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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】松本 宏司

【要約】 【課題】電池パックの電動工具本体からの不意の外れを強く防止できる電動工具を提供する。

【解決手段】モータ14を有した駆動部3と工具を取り付ける出力部4と電池パック取付部5とを電動工具本体1に備え、電池パック取付部5に着脱機構を介して取り付けた電池パック2の給電によって駆動部3を駆動させて出力部4に出力動作を行わせる電動工具Aである。上記着脱機構が、複数種類の全ての解除操作部6の操作によって電池パック2の電動工具本体1への保持解除を可能にする保持解除手段を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを有した駆動部と工具を取り付ける出力部と電池パック取付部とを電動工具本体に備え、電池パック取付部に着脱機構を介して取り付けた電池パックの給電によって駆動部を駆動させて出力部に出力動作を行わせる電動工具において、上記着脱機構が、複数種類の全ての解除操作部の操作によって電池パックの電動工具本体への保持解除を可能にする保持解除手段を備えて成ることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
解除操作部が、電池パック、電動工具本体のそれぞれに配置されていることを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項3】
着脱機構には、電池パックの電動工具本体への保持を行うと共に各解除操作部に対応して保持解除が為される複数の保持部が備えられ、保持部に解除操作部の操作による電池パックの電動工具本体への保持解除状態を維持する解除状態維持手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電動工具。
【請求項4】
着脱機構が、電池パック取付部への電池パックの導入動作によって電動工具本体への電池パックの本保持を行わせる保持誘導手段を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項5】
電池パック取付部で取付状態にある電池パックに対して電池パックの電池パック取付部からの導出方向に付勢する弾性体が設けられて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項6】
電池パック取付部が下方に開口する空所であり、上記着脱機構が、電池パックを上方から吊持させた状態で電動工具本体に保持する第1保持部と、電池パックを下方から支えるように電動工具本体に保持する第2保持部とを有して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項7】
第2保持部の保持解除を行わせる第2解除操作部を有し、この第2解除操作部が電動工具本体の外面より内方に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電動工具。
【請求項8】
電池パックの電動工具本体への本保持が行われていないことを検知する検知部が設けられると共に、この検知部の検知に応じて出力部の出力制御を行う制御部が設けられて成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電動工具Aは電動工具本体1に充電式の電池パック2を着脱自在に取り付けて構成されており、電池パック2の電動工具本体1への着脱機構としては、たとえば図11のように、電池パック2の左右両側の対称位置に設けた一対の係止片33を電動工具本体1の一対の係止凹所36にそれぞれ独立して係止させる構造が採用されている。詳しくは、係止片33は、一端に備えた爪部34がバネ35により係止凹所36に係止する付勢がされており、他端部が構成する解除操作部6をバネ35の付勢に抗って内方へ押圧することで、爪部34の係止凹所36への係止が解除されるようになっている。
【0003】
この着脱機構にあっては、電動工具Aをぶつけたりして一方の係止片33の解除操作部6が押されたりして誤操作がされた場合には、他方の係止片33の爪部34が係止凹所36に係止されたままにされるから、電池パック2の電動工具本体1からの落下は最悪免れ得るものであるが、たとえば電池パック2を慌てて把持した際の掴み動作によって一対の係止片33の解除操作部6が押されて誤操作がされた場合には電池パック2の電動工具本体1からの落下は免れ得ないものであった。
