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【発明の名称】 手持ち式工作機械
【発明者】 【氏名】マンフレート ルッツ

【氏名】シム ティク イェオー

【氏名】フローリアン エーゼンヴァイン

【要約】 【課題】作業領域を、良好に、直接的に照明できる手持ち式工作機械を提供する。

【解決手段】挿入工具を受容するための工具受容部15と、手持ち式工作機械の作用領域を照明する少なくとも1つの照明エレメント22とを備えたハウジング10が設けられている形式の手持ち式工作機械において、少なくとも1つの照明エレメント22が工具受容部15の領域に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式工作機械であって、挿入工具を受容するための工具受容部(15)と、手持ち式工作機械の作用領域を照明する少なくとも1つの照明エレメント(22;52)とを備えたハウジング(10)が設けられている形式のものにおいて、少なくとも1つの照明エレメント(22;52)が工具受容部(15)の領域に配置されていることを特徴とする手持ち式工作機械。
【請求項2】
少なくとも1つの照明エレメント(22;52)が工具受容部(15)の周囲に配置されている、請求項1記載の手持ち式工作機械。
【請求項3】
照射方向で見て少なくとも1つの照明エレメント(22;52)の前に、少なくとも1つのレンズ(24;25)が配置されている、請求項1又は2記載の手持ち式工作機械。
【請求項4】
照射方向で見て少なくとも1つの照明エレメント(22;52)の前に、2つのレンズ(24;25)が配置されている、請求項3記載の手持ち式工作機械。
【請求項5】
少なくとも1つのレンズ(24;25)がリング状の保持体(23)に配置されている、請求項3又は4記載の手持ち式工作機械。
【請求項6】
照明エレメント(22;52)が運転時に光束を照射し、該光束が少なくとも1つのレンズ(24;25)を用いて、光束が収束又は拡散されるように、調節可能である、請求項3から5までのいずれか1項記載の手持ち式工作機械。
【請求項7】
焦点距離の異なった複数のレンズがリング状の保持体に設けられており、該保持体及び照明エレメントが相対的に回転可能であり、これにより所定の焦点距離を備えた1つのレンズを照明エレメントの前に配置可能である、請求項6記載の手持ち式工作機械。
【請求項8】
少なくとも2つの段階を有するオンオフスイッチ(14)が設けられており、第1の段階において少なくとも1つの照明エレメント(22;52)が活性化可能であり、かつ第2の段階において付加的に手持ち式工作機械の電動モータ(17)が作動可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載の手持ち式工作機械。
【請求項9】
少なくとも1つの照明エレメント(22)が発光ダイオードである、請求項1から8までのいずれか1項記載の手持ち式工作機械。
【請求項10】
発光ダイオードがリング状のプリント基板(21)に配置されている、請求項9記載の手持ち式工作機械。
【請求項11】
少なくとも1つの照明エレメント(52)が光導体である、請求項1から8までのいずれか1項記載の手持ち式工作機械。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち式工作機械であって、挿入工具を受容するための工具受容部と、手持ち式工作機械の作用領域を照明する少なくとも1つの照明エレメントとを備えたハウジングが設けられている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に基づいて、照明状態の良くないところでも手持ち式工作機械の作業を可能にするために、発光ダイオードを備えた手持ち式工作機械が公知である。そのために発光ダイオードは手持ち式工作機械の適宜な箇所に配置されていて、作業領域を照らし出せるように方向付けられている。例えばDE10254829Aによれば、モータハウジングの下側領域に中空円筒形のランプハウジングが一体成形されており、このランプハウジングには、発光ダイオードを受容するためにランプ筒が形成されている。ランプハウジングの開口は作業領域の方向を向いている。
【0003】
発光ダイオードを備えた公知の手持ち式工作機械はしかしながら、十分に照らすことができない。それというのはこの場合、発光ダイオードは手持ち式工作機械におけるその配置形式に基づいて、作業領域から大きく離れて位置しているからである。さらに、多くの手持ち式工作機械では発光ダイオードは作業領域を、角度を成して例えば下から又は上から照らすので、ハウジングの一部及び/又は挿入工具が作業領域に影を作ってしまう。
