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【発明の名称】 電動工具及びその絶縁方法
【発明者】 【氏名】池田 知也

【氏名】細川 信仁

【氏名】横山 仁一

【要約】 【課題】本発明は、外枠の耐熱性及び物理的耐久性を確保し且つ漏電に対する

【解決手段】前後方向に延びる固定子と、後端に整流子を有する回転子からなるモータと、モータに電力を供給するためのリードワイヤと、モータを収容する外枠と、外枠の前方に設けられモータによって駆動される先端工具と、外枠の後方に連続して設けられ回転子を支持する回転子支持部と、リードワイヤに接続されるスイッチと、外枠の後方に取り付けられスイッチを収容するテールカバと、を備えた電動工具において、外枠と回転子支持部とを複数の支持リブで接続し、外枠の内面と支持リブの外周とを覆う絶縁層を設け、リードワイヤが外枠の内部から隣り合う支持リブの間を通ってスイッチまで延びるよう構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる固定子と、後端に整流子を有する回転子からなるモータと、
該整流子に接触するカーボンブラシと、
該カーボンブラシを収容するカーボンブラシホルダと、
該モータを収容する外枠と、
を備えた電動工具において、
該外枠の外側の層を金属で形成するとともに内側の層を絶縁材で形成し、
該カーボンブラシホルダが該外側の層と該内側の層とを貫通して該カーボンブラシホルダが該内側の層と係合して保持されることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
該外枠の後方にテールカバを設けて該外枠と該テールカバの間に該カーボンブラシホルダを挟み込んで保持したことを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項3】
成型用金型に該外側の層を固定する第1の工程と、
該成型用金型に溶融した絶縁材を射出して該内側の層を形成する第2の工程と、
該成型用金型から該外枠を取り出す第3の工程と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1に記載の電動工具の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具の二重絶縁構造及びその絶縁方法に関するものであり、特
に被加工物の研削・研磨作業に広く使用される携帯用電気ディスクグラインダに
金属製の外枠を使用した場合における、漏電に対する作業者への安全性、及び把
持部であるアルミ製外枠のコンパクト化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電動工具として、例えば被加工物の研削・研磨作業に広く使用される携
帯用電気ディスクグラインダを図14〜図19を用いて説明する。図14は駆動
源であるモータ2を収容し且つ当該モータ2の回転子2bを回転可能に支承する
外枠15を有する二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを示す一部省略縦断
側面図、図15は図14のH−H線断面図、図16は駆動源であるモータ2を収
容し且つ当該モータ2の回転子2bを回転可能に支承する外枠15に金属ブッシ
ュ16を有する二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを示す一部省略縦断側
面図、図17は図16のI−I線断面図、図18は駆動源であるモータ2を収容
し且つ当該モータ2の回転子2bを回転可能に支承する外枠17を有する一重絶
縁式携帯用電気ディスクグラインダを示す一部省略縦断側面図、図19は図18
のJ−J線断面図である。
【0003】
図14及び図15に示す二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは、絶縁樹
脂で形成された外枠15と、この外枠15に収容される固定子2a及び回転子2
bから成るモータ2と、このモータ2の回転子端部を回転可能に支承する軸受3
と、この軸受3を保持するために外枠15に形成された回転子支持部15aと、
上記回転子2bの整流子2cに電気的に接触するカーボンブラシ4と、このカー
ボンブラシ4を収容し且つ上記外枠15に固定されるカーボンブラシホルダ5と
を有しており、更に回転子2bの反整流子側に設けた動力伝達用歯車6と、この
動力伝達用歯車6からの回転動力を図示しない出力軸を介して当該出力軸に接続
