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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】小野瀬 美代次

【要約】 【課題】ファンガイドの破損や異音の発生を防ぐことができる電動工具を提供すること。

【解決手段】ハウジング2内に駆動源としてのモータ3を収容し、該モータ3のモータ軸4に冷却ファン(ファン)6を固着するとともに、該冷却ファン6の周囲にファンガイド16を配設したオービタルサンダー(電動工具)1において、前記ファンガイド16の表面に吸音層17を形成する。又、前記吸音層17を軟質系のゴム又は樹脂で構成する。本発明によれば、ファンガイド16の表面に軟質系のゴム又は樹脂から成る吸音層17を形成したため、ファンガイド16に振動が伝播しても、この振動が吸音材17によって効果的に吸収され、振動によるファンガイド16の破損や異音の発生が防がれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に駆動源としてのモータを収容し、該モータのモータ軸にファンを固着するとともに、該ファンの周囲にファンガイドを配設した電動工具において、
前記ファンガイドの表面に吸音層を形成したことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記吸音層を軟質系のゴム又は樹脂で構成したことを特徴とする請求項1記載の電動工具。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源であるモータを冷却するための冷却ファンとその周囲に配設されたフィンガイドを備える電動工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、オービタルサンダーは、駆動源であるモータの出力軸(モータ軸)の軸中心に対して偏心して直結されたベースの揺動円運動によって、パッドの底面に装着された研磨紙によって被研磨材の表面を研磨する工具である。このオービタルサンダーにおいては、モータを冷却する冷却風を誘起するための冷却ファンがモータ軸に固着されるとともに、冷却ファンの周囲にファンガイドが配設されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−246531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、オービタルサンダーにおいては、ベースに取り付けられたパッドや該パッドの底面に装着された研磨紙等がモータ軸に対して偏心して回転するため、これらが振動し、その振動がハウジングを介してファンガイドへと伝播し、ファンガイドが破損したり、異音が発生するという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ファンガイドの破損や異音の発生を防ぐことができる電動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ハウジング内に駆動源としてのモータを収容し、該モータのモータ軸にファンを固着するとともに、該ファンの周囲にファンガイドを配設した電動工具において、前記ファンガイドの表面に吸音層を形成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記吸音層を軟質系のゴム又は樹脂で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ファンガイドの表面に軟質系のゴム又は樹脂から成る吸音層を形成したため、ファンガイドに振動が伝播しても、この振動が吸音材によって効果的に吸収され、振動によるファンガイドの破損や異音の発生が防がれ、電動工具の耐久性の向上と作業環境の改善が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明に係る電動工具の一形態としてのオービタルサンダーの破断側面図、図2は同オービタルサンダーのパッドと研磨紙の底面図、図3は図1のA−A線断面図、図4はファンガイドの底面図、図5は図4のB−B線断面図である。
【0010】
図1に示すオービタルサンダー1においては、ハウジング2内に駆動源としてのモータ3が縦置き状態で収納されており、このモータ3の垂直下方に延びるモータ軸4の基端部はボールベアリング5によって回転可能に支持されている。そして、このモータ軸4のベアリング5よりも下方の部位には冷却ファン6が固着されている。この冷却ファン6は、集塵ファンを兼ねるものであって、上面には複数枚の冷却羽根6aが設けられ、下面には同じく複数枚の集塵羽根6bが設けられている。
【0011】
上記冷却ファン6のボス部6cの下端部外周は、モータ軸4の軸中心に対して図示のεだけ偏心した偏心軸を構成しており、この偏心軸にボールベアリング7が嵌着され、このボールベアリング7は、モータ軸4の下面にボルト8にて取り付けられた円板状のプレート9によって抜け止めが図られている。従って、ボールベアリング7は、モータ軸4の軸中心に対して図示のεだけ偏心して取り付けられており、このボールベアリング7には矩形プレート状のベース10が固定され、このベース10にはクリップ11が設けられるとともに、パッド12が固着されている。
【0012】
上記ベース10とパッド12には、図2に示すように、相対向する長辺側端縁の内側に各4つの集塵孔13が適当な間隔でそれぞれ穿設されており、図1に示すように、ベース10の上面の中心部には円筒状の嵌合部10aが一体に立設されている。そして、ベース10は、前記嵌合部10aをボールベアリング7の外周に嵌着することによってモータ軸4の下端部に取り付けられ、その上面の四隅がハウジング2から下方へ延びる撓曲可能な複数本のレッグ14によって支持されている。
