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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】平沼 俊夫

【氏名】伴 孝則

【氏名】小林 邦孝

【要約】 【課題】照明時の作業性に優れると共に、照明が不要な場合であっても作業効率の低減を防ぐことが可能な照明器具を備えた電動工具を提供すること。

【解決手段】電動工具1は、胴体部2と胴体部2の後部より下方へと延設される把持部3とによって工具本体が構成されている。工具本体の胴体部2には、胴体部2の前方を照射する照明手段10と照明手段10を胴体部2内部に収納するための収納部27とが設けられている。この照明手段10は、光源となる照射部14と、一端が照射部14に固定され他端が胴体部2に遊動可能に取り付けられる支持部11、12、13とにより構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体部と該胴体部の後部より下方へと延設される把持部とを有する電動工具において、
前記胴体部には、該胴体部の前方を照明する照明手段と該照明手段を収納するための収納部とが設けられ、
該照明手段は、光源となる照射部と、一端が該照射部に取り付けられ他端が前記胴体部に遊動可能に取り付けられる支持部とを有すること
を特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記収納部は、前記支持部を傾動させることによって前記照明手段を前記胴体部内部に収納することが可能となる凹所であること
を特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記胴体部には、前記凹所の開放開口の開閉を行う開閉部材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記収納部は、前記照明手段を内包する箱状部材であることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項5】
前記支持部は、伸縮可能に構成されること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項6】
前記照射部は、前記胴体部に対して回動自在となるように前記支持部に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項7】
前記胴体部における前記支持部の取り付け位置に、前記支持部の傾動方向を固定するためのガイド部が設けられること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項8】
前記照明手段は前記胴体部の上面又は側面に設けられること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、胴体部と胴体部の後部より下方へと延設される把持部とを有し、胴体部に対して照明手段が設けられる電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンマードリルやインパクトレンチ等の電動工具を用いる建築作業は、屋内照明等が設置される前の建物内で行われることが多い。また、屋内照明等が設置された建物の改修工事等を行う場合であっても、天井裏や軒下等のように、照明が十分に確保されていない環境において作業を行うことが多い。
【0003】
このように十分な照明が確保できない作業現場において電動工具を使用する場合には、視界不良により作業効率の低下を招くとともに、作業精度の低減をも招くという問題があった。
【0004】
このため、工具本体に照明装置を設けた電動工具が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
【0005】
例えば、特許文献1に開示される電動工具は、胴体部に対して前方へと延出される棒状の支持部材を設置し、この支持部材の先端に照明器具を設けたものである。
【0006】
また、特許文献2に開示される電動工具は、胴体部に対して前方へと延出される屈曲可能なる支持部材を設置し、この支持部材尾の先端に照明器具を設けたものである。
【0007】
さらに、特許文献3および特許文献4に開示される電動工具は、把持部の下端部に対して前方を照らす照明器具を設けたものである。
【特許文献1】特開平5−309576公報(第2−3頁、第1図、第5)
