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【発明の名称】 気体圧工具用のカウンタ装置
【発明者】 【氏名】原田 善則

【要約】 【課題】既存の気体圧工具に対して安価かつ容易に適用することができ、しかも誤作動の可能性の小さい、気体圧工具用のカウンタ装置を提供する。

【解決手段】カウンタ装置1は、カプラ3により気体圧工具6と接続し、カプラ4により加圧気体供給源12と接続する。気体圧工具6が作動されるごとに、カプラ3,4間の気体導管16を流れる気体が所定値を越える流量変化を示すと、気体流量センサ17がカウンタ18に信号を送る。所定のカウント数が達成されると、音声発生手段20が作動して作業者に知らせる。同時に、ディスプレイ19の表示も作業の終了を知らせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体圧工具にして、内蔵するバルブを制御して加圧気体供給源からの加圧気体を断続的に送り出すことにより作業を行う気体圧工具に用いられるカウンタ装置であって、
気体圧工具の気体導入口と連通可能な第1の接続手段と、
加圧気体供給源の気体供給口と連通可能な第2の接続手段と、
前記第1の接続手段と前記第2の接続手段との間に設けられた気体導管と、
前記気体導管に設けられた気体流量センサと、
前記気体流量センサが所定値を越える流量変化を検知したことに応答して、その検知の回数をカウントするカウンタと、
所定のカウント数が達成されたときにそれを作業者に認識させるための認識手段と、
を備える気体圧工具用のカウンタ装置。
【請求項2】
前記第1の接続手段および前記第2の接続手段が、気体圧工具の気体導入口および加圧気体供給源の気体供給口に対してそれぞれ着脱自在となされている、請求項1に記載のカウンタ装置。
【請求項3】
前記気体流量センサの検知とは独立して前記カウンタのカウント数を加減するための加減スイッチをさらに備える、請求項1または2に記載のカウンタ装置。
【請求項4】
前記認識手段が、音声発生手段を含む、請求1ないし3のいずれかに記載のカウンタ装置。
【請求項5】
前記認識手段が、カウント数を目視可能に表示するディスプレイを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のカウンタ装置。
【請求項6】
さらに、
前記第1の接続手段と気体圧工具の気体導入口との間を連結するホースと、
気体圧工具の近傍にて前記ホースに設けられ手動操作可能な気体排出バルブと、
前記気体流量センサが前記所定値を超える流量変化を連続して検知した時間を計測し、該時間が所定時間を超えたときに前記カウンタをリセットする信号を該カウンタへ送るようになされたタイマと、
を備える、請求項1ないし6のいずれかに記載のカウンタ装置。
【請求項7】
前記ホースが気体圧工具の気体導入口に対して着脱自在となされている、請求項6に記載のカウンタ装置。
【請求項8】
前記カウンタのカウント数が前記所定の数に達する前には、前記信号により前記カウンタがリセットされないようになされている、請求項6または7に記載のカウンタ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気等の加圧気体をバルブ操作によって断続的に送り出すことにより、その気体圧力を利用してネジを回したり、釘やリベットを打ったりする、気体圧工具に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、かかる気体圧工具用のカウンタ装置に関する。
【0002】
例えばある作業現場で一つの製品に締め付けられるビスの数は決まっている。しかしながら、1,2本をうっかり締め忘れることもある。この問題を解決するために、一連の作業後に製品すべてをチェックすることを義務づければ、多大の検査工数が必要となる。一連の作業後に、用意したビスの残りの本数を確認することにより、締め忘れの有無をチェックしても、どの製品に締め忘れがあったかを特定することはできない。
【0003】
したがって、個々の実作業終了と同時に使用ビスの数量を簡単に確認できるようにすることが望ましい。
【背景技術】
【0004】