【特許文献1】DE10254829A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の手持ち式工作機械を改良して、手持ち式工作機械の作業領域を、良好に、特に、直接的に照明できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明の構成では、少なくとも1つの照明エレメントが工具受容部の領域に配置されているようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明による手持ち式工作機械は、手持ち式工作機械の作業領域の改善された、特に直接的な照明を可能にする。このことは、少なくとも1つの照明エレメントが設けられていて、該照明エレメントが工具受容部の領域に配置されていることによって、達成される。これによって照明エレメントは一方では、作業領域に対して可能な限り小さな間隔をおいて位置することになるので、作業領域における光の強さは、公知の手持ち式工作機械に比べて大きくなる。また他方では照明エレメントは、手持ち式工作機械の作業方向に対してほぼ平行に光を放射するので、影の形成が阻止される。
【0007】
本発明における照明エレメントは、アクティブな照明エレメントであってもパッシブな照明エレメントであってもよい。アクティブな照明エレメントというのは、熱放射体又は発光放射体の形の自分から発光する照明エレメントのことであり、つまり例えばグローランプ、ハロゲンランプ又は発光ダイオードのような照明エレメントのことである。パッシブな照明エレメントというのは、自分からは発光しない照明エレメントであって、例えば光導体、鏡、プリズムのような、光源からの光を受けて変向しかつ/又は放射する照明エレメントのことである。
【0008】
作業領域を特に均一に照らし出すために、本発明の有利の構成では、少なくとも1つの照明エレメントが工具受容部の周囲に、特に周囲に沿って配置されている。これは例えば、工具受容部の周りに配置されたリング状の照明エレメントであってよい。本発明におけるリング状の照明エレメントは、工具受容部を取り囲む1つの照明リング(これは場合によっては2つ又はそれ以上の部分リングに分割されていてもよい)によって形成されていても、又は、工具受容部の周りにリング状に配置された複数の個々の光点によって形成されていてもよい。同様に、リング状の照明エレメントの代わりに、多角形、例えば6角形又は8角形の照明エレメントを使用することも可能である。
【0009】
本発明による手持ち式工作機械は、ドライバビット又はドリルビットのような挿入工具を受容するための工具受容部を備えたハウジングを有している。ハウジングは一体的であっても又は複数部分から成っていてもよい。例えばハウジングはモータハウジングと伝動装置ハウジングとから成っていることができる。ハウジング、又はハウジングの一部だけ、例えばモータハウジングは、手持ち式工作機械の長手方向軸線において差し嵌め可能な2つの半割シェルから構成されていることができる。ハウジングは択一的にポット形又はカップ形に形成されていてもよく、手持ち式工作機械の構成部材は、開放した側を介してポット形のハウジング内に導入され、その後で開放した側は別のハウジング部分によって閉鎖される。ハウジング又はハウジング部分は、例えばプラスチック製又は金属製である。ハウジングの、作業領域に向いた端面に、工具受容部が設けられている。この工具受容部は少なくとも部分的にハウジング内に受容されていてもよい。工具受容部はまた、例えば差込み、クランプ、ねじ結合又は係止によって、ハウジングの表面に取り付けられていてもよい。工具受容部は、挿入工具を手持ち式工作機械と摩擦力結合式に結合するための種々様々な形式の緊締工具であってよく、例えば緊締ジョー、ジョーチャック、コーン結合装置又はシステム結合装置(SDS)である。
【0010】
少なくとも1つの照明エレメントは、本発明によれば工具受容部の領域に配置されており、これは本発明では、工具受容部に隣接した該工具受容部の周囲におけるすべての領域を含んでいる。これは、作業方向で見て、例えば工具受容部の直ぐ前であっても直ぐ後ろであってもよい。しかしながら特に、照明エレメントは工具受容部の周囲に配置されていると有利である。
【0011】