【特許文献2】米国特許第5797670号明細書(要約、第1図)
【特許文献3】特開2003−211374公報(第3−5頁、第4図)
【特許文献4】特開2003−245875公報(第3−5頁、第2図、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示される電動工具では、照明が十分に確保されている環境等において、照明器具が作業の邪魔になってしまうという問題があった。
【0009】
また、照明器具を工具本体から取り外して使用する場合には、取り外し作業が繁雑であると共に、取り外した照明器具を保管する場所等を確保する必要が生じるという問題がある。
【0010】
さらに、特許文献3および特許文献4に開示される電動工具では、照明器具が把持部の下端部に設けられているので、照明を所望の位置(例えば、ビットの先端等)に向けることが容易ではないという問題があった。
【0011】
また、把持部を握って電動工具の作業を行うため、照明器具に手が干渉してしまって、照射光量を十分に確保することができなかったり、作業効率の低減を招いたりするおそれがあった。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、照明時の作業性に優れると共に、照明が不要な場合であっても作業効率の低下を防ぐことが可能な照明器具を備えた電動工具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る電動工具は、胴体部と該胴体部の後部より下方へと延設される把持部とを有する電動工具において、前記胴体部には、該胴体部の前方を照明する照明手段と該照明手段を収納するための収納部とが設けられ、該照明手段は、光源となる照射部と、一端が該照射部に取り付けられ他端が前記胴体部に遊動可能に取り付けられる支持部とを有することを特徴とする。
【0014】
また、前記収納部は、前記支持部を傾動させることによって前記照明手段を前記胴体部内部に収納することが可能となる凹所であってもよい。
【0015】
さらに、前記胴体部には、前記凹所の開放開口の開閉を行う開閉部材が設けられるものであってもよい。
【0016】
また、前記収納部は、前記照明手段を内包する箱状部材であってもよい。なお、この箱状部材は必ずしも矩形状のものに限定されるものではなく、内部に照明手段を内包(収納)することが可能な空間を備えた部材であって、この内部空間に照明手段を収納することによって照明手段が箱状部材より露呈してしまうことを防止することができるものであれば、どのような形状・構造のものであってもよい。
【0017】
さらに、前記支持部は、伸縮可能に構成されるものであってもよい。
【0018】
また、前記照射部は、前記胴体部に対して回動自在となるように前記支持部に取り付けられるものであってもよい。
【0019】
さらに、前記胴体部における前記支持部の取り付け位置に、前記支持部の傾動方向を固定するためのガイド部が設けられるものであってもよい。
【0020】
また、前記照明手段が、前記胴体部の上面又は側面に設けられるものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る電動工具によれば、照明手段が、照射部と、一端が照射部に固定され他端が胴体部に遊動可能に取り付けられる支持部とにより構成されるので、照明手段の支持部を前後左右に傾動させることが可能となり、照明手段による照明光の照射範囲を所望の位置へ自由に調整することが可能となる。
【0022】
また、電動工具は、照明部を収納するための収納部が胴体部に形成されるので、照明が不要な作業環境において照明手段を収納部に収納することによって、照明手段が作業の邪魔になることを防止し、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0023】
さらに、照明手段を胴体部の収納部に収納することができるため、従来の照明器具のような照明機器の着脱負担を低減することができ、また、必要に応じて迅速かつ簡易に照明部による照明光を確保することが可能となる。
【0024】
また、照明手段を収納部に収納することができるので、照明手段が胴体部外部に常に露出することを回避することができる。このため、電動工具の使用時や保管時に、照明手段を周囲の建築部材等にぶつけて破損してしまうことを防止することができる。
【0025】