されている砥石やディスクなどの先端工具とを備えている。また、上述した構成
において、カーボンブラシホルダ5が強化絶縁されていると共に、回転子2bに
二重絶縁が施されており、更に固定子2a及び電源線7に施された機能絶縁に加
えて外枠15により保護絶縁されることにより二重絶縁を図っている。
【0004】
このような構成において、作業者は、モータ2に電力を供給するための図示し
ないスイッチを操作することにより回転子2bを回転させ、その回転動力を動力
伝達用歯車6及び出力軸を介して先端工具に伝達することで、被加工物の研削・
研磨作業を行っている。
【0005】
よって、作業者が把持する外枠15が絶縁樹脂料により形成されているため、
二重絶縁を容易に行うことができ、しかも金属などの導電性物質を加工する際に
継続的に金属粉(粉塵)が発生しても短絡にいたる沿面距離が長くなるため、漏
電に対する作業者の安全性を確保することができる。
【0006】
しかし、上記構成では、固定子2aや回転子2bの充電部やヨークで発生する
熱に加えて軸受3の潤滑油劣化や破損などにより回転子支持部15aが加熱され
るため、外枠15の耐熱温度を超えてしまった場合には、外枠15の回転子支持
部15a周辺が熱変形してしまうという不具合があった。また、整流悪化により
発生した高熱がカーボンブラシ4からカーボンブラシホルダ5を介して外枠15
に伝達されるため、外枠15の耐熱温度を超えてしまった場合には、カーボンブ
ラシホルダ5周辺の外枠15が熱変形してしまうという不具合があった。このよ
うに外枠15が熱変形してしまうと、回転子2bを回転可能に支承する軸受3を
外枠15の回転子支持部15aに確実に保持することができなくなりモータ2の
性能が低下してしまうと共に、誤って上記グラインダを落下させてしまった場合
などに生じる外部負荷により外枠15が変形或いは破損し易くなってしまうとい
う問題があった。なお、この問題を解消するためには、新しい外枠15に交換し
て使用しなければならなかった。
【0007】
また、図16及び図17に示す二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは、
絶縁樹脂で形成された外枠15と、この外枠15に収容される固定子2a及び回
転子2bから成るモータ2と、このモータ2の回転子端部を回転可能に支承する
軸受3と、この軸受3を保持するために外枠15に形成された回転子支持部15
aと、この回転子支持部15aと軸受3との間に設けられる金属ブッシュ16と
、上記回転子2bの整流子2cに電気的に接触するカーボンブラシ4と、このカ
ーボンブラシ4を収容し且つ上記外枠に固定されるカーボンブラシホルダ5とを
有しており、更に回転子2bの反整流子側に設けた動力伝達用歯車6と、この動
力伝達用歯車6からの回転動力を図示しない出力軸を介して当該出力軸に接続さ
れている砥石やディスクなどの先端工具とを備えている。また、上述した構成に
おいて、カーボンブラシホルダ5が強化絶縁されていると共に、回転子2bに二
重絶縁が施されており、更に固定子2a及び電源線7に施された機能絶縁に加え
て外枠15により保護絶縁されることにより二重絶縁を図っている。また、金属
ブッシュ16により固定子2aや回転子2cの充電部やヨークで発生する熱に加
えて軸受6の潤滑油劣化や破損などにより発生する熱を一定量の発散させること
のできる金属ブッシュ16が設けられているため、外枠15の回転子支持部15
a周辺の熱変形を抑制している。
【0008】
このような構成において、作業者は、モータ2に電力を供給するための図示し
ないスイッチを操作することにより回転子2bを回転させ、その回転動力を動力
伝達用歯車6及び出力軸を介して先端工具に伝達することで、被加工物の研削・
研磨作業を行っている。
【0009】
よって、作業者が把持する外枠15が絶縁樹脂料により形成されているため、
二重絶縁を容易に行うことができ、しかも金属などの導電性物質を加工する際に
継続的に金属粉(粉塵)が発生しても短絡にいたる沿面距離が長くなるため、漏
電に対する作業者の安全性を確保することができる。
【0010】
しかし、上記構成であっても、金属ブッシュ16の熱発散量を超える熱が発生
した場合には、絶縁樹脂の耐熱温度を超えてしまい外枠15が熱変形してしまう
という同様の問題があった。
【0011】
また、図18及び図19に示す一重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは、
金属(アルミ)などの導電材料で形成された外枠17と、この外枠17に収容さ