少なくとも1つの照明エレメントは、手持ち式工作機械のハウジングか、工具受容部自体にか、又は照明エレメントを受容するための別体のハウジング部分(以下においてはランプハウジングと呼ぶ)に収容されていることができる。照明エレメントは例えば手持ち式工作機械の端面側においてハウジングに受容されている。照明エレメントは別体のランプハウジング内に配置されていてもよく、このランプハウジングは、作業方向で見てハウジングの前における端面に取り付けられているか、又はハウジングに装着されている。ランプハウジングは、手持ち式工作機械のハウジングに、特に端面に一体成形されていてもよい。照明エレメントはこの場合本発明によれば工具受容部の領域に位置しており、特に工具受容部の周囲に、又は作業方向で見て工具受容部の後ろで被駆動スピンドルの周囲に位置している。
【0012】
本発明の別の構成では、照明エレメントが、手持ち式工作機械のハウジングと解離可能に結合可能な別体のランプハウジング内に収容されている。つまり別体のランプハウジングは照明エレメントと共に、取付け取外し可能に形成されている。解離可能な結合は種々様々な形式で、例えばねじ結合、クランプ、係止又は差込み結合で行うことができる。照明エレメントを備えたランプハウジングは、必要とあれば、例えば照明状態が悪い場合には、ハウジングに装着されてもよい。解離可能なランプハウジングの有利な構成では、単数又は複数の照明エレメントがリング状のランプハウジングに配置されており、このリング状のランプハウジングは、端面において手持ち式工作機械のハウジングに、工具受容部の周囲に、例えば係止エレメントを介して装着されることができる。この場合電圧供給は例えば差込みコネクタを用いて行うことができる。
【0013】
本発明の有利な構成では、少なくとも1つの照明エレメントが発光ダイオードである。作業領域のさらに良好な照明は、複数の、例えば2つ又は3つの照明エレメント、特に発光ダイオードによって達成することができる。複数の照明エレメントは、工具受容部の領域において異なった箇所に取り付けることができる。複数の照明エレメント、特に発光ダイオードが設けられている場合、これらの照明エレメントは規則的に又は不規則的に工具受容部の全周にわたって分配配置されている。特にこの場合これらの照明エレメントは、手持ち式工作機械の長手方向軸線に対して垂直な平面に配置されている。例えば、2つの発光ダイオードが直径方向で互いに向かい合って位置していても、又は3つの発光ダイオードが互いに正三角形を成すように配置されていてもよい。さらに多くの照明エレメントを、例えば周囲に沿って等間隔に配置することも可能である。
【0014】
電圧供給のために各照明エレメントはそれぞれ別個に2つの給電導体に接続されていてもよい。択一的に、複数の照明エレメントを直列に接続することも可能であり、このようすると、必要な給電導体の数を減らすことができる。
【0015】
照明エレメントが発光ダイオードの場合には、発光ダイオードを、導体路を備えたプリント基板に配置すると、プリント基板への電圧供給だけを保証すればよいので、特に有利である。プリント基板の導体路を介して照明エレメントは電圧を印加される。プリント基板は有利にはリング状であり、このようになっていると、プリント基板を工具受容部摩擦ライニングは被駆動スピンドルの周りに配置することができる。照明エレメントはリング状のプリント基板に任意に、例えば規則的又は不規則的な間隔をおいて、配置されることができる。照明エレメントとして発光ダイオードが使用される場合、発光ダイオードは、次のようなワイヤ接続部、つまりプリント基板における装着孔を貫通案内されてプリント基板の背側に(又は内層を介して)ろう接される(貫通接続)ワイヤ接続部を有することができる。しかしながら発光ダイオードは、ろう接可能な接続面で直接プリント基板にSMD(表面実装)発光ダイオードとしてろう接されていると、有利であり、このようにすると、照明エレメントのための構造空間が減じられる。プリント基板は電圧供給のために、同様にプリント基板にろう接可能なフレキシブルな導体ケーブルを備えている。
【0016】
本発明の別の有利な構成では、照明エレメントが光導体である。この場合光導体は工具受容部の領域において、有利にはリング状に曲げられている。照明エレメントとしての光導体には次のような利点がある。すなわち光導体では、単数又は複数の光源を原理的には手持ち式工作機械のハウジングにおける任意の箇所に配置することができる。光源は例えばグリップの領域においてハウジング内に受容されていても、又は、光源のための空間を提供する他の適宜な箇所に配置されていてもよい。この場合光源と工具受容部の領域との距離は問題にならない。また、光の伝搬のために構成部材(電動モータ、伝動装置など)の形のどのような障害物が、ハウジング内において光源と工具受容部の領域との間に存在しているかも、問題にならない。それというのは、光導体は、そのような障害物を迂回することができるからである。光源として例えば発光ダイオードが働く。光源の光を光導体に供給するために、光源は光導体の開口に接触して配置されている。光は光導体を通して案内され、工具受容部の領域に達することができ、そしてそこで光は作業領域に向かって放射されることができる。