特に、収納部が、支持部を傾動させることによって照明手段を収納することが可能となる凹所である場合には、照明手段の着脱負担の軽減と迅速かつ簡易な照明光の確保という効果をより顕著に享受することが可能となる。
【0026】
さらに、この凹所における開放開口の開閉を行う開閉部材が胴体部に設けられている場合には、凹所に対する塵埃の進入を防止することができる。また、開閉部材によって凹所の開放開口を閉塞することによって凹所の存在が目立たなくなり、電動工具における意匠性を向上させることが可能となる。
【0027】
一方で、収納部が照明手段を内包する箱状部材の場合であっても、胴体部外部に照明手段が露出することを回避することができるので、電動工具の使用時や保管時に、照明手段を周囲の建築部材等にぶつけて破損してしまうことを防止することができる。また、箱状部材によって照明手段を内包することができるので、照明部材を塵埃より守ることができ、さらに、箱状部材によって照明部材が見えなくなるので、電動工具における意匠性を向上させることが可能となる。
【0028】
さらに、支持部は伸縮可能に構成される場合には、支持部の伸縮に応じて照射部による照明光の照明位置を調整することが可能となる。また、照射部が胴体部に対して回動自在となるように支持部に取り付けられる場合には、照射光の照明位置を回動方向に容易に調整・変更することができるので、周辺部の建築部材(例えば、配管設備等)に電動工具が接触しないかどうかを容易に確認することが可能となる。
【0029】
また、胴体部における支持部の取り付け位置に、支持部の傾動方向を固定するためのガイド部が設けられるので、照射部の照明方向が不用意に変更されてしまうことを防止することが可能となる。
【0030】
また、照明手段が胴体部の上面または側面に設置される場合には、照明光の調整を容易に行うことができ、さらに、作業者の視線を妨げない位置に照明手段を移動・調整することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係る電動工具として、ハンマードリルを一例として用いる場合について説明を行う。
【0032】
図1は、本発明に係るハンマードリル1の概略構成を示した斜視図である。ハンマードリル1は、モータ等が収納される胴体部2と、その後部より下方に延設される把持部3と、胴体部2の前部側方に対して固定されるグリップ部4とを有している。
【0033】
胴体部2には、電動モータと、この電動モータの回転力を胴体部先端に取り付けられるビット7へと伝達する回転伝達部と、電動モータの回転力を打撃力に変換する打撃機構部とが収納されている(図示省略)。
【0034】
また、把持部3には、電源(図示省略)へと延設される電源コード5と動作スイッチ6とが設けられており、動作スイッチ6をONへ操作することによって、電源コード5を介して電源から電動モータへと電力が供給され、回転伝達部の回転力および打撃機構部の打撃力がビット7に伝達される。
【0035】
胴体部2および把持部3は、樹脂製のケーシング部材によって筐体が形成されている。このケーシング部材は、左右対称形状をなす一対の半割ケーシングによって構成されており、モータ、回転伝達部、打撃機構部、動作スイッチ6の基部等は、半割ケーシングによって挟み込まれるようにしてケーシング部材内部に固定収納される。
【0036】
グリップ部4は、胴体部2の前側部に固定されており、作業時に一方の手で把持部3を握り、他方の手でグリップ部4を握ることによって、作業時に回転伝達部や打撃機構部等の振動でハンマードリル1がブレてしまうことを防止することができる。
【0037】
胴体部2の上面には、照明部(照明手段)10が設けられている。図2は、照明部10を示した拡大斜視図である。
【0038】
照明部10は、球状基部11と、筒状基部12と、筒状部13と、LED部(照射部)14とを有している。なお、球状基部11と筒状基部12と筒状部13とは支持部としての機能を有している。
【0039】
球状基部11は、図3(a)に示すように、底面に底部開口15が形成され、上面に帯状開口16が形成された略球体形状を呈している。また、球状基部11の内部には、帯状開口16の長尺縁部16aに平行となる一対の支持板部17が、互いに対向するようにして形成されており、各支持板部17には、筒状基部12を枢支するための軸孔(第1軸孔)18が形成されている。
【0040】
筒状基部12は、図3(b)に示すように、側方視で扇型を呈する一対の側壁20と、この側壁20の上面を形成する湾曲上面21と、この湾曲上面21に立設される筒部22とによって形成されている。
