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【発明の名称】 電動工具装置
【発明者】 【氏名】ダーフィト シュピールマン

【氏名】オスマール ゲルシュヴィレル

【氏名】アルミン ブライテンモゼル

【要約】 【課題】多段ギアの切替え装置が占有する構造空間を減少する電気工具装置得る。

【解決手段】少なくとも2個の軸線方向に移動可能な切替え歯車42を設けたギア装置10をそのときのギア段から他のギア段に切替えるスライドスイッチ14を有する切替え装置12を設ける。スライドスイッチ14は、前記切替え歯車42と動作的に連結するカップリング装置32を所定位置に回動可能とする掃引輪郭20を設けた電気工具装置2において、掃引輪郭20には2個の制御軌道22,24を、また、それぞれカップリング装置32に設けた、第1掃引部分30a、第2掃引部分30bは、互いに、掃引輪郭の切替え力に押圧されて移動する構成とし、また、第1掃引部分30aおよび第2掃引部分30bを、それぞれ当該のカップリング装置32の回動軸線SAに関して互いに異なる側面側に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動装置ハウジング(6)内に配置した多段のギア装置(10)に、少なくとも2個の軸線方向に移動可能な切替え歯車(42)を設けた電動式の工具装置(2)において、
前記ギア装置(10)に、そのときのギア段から他のギア段に切替え可能とする切替え装置(12)を設け、この切替え装置(12)には、案内に沿って複数個の切替え位置にシフトできるスライドスイッチ(14)を設け、
このスライドスイッチ(14)は、それぞれカップリング装置(32)を介して前記切替え歯車(42)と結合し、さらに前記カップリング装置(32)を所定の位置に回動可能とする掃引輪郭(20)を設けた該電動式工具装置(2)において、
前記掃引輪郭(20)には2個の制御軌道(22,24)を、また、前記カップリング装置(32)には、それぞれ第1掃引部分(30a)、第2掃引部分(30b)を設け、これら掃引部分(30a,30b)は、互いに、掃引輪郭による切替え力が加わって押圧される構成とし、また、前記第1掃引部分(30a)および前記第2掃引部分(30b)を、それぞれ当該の前記カップリング装置(32)の回動軸線(SA)に関して異なる側面側に設けたことを特徴とした電動工具装置。
【請求項2】
前記掃引輪郭(20)を、前記スライドスイッチ(14)の前記ギア装置(10)側とは反対側の第1側面(18)に設けた請求項1記載の電動工具装置。
【請求項3】
前記カップリング装置(32)を、あぶみ状の切替えヨークにより形成し、この切替えヨークは、それぞれ前記軸線方向の方向(R)に直交する方向に延在する2個の掃引部分(30a,30b)を有するものとして形成した請求項2記載の電動工具装置。
【請求項4】
前記回動軸線(SA)を、軸線方向の方向(R)に直交する方向に互いに離れた前記切替えヨークの2個の軸受部分(34)により規定し、前記軸受部分(34)はハウジングに固定した軸受収容部(36)に回転可能に保持した請求項3記載の電動工具装置。
【請求項5】
前記軸受部分(34)を軸受収容部(36)に係止可能とした請求項4記載の電動工具装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、とくに請求項1の前段に記載した特徴を備えるねじ回し装置またはドリル装置などの電動式の工具装置に関するものである。この工具装置には、伝動装置ハウジング内に配置した、多段ギア装置を設け、この多段ギア装置には少なくとも2個の軸線方向に移動可能な切替え歯車を設ける。さらに、切替え装置を設け、この切替え装置によって、ギア装置をそのときのギア段から他のギア段に切替え可能とする。この目的のため、この切替え装置には、案内に沿って複数個の切替え位置に移動できるスライドスイッチを設ける。このスライドスイッチは、それぞれカップリング装置を介して、切替え歯車と結合する。この目的のため、スライドスイッチに掃引輪郭を設け、この掃引輪郭による切替え力が加わって押圧され、ギア段のいずれかに対応する所定の複数個の位置におけるいずれかの位置にシフトされる。
【0002】