【0004】
このように、上記着脱機構は、取外し容易性を鑑みて、掴み動作にて操作し得る左右対称位置に配置された一対の解除操作部6、つまり一種類の解除操作部6によって、電池パック2の電動工具本体1からの取り外しを可能にしているから、電動工具Aを慌てて把持した際の掴み動作による誤操作にて電池パック2が電動工具本体1から落下してしまう恐れは充分にあり、すなわち、電池パック2の電動工具本体1からの不意の外れを強く防止できるものではなかった。
【特許文献1】特開2006−263830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電池パックの電動工具本体からの不意の外れを強く防止できる電動工具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に係る電動工具にあっては、モータ14を有した駆動部3と工具を取り付ける出力部4と電池パック取付部5とを電動工具本体1に備え、電池パック取付部5に着脱機構を介して取り付けた電池パック2の給電によって駆動部3を駆動させて出力部4に出力動作を行わせる電動工具Aにおいて、上記着脱機構が、複数種類の全ての解除操作部6の操作によって電池パック2の電動工具本体1への保持解除を可能にする保持解除手段を備えて成ることを特徴とする。これによると、電動工具本体1の電池パック取付部5に電池パック2を取り付ける着脱機構が、複数種類の全ての解除操作部6の操作によって電池パック2の電動工具本体1への保持解除を可能にする保持解除手段を備えているので、電動工具Aをぶつけたりして一の解除操作部6が誤操作されて電池パック2が電動工具本体1から外れてしまうことは勿論のこと、電動工具Aを慌てて把持した際の掴み動作によって一種類の解除操作部6が誤操作されて電池パック2が電動工具本体1から外れてしまうことも防止できるのであり、電池パック2の電動工具本体1からの不意の外れを強く防止できる。
【0007】
また、請求項2に係る電動工具にあっては、請求項1において、解除操作部6が、電池パック2、電動工具本体1のそれぞれに配置されていることを特徴とする。これによると、複数種の解除操作部6を比較的離れた位置に配置することができ、全ての解除操作部6が誤操作されて保持解除手段が誤作動される恐れを低減でき、電池パック2の電動工具本体1からの不意の外れ防止効果を向上できる。
【0008】
また、請求項3に係る電動工具にあっては、請求項1または2において、着脱機構には、電池パック2の電動工具本体1への保持を行うと共に各解除操作部6に対応して保持解除が為される複数の保持部8が備えられ、保持部8に解除操作部6の操作による電池パック2の電動工具本体1への保持解除状態を維持する解除状態維持手段を備えたことを特徴とする。これによると、保持部8に解除状態維持手段を備えたことで、電池パック取付部5から電池パック2を取外すのには、複数種の解除操作部6を順次操作して複数の保持部8を順次保持解除状態にしていけばよく、電池パック取付部5からの電池パック2の取外し作業を簡便にできる。
【0009】
また、請求項4に係る電動工具にあっては、請求項1乃至3のいずれか一項において、着脱機構が、電池パック取付部5への電池パック2の導入動作によって電動工具本体1への電池パック2の本保持を行わせる保持誘導手段を備えて成ることを特徴とする。これによると、保持誘導手段によって、電池パック取付部5への電池パック2の導入動作によって着脱機構による電動工具本体1への電池パック2の本保持が完了するので、電池パック取付部5への電池パック2の取付け作業を簡便にできる。
【0010】
また、請求項5に係る電動工具にあっては、請求項1乃至4のいずれか一項において、電池パック取付部5で取付状態にある電池パック2に対して電池パック2の電池パック取付部5からの導出方向に付勢する弾性体7が設けられて成ることを特徴とする。これによると、電池パック2を電池パック取付部5から取外す際に弾性体7の付勢による幇助を受けることができ、電池パック取付部5からの電池パック2の取外し作業を簡便にできる。
【0011】