【0041】
湾曲上面21は、球状基部11の曲面に対応するようにして湾曲されており、上面幅L1は帯状開口16の短尺幅L2よりも僅かに幅広であって、支持板部17の間隔R1よりも僅かに幅狭となるように規定されている。湾曲上面21の中央部には開口21aが形成されており、筒部22はこの開口21aに連通するようにして立設されている。
【0042】
側壁20には、支持板部17の第1軸孔18に対応する位置に軸孔(第2軸孔)23が形成されている。湾曲上面21上面幅L1が支持板部17の間隔R1よりも僅かに幅狭となるように規定されているので、側壁20の間隔R2は支持板部17の間隔R1よりも僅かに幅狭となっている。
【0043】
筒部22は、円筒状を呈しており、この筒部22における上端部22aの周縁は僅かに内側へと曲げられており、端部内径が幅狭となるように加工されている。
【0044】
筒状部13は、図4、図5に示すように、筒状基部12の筒部22に嵌入可能な円筒状構造となっている。筒状部13の下端部13aにおける周縁は僅かに外側へと広げられており、端部外径が僅かに幅広となるように加工されている。
【0045】
筒状部13は、筒部22に嵌入可能な構造となっており、筒部22に対して筒状部13を進退動させることが可能となっている。また、筒状部13を筒部22の端部まで引き出した場合には、筒部22の端部内径が幅狭となるように加工され、筒状部13の端部外径が僅かに幅広となるように加工されているので、筒状部13の下端部13aが筒部22の上端部22aに係合され、筒状部13が筒部22から抜け落ちてしまうことを防止する構造となっている。
【0046】
また、筒部22および筒状部13は、円筒状に形成されているので、筒状部13を筒部22に対して自由に回転させることが可能となっている。
【0047】
LED部14は、筒状部13の上端部に設けられている。LED部14は、矩形の箱体14aと、この箱体14a内部に設けられるLED14bと、LED14bに接続されるコード部14cとによって形成されている。LED14bは箱体14aの一側方より光を発することができるようにして箱体14aに固定されている。また、箱体14aは、筒状部13の上端部に固定される。
【0048】
コード部14cは、筒状部13および筒部22を介してハンマードリル1の胴体部2内部へと延設されており、その端部は、図示を省略する電動モータの駆動源(電源コード)へと接続されている。LED14bは、この駆動源より電力を取得することによって点灯することが可能な構造となっている。
【0049】
照明部10は、図4、図5に示すように、球状基部11の底部開口15より筒部22が帯状開口16から突出するようにして、筒状基部12を球状基部11に内設させ、さらに底部開口15側より筒部22を筒状部13に嵌入させてから、筒状部13にLED部14を固定してコード部14cを筒状部13・筒状基部12を介して球状基部11へと導くことによって構成される。そして、第1軸孔18と第2軸孔23とに対して軸部25を挿通させることによって、筒状基部12を帯状開口16の長尺方向へと傾動させることが可能となる。
【0050】
この照明部10が設置される胴体部2の上面には、照明部10を収納するための凹所27が形成されている。凹所27は、図2に示すように鍵穴状に形成されており、凹所の円形部分28には、照明部10を設置するための開口29が設けられている。この開口29の縁内面は、図4、図5に示すように、球状基部11の湾曲面に対応する曲率によって構成される湾曲当接面30が形成されており、さらに、開口29の周縁31には、図2に示すように凹凸が形成されている。
【0051】
また、凹所27の矩形状部32の長尺長L3は、筒状基部12の筒部22の長さよりも僅かに長く規定されており、短尺長は、筒部22の筒径よりも僅かに幅広に規定されている。
【0052】
照明部10を胴体部2に設置する場合には、図4、図5に示すように、凹所27の円形部分28に形成された開口29よりLED部14・筒状部13・筒部22が露出するようにして球状基部11を開口29の湾曲当接面30に挟持させ、湾曲当接面30と球状基部11とを摺動可能な状態にする。
【0053】
このとき、照明部10は、球状基部11の帯状開口16の長尺方向と凹所27の矩形状部32の長尺方向とが一直線状となるようにして、胴体部2(凹所27の円形部分28)に設置される。
【0054】