れる固定子2a及び回転子2bから成るモータ2と、このモータ2の回転子端部
を回転可能に支承する軸受3と、この軸受3を保持するために外枠17に形成さ
れた回転子支持部17aと、上記回転子2aの整流子2cに電気的に接触するカ
ーボンブラシ4と、このカーボンブラシ4を収容し且つ上記外枠17に固定され
るカーボンブラシホルダ5とを有しており、更に回転子2aの反整流子側に設け
た動力伝達用歯車6と、この動力伝達用歯車6からの回転動力を図示しない出力
軸を介して当該出力軸に接続されている砥石やディスクなどの先端工具とを備え
ている。また、上述した構成において、カーボンブラシホルダ5が強化絶縁され
ていると共に、固定子2a,回転子2b及び電源線7に施された機能絶縁により
一重絶縁を図っている。
【0012】
このような構成において、作業者は、モータ2に電力を供給するための図示し
ないスイッチを操作することにより回転子2bを回転させ、その回転動力を動力
伝達用歯車6及び出力軸を介して先端工具に伝達することで、被加工物の研削・
研磨作業を行っている。
【0013】
よって、作業者が把持する外枠17が金属絶縁樹脂料により形成されているた
め、固定子2aや回転子2bの充電部やヨークで発生する熱に加えて軸受3の潤
滑油劣化や破損などにより回転子支持部17aが加熱されたり、整流悪化により
発生した高熱がカーボンブラシ4からカーボンブラシホルダ5を介して外枠17
に伝達されても、この外枠17の表面から放熱することができるため、外枠17
が熱変形してしまうことを抑制することができ、しかもこれに伴い回転子2bを
回転可能に支承する軸受3を外枠17の回転子支持部17aに確実に保持するこ
とができると共に、誤って上記グラインダを落下させてしまった場合などに生じ
る外部負荷により外枠17が変形或いは破損し難くすることができる。
【0014】
しかし、上記構成では、金属などの導電性物質を加工する際に継続的に金属粉
が発生すると、短絡にいたる沿面距離が短いため、漏電に対する安全性が低下し
てしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図14〜図17に示す二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの構成では、
上述したように固定子や回転子の充電部やヨークで発生する熱に加えて軸受の潤
滑油劣化や破損などにより回転子支持部が加熱されるため、外枠の耐熱温度を超
えてしまった場合には、外枠の回転子支持部周辺が熱変形してしまうという不具
合があった。また、整流悪化により発生した高熱がカーボンブラシからカーボン
ブラシホルダを介して外枠に伝達されるため、外枠の耐熱温度を超えてしまった
場合には、カーボンブラシホルダ周辺の外枠が熱変形してしまうという不具合が
あった。このように外枠が熱変形してしまうと、回転子を回転可能に支承する軸
受を外枠の回転子支持部に確実に保持することができなくなりモータの性能が低
下してしまうと共に、誤って上記グラインダを落下させてしまった場合などに生
じる外部負荷により外枠が変形或いは破損し易くなってしまうという問題があっ
た。なお、この問題を解消するためには、新しい外枠に交換して使用しなければ
ならないため、作業者に対して作業上或いは費用上の面で負担を与えてしまうと
共に、資源の有効利用が行えないという不具合が生じてしまう。
【0016】
また、図18及び図19に示す一重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの構
成では、上述したように金属などの導電性物質を加工する際に継続的に金属粉が
発生すると、短絡にいたる沿面距離が短いため、漏電に対する安全性が低下して
しまうという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、上記問題を解消し、外枠の耐熱性及び物理的耐久性を確保し
且つ漏電に対する安全性に優れ、更に外枠外形のコンパクト化が図れる二重絶縁
を有する安価な電動工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的は、 前後方向に延びる固定子と、後端に整流子を有する回転子からなるモータと、整流子に接触するカーボンブラシと、カーボンブラシを収容するカーボンブラシホルダと、モータを収容する外枠と、を備えた電動工具において、外枠の外側の層を金属で形成するとともに内側の層を絶縁材で形成し、カーボンブラシホルダが外側の層と内側の層とを貫通してカーボンブラシホルダが内側の層と係合して保持されることにより達成される。