圧力センサを利用した、エアドライバ用カウンタ装置が知られている。特開平6−238572には、かかるカウンタ装置と、該カウンタ装置とともに用いられる圧力センサとが開示されている。圧力センサは、空圧工具であるエアドライバと加圧空気供給源との間に設けられている。圧力センサは、エアドライバの駆動時における空気圧力のわずかな変化を検知する。検知された空気圧力変化は電気信号に変えられ、該電気信号に基づいてカウンタ装置がエアドライバの駆動回数をカウントする。作業に必要なビスの数をあらかじめ設定しておけば、その数がディスプレイに表示される。エアドライバを駆動させるごとにカウントが重ねられ、ディスプレイの数値は減ってゆく。作業の完了は、ディスプレイの数値がゼロになったことと、それと同時に発生されるブザーの音とにより、作業者に認識される。
【特許文献1】特開平6−238572
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような圧力センサを利用したカウンタ装置の場合、大きな欠点がある。それは、圧力センサの取り付け位置に起因する。圧力センサは、圧力の変化を検出するため、気体圧力の変化が比較的大きな場所、すなわち、気体圧工具内で加圧気体の流れを制御するバルブのすぐ下流の位置に取り付ける必要がある。そのためには、既存の気体圧工具を分解して内部に圧力センサを組み込むように改造するか、気体圧工具製造時にあらかじめ圧力センサを組み込んでおかなくてはならない。かかる改造は不可能または困難を伴う場合があり、また、あらかじめ圧力センサを工具内部に組み込んでおく方法は、根本的な設計変更を余儀なくされる。
【0006】
あえて圧力センサを気体圧工具の外部、すなわち、気体圧工具と加圧気体供給源との間の気体導管に設けた場合、誤作動の可能性が大きい。工具の外部では、工具駆動時における圧力変動が小さく、また、一つの気体導管に複数の気体圧工具を接続したときに、一つの気体圧工具の駆動により生ずる圧力変動によって、他の気体圧工具に関連する圧力センサに誤作動が生じやすいからである。
【0007】
そこで本発明の課題は、既存の気体圧工具に対して安価かつ容易に適用することができ、しかも従来技術におけるような圧力変動による誤作動の心配がない、気体圧工具用のカウンタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明によれば、
気体圧工具にして、内蔵するバルブを制御して加圧気体供給源からの加圧気体を断続的に送り出すことにより作業を行う気体圧工具に用いられるカウンタ装置であって、
気体圧工具の気体導入口と連通可能な第1の接続手段と、
加圧気体供給源の気体供給口と連通可能な第2の接続手段と、
前記第1の接続手段と前記第2の接続手段との間に設けられた気体導管と、
前記気体導管に設けられた気体流量センサと、
前記気体流量センサが所定値を越える流量変化を検知したことに応答して、その検知の回数をカウントするカウンタと、
所定のカウント数が達成されたときにそれを作業者に認識させるための認識手段と、
を備える気体圧工具用のカウンタ装置、
が提供される。
【0009】
前記第1の接続手段および前記第2の接続手段は、気体圧工具の気体導入口および加圧気体供給源の気体供給口に対してそれぞれ着脱自在とすることができる。
【0010】
本発明のカウンタ装置は、さらに、前記気体流量センサの検知とは独立して前記カウンタのカウント数を加減するための加減スイッチを備えることができる。
【0011】
前記認識手段は、音声発生手段を含むことができる。
【0012】
前記認識手段は、カウント数を目視可能に表示するディスプレイを含むこともできる。
【0013】
本発明によるカウンタ装置は、さらに、
前記第1の接続手段と気体圧工具の気体導入口との間を連結するホースと、
気体圧工具の近傍にて前記ホースに設けられ手動操作可能な気体排出バルブと、
前記気体流量センサが前記所定値を超える流量変化を連続して検知した時間を計測し、該時間が所定時間を超えたときに前記カウンタをリセットする信号を該カウンタへ送るようになされたタイマと、
を備えるものとしてもよい。
【0014】
この場合、前記ホースを気体圧工具の気体導入口に対して着脱自在とすることができる。
【0015】
