トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 電池式携帯用電動工具
【発明者】 【氏名】松野 智

【氏名】大津 新喜

【氏名】稲川 裕人

【氏名】本間 滋

【要約】 【課題】本発明の目的は、蓄電池の端子とターミナルとの接触を安定させると共に、ハウジングの熱変形を防ぐことで、接触面及びその周辺部材の寿命向上を図ることである。

【解決手段】モータ10を収容するハウジング5と、ハウジング5に形成したハンドル部と、ハンドル部に着脱自在な蓄電池1と、蓄電池1に設けた端子2と、端子2に電気接触するターミナル3と、ターミナル3の一端側が固定されるターミナルサポート6と、ターミナルサポート6をハンドル部内に配置するための収容部と、を備えた電池式携帯用電動工具において、一端がターミナルサポート6においてターミナル3と共に固定され、他端がターミナル3の外周を押圧する第1の部分と、一端がハウジング5内周に当接し、他端がターミナル3の外周を押圧する第2の部分と、からなる押圧部材4を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを収容するハウジングと、
該ハウジングに形成したハンドル部と、
該ハンドル部に着脱自在な蓄電池と、
該蓄電池に設けた端子と、
該端子に電気接触するターミナルと、
該ターミナルの一端側が固定されるターミナルサポートと、
該ターミナルサポートを該ハンドル部内に配置するための収容部と、
を備えた電池式携帯用電動工具において、
一端が該ターミナルサポートにおいて該ターミナルと共に固定され、他端が該ターミナルの外周を押圧する第1の部分と、一端が該ハウジング内周に当接し、他端が該ターミナルの外周を押圧する第2の部分と、からなる押圧部材を設けることを特徴とする電池式携帯用電動工具。
【請求項2】
該第1及び第2の部分からなる該押圧部材は該ターミナルより熱伝導率の低い材料からなることを特徴とする請求項1記載の電池式携帯用電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源であるモータに電力を供給する蓄電池に設けた端子に接触可能なタ
ーミナルの接触構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯用電動工具として、例えばインパクトドライバを用いて説明する。上記インパクトドライバは、図5に示すようハウジング5内に駆動源であるモータ10と、モータ10の回転動力を減速するための歯車機構部と、図示しない先端工具に回転力及び打撃力を伝達するための出力機構部11とを有しており、更に上記ハウジング5には、インパクトドライバ本体を操作するためのハンドル部が形成されている。このハンドル部内には、主にモータ10への電力供給を制御するスイッチ9、及び上記ハンドルの下端部に着脱自在に配される蓄電池1の端子2に電気的に接触可能なターミナル3等が収容されている。このような構成を有するインパクトドライバにおいて、先端工具に動力を伝達するには、蓄電池1の電力を蓄電池1の端子2に接触するターミナル3を介してスイッチ9に供給し、更にリード線を介してモータ10に給電する必要がある。
【0003】
ここで、図6〜図8を用いて蓄電池1の端子2とターミナル3との接触部について説明する。図6は図5のA方向から見た矢視図、図7は銅製のターミナル3とステンレス製のバックスプリング4とを示す外観図、図8は図6のB方向から見た矢視図である。なお、図6において中心線より左側は蓄電池1の装着されていない状態を示しており、右側は蓄電池1の挿入されている状態を示している。ターミナル3は、バックスプリング4と共にターミナルサポート6にカシメられており、このターミナルサポート6はハウジング5に固定されている。また、ターミナル3とスイッチ9は、カシメによって直接的に連結されている。更にくの字に曲げられることで形成されるターミナル3のR部が、蓄電池1の端
子2と押圧接触していると共に、接触面からターミナル3にかかる荷重をターミナル3の外周に配したバックスプリング4でカバーするよう構成されている。
【0004】
また、上述した接触構成以外にも例えば図9〜図11に示す接触構成もあるため以下に説明する。図9は他の接触例を示すハンドル部の縦断側面図、図10は銅製のターミナル3を示す外観図、図11は図9のB方向から見た矢視図である。なお、図9において中心