また、請求項6に係る電動工具にあっては、請求項1乃至5のいずれか一項において、電池パック取付部5が下方に開口する空所であり、上記着脱機構が、電池パック2を上方から吊持させた状態で電動工具本体1に保持する第1保持部8aと、電池パック2を下方から支えるように電動工具本体1に保持する第2保持部8bとを有して成ることを特徴とする。これによると、電池パック2を第1保持部8aによる吊持と第2保持部8bによる下支えとによって電動工具本体1への保持することができ、電池パック2の電動工具本体1への保持状態における特に電池パック2の落下に対する信頼性を高めることができる。
【0012】
また、請求項7に係る電動工具にあっては、請求項6において、第2保持部8bの保持解除を行わせる第2解除操作部6bを有し、この第2解除操作部6bが電動工具本体1の外面より内方に配置されていることを特徴とする。これによると、対応する操作釦部25と保持部8とは構成の簡略化を図って近接位置に配置される傾向にあり、この傾向によると電池パック2を下方から支える第2保持部8bの近傍に第2解除操作部6bを配置する場合には電動工具本体1の外面の特に底面に配置されるのであるが、上述のように第2保持部8bに対応する第2解除操作部6bが電動工具本体1の外面より内方に配置されると、電動工具Aの底面を載置面等に置いた際にも第2解除操作部6bの誤操作を回避することができる。
【0013】
また、請求項8に係る電動工具にあっては、請求項1乃至7のいずれか一項において、電池パック2の電動工具本体1への本保持が行われていないことを検知する検知部10が設けられると共に、この検知部10の検知に応じて出力部4の出力制御を行う制御部9が設けられて成ることを特徴とする。これによると、電池パック2の電動工具本体1への本保持が行われていないことを検知部10で検知した際には制御部9によって電動工具Aの使用者に分かり易い出力部4の出力を無くしたり低下させたりする制御を行わせることができ、電池パック2の電動工具本体1への本保持が為されていないことを電動工具Aの使用者に分かり易く認識させて、使用者に電池パック2の電動工具本体1への本保持を促すことができるから、電池パック2の電動工具本体1への強固な取付け維持を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にあっては、電池パックの電動工具本体からの不意の外れを強く防止できる、という利点を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0016】
本実施形態の電動工具Aは、図1乃至10のように、インパクトドライバー等の電動工具本体1と、この電動工具本体1に着脱機構を介して着脱自在に装着される電池パック2とを備えて構成される。
【0017】
電動工具本体1は、水平円筒状の工具本体部11と、工具本体部11の後端側から下方に垂設したグリップ部12と、工具本体部11の前部近傍の下方に設けた電池パック取付部5と、電池パック取付部5及びグリップ部12の各下端を連結する略水平な連結部13とを備えたハウジングを有している。ここで、便宜上、工具本体部11に取り付ける工具の突出方向を前方(矢印a)と称し(その反対方向を後方(矢印b)と称する)、工具本体部11からのグリップ部12の突出方向を上方(矢印c)と称し(その反対方向を下方(矢印d)と称する)、上記上下方向及び前後方向にそれぞれ直交する方向を左右方向または側方(矢印e)と称して説明をしていく。
【0018】
工具本体部11には、その前方側から、工具を着脱自在に取り付ける出力部4、出力部4を駆動させる駆動部3を順に備えている。駆動部3には、電池パック2から給電されて駆動するモータ14や、モータ14の駆動出力を出力部4に適した出力動作に変換して伝達する減速機構等の伝達機構15が設けられている。グリップ部12にはトリガー式のスイッチハンドル16が設けられており、モータ14の駆動制御を制御部9を介して行わせている。また、電池パック取付部5は、電池パック2が着脱自在に取り付けられる部位であり、前方、側方及び下方に開口せる空所とされている。つまり、ハウジングには、電池パック取付部5に臨む取付天面部5a及び取付後面部5bが形成されている。取付天面部5aには後述の電池パック2の装着台部27が収められる取付凹み部17が凹設されている。ここで、取付凹み部17の天内面部には本体側給電端子18aと本体側制御端子19aとが下方に突設されている。