【0017】
光導体は、剛性に形成されていても又はフレキシブルに形成されていてもよい。フレキシブルな光導体は有利にはハウジング内に配置され、これに対して剛性の光導体はハウジング内に配置されていても、ハウジングの一部として形成されていてもよい。
【0018】
光導体は一体的でも又は複数部分から成っていてもよい。複数部分から成る光導体では、複数部分が、例えば素材結合式に接着によって、又は形状結合式に差込みエレメントや鳩尾状の結合エレメント又はこれに類したものによって、互いに結合されている。この場合結合領域は、光を第1の光導体領域から該第1の光導体領域に接続された第2の光導体領域に導くことができるように、構成されている。複数部分から成る光導体には、例えば光導体がハウジング内においてハウジング内における他の構成部材を迂回して案内されねばならない場合に、複雑な光路をも実現することができる、という利点がある。複数部分から成る光導体によって、さらに、1つの光源から送られた光を複数の部分光線に分割することができ、その結果光を複数の箇所に送ること及び複数の箇所において放射することができる。
【0019】
光導体はハウジング内に又はハウジング表面に解離可能に又は解離不能に取り付けられることができる。光導体は例えばハウジング内に接着されていても、又は高温エンボス加工によって変形されてハウジングと結合されていてもよい。さらにまた、例えばクランプ又は係止によって形状結合式に結合されていてもよい。光導体がハウジングと解離可能に結合されていると、光導体を交換することができるという利点が得られる。この場合光導体は例えば2部分から形成されており、第1の光導体エレメントは開口を有していて、この開口に、光源の光が供給される。この第1の光導体エレメントは例えば手持ち式工作機械のハウジングに堅く組み込まれている。第1の光導体エレメントは結合エレメントを有しており、この結合エレメントは、第2の光導体エレメントの例えば差込みエレメントのような結合エレメントと解離可能に結合されることができ、この場合第2の光導体エレメントは解離可能に、工具受容部の領域においてケーシングに結合されることができる。例えば手持ち式工作機械の端面に、例えばリング状の切欠きを設けて、この切欠き内に第2の光導体エレメントを外から挿入することができる。
【0020】
本発明による手持ち式工作機械の有利な構成では、照射方向で見て少なくとも1つの照明エレメントの前に、少なくとも1つのレンズが配置されている。レンズは凸レンズでも凹レンズでもよい。特に有利には、照射方向で見て少なくとも1つの照明エレメントの前に、2つのレンズが配置されている。この場合照射方向で見て第1のレンズは、有利には、照明エレメントの光を収束しかつほぼ平行な光束に成形する凸レンズである。照射方向で見て第2のレンズも、有利には同様に凸レンズであり、この第2のレンズは、可能な限り均一に作業領域を照らすために、拡散した光束を成形する。照明エレメントに対する照射方向におけるレンズの位置決め及びレンズの選択によって、作業領域における照らされる面の大きさや光の強さに影響を与えることができる。本発明においてはレンズとして、如何なる部材も、例えばプラスチック製の部材が使用可能であり、この場合該部材にはレンズ状の領域が成形されていて、この領域は、その凸面状又は凹面状の形及び、照明エレメントに対する位置によって、光学レンズのように適宜に働くことができる。
【0021】
本発明の別の有利な構成では、少なくとも1つのレンズがリング状の保持体に配置されており、この保持体は、作業方向で見て照明エレメントの前で工具受容部又は被駆動スピンドルの周りに配置されている。レンズ及び保持体は有利にはプラスチック製である。択一的に、保持体の表面を凸面状又は凹面状に湾曲させることによって、保持体自体をレンズとして形成することも可能である。
【0022】