このようにして照明部10が胴体部2に設置されると、照明部10の球状基部11が湾曲当接面30に対して摺動可能な状態となるため、図4、図5に矢印A、矢印Bで示すように、照明部10の筒状部13および筒部22を前後左右に傾動させることが可能となる。
【0055】
また、筒状部13は、筒部22に対して自由に回転させることが可能な構造となっているので、筒状部13の上端に設置されるLED部14における照明光の照射角度を胴体部2に対して360度調整することが可能となる。このため、LED部14の照明角度を容易に調整・変更することができ、周辺に位置する配管設備等の建築部材に電動工具やその先端(ビット等)等が接触しないかどうかを容易に確認することができる。
【0056】
さらに、筒部22に対して筒状部13が進退可能に取り付けられているので、筒部22に対する筒状部13の引き出し量に応じてLED部14の照射位置の高さを調整することが可能である。
【0057】
このような構成により照明部10を胴体部2に設置することによって、照明部10の筒状部13および筒部22を胴体部2に対して遊動させることが可能となり、また、LED部14による照明光の照射角度および照射位置の高さを自由に調整できるので、LED部14の照明光を所望の方向、具体的には、工具先端に取り付けられるビット7方向に調整することが可能となる。
【0058】
さらに、開口29の周縁31には凹凸が形成されており、筒部22をこの凹部に係止させることによって開口29の周縁31が筒部22の傾動角度を固定するガイド部としての役割を果たすので、LED部14における照明光の照明方向が不用意に変更されてしまう(ずれてしまう)ことを防止することが可能となる。
【0059】
また、照明部10は、帯状開口16の長尺方向と凹所27の矩形状部32の長尺方向とが一直線状になるようにして胴体部2(凹所27の円形部分)に設置されるので、筒状部13を筒部22に収納させてから筒部22を帯状開口16に沿って倒し込むことにより、照明部10の筒部22・筒状部13およびLED部14を、胴体部2の凹所27に収納することが可能となる。
【0060】
このように照明部10を凹所27に収納することによって、LED部14の照明光が不要となる環境(照明が十分に確保される場所や、太陽光等を確保することが可能な場所等)においてハンマードリル1を使用する場合であっても、照明部10が作業の邪魔となることがなく、作業を効率よく行うことが可能となる。
【0061】
さらに、筒部22・筒状部13およびLED部14を、胴体部2の凹所27に倒し込むことによって照明部10を収納することができるため、従来の照明器具を備える電動工具に比べて照明部の着脱負担を軽減することができ、また、必要に応じて迅速かつ簡易に照明光を確保することが可能となる。
【0062】
また、照明部10を凹所27に収納することができるので、照明部10が胴体部外部に常に露出してしまうことを回避することができる。このため、電動工具の使用時や保管時に、照明部10を周囲の建築部材等にぶつけて破損させてしまうことを防止することができる。
【0063】
さらに、照明部10が胴体部2の上面に設置されるため、把持部3等に照明機器が設置される電動工具に比べて照明光の照明方向をビット7先端へ容易に調整することが可能となる。また、照明部10の筒状部13および筒部22に対する傾動角度・傾動方向の調節自由度が高いため、作業者の視線を妨げない位置にLED部14の光源を移動することが容易となる。
【0064】
以上説明したように、本発明に係る電動工具では、照明部10の筒状部13および筒部22を前後左右に傾動させることが可能であり、さらに、筒状部13を筒部22に対して自由に回転させることができるので、LED部14による照明光の照明範囲を所望の方向へ自由に調整することが可能となる。
【0065】
さらに、筒部22に対して筒状部13が進退可能に取り付けられているので、LED部14の照射位置の高さを調整することが可能である。
【0066】
また、筒状部13が、筒部22に対して自由に回転させることが可能な構造となっているので、筒状部13の上端に設置されるLED部14における照明光の照射角度を胴体部に対して360度調整することが可能となる。このため、LED部14の照明角度を容易に調整・変更することができ、周辺に位置する配管設備等の建築部材に電動工具およびその先端等が接触しないかどうかを容易に確認することができる。
【0067】
さらに、開口29の周縁31が筒部22の傾動角度を固定するガイド部としての役割を果たすので、LED部14の照明光の照明方向が不用意に変更されてしまうことを防止することが可能となる。