本体側給電端子18aや本体側制御端子19aはハウジング内に配線されたリード線により制御部9に接続されている。また、取付凹み部17の側内面部には水平板状の係止凸部20が突設されている。本例では前後に間隔を隔てて3つの係止凸部20が設けられている。また、取付後面部5bには、板バネで構成された弾性体7が、自然状態で電池パック取付部5に突出するように設けられている。また、連結部13の底面には下方へ開口せる底面凹み部21が凹設され、この底面凹み部21を塞ぐように係止片22がバネ23を介して取り付けられている。詳しくは、係止片22は、その前後中央部で電脳工具本体1に上下に回転可能に枢支され、バネ23の付勢によって、上方へ突出する爪部24を備えた前端部分を電池パック取付部5に突出させた状態で、且つ、係止片22が連結部13の底面よりもやや上方位置で連結部13の底面と略平行になるような状態になるように取り付けられている。そして、この係止片22は、その後部に設けた操作釦部25をバネ23の付勢に抗って底面凹み部21内で上方へ押し込むことで、爪部24のある前端が下方へ回動移動できるようにされている。
【0019】
電池パック2は、電池収納部26の上面に装着台部27を突設して形成されている。電池収納部26内には複数の充電池28が横倒し状態で前後に並べて且つ上下2段に配列した状態で収納されている。本例では充電池28としてはリチウムイオン電池が用いられている。装着台部27には電池側給電端子18bや電池側制御端子19bが設けられている。また、装着台部27の左右の側面には上方に開口した縦溝部29bと縦溝部29bの下端から前方へ屈曲する横溝部29aとで成る逆L字状の係止溝部29が設けられている。また、一の係止溝部29(本例では前端の係止溝部29)における縦溝部29bと横溝部29aとの角部には係止溝部29を開閉する係合突起30が突没自在に配置されている。この係合突起30は、図示しないバネの付勢によって自然状態で上方へ突出して係止溝部29を閉塞する状態にされ、電池パック2の前面に設けた操作釦部31を使用者が押し下げることで電池収納部26の上面から電池収納部26の内部に没入して係止溝部29を開放状態にするようにされている。また、電池パック2の底面の後部には下方へ開口せる係止凹部32が凹設されている。詳しくは、係止凹部32は電池パック2の底面から後斜め上方へ凹設されている。なお、爪部24は係止片22から後斜め上方へ向けて突出しており、後述の後方へスライド移動してくる電池パック2に設けた係止凹部32への挿入をスムーズに行なわせると共に、係止凹部32に一旦係止された後には電池パック2を前方及び下方に移動規制するように強固に引掛け係止できるようになっている。
【0020】
電池パック2の電池パック取付部5への取り付けは、まず、電池パック2を電池パック取付部5に近接させて係止凸部20を係止溝部29の縦溝部29bに挿入して係止凸部20で係合突起30を電池パック2内(電池収納部26内)に押込み、そして、電池パック2を後方へスライドさせ、係止凸部20を係止溝部29の横溝部29aの奥方(前方)へ移動させる。横溝部29aに移動した係止凸部20は係合突起30の押込みを解除させるから、バネの付勢により突出状態に復帰した係合突起30によって係止溝部29は閉塞状態になり、この係合突起30によって係止凸部20は係止溝部29の横溝部29aに収まった状態で抜け止めが施された係合状態となる(図2)。つまり、電池パック2は、係合突起30による係止凸部20の係止溝部29への係合によって電動工具本体1に吊持された状態で、電池パック取付部5に取付けされた状態となる。なお、このときには、図10のように栓刃で構成された本体側給電端子18aが刃受け溝で構成された電池側給電端子18bに挿入されて接続された状態となる。また詳しくは、上記係止凸部20の係止溝部29への係合状態や本体側給電端子18aの電池側給電端子18bへの接続状態は前後方向に多少の遊びを有した状態とされている。そして、この状態からは図7(a)〜(c)のように、電池パック2の後面にて弾性体7を後方へ押込むようにして、更に電池パック2を後方にスライドさせると(矢印A)、電池パック2の後面後部が一旦係止片22の爪部24をバネ23の付勢に抗って下方へ回動させた後に(矢印B)、バネ23の弾性復帰による係止片22の上方回動動作によって係止片22の爪部24が係止凹部32に引掛け係止される(矢印C)。つまり、電池パック2は、上方に回動付勢のかかった係止片22の爪部24による係止凹部32への係止によって下方から支えられた状態で、電動工具本体1に取付けされた状態となる。このときには、図9のように栓刃で構成された本体側制御端子19aが刃受け溝で構成された電池側制御端子19bに挿入されて接続された状態となり、電池パック2が電動工具本体1に正常に取付けられた状態(本保持状態)となる(図1)。