本発明の別の有利な構成では、少なくとも1つの照明エレメントから照射された光束が、調節可能に構成されており、このようになっていると、光束を強く収束させること又は強く拡散させることができる。これを実現するために、例えば、照射方向において少なくとも1つの照明エレメントと少なくとも1つのレンズとの間における距離、つまり長手方向間隔が調節可能である。長手方向間隔は例えば軸方向移動又は照明エレメントとレンズとの相対的な回動によって、例えばそのために設けられた長手方向ガイドもしくはねじ山に沿って、調節することができる。択一的に、焦点距離の異なる複数のレンズを互いに隣接させてリング状の保持体に装着することによっても、光束を調節することができる。手持ち式工作機械の周方向において保持体及び/又は照明エレメントを回動させることによって、使用例に応じて、適宜な焦点距離を備えたレンズを照明エレメントの前に配置することができる。
【0023】
本発明による手持ち式工作機械は、手持ち式工作機械の電動モータをオンオフするために、特にグリップの領域に位置決めされたオンオフスイッチを有している。オンオフスイッチは本発明による手持ち式工作機械では、少なくとも1つの照明エレメントのためのオンオフスイッチとして付加的に働くように、配置構成されていることができる。オンオフスイッチが操作員によって操作されると、手持ち式工作機械を駆動するための電動モータと少なくとも1つの照明エレメントとが投入接続される。
【0024】
本発明の別の有利な構成では、オンオフスイッチが少なくとも2つの段階を有しており、第1段階において少なくとも1つの照明エレメントが活性化可能であり、かつ第2段階において付加的に手持ち式工作機械の電動モータが活性化可能つまり作動可能である。このような構成では、同時に電動モータを活性化することなしに、照明エレメントを投入接続することができるので、有利である。例えば手持ち式工作機械を懐中電灯として使用することも可能であり、このような場合には、例えば穿孔又はねじ締めのような手持ち式工作機械による作業の前に、作業箇所を照らすことができる。2段階式のスイッチは例えば次のように構成されている。すなわちこの2段階式のスイッチでは、第1段階がスイッチの軽い押圧によって得られるのに対して、第2段階を得るためにはスイッチを強く押圧、又は完全に押圧することが必要である。複数の、例えば2つ又は3つの照明エレメントが設けられている場合には、特に2段階よりも多くの複数段階のオンオフスイッチを手持ち式工作機械に設けることができ、これによって第1段階では第1の照明エレメントを、第2段階では第2の照明エレメントを、そして第3段階では第3の照明エレメントを活性化もしくは作動させることができる。そして最後の段階では同様に電動モータが作動可能である。2段階又はそれ以上の段階を有するスイッチは、回転スイッチ又は旋回スイッチとして形成することも可能である。
【0025】
本発明の別の構成では、少なくとも1つの照明エレメントのために別体のオンオフスイッチが設けられており、このオンオフスイッチは、電動モータのためのオンオフスイッチとは無関係に作動可能である。このように構成されていると、同時に照明エレメントを投入接続することなしに、手持ち式工作機械を操作できるという利点が得られる。このようにして例えば、照明状態の良好な環境において、照明エレメントによる付加的なエネルギ消費を節約することができ、このことは特に、バッテリ式の手持ち式工作機械において望まれている。上に述べたように、複数の照明エレメントがある場合に各段階において1つの照明エレメントを活性化できるようにするために、別体のオンオフスイッチが複数段階式に形成されていてもよい。そして例えば光の強さを周囲の明るさに合わせることができる。
【0026】
少なくとも1つの照明エレメントの光の強さは、調光器を設けることによっても調節することができる。光の強さを無段階式に調節できる調光器は、基本的には周知であり、当業者に良く知られている。そして本発明による手持ち式工作機械に、調光器を付加的なスイッチとして、例えば回転スイッチの形で設けることが可能である。
【0027】
本発明の別の構成では、照明エレメントは、電子式の構成部材を備えた制御装置によって信号灯として使用することも可能である。例えば複数の発光ダイオードがリング状のプリント基板に配置されている構成が可能であり、これらの発光ダイオードは移動光の形で時間的に相前後して活性化可能であり、この場合例えばすべての発光ダイオードの発光は同時に使用者に対して手持ち式工作機械の過負荷を示す信号として働く。照明エレメントはまた、例えばバッテリの給電状態を示す点滅灯として構成されていてもよい。複数の照明エレメントが設けられている場合には、これらの照明エレメントは互いに異なった色の光を放射することができる。例えば発光ダイオードは、緑、黄及び赤で、それぞれバッテリパックの異なった給電状態を示すことができる。
