなった時点で、受光部移動体65が初期位置(前方端)に完了したことを表す信号をコントローラ250に出力する。
【0084】
また、上下モータ653eは、上下移動距離計算回路104に電気的に接続される。上下移動距離計算回路104は、コントローラ250から上下モータ653eの駆動開始の指令を受けた後、上下モータ653eに組み込まれたエンコーダ653e1からのパルス信号の入力がなくなると、受光部支持部651が移動限界位置(上限位置)に移動完了したことを表す信号をコントローラ250に出力する。また、コントローラ250から受光部支持部651を初期位置に移動する指令を受けた後、エンコーダ653e1からのパルス信号の入力がなくなると、受光部支持部651が初期位置(下限位置)に移動完了したことを表す信号をコントローラ250に出力する。図13において、その他の構成は、第一実施形態で説明した図3に示す構成と同一である。
【0085】
本実施形態では、コントローラ250が図14〜図16に示す位置検出プログラムを実行することによって、レーザー光の照射位置を推定する。なお、本プログラムは、第一実施形態にて説明した図4〜図6に示す位置検出プログラムと共通する部分が多いので、第一実施形態で説明したプログラムと同一処理となるステップの具体的な説明は省略する。
【0086】
本実施形態に係る照射点計算プログラムは、図14のステップS200にて開始され、ステップS201にて初期化される。この初期化は、受光部移動体65、受光部支持部651、スタンパガイド部41、スタンパ保持部42を初期位置に戻すことを含む。なお、本実施形態においては、受光部移動体65の初期位置は、スタンプ装置100の前方端であり、受光部支持部651の初期位置は右側ガイド部652および左側ガイド部653に沿った下限位置である。
【0087】
その後、コントローラ250は、ステップS202にてカウンタ値n,mを1に設定し、ステップS204にてランプの点灯および消灯処理を行い、ステップS206にて前後モータ653iを正方向に駆動する。前後モータ653iの駆動によって、受光部移動体65が第三前後フレーム32cに形成されたガイド溝34cおよび第四前後フレーム32dに形成されたガイド溝34dにガイドされた状態で前方端から後方端に向かって移動する。これに伴って、受光センサ39が所定の平面内で移動する。このときの受光センサ39の移動平面は、上記第一実施形態における第二平面に相当する(以下、上記所定の平面を第二平面という)。そして、ステップS208〜ステップS220の処理を繰り返し実行することにより、受光センサ39が第二平面内に照射されるレーザー光を受光し、そのときの移動距離L2(m)および受光データD2(m)を記憶する。この繰り返し処理の途中で、ステップS216にて受光センサ39によるレーザー光の検出がなくなったと判定されると、図15のステップS222に進む。
【0088】
ステップS222では、現在前後移動距離計算回路102にて算出されている受光部移動体65の移動距離L2と、直近に記憶された距離L2(m)との差が所定の距離S以上であるかを判定する。差がS以上であればステップS224に進む。差が距離S以上でない場合はステップS276に進み、前後移動距離計算回路102から限界位置信号が入力されているかを判定し、入力されていない場合はステップS222に戻り、入力されている場合はステップS224に進む。このステップS222およびステップS276の処理によって、受光部移動体65は、受光センサ39により第二平面上でレーザー光の検出がされなくなっても上記距離Sだけ余分に後方側に移動する。第二平面上におけるレーザー光の検出地点から距離Sだけ余分に受光部移動体65を後方側に移動する理由は、後述するように上記処理を行った後に受光部支持部651が上方移動され、第二平面よりも上方に位置する第一平面上で再度レーザー光を検出するが、このときレーザー光が斜めから入射していると、第一平面上におけるレーザー光の照射位置が第二平面上におけるレーザー光の照射位置よりも後方側に位置する場合があり、斯かる場合には、上記距離Sだけ余分に受光部移動体65を後端側に移動させた上で上方移動しないと、第一平面上でレーザー光を検出することができなくなるからである。
【0089】