【0068】
また、照明部10の筒部22・筒状部13およびLED部14を、胴体部2の凹所27に収納することが可能であるため、LED部14による照明が不要な環境においては、照明部10を収納することによって照明部10が作業の邪魔となることを防止でき、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0069】
さらに、照明部10を胴体部2の凹所27に収納することができるため、従来の照明器具に比べて電動工具から照明部を着脱する負担が軽減されると共に、必要に応じて迅速かつ簡易に照明光を確保することが可能となる。
【0070】
また、照明部10を凹所27に収納することができるので、照明部10が胴体部外部に常に露出してしまうことを回避することができる。このため、電動工具の使用時や保管時に、照明部10を周囲の建築部材等にぶつけて破損させてしまうことを防止することができる。
【0071】
さらに、照明部10が胴体部2の前部上面に設置されるため、照明部10の収納・引き出し等の操作・調整が容易であり、さらに、筒状部13および筒部22の調節自由度が高いため、作業者の視線を妨げない位置にLED部14を調節することが容易となる。
【0072】
以上、ハンマードリル1を一例として用いて、本発明に係る電動工具を詳細に説明したが、本発明に係る電動工具は上述した実施形態に限定されるものではない。いわゆる当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0073】
例えば、上述した実施形態では、収納部として形成された凹所27に照明部10を収納する構成を説明したが、この凹所27の開放開口の開閉を行うスライド式のシャッター部材(開閉部材)を胴体部2に設けてもよい。図6(a)は、凹所27の開放開口33の開閉を行うためのシャッター部材34が設けられたハンマードリル1を示している。シャッター部材34は、シャッター部材34の胴体34aを胴体部内部35に収納することによって、工具の前後方向にスライドすることが可能な構造となっている。このため、シャッター部材34の端部に設けられる突起部34bをつかんでシャッター部材34を工具前後方向へとスライドさせることによって、凹所27に収納された照明部10の開放開口33を開放又は閉塞することが可能となる。
【0074】
このように凹所27における開放開口の開閉を行うシャッター部材34を、胴体部2に設けることによって、凹所27に対する塵埃の進入を防止することができ、また、シャッター部材34で凹所27の開放開口33を閉塞することによって凹所27の存在を目立たなくすることができ、ハンマードリル1の意匠性を向上させることが可能となる。
【0075】
なお、シャッター部材34の開閉のために突起部34bを設けるのではなく、図6(b)に示すように、先端にへこませた凹部34cを形成し、この凹部に指をかけてシャッター部材を開閉する構成としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、照明部10を凹所27に収納する方法について説明を行ったが、照明部10を収納する収納部は必ずしも胴体部2に形成される凹所27のみに限定されるものではない。
【0077】
例えば、図7に示すように、照明部10を胴体部2の上面に凹所27を形成することなく設置し、照明部10を内包する箱状部材36を胴体部2の上面に対して起伏動可能に設ける構造とすることも可能である。
【0078】
このように、凹所27を設けることなく照明部10を胴体部2の上面に設けた場合には、照明部10が胴体部から常に露出した状態となるため、照明部10を使用していない場合であっても、照明部10を建築部材等に接触させて破損させる可能性が高くなってしまう。このため、照明部10を内包する箱状部材36を胴体部2の上面に設け、照明部10を使用しない場合には箱状部材36で照明部10を内包(カバー、被覆)させることによって、照明部10を外部の接触等から保護することが可能となり、照明部10の接触等を防止することが可能となる。
【0079】
また、箱状部材36によって照明部10を内包することができるので、照明部10を塵埃より守ることができ、さらに、箱状部材36によって外から照明部10が見えなくなるので、ハンマードリル1の意匠性を高めることが可能となる。
【0080】