線より左側は蓄電池1の装着されていない状態を示しており、右側は蓄電池1の挿入されている状態を示している。ターミナルサポート6は、左右のターミナル3間に組込まれることで、ターミナル3を拘束している。また、山型に曲げられた曲げ部の頂部が蓄電池1の端子2に押圧接触していると共に、接触面からターミナル3にかかる荷重をハウジングに常時接触する脚部を有したターミナル3自体でカバーするよう構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した接触構成の各問題点を以下に詳述する。
【0006】
図6〜図8に示す接触構成では、ターミナルの接触面がR形状であることから接触面積が小さく、極所的に大電流の流れ易い構成であり、更にインパクトドライバやインパクトレンチ等の使用時に発生する振動により接触部においてはチャタリングを誘起し易く、こ
れにより酸化物が発生し導通不良を起こしたり、この酸化物の抵抗によって生じる発熱によりターミナルや蓄電池の端子が使用不能になってしまうという問題があった。
【0007】
また、図9〜図11に示す接触構成では、ターミナルがハウジングに接触しているため、接触部で発生した熱がターミナルから直接的にハウジングに伝わりハウジングを熱変形させてしまうという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上記問題を解消し、蓄電池の端子とターミナルとの接触を安定させると共に、ハウジングの熱変形を防ぐことで、接触面及びその周辺部材の寿命向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、モータを収容するハウジングと、ハウジングに形成したハンドル部と、ハンドル部に着脱自在な蓄電池と、蓄電池に設けた端子と、端子に電気接触するターミナルと、ターミナルの一端側が固定されるターミナルサポートと、ターミナルサポートをハンドル部内に配置するための収容部と、を備えた電池式携帯用電動工具において、一端がターミナルサポートにおいてターミナルと共に固定され、他端がターミナルの外周を押圧する第1の部分と、一端がハウジング内周に当接し、他端がターミナルの外周を押圧する第2の部分と、からなる押圧部材を設けることにより達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ターミナルの他端側に端子と接触する平面部を設けると共に、バックスプリングの他端側にハンドル部の内周に当接する延在部を設け、更に延在部により弾性変形して成るバックスプリングで平面部を押圧するよう構成することで、端子とターミナルとの接触を安定させると共に、ハウジングの熱変形を防ぐことができ、その結果、接触面及びその周辺部材の寿命向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本実施例になる携帯用電動工具として、図1〜図4に示すインパクトドライバを用いて説明する。図1は本実施例になるインパクトドライバを示す一部縦断側面図、図2は図1のA方向から見た矢視図、図3は本実施例になるターミナル3及びバックスプリング4を示す外観図であり、(a)は銅製のターミナル3とステンレス製のバックスプリング4を示す外観図であり、(b)はスリットの形成された銅製のターミナル3と同じくスリットの形成されたステンレス製のバックスプリング4を示す外観図、図4は図2のB方向から見た矢視野図である。
【0012】
上記インパクトドライバは、図1に示すようハウジング5内に、駆動源であるモータ10と、モータ10の回転動力を減速するための歯車機構部と、図示しない先端工具に回転力及び打撃力を伝達するための出力機構部11とを有しており、更に上記ハウジング5にはインパクトドライバ本体を操作するための把持部としてハンドル部が形成されている。このハンドル部内には、主にモータ10への電力供給を制御するスイッチ9、及び上記ハンドル部の下端に着脱自在に配される蓄電池1の端子2(以下電池端子と称す)に電気接触するターミナル3等が収容されている。このように構成されたインパクトドライバにおいて、先端工具に動力を伝達するためには、蓄電池1の電力を電池端子2に電気接触しているターミナル3を介してスイッチ9に供給すると共に、更にリード線を介してモータ10に給電する必要がある。
【0013】
ここで、図2〜図4を用いて電池端子2とターミナル3との接触について詳述する。なお、図2において中心線より左側はハンドル部に蓄電池1の装着されていない状態を示しており、右側はハンドル部に蓄電池1の挿入されている状態を示している。
【0014】