この種の工具装置において、ギア装置には少なくとも3個ギアを設けることができ、切替え装置は安価に生産でき、正確な切替え操作が、故障しにくいことが保証されなければならない。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、多段ギアを設けた電動工具装置を記載し、この切替え装置は、複数個の切替えヨークの作動のためのスライドスイッチを有し、このスライドスイッチによって、それぞれ切替え歯車を移動可能とする。この目的のため、切替えヨークには、切替え部分のようなハウジングに固定の回動軸受を設け、この回動軸受は、スライドスイッチに構成した連結リンクに通して連結する。よって、切替えヨークには、それぞれ、スライドスイッチの位置に関係して、所定の回動位置を設け、この回動位置は一定の切替え歯車の軸線方向の位置に対応する、
【特許文献1】独国特許出願公開第10222824号明細書
【0004】
このとき、スライドスイッチには、スライドスイッチに設けた連結リンクに起因して、伝動装置ハウジング内において一定の高さと、よって、一定の必要構造空間を要し、このことにより、伝動装置ハウジング領域における電動工具装置の構造高さに作用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、多段ギア装置を設けた電動工具装置において、切替え装置が占有する構造空間を減少することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載した特徴を備えた電動式の工具装置によって達成され、この工具装置において、掃引輪郭には2個の制御軌道を、またカップリング装置にはそれぞれ第1掃引部分、第2掃引部分を設け、これらの掃引部分は、掃引輪郭による切替え力が加わって押圧される構成としたことを特徴とする。このとき、第1掃引部分および第2掃引部分は、双方のカップリング装置において、それぞれ回転軸線に関しての異なる側面側に設ける。これにより、双方のカップリング装置においてシーソー的な領域を得ることができる。このシーソー的な領域があることで、それぞれのカップリング装置において、反対の回転モーメントを、時間的にずれて生ずる同一方向に指向する切替え力によってもたらされる。したがって、スライドスイッチの移動によって、すべての切替え位置において、切替え力に関して、掃引輪郭の単独で一方の側面に作用する拘束力にも関わらず、異なる切替え位置間において、双方向への切り替えか可能となる。つまり、切替え位置同士の間での切替えは、純粋な押す力または引っ張る力によって生じる。これにより、スライドスイッチは、コンパクトな素子としてそれ以外にはなにもなしに、特に連結リンクなしに構成することができ、その外側の面は掃引輪郭を構成する。このようにして、伝動装置ハウジング内におけるスライドスイッチの構成高さは、大幅に減少することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
とくに好適な実施形態において、開口する掃引輪郭をスライドスイッチのギア装置側とは反対側の第1側面に設け、この掃引輪郭の押圧側が容易にカップリング装置に接触することができるようになる。このようにして、伝動装置ハウジング内でスライドスイッチに必要な構造空間は、掃引輪郭の溝深さと、伝動装置ハウジングのスライドスイッチの案内手段によって画定される。これにより、必要とされる構造空間を最小限まで減少することができる。
【0008】
好適には、カップリング装置は、あぶみ状の切替えヨークにより形成し、この切替えヨークは、軸線方向の方向に直交する方向に延在する2個の掃引部分を有するものとして形成する。これら掃引部分は、当該切替えヨークの回動軸線に対して、互いに軸線方向反対側に設ける。これにより、カップリング装置は、シーソーのように動かすことができる。このとき、それぞれ、回動軸線に関して一方の側の掃引部分、または回動軸線に対して他方の側の掃引部分は、掃引輪郭により衝合するとともに、同時に、掃引輪郭は、他方の掃引部分を反対方向に自由に回動させる。
【0009】
好適には、回動軸線を、軸線方向の方向に直交する方向に互いに離れた切替えヨークの2個の軸受部分により規定し、ハウジングに固定した軸受収容部に回転可能に保持する。これにより、切替え装置が作動すると、切替えヨークは正確に回動する。
【0010】
好適には、軸受部分を軸受収容部に係止可能とし、カップリング装置をギア装置に固定することが可能となり、組み立てが簡単になる。
【実施例】
【0011】
図1には、伝動装置4のレベル(高さ)に位置する、ねじ回し装置またはドリル装置の形式とした電動式の工具装置2の一部を示す線図的説明図である。この伝動装置4には伝動装置ハウジング6を設け、この伝動装置ハウジング6は、工具装置ハウジング8内に保持する。このとき、伝動装置ハウジング6には、点線で線図的に示した3個の切替え段を有するギア装置10を収納する。
【0012】