なお、この箱状部材は、図7に示すような矩形状のものに限定されるものではなく、内部に照明部10を内包(収納)することが可能な空間を備えた部材であって、この内部空間に照明部10を収納することによって照明部10が箱状部材36より露呈してしまうことを防止することができるものであれば、どのような形状・構造のものであってもよい。
【0081】
さらに、上述した実施形態では、照明部10が胴体部2の上面に設置された例を示して説明を行ったが、照明部10の設置位置は胴体部2の上面のみに限定されるものではなく、胴体部2の側面部等に設置されるものであってもよい。胴体部2の側面に照明部10が設置される場合であっても、上面に設置される場合と同様に、把持部3に照明を設ける場合に比べて筒状部13および筒部22の調節自由度を高めることができ、作業者の視線を妨げない位置にLED部14を調節することが可能となる。
【0082】
また、本実施形態では、照明部10を胴体部2に形成された凹所27に収納する構成を説明したが、胴体部2に対する照明部10の収納方法はこのような凹所27への収納に限定されるものではなく、例えば筒状部13および筒部22を胴体部2内部へと押し込むようにして収納する構造等であってもよい。
【0083】
さらに、本実施形態においては、電動工具としてハンマードリルを例に用いて説明を行ったが、本発明に係る電動工具はハンマードリルに限定されるものではなく、インパクトレンチ、振動ドリル、鉄筋結束機等の電動工具であってもよく、また、空圧釘打機、空圧インパクトドライバ等の空圧工具であってもよい。これらの工具へ本発明に係る照明部を設けることによって、本実施形態において示した効果と同様の効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施形態に係るハンマードリル示した斜視図である。
【図2】実施形態に係る照明部を示した斜視図である。
【図3】(a)は実施形態に係る球状基部を示した斜視図であり、(b)は実施形態に係る筒状基部を示した斜視図である。
【図4】図2におけるA−A断面を示した断面図である。
【図5】図2におけるB−B断面を示した断面図である。
【図6】図1に示すハンマードリルの胴体部に、凹所の開放開口を開閉するシャッター部材が設けられる様子を示したハンマードリルの斜視図であって、(a)はシャッター部材の先端に突起部が設けられた図であり、(b)は先端に凹部が設けられた図である。
【図7】ハンマードリルの胴体部に、照明部を内包する箱状部材が設けられる様子を示したハンマードリルの斜視図である。
【符号の説明】
【0085】
1 …ハンマードリル(電動工具)
2 …胴体部
3 …把持部
4 …グリップ部
5 …電源コード
6 …動作スイッチ
7 …ビット
10 …照明部(照明手段)
11 …(照明部の)球状基部(支持部)
12 …(照明部の)筒状基部(支持部)
13 …(照明部の)筒状部(支持部)
13a …(筒状部の)下端部
14 …(照明部の)LED部(照射部)
14a …(LED部の)箱体
14b …(LED部の)LED
14c …(LED部の)コード部
15 …(球状基部の)底部開口
16 …(球状基部の)帯状開口
16a …(帯状開口の)長尺縁部
17 …(球状基部の)支持板部
18 …(支持板部の)軸孔
20 …(筒状基部の)側壁
21 …(筒状基部の)湾曲上面
21a …(湾曲上面の)開口
22 …(筒状基部の)筒部
22a …(筒部の)上端部
23 …(側壁の)軸孔
25 …軸部
27 …凹所(収納部)
28 …(凹所の)円形部分
29 …(凹所の円形部分の)開口
30 …(開口の縁内面の)湾曲当接面
31 …(開口の)周縁(ガイド部)
32 …(凹所の)矩形状部
33 …開放開口
34 …シャッター部材
34a …(シャッター部材の)胴体
34b …(シャッター部材の)突起部
34c …(シャッター部材の)凹部
35 …胴体部内部
36 …箱状部材
L1 …(湾曲正面の)上面幅
L2 …(帯状開口の)短尺幅
L3 …(凹所の矩形状部の)長尺長
R1 …(支持板部の)間隔
R2 …(側壁の)間隔
【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【出願日】 平成18年11月9日(2006.11.9)
【代理人】 【識別番号】100118094
【弁理士】
【氏名又は名称】殿元 基城


【公開番号】 特開2008−119766(P2008−119766A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−303683(P2006−303683)