【0019】
また、上記目的は、外枠の後方にテールカバを設けて外枠とテールカバの間にカーボンブラシホルダを挟み込んで保持したことにより達成される。
【0020】
また、上記目的は、成型用金型に外側の層を固定する第1の工程と、成型用金型に溶融した絶縁材を射出して内側の層を形成する第2の工程と、成型用金型から外枠を取り出す第3の工程と、を有することにより達成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回転子支持部から外枠の内面に至り絶縁部を設けることで、
外枠の耐熱性及び物理的耐久性を確保し且つ漏電に対する安全性に優れ、更に外
枠外形のコンパクト化が図れる二重絶縁を有する安価な電動工具を提供すること
ができる。
【0022】
また、本発明によれば、回転子支持部から外枠の内外面に至り絶縁部を設ける
ことで、外枠の耐熱性及び物理的耐久性を確保し且つ漏電に対する安全性に優れ
、更に外枠外形のコンパクト化が図れる二重絶縁を有する安価な電動工具を提供
することができる。
【0023】
また、本発明によれば、外枠に絶縁樹脂材料から成る2つ以上の絶縁部材を、
外枠の内面及び回転子支持部の周囲を覆うように設けることで、外枠の耐熱性及
び物理的耐久性を確保し且つ漏電に対する安全性に優れた二重絶縁を有する安価
な電動工具を提供することができる。
【0024】
また、本発明によれば、外枠が変形しない強度を有する複数の金型により外枠
を所定の位置に支持する第1の工程と、金型内にある一定条件のもと射出口から
溶融した絶縁樹脂材料が流し込こむ第2の工程と、金型と外枠との間に絶縁層を
形成する第3の工程とから絶縁部を形成しているので、外枠の耐熱性及び物理的
耐久性を確保し且つ漏電に対する安全性に優れ、更に外枠外形のコンパクト化が
図れる二重絶縁を有する安価な電動工具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本実施例における二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを図1〜図13を
用いて説明する。図1は駆動源であるモータ2を収容し且つ当該モータ2の回転
子2bを回転可能に支承する外枠1を有する二重絶縁式携帯用電気ディスクグラ
インダの一実施例を示す一部省略縦断側面図、図2は図1のA−A線断面図、図
3は図1のB−B線断面図、図4は図1における外枠1にテールカバー13を取
り付けた軸受周辺のネジ部11aを示す縦断側面図、図5は本発明になる外枠1
の内側及び軸受部1bを除く回転子支持部1aと支持リブ1cに射出成形によっ
て絶縁層11を設ける状態を示す概略構成図、図6は駆動源であるモータ2を収
容し且つ当該モータ2の回転子2bを回転可能に支承する外枠1を有する二重絶
縁式携帯用電気ディスクグラインダの他の実施例を示す一部省略縦断側面図、図
7は図6のC−C線断面図、図8は図6のD−D線断面図、図9は駆動源である
モータ2を収容し且つ当該モータ2の回転子2bを回転可能に支承する外枠1を
有する二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの更に他の実施例を示す一部省
略縦断側面図、図10は図9のE−E線断面図、図11は図9のF−F線断面図
、図12は図9のG−G線断面図、図13は図9における外枠1にテールカバー
13を取り付けた軸受周辺のネジ部12a1,12b1を示す縦断側面図である

【0026】
図1〜図5に示す二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは、金属(アルミ
)などの導電材料で形成された外枠(ハウジング)1と、この外枠1に収容され
る固定子2a及び回転子2bから成るモータ2と、このモータ2の回転子端部を
回転可能に支承する軸受3と、この軸受3を保持するために外枠1に形成された
回転子支持部1aと、上記回転子2bの整流子2cに電気的に接触するカーボン
ブラシ4と、このカーボンブラシ4を収容し且つ上記外枠1に固定されるカーボ
ンブラシホルダ5と、回転子2bの反整流子側に設けた動力伝達用歯車6と、こ
の動力伝達用歯車6からの回転動力を図示しない出力軸を介して当該出力軸に接
続されている砥石やディスクなどの先端工具と、上記モータへの電力供給を制御
する図示しないスイッチと、このスイッチや電源線(リードワイヤ)7などを収
容するテールカバ13とから構成されている。
【0027】
また、予め製作された外枠1の内面(内周内側)、及び軸受3の圧入される軸