【0013】
又、パッド12の下面には研磨紙15が装着されており、該研磨紙15の端部は上方へ折り曲げられて前記クリップ11によってパッド12に固定されている。
【0014】
他方、図1に示すように、ハウジング2内の前記冷却ファン6の周囲にはファンガイド16が配設されている。このファンガイド16は、図5に示すように、上面が開口する略円筒状部材であって、その上部外周には複数の位置決めリブ16aが一体に突設され、図4に示すように、下面の中央部には円孔16bが形成され、下面の相対向する2箇所には取付ブラケット16cが一体に形成されている。
【0015】
而して、本実施の形態においては、図4及び図5に示すように、ファンガイド16の外周面には、軟質系のゴム又は樹脂から成る吸音層17が形成されている。そして、このファンガイド16の外周の一部には、開口部16dが形成されており、この開口部16dには矩形ダクト状のダストゲート18が接続されている。
【0016】
上記ダストゲート18が接続されたファンガイド16は、前記取付ブラケット16cに下方から挿通するビス19(図3参照)によってハウジング2に固定されている。このようにファンガイド16がハウジング2に固定されると、これに接続されたダストゲート18が図1に示すようにハウジング2の外周部に突設されたダストノズル2aに接続される。尚、ハウジンク2のダストノズル2aには集塵袋20が取り付けられている。
【0017】
ところで、図1に示すように、ハウジング2のハンドル部2bには、前記モータ3に給電するための電源コード21が接続されており、ハンドル部2bの基端部には、モータ3への給電をON/OFFするためのスイッチ22が設けられている。
【0018】
以上のように構成されたオービタルサンダー1のハンドル部2bを把持してスイッチ10をONすると、モータ3が駆動されてモータ軸4が回転駆動される。ここで、ボールベアリング7は、前述のようにモータ軸4の軸中心に対してεだけ偏心しているため、該ボールベアリング7とこれに固定されたベース10とパッド12が揺動円運動し、パッド12に装着された研磨紙15によって木材等の表面が研磨される。尚、ベース10とパッド12のボールベアリング7との連れ回りはレッグ14によって規制される。
【0019】
又、モータ軸4の回転と共に冷却ファン6が一体的に回転し、この冷却ファン6の冷却羽根6aの回転によって誘起される冷却風がハウジング2内を上方へ流れてモータ3を冷却し、集塵羽根6bの回転によってファンガイド16内には負圧が発生する。そして、木材等の研磨によって発生した粉塵は、複数の吸塵孔13からハウジング2内へと吸い込まれ、ファンガイド16の下面に開口する円孔16bからファンガイド16内に流入し、ファンガイド16の開口部16dからダストゲート18及びダストノズル2aを通って集塵袋12へと回収される。
【0020】
而して、オービタルサンダー1においては、ベース10に取り付けられたパッド12や該パッド12の底面に装着された研磨紙15等がモータ軸4に対して偏心して回転するため、これらが振動し、その振動がハウジング2を介してファンガイドへ16と伝播するが、本実施の形態では、ファンガイド16の外周面に軟質系のゴム又は樹脂から成る吸音層17を形成したため、ファンガイド16に振動が伝播しても、この振動が吸音材17によって効果的に吸収され、振動によるファンガイド16の破損や異音の発生が防がれ、当該オービタルサンダー1の耐久性の向上と作業環境の改善が図られる。
【0021】
尚、本実施の形態では、本発明を特にオービタルサンダーに適用した形態について説明したが、本発明は、駆動源であるモータを冷却するための冷却ファンとその周囲に配設されたフィンガイドを備えた他の任意の電動工具に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るオービタルサンダーの破断側面図である。
【図2】本発明に係るオービタルサンダーのパッドと研磨紙の底面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係るオービタルサンダーのファンガイドの底面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 オービタルサンダー(電動工具)
2 ハウジング
2a ダストノズル
2b ハンドル部
3 モータ
4 モータ軸
5 ボールベアリング
6 冷却ファン(ファン)
6a 冷却ファンの冷却羽根
6b 冷却ファンの集塵羽根
6c 冷却ファンのボス部
7 ボールベアリング
8 ボルト
9 プレート
10 ベース
10a ベースの嵌合部
11 クリップ
12 パッド
13 集塵孔
14 レッグ
15 研磨紙
16 ファンガイド
16a ファンガイドの位置決めリブ
16b ファンガイドの円孔
16c ファンガイドの取付ブラケット
16d ファンガイドの開口部
17 吸音材
18 ダストゲート
19 ビス
20 集塵袋
21 電源コード
22 スイッチ
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年10月18日(2006.10.18)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−100302(P2008−100302A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2006−283192(P2006−283192)