また、前記カウンタのカウント数が前記所定の数に達する前には、前記信号により前記カウンタがリセットされないようにすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による気体圧工具用のカウンタ装置は、気体流量センサを利用して作業回数をカウントするようになされている。気体流量センサは、他の機器の作動による圧力変動の影響で誤作動するおそれがないので、加圧気体供給源の下流側のいずれの位置にも配置することができる。
【0017】
したがって、カウンタ装置を気体圧工具の外部に配置することができるので、気体圧工具を改造したり設計変更することなく、多くの種類の気体圧工具にカウンタ装置を適用することが可能となる。
【0018】
本発明による気体圧工具用のカウンタ装置は、実作業時にビスの締め忘れ等を確実にチェックできるので、品質管理に大きく寄与すると同時に、多大な工数を要する事後の検査作業を省略することができる。
【0019】
カウンタ装置がさらにホース、気体排出バルブおよびタイマを備える場合、作業者は気体圧工具の位置から離れることなくカウンタをリセットすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明によるカウンタ装置の一実施形態を、気体圧工具および加圧気体供給源とともに模式的に示した図である。カウンタ装置1は、種々の構成要素を内部に収容するハウジング2を有する。ハウジング2には、カプラ3(第1の接続手段)とカプラ4(第2の接続手段)とが設けられている。カプラ3は、ホース5を介して気体圧工具6の加圧気体導入口7と連通している。ホース5の端部8はカプラ3と着脱自在に接続されており、ホース5の端部9は気体導入口7と着脱自在に接続されている。
ホース5には、気体圧工具6の近傍にて気体排出バルブ10を設けることができる。この気体排出バルブ10をホース5に設けることは任意である。また、気体排出バルブ10および該バルブ8を設けたホース5をカウンタ装置の構成要素として含むことも任意である。気体排出バルブ10は、作業者が手動操作して開くことにより、ホース5内の加圧気体を外部に排出することを可能にする。
カプラ4は、ホース11を介して気体供給源12の気体供給口13と連通している。ホース11の端部14はカプラ4と着脱自在に接続されており、ホース11の端部15は加圧気体供給源12の気体供給口13と着脱自在に接続されている。
【0021】
・ カプラ3とカプラ4との間には気体導管16が設けられ、加圧気体供給源12からの加圧気体がカウンタ装置1を通して気体圧工具6へと供給されるようになされている。
【0022】
気体圧工具6としては、加圧気体を利用するさまざまな種類の工具を適用することができる。例えば、板金組立に使用されるリベット打ち機、木工産業で使用される釘打ち機、機械部品や電気部品の組立に使用されるエアドライバなどがある。加圧空気を利用する工具のほか、空気以外の加圧気体を利用する工具なども本発明の適用対象である。
【0023】
気体圧工具6内には、バルブ(図示せず)が内蔵されている。このバルブの開閉を制御することにより、気体圧工具6は加圧気体供給源12からの加圧気体を断続的に送り出し、リベット打ち等の作業を行う。
【0024】
気体導管16には、気体流量センサ17のセンサヘッド部17aが設けられている。センサヘッド部17aは、その内部を流れる加圧気体の流量の変化が、あらかじめ設定された所定値を越えたことを検知すると、気体流量センサ17の制御部17bへと信号を送るようになされている。この信号は制御部17bで増幅され、カウンタ18へと送られる。制御部17bに接続されたカウンタ18は、制御部17bから信号を受けるごとにカウントを行う。カウント数は、カウンタ18に接続されたディスプレイ19に表示される。作業者はディスプレイ19を目視してカウント数を認識することができる。
【0025】
カウンタ18は、所定のカウント数をあらかじめ設定されることができる。設定された所定値にカウント数が達すると、ブザー等の音声発生手段20が作動して作業者に認識させる。
また、加減スイッチ21を操作することにより、カウント数を加減することができる。
さらにまた、リセットスイッチ22を操作することにより、カウンタ18のカウント数をリセットすることができる。作業者は、ディスプレイ19または音声発生手段20によって所定のカウント数が達成されたことを確認したならば、リセットスイッチ22を操作してカウンタ18をリセットする。
【0026】