受部1bを除く回転子支持部1aと当該支持部1aの支持リブ1cとの周囲には
、絶縁樹脂材料から成る絶縁部(絶縁層)11が射出成形により覆う形で設けら
れている。この射出成形法は図5に示すように外枠1が変形しない強度を有する
複数の金型(本実施例では3つの金型8,9,10)により外枠1を所定の位置
に支持した状態で行われており、金型10内に配置される金型8及び金型9の内
、まずは金型8から金型9の方向に向い金型8の射出口8aを通って溶融した絶
縁樹脂材料がある一定条件のもと流し込まれ金型8と外枠1との間に絶縁層11
を形成し、その後、絶縁樹脂材料が複数設けられている支持リブ1c間を流れ金
型9と外枠1との間、即ち外枠1の内面に絶縁層11を形成している。
【0028】
また、上述した構成において、カーボンブラシホルダ5が強化絶縁されている
と共に、固定子2a,回転子2b及び電源線7のそれぞれに機能絶縁が施されて
いる。このように電気部の保護絶縁が完全に行われることにより二重絶縁が実現
する。よって、金属製の外枠1を使用することができるため耐熱性及び物理的耐
久性を確保することができる、即ち固定子2a及び回転子2bの充電部やヨーク
で発生する熱に加えて軸受3の潤滑油劣化や破損などにより発生する熱が回転子
支持部1aから当該支持部の支持リブ1cを通り外枠1に伝わるため、この外枠
の表面全体がヒートシンクとして機能し大きな放熱能力が得られることから、絶
縁層11が熱変形することを抑制することができると共に、整流悪化により発生
した高熱がカーボンブラシ4からカーボンブラシホルダ5を介して外枠1に伝わ
り外枠1の表面で放熱されるため、上記同様に絶縁層11が熱変形することを抑
制することができ、更に外枠1が金属製のため耐熱温度を超えて熱変形してしま
うことがないため、外枠1の交換を必要としないことから使い回しができ資源の
有効利用が図れ且つ機械的強度が高いため上記グラインダを落下させてしまった
場合などに生じる外部負荷により外枠1が変形或いは破損してしまうことを抑制
することができると共に、上述した二重絶縁により例えば金属などの導電性物質
を加工する際に継続的に金属粉(粉塵)が作業現場に発生したとしても、固定子
2a及び回転子2bなどの充電部と外枠1との間の短絡にいたる沿面距離が長く
なるため、即ちモータの冷却のため外枠1に設けた風窓からファン作用により冷
却風を吸込む時に空気と共に金属粉を継続的に吸込んでしまうと、外枠1、テー
ルカバ13、カーボンブラシホルダ5などの突き当て境界面(沿面距離)に沿っ
た微小隙間部分に本体の振動も伴って金属粉が侵入、付着、堆積することにより
充電部に対する絶縁性を低下させてしまう不具合を招いてしまうのだが、本実施
例ではその距離が延びることで絶縁低下にいたるまでの金属粉の侵入、付着、堆
積の経過時間を引き延ばすことができ、しかも万一、絶縁低下が生じてしまった
場合でも延ばした距離に比例して抵抗値が大きくなり漏電電流を小さく抑制する
ことができるため、実質的に外枠1の短絡による漏電に対する作業者の安全性を
十分に確保(抑制)することができる。
【0029】
更に本実施例のように外枠1に対して射出成形により絶縁層11を設けると、
固定子2aの圧入される外枠1に成形される絶縁層11の層厚を小さく(最小肉
厚)することができるため、これにより作業者が把持する外枠1の外径(握り部
の外径)を小さくすることができ、結果的にコンパクトな二重絶縁式携帯用電気
ディスクグラインダを提供することができる。また、以下に図9〜図13を用い
て説明する他の二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの構成と異なり外枠1
に対して射出成形により絶縁層11を設けているため、絶縁樹脂材料から成る複
数の絶縁部材を外枠1に組込む作業をなくすことができるため、組立性の効率向
上が図れると共に、部品点数の削減による低コスト化が図れる。
【0030】
また、図4に示すように外枠1の反先端工具側にスイッチなどを収容するテー
ルカバー13を設ける場合には、上述した絶縁層11にネジ穴11aを設け、こ
のネジ穴11aにタッピンネジ14を締結する作業を行うだけで容易にテールカ
バー13を外枠1に取り付けることができるので、金属製の外枠1にテールカバ
ー13を直接的に取り付ける際に必要なタップ加工をなくすことができ、これに
より加工費を低減することができる。
【0031】
なお、上述のように構成された二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは、