図1及び図2に示すインパクトドライバの接触部材として、図3(a)に示すターミナル3及びバックスプリング4を使用する時について説明する。電池端子2と電気接触するために従来のR部よりも接触面積の大きい平面部を有するターミナル3の外周には、バッ
クスプリング4が重なり合うよう配されており、このバックスプリング4の反スイッチ側に延在する端部がハウジング5の内周に常時接触することで生じる弾性力により上記平面部の中央をバックスプリング4が押圧して電池端子2に接触させているため、接触圧を均等にすることができると共に、ターミナル3に加わる接触面からの荷重をバックスプリング4により確実にカバーすることができる。このような構成にすることで、安定した導電性及び接触圧を得ることができると共に、ターミナル3上に高耐熱性且つ低熱伝導率のステンレスから成るバックスプリング4を配すことで、電池端子2とターミナル3との接触面にて発生した熱はバックスプリング4を介して伝わるため、ハウジング5の熱変形をぐことができる。
【0015】
また、上記ターミナル3は、バックスプリング4と共にターミナルサポート6にカシメられており、このターミナルサポート6はハウジング5に形成されたターミナルサポート収容部内に移動可能に配されている。つまり、図4に示すよう上記収容部とターミナルサポート6間には所定の隙間が設けられており、ハンドル部に収容された蓄電池1の可動域より大きい隙間としている。また、併せてターミナル3とスイッチ9とを柔軟性を有する導線8’により接続することで、インパクトドライバ本体の振動によりターミナル3が蓄電池1と共に動き易くなり接触不良が起き難くなる。このような構成にすることで、より安定した導電性及び接触圧を得ることができる。
【0016】
更に図3(b)に示すよう、長手方向にスリットを有したターミナル3’及びバックスプリング4’を使用すると、2分割された接触部が各々独立して動くため、インパクトドライバ本体に振動が生じても一方の接触片が接触面から離れても他方の接触片が接触維持するため、更に安定した導電性を得ることができる。なお、本実施例では2分割したターミナル3’及びバックスプリング4’について説明したが、特に2分割以上であっても良い。
【0017】
また、本実施例では端子2に接触するターミナル3に平面部(平坦部)を設けているが、この平面部は振動が生じても端子2とターミナル3,3’が電気的に十分接触する面積を有していれば良い。
【0018】
更に本実施例では、インパクトドライバを例にとり説明したが、この他にも電池式携帯用電動工具として、インパクトレンチ、ドライバドリル及びグラインダ等に採用した場合であっても上記同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明になる電池式携帯用電動工具を示す縦断側面図である。
【図2】図1のA方向から見た矢視図である。
【図3】本発明になるターミナル及びバックスプリングを示す外観図であり、(a)は銅製のターミナルとステンレス製のバックスプリングを示す外観図、(b)はスリットの形成された銅製のターミナルと同じくスリットの形成されたステンレス製のバックスプリングを示す外観図である。
【図4】図2のB方向から見た矢視図である。
【図5】従来における電池式携帯用電動工具を示す縦断側面図である。
【図6】図5のA方向から見た矢視図である。
【図7】従来における銅製のターミナルとステンレス製のバックスプリングとを示す外観図である。
【図8】図6のB方向から見た矢視図である。
【図9】他の接触例を示すハンドル部の縦断側面図である。
【図10】図10は他の銅製のターミナルを示す外観図である。
【図11】図9のB方向から見た矢視図である。
【符号の説明】
【0020】
1は蓄電池、2は端子、3はターミナル、3’はターミナル、4はバックスプリング、4’はバックスプリング、5はハウジング、6はターミナルサポート、7はターミナルカシメ部、8はスイッチカシメ部、8’は導線、9はスイッチ、10モータ、11は出力機構部である。
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年11月17日(2006.11.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−126337(P2008−126337A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−311807(P2006−311807)