ギア装置10を切替えるために、3個の切替え段間に、全体的に参照符号12で示す切替え装置を設ける。この切替え装置12には、工具装置ハウジング8に対して矢印R方向に移動可能であるスライドスイッチ14を設け、この方向Rは、工具装置2の作動軸線Aに沿った作動方向ARに平行とする。この目的のため、スライドスイッチ14には、リブ状の案内手段16を設け、この案内手段は図示しない、工具装置ハウジング8の対向案内手段に係合する。
【0013】
スライドスイッチ14の、ギア装置10側の第1側面18には、とくに図2に示すように、掃引輪郭20を設ける。この掃引輪郭20はギア装置10の方向に露出する、つまりスライドスイッチの残りの部分から離れる方向に指向する。この掃引輪郭20は、第1制御軌道22および第2制御軌道24により構成し、これら双方の制御軌道22,24は、軸線方向のR方向に平行に指向させ、それぞれ部分的に傾斜する制御面26,28を設ける。このとき、第1制御軌道22の制御面26は作動方向ARに、第2制御軌道24の制御面28は、作動方向ARとは反対に指向する。
【0014】
図1に示すように、制御軌道22,24は、それぞれ、1対のあぶみ状のカップリング装置32を構成する、第1掃引部分30aまたは第2掃引部分30bに当接する。このとき、双方のカップリング装置32を構成するそれぞれのワイヤは、双方の掃引部分30a,30bに隣接する位置に、とくに図2および図3に示すように、それぞれ2個の軸受部分34を設ける。
【0015】
双方の軸受部分34は、軸線方向の方向Rに直交する方向に一直線上に整列し、とくに図3に示すように、それぞれ2個の係止収容部として構成した軸受収容部36に係止可能とする。この軸受収容部36は伝動装置ハウジング6に固着する。このようにして、軸受収容部36内に回転可能に保持した双方のカップリング装置32の軸受部分34は、とくに図1および図4(a)〜(c)に示すように、それぞれ回動軸線SAを規定する。このとき、カップリング装置32の双方の掃引部分30a,30bは、それぞれ、図示しない、それぞれの回動軸線SAを通り、作動軸Aに直交する平面に関して互いに異なる側面側に位置する。
【0016】
図2および図3に示すように、双方のカップリング装置32の遊端には、それぞれ、例えばフック状のキャッチ手段38を設ける。これらのキャッチ手段38を介して、カップリング装置32のそれぞれが、図1に示した、これらに対応するように伝動装置ハウジング6に設けた貫通開口40を経て、ギア装置10の第1切替え歯車42aの第1溝41a、または、第2切替え歯車42bの第2溝41bに、噛みあう。このとき、双方の切替え歯車42a,42bは、他のギア装置10部分に対して、軸線方向Rに移動可能となる。このとき、双方の切替え歯車42a,42bの位置決めに応じて、それぞれ3個の切替え位置における1個の位置にセットされる。
【0017】
作動にあたり、切替え装置12によって、ギア装置10の3個の切替え段のうち所望段にセットすることができる。この目的のため、スライドスイッチ14の、ギア装置10とは反対側の第2側面44には操作つまみ46を設け、切替え装置12はこの操作つまみ46により、3個の切替え位置におけるいずれかの位置に移動させることができ、これらの切替え位置のそれぞれが、3個の切替え段におけるいずれかの段と一致する。スライドスイッチ14および切替え装置12を、全体的に所望の切替え位置に正確に位置決めするために、図2および図3に示すように、スライドスイッチ14には、係止ばね48に押圧される係止フック49を設ける。この係止フック49は、工具装置ハウジング8に構成した、それぞれ対応するように位置決めした、図示しない1対の係止収容部における、3個の切替え位置のそれぞれに噛み合う。
【0018】
図4(a)〜(c)にそれぞれ矢印で示すように、そのときの切替え位置から、隣接する切替え位置に切替える際に、カップリング装置32の少なくとも一方が、軸線方向の方向Rに移動する掃引輪郭20により、それぞれの回動軸線SAの周りに回動する。これは、当該のカップリング装置32の掃引部分30a,30bのうち、今まで作動軸線から遠ざかっていた方が、スライドスイッチ14を移動させるときに、傾斜した制御面26,28のいずれかに接触することでおこる。動きに続いて、上述の掃引部分30a,30bは、これらの制御面26,28から、作動軸線Aの方向に押しやられる。
【0019】
このとき、シーソー的な形態を有するため、当該のカップリング装置32は、回動軸線SAの周りに回動し、この動作によって、それぞれ他方の掃引部分30b, 30aが作動軸線Aから離れる方向に回動する。この動作によって、同時に、当該のカップリング装置の双方のキャッチ手段38が一緒に回動し、これにより、当該の切替え歯車42が、新たな切替え位置へと軸線方向に移動する。