モータ2に電力を供給するための図示しないスイッチを操作して回転子2bを回
転させ、その回転動力を回転子2bに設けた動力伝達用歯車6に伝達し、この動
力伝達用歯車6と噛み合う図示しない歯車を有する出力軸を介して当該出力軸に
接続される砥石やディスクなどの先端工具を回転させることにより、被加工物の
研削・研磨作業に使用される。
【0032】
また、図1〜図5に示す上述した二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは
、射出成形により外枠1の内側に絶縁層11を設けているが、図6〜図8に示す
二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダのように、射出成形により金属(アル
ミ)などの導電材料で形成された外枠1の内外面(内周外周側)に絶縁樹脂材料
から成る絶縁部(絶縁層)11を設けても上記同様の効果を得ることができる。
つまり、金属製の外枠1を使用することで耐熱性及び物理的耐久性を確保し、外
枠1の熱変形を防げるため、外枠1の交換を必要としないことから使い回しがで
き資源の有効利用が図れ、且つ機械的強度が高いため上記グラインダを落下させ
てしまった場合などに生じる外部負荷により外枠1が変形或いは破損してしまう
ことを抑制することができると共に、上述した二重絶縁により例えば金属などの
導電性物質を加工する際に継続的に金属粉(粉塵)が作業現場に発生したとして
も、固定子2a及び回転子2bなどの充電部と外枠1との間の短絡にいたる沿面
距離が長くなるため、即ちモータの冷却のため外枠1に設けた風窓からファン作
用により冷却風を吸込む時に空気と共に金属粉を継続的に吸込んでしまうと、外
枠1、テールカバ13、カーボンブラシホルダ5などの突き当て境界面(沿面距
離)に沿った微小隙間部分に本体の振動も伴って金属粉が侵入、付着、堆積する
ことにより充電部に対する絶縁性を低下させてしまう不具合を招いてしまうのだ
が、本実施例ではその距離が延びることで絶縁低下にいたるまでの金属粉の侵入
、付着、堆積の経過時間を引き延ばすことができ、しかも万一、絶縁低下が生じ
てしまった場合でも延ばした距離に比例して抵抗値が大きくなり漏電電流を小さ
く抑制することができるため、実質的に外枠1の短絡による漏電に対する作業者
の安全性を十分に確保(抑制)することができる。更に本実施例のように外枠1
に対して射出成形により絶縁層11を設けると、固定子2aの圧入される外枠1
に成形される絶縁層11の層厚を小さく(最小肉厚)することができるため、こ
れにより作業者が把持する外枠1の外径(握り部の外径)を小さくすることがで
き、結果的にコンパクトな二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを提供する
ことができる。また、以下に図9〜図13を用いて説明する他の二重絶縁式携帯
用電気ディスクグラインダの構成と異なり外枠1に対して射出成形により絶縁層
11を設けているため、絶縁樹脂材料から成る複数の絶縁部材を外枠1に組込む
作業をなくすことができるため、組立性の効率向上が図れると共に、部品点数の
削減による低コスト化が図れる。
【0033】
次に図9〜図13を用いて二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの更に他
の実施例を説明する。図9〜図13に示す二重絶縁式携帯用電気ディスクグライ
ンダは、金属(アルミ)などの導電材料で形成された外枠(ハウジング)1と、
この外枠1に収容される固定子2a及び回転子2bから成るモータ2と、このモ
ータ2の回転子端部を回転可能に支承する軸受3と、この軸受3を保持するため
に外枠1に形成された回転子支持部1aと、上記回転子2bの整流子2cに電気
的に接触するカーボンブラシ4と、このカーボンブラシ4を収容し且つ上記外枠
1に固定されるカーボンブラシホルダ5とを有しており、更に回転子2bの反整
流子側に設けた動力伝達用歯車6と、この動力伝達用歯車6からの回転動力を図
示しない出力軸を介して当該出力軸に接続されている砥石やディスクなどの先端
工具と、上記モータへの電力供給を制御する図示しないスイッチと、このスイッ
チや電源線(リードワイヤ)7などを収容するテールカバ13とから構成されて
いる。
【0034】
また、予め製作された外枠1に対して個別に製作した複数の絶縁樹脂材料から
成る絶縁部材12(絶縁ピース12a,絶縁ブロック12b)を組込んでおり、
外枠1の内面を絶縁ピース12aで覆い、軸受3の圧入される軸受部1bを除く