カプラ3および4は着脱自在な接続手段なので、カウンタ装置1は、所望の気体圧工具6と加圧気体供給源12との間に取り外し自在に設けることができる。また、ホース5および11も、気体圧工具6および加圧気体供給源12に対して着脱可能である。
【0027】
本発明のカウンタ装置1を用いて気体圧工具6を使用する場合、例えば、リベット打ち機で作業対象物に所定数のリベットを打つ場合、カウンタ18に当該所定数を設定しておく。この設定に、加減スイッチ21を利用できるようにすることも可能である。
【0028】
リベット打ち機を作動させて内蔵バルブを開くと、加圧気体供給源12からの加圧気体が気体導管16内を流れ、リベットを打つ機構を駆動させる。リベットを1本打つごとに、気体導管16内を流れる加圧気体は所定値を越える流量変化を示す。かかる流量変化は、流量センサ17のセンサヘッド部17aによって検知される。
【0029】
所定値を越える流量変化を検知したことに基づいて、センサヘッド部17aは制御部17bへと信号を送る。信号を受けた制御部17bは、増幅された信号をカウンタ18へ送る。カウンタ18は、信号を受けるごとにカウントを行う。
【0030】
所定数のリベットを打ち終わり、あらかじめ設定された所定のカウント数が達成されると、音声発生手段20が作動して作業者にその旨を知らせる。
【0031】
ディスプレイ19は、設定されたカウント数を最初に表示し、作業が進むにつれて表示数値が減ってゆき、作業終了とともにゼロを表示するようにしてもよい。あるいはまた、最初にゼロを表示し、作業が進むにつれて表示数値が増え、設定されたカウント数が作業終了時に表示されるようにしてもよい。いずれにしろ、作業者はディスプレイを見ることにより作業の進捗および終了を認識することができる。
【0032】
音声発生手段20およびディスプレイ19は、併用してもよいし、いずれか一方のみを使用するようにしてもよい。
【0033】
リベットを打ち損なったり、空打ちした時などは、加減スイッチ21を操作する。加減スイッチ21は、あらかじめカウンタ18に設定されたカウント数を加減するものであってもよいし、気体流量センサ17からの信号に基づきカウントされたカウント数を加減するものであってもよい。いずれにしろ、加減スイッチ21は、気体流量センサ17の検知とは独立してカウント数を調整することができる。
【0034】
リセットスイッチ22を操作することにより、カウンタ18のカウント数はリセットされ、初期状態に戻る。
【0035】
作業内容や作業対象物の大きさによっては、気体圧工具6とカウンタ装置1との間のホース5が長くなり、作業者は1セットの作業ごとにリセットスイッチ22を操作するために長い距離を移動しなければならない。この不都合を解消するために、気体圧工具6に電気スイッチを設け、この電気スイッチとカウンタ装置1との間に電線を延ばし、作業者が気体圧工具6のもとを離れることなくカウンタ18をリセットできるようにすることも考えられる。しかし、この場合、電線が作業上邪魔になる。
【0036】
そこで、気体流量センサ17の制御部17bに接続されたタイマ23をさらに備えた、本発明の別実施態様によって、電線を用いることなく、上記の不都合を解消する。この別実施態様においては、タイマ23のほか、カウンタ装置1のカプラ3と気体圧工具6の気体導入口7との間を連結するホース5、および、ホース5に設けられた気体排出バルブ10もまた、カウンタ装置1の構成要素となる。
【0037】
例えば気体圧工具6がリベット打ち機の場合、リベット打ち機の引き金を1回引くたびに1本のリベットが打ち込まれるが、1本のリベットの打ち込みに費やされる気体(空気)の噴出時間は、引き金を引いている時間とは無関係に一定である。そこで本発明の別実施態様においては、この一定時間より長い時間にわたって気体排出バルブ10から気体を排出させることにより、それがもたらす長時間にわたる流量変化をリセット信号に利用した。所定のカウント数が達成されたことを確認した作業者は、気体排出バルブ10を手動操作して、ホース5内の気体を外部に排出する。その排出時間は、1本のリベットの打ち込みに要する時間よりも長い時間とし、排出流量は、少なくともリベット打ち込みに要する流量とする。タイマ23は、気体流量センサ17が所定値を超える流量変化を連続して検知している時間を計測する。その時間が、1本のリベットの打ち込みの際に計測される所定時間を超えたとき、タイマ23は、カウンタ18をリセットする信号を流量センサ17の制御部17bを介してカウンタ18へと出力する。
【0038】
カウンタ18のカウント数が、1セットの作業が終了したことを示す所定数に達していない場合には、カウンタ18がリセットされないようにすることにより、誤操作がもたらすリセットを防止することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によるカウンタ装置は、空圧工具はもちろんのこと、空気以外の加圧気体を利用して作業を行う気体圧工具にも広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるカウンタ装置の一実施形態を、気体圧工具および加圧気体供給源とともに模式的に示した図。
【符号の説明】
【0041】
1 カウンタ装置、2 ハウジング、3 カプラ、4 カプラ、5 ホース、6 気体圧工具、7 気体導入口、8 ホースの端部、9 ホースの端部、10 気体排出バルブ、11 ホース、12 加圧気体供給源、13 気体供給口、14 ホースの端部、15 ホースの端部、16 気体導管、17 気体流量センサ、17a センサヘッド部、17b 制御部、18 カウンタ、19 ディスプレイ、20 音声発生手段、21 加減スイッチ、22 リセットスイッチ、23 タイマ。
【出願人】 【識別番号】592127013
【氏名又は名称】株式会社カネト製作所
【出願日】 平成19年9月11日(2007.9.11)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫

【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎

【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰

【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男

【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行

【識別番号】100093713
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 藤博


【公開番号】 特開2008−93821(P2008−93821A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2007−234819(P2007−234819)