【0021】
電池パック2の電池パック取付部5からの取外しは、まず図8(a)〜(c)のように、使用者が係止片22の操作釦部25をバネ23の付勢に抗って上方へ押込み(矢印D)、係止片22の爪部24の係止凹部32での係止状態を解除する。このときには、弾性復帰した弾性体7によって電池パック2が前方へスライドされ(矢印E)、図10のように本体側制御端子19aが電池側制御端子19bから外れて非接続状態となる。制御部9には、本体側制御端子19aが電池側制御端子19bから外れて電池パック2からの制御信号が遮断されたことを検知できる検知部10が内臓されており、検知部10で電池パック2からの制御信号が遮断されたことを検知した際に制御部9では、モータ14を強制停止させたりその駆動出力を極端に落としたりする駆動部3への駆動制御を行い、出力部4での出力の変化によって使用者に対して電池パック2が電動工具本体1への正常取付け状態に無いことを報知するようにされている。なお、この時点では係合突起30による係止凸部20の係止溝部29への係合状態は維持されている(図2)。次いで、電池パック2の前面の操作釦部31をバネの付勢に抗って下方へ押込み、係合突起30を電池パック2内に没入せしめて係止溝部29を開放状態にした状態で、電池パック2を更に前方へスライドさせるのであり、これにより、係止凸部20が横溝部29aから縦溝部29bを経るように移動して係止溝部29から外れるのであり、係止凸部20の係止溝部29への係合状態が解除される。このときに本体側給電端子18aが電池側給電端子18bから外れて非接続状態となり、電池パック2が電動工具本体1から完全に外れた状態となる。
【0022】
叙述のように電池パック2は着脱機構を介して電動工具本体1に着脱自在に取り付けられる。すなわち本例の着脱機構は、係合突起30による係止凸部20の係止溝部29への係合構造によって電池パック2を電動工具本体1に保持して成る第1保持部8aと、係止片22の爪部24の係止凹部32への係止構造によって電池パック2を電動工具本体1に保持して成る第2保持部8bとを有している。詳しくは、電池パック取付部5の上部に配設された第1保持部8aは電池パック2を上方から吊持させた状態で電動工具本体1に保持しており、電池パック取付部5の下部に配設された第2保持部8bは電池パック2を下方から支えるように電動工具本体1に保持している。つまり、電池パック取付部5は下方に開口する空所であるが、上記のように電池パック2を第1保持部8aによる吊持と第2保持部8bによる下支えとによって電動工具本体1に保持しているため、電池パック2の電動工具本体1への保持状態における特に電池パック2の落下に対する信頼性の向上が図られている。更に言うと、本例では第2保持部8bによる下支えを受けた電池パック2の装着台部27の上面は電池パック取付部5の取付天面部5aに当接するようになっており、つまり、電池パック2は第2保持部8bの係止片22と電池パック取付部5の取付天面部5aとの間に挟持された構造となっており、電池パック2の上下方向のガタツキも防止されている。
【0023】
また、電池パック2の電動工具本体1への取付け動作における第1保持部8a及び第2保持部8bによる電池パック2の電動工具本体1への保持動作は、係止凸部20が係止溝部29の横溝部29aによって前後方向へのスライドガイドを受けることによる電池パック取付部5への電池パック2の導入動作(電池パック2の後方へのスライド動作)によって、順次行われるようにされている。すなわち、着脱機構は、係止溝部29の横溝部29aによる係止凸部20のスライド規制構造にて構成される保持誘導手段を備えており、これにより電池パック取付部5への電池パック2の導入動作によって電動工具本体1への電池パック2の本保持が完了するようになっているので、電池パック取付部5への電池パック2の取付け作業の簡便さの向上が図られている。
【0024】