回転子支持部1aと当該支持部1aの支持リブ1cとを挟み込む形で絶縁ブロッ
ク12bで覆っている。
【0035】
また、上述した構成において、カーボンブラシホルダ5が強化絶縁されている
と共に、固定子2a,回転子2b及び電源線7のそれぞれに機能絶縁が施されて
いる。このように電気部の保護絶縁が完全に行われることにより二重絶縁が実現
する。よって、金属製の外枠1を使用することができるため耐熱性及び物理的耐
久性を確保することができる、即ち固定子2a及び回転子2bの充電部やヨーク
で発生する熱に加えて軸受3の潤滑油劣化や破損などにより発生する熱が回転子
支持部1aから当該支持部の支持リブ1cを通り外枠1に伝わるため、この外枠
の表面全体がヒートシンクとして機能し大きな放熱能力が得られることから、絶
縁ピース12a及び絶縁ブロック12bが熱変形することを抑制することができ
ると共に、整流悪化により発生した高熱がカーボンブラシ4からカーボンブラシ
ホルダ5を介して外枠1に伝わり外枠1の表面で放熱されるため、上記同様に絶
縁ピース12a及び絶縁ブロック12bが熱変形することを抑制することができ
、更に外枠1が金属製のため耐熱温度を超えて熱変形してしまうことがないため
、外枠1の交換を必要としないことから使い回しができ資源の有効利用が図れ且
つ機械的強度が高いため上記グラインダを落下させてしまった場合などに生じる
外部負荷により外枠1が変形或いは破損してしまうことを抑制することができる
と共に、上述した二重絶縁により例えば金属などの導電性物質を加工する際に継
続的に金属粉(粉塵)が作業現場に発生したとしても、固定子2a及び回転子2
bなどの充電部と外枠1との間の短絡にいたる沿面距離が長くなるため、即ち外
枠1、テールカバ13、カーボンブラシホルダ5などの突き当て境界面(沿面距
離)に沿った部分に金属粉が侵入、付着、堆積することで充電部に対する絶縁性
を低下させてしまっているのだが、本実施例ではその距離が延びることで絶縁低
下にいたるまでの金属粉の侵入、付着、堆積の経過時間を引き延ばすことができ
、しかも万一、絶縁低下が生じてしまった場合でも延ばした距離に比例して抵抗
値が大きくなり漏電電流を小さく抑制することができるため、実質的に外枠1の
短絡による漏電に対する作業者の安全性を十分に確保(抑制)することができる

【0036】
また、図13に示すように外枠1の反先端工具側にスイッチなどを収容するテ
ールカバー13を設ける場合には、上述した絶縁ピース12a及び絶縁ブロック
12bにそれぞれネジ穴12a1,12b1を設け、このネジ穴12a1,12
b1にタッピンネジ14を締結する作業を行うだけで容易にテールカバー13を
外枠1に取り付けることができるので、金属製の外枠1にテールカバー13を直
接的に取り付ける際に必要なタップ加工をなくすことができ、これにより加工費
を低減することができる。
【0037】
なお、上述のように構成された二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダは、
モータ2に電力を供給するための図示しないスイッチを操作して回転子2bを回
転させ、その回転動力を回転子2bに設けた動力伝達用歯車6に伝達し、この動
力伝達用歯車6と噛み合う図示しない歯車を有する出力軸を介して当該出力軸に
接続される砥石やディスクなどの先端工具を回転させることにより、被加工物の
研削・研磨作業に使用される。
【0038】
以上のことから、図1〜図13に示す二重絶縁構成により、金属の外枠1を絶
縁樹脂材料による絶縁層11、または2個の絶縁部材12で覆うことにより、耐
熱性及び物理的耐久性の確保は勿論のこと漏電に対する安全性を確保することが
でき、更に射出成形により絶縁層11を設ければ、外枠1に固定子絶縁用部品で
ある絶縁ピース12aを挿入する場合、絶縁ピース12aに組込み上ある適当な
強度を持たせる必要があったためどうしても絶縁ピース12aの肉厚が大きくな
ってしまっていたが、組込む際の強度を考慮した肉厚にする必要がないため絶縁
に必要な最小肉厚にすることができ、これにより外枠1の外径をコンパクトに設
計できる安価な二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを提供することができ
る。
【0039】
なお、上述した本実施例では、外枠1に射出成形により絶縁層11を設ける構
成及び方法と、外枠1に個別に製作した絶縁部材12である絶縁ピース12a及
び絶縁ブロック12bを設ける構成及び方法について説明したが、他の構成及び