上記ステップS222およびS276の処理により受光部移動体65をレーザー光の検出地点から距離Sだけ後方側に移動し、ステップS224にて前後モータ653iの駆動を停止した後、コントローラ250は、ステップS226にて上下モータ653eの駆動を開始する。この上下モータ653eの駆動によって、上下スクリュー653dが回転し、上下スクリュー653dに螺着している受光部支持部651が右側ガイド部652および左側ガイド部653に両端をガイドされつつ上昇する。その後、コントローラ250は、ステップS228にて、上下移動距離計算回路104から限界位置信号が入力されているか判定する。入力されていない場合は、ステップS228に戻る。入力されている場合はステップS229に進み、上下モータ653eの駆動を停止して、ステップS230に進む。このステップS226、S228およびS229の処理により、受光部支持部651が右側ガイド部652および左側ガイド部653に沿って上限位置まで上昇する。
【0090】
ステップS230においては、前後モータ653iを逆方向に回転する。これにより、受光部移動体65が前方端に向かって所定の平面内を移動する。このとき受光センサ39が移動する平面は、第一実施形態における第一平面に相当する(以下、上記所定の平面を第一平面という)。第一平面は第二平面と平行であるが、上下モータ653eの駆動によって受光部支持部651が上方に移動した距離だけ第二平面と隔てられた平面である。
【0091】
ステップS230にて前後モータ653iに逆方向への回転駆動を指令した後、コントローラ250は、ステップS232〜ステップS242の処理を繰り返し実行することにより、受光センサ39が第一平面内に照射されるレーザー光を受光し、そのときの移動距離L1(n)および受光データD1(n)を記憶する。この繰り返し処理の途中で、ステップS240にて受光センサ39によるレーザー光の検出がなくなったと判定されると、図16のステップS244に進む。そして、ステップS244〜S246の処理の実行によって、第三平面上、すなわち対象物体表面上におけるレーザー光の照射点の座標値(X3,Y3)を計算する。このとき、第三平面と第二平面との距離z2は、装置構造から知ることができる。また、第三平面と第一平面との距離z1は、上記距離z2に、上下モータ653eの駆動により受光部支持部651が上昇したときの移動距離を加算した距離である。本実施形態においては、受光部支持部651は下限位置から上限位置まで移動しているので、この間の距離を予め調べておけば、z1を容易に知ることができるが、上下移動距離計算回路104にて距離を計算することができるようにしておけば、その距離に基づいてz1を計算することもできる。
【0092】
座標値(X3,Y3)を計算した後、コントローラ250は、座標値(X3,Y3)が計算されたかを判定する(S247)。計算されていない場合はステップS266に進み、ランプ処理を施した後にこのプログラムの実行を終了する。計算されている場合はステップS248に進み、受光部移動体65が初期位置(前方端)に移動完了したことを確認し、スタンパ43を座標値(X3,Y3)に移動し(S250)、スタンプを行う(S251)。その後、スタンパガイド部41およびスタンパ保持部42を初期位置へ移動し(S252)、上下モータ653e(受光部支持部651)を初期位置(下限位置)に移動し(S254)、ランプの点灯、消灯処理を行い(S256)、このプログラムの実行を終了する(S258)。なお、異常時における終了処理を行うステップS262〜S274(図14)は、上記第一実施形態における処理(図4のステップS154〜S164)と基本的に同一であるので、説明を省略する。
【0093】
このように、本実施形態においても、対象物体の表面(第三平面)とは異なる2平面(第一平面および第二平面)におけるレーザー光の照射点の位置(座標値(X1,Y1)および座標値(X2,Y2))および各平面同士の相対的位置関係(第一平面と第三平面との距離z1および第二平面と第三平面との距離z2)に基づいて、対象物体表面(第三平面)におけるレーザー光の照射点を推定しているので、レーザー光が傾いて照射されている場合においても、この傾きを加味した正確な照射点を推定することができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は、上記実施形態以外にも種々の変形が可能である。例えば、上記第一実施形態では第一受光センサ36を移動した後、第二受光センサ38を移動しているが、逆に第二受光センサ38を移動した後に第一受光センサ36を移動するようにしてもよい。この場合は、下側(レーザー光源から遠い側)に位置する第二受光センサ38がレーザー光を検出した後、初期位置に戻さなくても上側(レーザー光源から近い側)に位置する第一受光センサ36によるレーザー光の検出に影響を与えることがないので、第二受光センサ38を初期位置に戻さずに、第一受光センサ36を移動させてレーザー光を検出することができる。
【0095】