また、本例の着脱機構では、第1保持部8aは電池パック2の前面に配置された操作釦部31で構成された第1解除操作部6aの操作によって保持解除が為され、第2保持部8bは電動工具本体1の底面に配置された係止片22の操作釦部25で構成された第2解除操作部6bの操作によって保持解除が為されるのであり、全ての解除操作部6(第1解除操作部6a、第2解除操作部6b)の操作によってはじめて電池パック2の電動工具本体1への保持の解除が可能にされる保持解除手段が採用されている。ここで、第1解除操作部6aは電池パック2の前面に配置されて且つ下方への押込み操作によって解除操作がされるものであり、第2解除操作部6bは電動工具本体1の底面に配置されて且つ上方への押込み操作によって解除操作がされるものであり、つまり、各解除操作部6の間には、従来のように掴み動作で操作可能にする対になる位置関係も操作方向も有するものではなく、すなわち位置関係や操作方向には何らの幾何学的な規則性(対称、対向関係等)を有するものでなく、各解除操作部6はいわば種類の異なるものである。このように、着脱機構には複数種類の解除操作部6(本例では第1解除操作部6a、第2解除操作部6bの2つ)を有し、複数種類の全ての解除操作部6の操作にて電池パック2の電動工具本体1への保持解除可能にする保持解除手段を備えているので、電動工具Aをぶつけたりして一の解除操作部6が誤操作されて電池パック2が電動工具本体1から外れてしまうことは勿論のこと、電動工具Aを慌てて把持した際の掴み動作によって一種類の解除操作部6が誤操作されて電池パック2が電動工具本体1から外れてしまうことも防止できるのであり、電池パック2の電動工具本体1からの不意の外れが強く防止されているものである。更に言うと、上述のように各解除操作部6が、電池パック2、電動工具本体1のそれぞれに配置されている点も、各解除操作部6を片手で操作しにくい比較的離れた位置に配置する工夫の表れであり、全ての解除操作部6が誤操作されて保持解除手段が誤作動される恐れを低減して、電池パック2の電動工具本体1からの不意の外れ防止効果の向上が図られているのである。
【0025】
なお、電池パック取付部5に電池パック2が取り付けされた状態では、電池パック2の外面が電動工具本体1の外面と略連続するようにされている。つまり、電池パック2の底面は電動工具本体1の底面(連結部13の底面)に略面一となるように連続して電動工具Aの底面を構成するようになり、また電池パック2の側面は電動工具本体1の側面に略面一となるように連続して電動工具Aの側面を構成するようになり、また、電池パック2の前面は前方に面して電動工具Aの前面を構成するようになっている。ここで、各解除操作部6は電池パック2の外面よりやや内側に位置して(外方へ突出しない状態で)配置されており、電動工具Aをぶつけたり誤って落下させたりした際にも解除操作部6が押圧され誤操作されることを極力防止できるようにしている。特に第2解除操作部6bは載置面に置かれる電動工具本体1の底面に配置されているが、上述のように第2保持部8bに対応する第2解除操作部6bが電動工具本体1の外面より内方に配置されているので(図7(c)や図8(a)参照)、電動工具Aの底面を載置面等に置いた際にも第2解除操作部6bの誤操作の回避が図られている。
【0026】
また、叙述のように着脱機構は保持解除手段を備えて全ての解除操作部6の操作無しには電池パック2を電動工具本体1から取外せないようにされているが、全ての解除操作部6を同時に操作すること無く順次操作することを可能にすることで、電池パック2の電動工具本体1からの取外し作業を簡便にしている。すなわち、取外し作業の最後に操作する解除操作部6以外の解除操作部6(本例では第2解除操作部6bが相当)に対応する保持部8(本例では第2保持部8bが相当)には、解除操作部6の操作によって一旦電池パック2の電動工具本体1への保持解除がされればこの状態を維持するという解除状態維持手段が備えられている(図8(c)参照)。本例の解除状態維持手段は、係止片22の爪部24が係止凹部32から外れた際に電池パック2を移動させて係止凹部32を爪部24の係止位置からずらすように機能する上記弾性体7によって構成されている。これにより電池パック取付部5から電池パック2を取外すのには複数種の解除操作部6を順次操作していけばよく、電池パック取付部5からの電池パック2の取外し作業を簡便にできたものである。