【0020】
図4(a)に示す第1切替え位置からの切替える際には、このように、スライドスイッチ14を作動方向ARに移動することで、作動方向AR側のカップリング装置32が押圧され、このカップリング装置32の第1掃引部分30aは、当該の制御面26により、作動軸線Aの方向へ押圧される。これにより、当該のカップリング装置32のキャッチ手段38は、その回動軸線SAの周りに後方に回動し、第1切替え歯車42aは、軸線方向に作動方向ARとは反対方向に、図4bに示す第2切替え位置に押しやられる。
【0021】
この第2切替え位置からは、切替え装置12は、スライドスイッチが再び反対方向に移動し、図4aに示す第1切替え位置へと切替え可能であり、この切替え動作において、前方のカップリング装置32の第2掃引部分30bは、当該の制御面28により作動軸線Aの方向に押圧され、キャッチ手段38は再び作動方向ARの前方に回動する。
【0022】
これに対し、スライドスイッチ14が、図4bに示す第2切替え位置から、さらに作動方向ARへ押しやられると、作動方向ARに見て後方のカップリング装置32のみが、掃引輪郭20により押圧され、このカップリング装置32の第1掃引部分30aが、当該の制御面26により作動軸線Aの方向に押される。これにより、当該のカップリング装置32のキャッチ手段38は、その回動軸線SAの周りに同じように後方に回動し、第2切替え歯車42bも、軸線方向に作動方向ARとは反対方向に、図4cに示す第2切替え位置に押しやられる。
【0023】
この第3切替え位置からは、切替え装置12は、スライドスイッチ14が再び反対方向に移動し、図4bに示す第2切替え位置へと切替え可能であり、この切替え動作において、後方のカップリング装置32の第2掃引部分30bは、当該の制御面28により作動軸線Aの方向へと押圧され、キャッチ手段38は再び作動方向ARの前方へと回動する。
【0024】
このとき、上述の動作メカニズムのシーソー的な形態は、スライドスイッチ14による、カップリング装置32の単なる押圧面に対する衝合によりもたらされる。これは、さらに工具装置ハウジング8内において、スライドスイッチ14の極めて小さい構成高さHを実現する。この構成高さHは、図1に示すように、基本的には掃引輪郭20の輪郭深さtおよび案内手段の厚さSに由来する。この結果として全体的に、工具装置ハウジング8内における切替え装置12が必要とする構造空間は極めて小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明電動式の工具装置における伝動装置の縦断面図である。
【図2】図1に示す伝動装置を斜め下から見て、分解した部分の相互関係を示す線図的斜視図である。
【図3】図1に示す伝動装置を斜め上から見て、分解した部分の相互関係を示す線図的斜視図である。
【図4a】図1に示す伝動装置の切替え装置の第1切替え位置における斜視図である。
【図4b】図4aに示すギア装置の切替え装置の第2切替え位置における斜視図である。
【図4c】図4bに示すギア装置の切替え装置の第3切替え位置における斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
2 電動式の工具装置
4 伝動装置
6 伝動装置ギアハウジング
8 工具装置ハウジング
10 ギア装置
12 切替え装置
14 スライドスイッチ
16 案内手段
18 第1側面
20 掃引輪郭
22 制御軌道
24 制御軌道
26 制御面
28 制御面
30a 第1掃引部分
30b 第2掃引部分
32 カップリング装置
34 軸受部分
36 軸受収容部
38 キャッチ手段
40 貫通開口
41a 第1溝
41b 第2溝
42a 第1切替え歯車
42b 第2切替え歯車
44 第2側面
46 操作つまみ
AR 作動方向
R 軸線方向
SA 回転軸線
【出願人】 【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成19年10月29日(2007.10.29)
【代理人】 【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司

【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也


【公開番号】 特開2008−114365(P2008−114365A)
【公開日】 平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願番号】 特願2007−280752(P2007−280752)