方法としてこれらを組合せて例えば外枠1の内側を射出成形により絶縁層11を
設け、軸受3の圧入される軸受部1bを除く回転子支持部1aと当該支持部1a
の支持リブ1cとを挟み込む形で絶縁ブロック12bで覆う構成にしても良い。
また、絶縁ピース12a及び絶縁ブロック12bの2つの絶縁部材12で絶縁を
行ったが、特に2つの絶縁部材12に限る必要はなく、2つ以上の絶縁部材12
を使用して絶縁を行っても良い。また、上述した本実施例では、二重絶縁式携帯
用電気ディスクグラインダをもとに説明したが、本技術は上記製品に限定される
ものではなく、これ以外の電動工具にも広く活用可能なものである。特に筒形の
外枠1を有する電動工具であれば適応可能であり、サンダ,ポリッシャ,ドリル
,ハンマ,ハンマドリルなどに適応可能と考える。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明になる二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの一実施例を示しており、駆動源であるモータを収容し且つ当該モータの回転子を回転可能に支承する外枠を有する一部省略縦断側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1における外枠にテールカバーを取り付けた軸受周辺のネジ部を示す縦断側面図である。
【図5】本発明になる外枠の内側及び軸受部を除く回転子支持部と支持リブに射出成形によって絶縁層を設ける状態を示す概略構成図である。
【図6】本発明になる二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの他の実施例を示しており、駆動源であるモータを収容し且つ当該モータの回転子を回転可能に支承する外枠を有する一部省略縦断側面図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【図8】図6のD−D線断面図である。
【図9】本発明になる二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダの更に他の実施例を示しており、駆動源であるモータを収容し且つ当該モータの回転子を回転可能に支承する外枠を有する一部省略縦断側面図である。
【図10】図9のE−E線断面図である。
【図11】図9のF−F線断面図である。
【図12】図9のG−G線断面図である。
【図13】図9における外枠にテールカバーを取り付けた軸受周辺のネジ部を示す縦断側面図である。
【図14】従来における二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを示しており、駆動源であるモータを収容し且つ当該モータの回転子を回転可能に支承する外枠を有する一部省略縦断側面図である。
【図15】図14のH−H線断面図である。
【図16】従来における他の二重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを示しており、駆動源であるモータを収容し且つ当該モータの回転子を回転可能に支承する外枠に金属ブッシュを有する一部省略縦断側面図である。
【図17】図16図のI−I線断面図である。
【図18】従来の一重絶縁式携帯用電気ディスクグラインダを示しており、駆動源であるモータを収容し且つ当該モータの回転子を回転可能に支承する外枠を有する一部省略縦断側面図である。
【図19】図18のJ−J線断面図である
【符号の説明】
【0041】
1は外部、1aは回転子支持部、1bは軸受部、1cは支持リブ、2はモータ
、2aは固定子、2bは回転子、2cは整流子、3は軸受、4はカーボンブラシ
、5はカーボンブラシホルダ、6は動力伝達用歯車、7は電源線、8は金型、8
aは射出口、9は金型、10は金型、11は絶縁層、11aはネジ穴、12は絶
縁部材、12aは絶縁ピース、12a1はネジ穴、12bは絶縁ブロック、12
b1はネジ穴、13はテールカバー、14はタッピンネジ、15は樹脂製外枠、
15aは回転子支持部、15bは軸受部、16は金属ブッシュ、17は金属製外
枠、17aは回転子支持部、17bは軸受部である。
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−114320(P2008−114320A)
【公開日】 平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願番号】 特願2006−299025(P2006−299025)