なお、本例の上記弾性体7は、電池パック2を電池パック取付部5から取外す方向である電池パック2の電池パック取付部5への導出方向(前方)に電池パック2を付勢するものであるから、電池パック2を前方にスライドさせて電池パック取付部5から取外す際に弾性体7の付勢による幇助を受けることができ、この点でも電池パック取付部5からの電池パック2の取外し作業の簡便さが向上されている。なお、弾性体7は電池パック2の電池パック取付部5から取外し作業の間継続して電池パック2を付勢するようにしてもよく、この場合には弾性体7の付勢による幇助をより受けることができて好ましい。更に言うと、この弾性体7は電池パック取付部5に取付状態にある電池パック2を付勢し続けるものであるから、電池パック取付部5に取付状態にある電池パック2の前後方向へのガタツキを防止する機能も有する。
【0027】
また、叙述のように本例の電動工具Aでは、図10のように本体側制御端子19aが電池側制御端子19bから外れて電池パック2からの制御信号が遮断されたことを制御部9に内臓した検知部10で確認した際には制御部9によりモータ14を強制停止させたりその駆動出力を極端に落としたりして、出力部4の出力を変化させて使用者に対して電池パック2が正常に電動工具本体1に取り付けられていないことを報知するようにされている。つまり、第1保持部8aは保持状態を維持しているが第2保持部8bが保持解除されている不完全な電池パック2の電動工具本体1への取付状態(仮保持状態、図2参照)にある場合には、検知部10及び制御部9の協働によって、電動工具Aを使用している使用者に分かり易い出力部4の出力を低下させるといったかたちで、電池パック2の電動工具本体1への本保持が為されていないことを電動工具Aの使用者に認識させて、使用者に電池パック2の電動工具本体1への本保持を促すようにした工夫も施されており、電池パック2の電動工具本体1への強固な取付け維持が図られている。
【0028】
なお上記実施形態では着脱機構としては2つの保持部8と2つの解除操作部6を有した例を例示したが、保持部8の個数は2つに限らず任意個数でよく、また解除操作部6の個数も2つに限らず複数種有するのが好ましい。すなわち、着脱機構に、複数種類の全ての解除操作部6の操作にて電池パック2の電動工具本体1への保持解除可能にする保持解除手段を備えていれば、電池パック2の電動工具本体1への取付状態において解除操作部6の個数が増せばより多くのロックがかかった状態となり、電池パック2の電動工具本体1からの不意の外れ防止効果を向上できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態の例の電動工具(電池パックの電動工具本体への本保持状態)の側面断面図である。
【図2】同上の電動工具(電池パックの電動工具本体への仮保持状態)の側面断面図である。
【図3】同上の電動工具の斜視図である。
【図4】同上の電動工具の分解斜視図である。
【図5】同上の電動工具本体の下方から見た斜視図である。
【図6】同上の電池パックの斜視図である。
【図7】(a)(b)(c)は同上の電池パックの電動工具本体への取付け作業を順に説明する要部の断面図である。
【図8】(a)(b)(c)は同上の電池パックの電動工具本体への取外し作業を順に説明する要部の断面図である。
【図9】同上の電動工具(電池パックの電動工具本体への本保持状態)の要部の側面断面図である。
【図10】同上の電動工具(電池パックの電動工具本体への仮保持状態)の要部の側面断面図である。
【図11】従来技術の例の電動工具であり、(a)は全体の側断面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 電動工具本体
2 電池パック
3 駆動部
4 出力部
5 電池パック取付部
6 解除操作部
6a 第1解除操作部
6b 第2解除操作部
7 弾性体
8 保持部
8a 第1保持部
8b 第2保持部
9 制御部
10 検知部
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年11月27日(2006.11.27)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−132550(P2008−132550A)
【公開日】 平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願番号】 特願2006−319062(P2006−319062)