また、上記第一実施形態では第一受光センサ36と第二受光センサ38をそれぞれ第一モータ35eおよび第二モータ37eをそれぞれ駆動して別々に移動していたが、モータを共通にし、共通にしたモータによる移動部分に受光センサを取り付けた移動機構が選択的に連結するような機構にしてもよい。これによっても同様の効果が期待できる。
【0096】
また、上記第一実施形態では第一受光センサ36と第二受光センサ38をそれぞれ第一モータ35eおよび第二モータ37eの駆動により移動していたが、各受光センサを互いに背面になるように取り付けた移動機構を、キャタピラを用いて1回転させて受光センサでの受光位置を検出するような機構にしてもよい。これによっても同様の効果が期待できる。
【0097】
また、上記第二実施形態では、第三平面(対象物表面)に垂直な2つの平面位置において受光センサによりレーザー光の受光位置を検出するようにしているが、3つ以上の平面位置において受光センサによりレーザー光の受光位置を検出するようにし、対象物体表面におけるスタンプ位置の座標値を最小2乗法などの回帰計算によって求めるようにしてもよい。こうすれば、対象物体表面におけるスタンプ位置をより正確に求めることができる。
【0098】
また、上記第一および第二実施形態では、異なる2つの受光位置を互いに平行となる平面上で求めているが、平行でない平面上で異なる2点の受光位置を求めるようにしてもよい。この場合、受光する平面と対象物体にスタンプする平面との関係が予めわかっていれば、この関係を加味して座標値を決定することによって、対象物体上における正確なスタンプ位置を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施形態におけるスタンプ装置の外観図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るスタンプ装置の内部構造を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るスタンプ装置のコントローラと電気的に接続している回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るスタンプ装置によりスタンプ動作を行うためのプログラムである。
【図5】本発明の第一実施形態に係るスタンプ装置によりスタンプ動作を行うためのプログラムである。
【図6】本発明の第一実施形態に係るスタンプ装置によりスタンプ動作を行うためのプログラムである。
【図7】第一平面上で受光センサにより検出した光の強度を表すグラフである。
【図8】第二平面上で受光センサにより検出した光の強度を表すグラフである。
【図9】第一平面、第二平面および第三平面の関係、および、これらの平面をレーザー光が通過する様子を示す模式図である。
【図10】図9に示された様子をx−z平面上で示した模式図である。
【図11】図9に示された様子をy−z平面上で示した模式図である。
【図12】本発明の第二実施形態に係るスタンプ装置の内部構成を示す概略斜視図である。
【図13】本発明の第二実施形態に係るスタンプ装置のコントローラと電気的に接続している回路構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第二実施形態に係るスタンプ装置によりスタンプ動作を行うためのプログラムである。
【図15】本発明の第二実施形態に係るスタンプ装置によりスタンプ動作を行うためのプログラムである。
【図16】本発明の第二実施形態に係るスタンプ装置によりスタンプ動作を行うためのプログラムである。
【符号の説明】
【0100】
35…第一移動体、35e…第一モータ(受光部駆動手段、第一受光部駆動手段)、36…第一受光センサ(受光部、第一受光部)、37…第二移動体、37e…第二モータ(受光部駆動手段、第二受光部駆動手段)、38…第二受光センサ(受光部、第二受光部)、39…受光センサ(受光部)、40…スタンパ移動体(マーキング部材移動手段)、41…スタンパガイド部、41e…第三モータ、42…スタンパ保持部、42e…第四モータ、43…スタンパ、50…コントローラ、65…受光部移動体、651…受光部支持部、652…右側ガイド部、653…左側ガイド部、653e…上下モータ(平面移動手段)、653i…前後モータ(受光部駆動手段)、100,200…スタンプ装置(マーキング装置)
【出願人】 【識別番号】000112004
【氏名又は名称】パルステック工業株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所


【公開番号】 特開2008−30135(P2008−30135A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204451(P2006−204451)