【0028】
本発明による手持ち式工作機械は、電源式であってもバッテリ式であってもよく、また例えばドリル、ドリルハンマ、ドライバ又はインパクトレンチである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
図1には、本発明による手持ち式工作機械の1実施形態としてインパクトレンチ100が示されている。ハウジング10は、モータハウジング11と伝動装置ハウジング12との2部分から構成されている。グリップ13の領域には、電動モータ17(図4)をアクティブにすることができるオンオフスイッチ14が設けられている。作業方向で見て前方のハウジング領域には、挿入工具、特にドライバビットを受容するための工具受容部15が、配置されている。さらに図1において矢印20によって、工具受容部15の領域に照明エレメント22(図2)として設けられた発光ダイオードの照射方向が示されている。矢印20から分かるように、照明エレメント22は工具受容部15の周囲に配置されている。
【0031】
図2にはインパクトレンチ100の、作業方向で見て前方の領域が、伝動装置ハウジング12及び工具受容部15と共に示されている。伝動装置ハウジング12は図2の斜視図では部分的に断面されて示されている。伝動装置ハウジング12の端面側には、工具受容部15を取り囲んでリング状のプリント基板21が配置されており、このプリント基板21には複数の発光ダイオードが照明エレメント22として設けられている。これらの照明エレメント22は図示の実施形態では、プリント基板21に例えばろう接によって直接的に固定された、接続ワイヤなしの発光ダイオード(SMD発光ダイオード)である。作業方向で見て照明エレメント22を備えたプリント基板21の前には、凸レンズ25を備えたリング状の保持体23が、照射方向で見て照明エレメント22の前に配置されている。保持体23は透明なプラスチックから成っている。保持体23には、光線を集束するために働く凸レンズ25が一体成形されている。図2には複数の凸レンズ25が示されている。図2にさらに示されているように、照明エレメント22を備えたプリント基板21及び凸レンズ25を備えた保持体23は、伝動装置ハウジング12において該伝動装置ハウジング12の端面に受容されている。択一的に、照明エレメントを備えたプリント基板及び凸レンズを備えた保持体から成る系を別体のハウジング内に収容することも可能であり、この場合この別体のハウジングは、例えば伝動装置ハウジングの端面に又は伝動装置ハウジングの前方領域に取り付けられることができる(図示せず)。
【0032】
照明エレメント22の光線を集束するための、2つの凸レンズ24,25から成る系は、図3に詳しく示されている。図3の下半部には、SMD発光ダイオードの形をした照明エレメント22を備えたプリント基板21と、照明エレメント22の照射方向で見て第1の凸レンズ24及び第2の凸レンズ25を備えた保持体23とが、断面されて示されている。照射方向は図3において破線26で示されている。
【0033】
図4には、本発明による手持ち式工作機械の第2実施形態が示されている。同一又は類似の部材には同一符号が使用されている。バッテリドライバ200は、モータハウジング11と伝動装置ハウジング12とグリップ13とを備えたハウジング10を有している。伝動装置ハウジング12は断面図で示されており、この場合残りのハウジング10は開放されて示されている。オンオフスイッチ14を介して電動モータ17は作動可能である。伝動装置ハウジング12の端面側には工具受容部15が配置されている。この工具受容部15の周りには光導体52が設けられており、この光導体52は伝動装置ハウジング12の端面側において伝動装置ハウジング12内に受容されている。光導体52の開口57には光源60としてLEDが配置されており、その結果LEDの光は光導体52内に蓄えられる。光源60は接続ワイヤ62を有している。
【0034】
図5から分かるように、光導体52はリング状に工具受容部15の周りに配置されている。光導体52は、図1〜図3に示された複数の発光ダイオードを備えた実施形態に比べて、点状の照明エレメントの代わりに環状の光リングを生ぜしめることができるという利点を有している。これによって手持ち式工作機械の作業領域を均一に照明することができる。
【0035】
図6〜図8には光導体の3つの実施形態が示されており、これらの光導体は、特に工具受容部の周囲において、工具受容部の領域に挿入されることができる。図6には、光源60の光を蓄えるための開口57を備えた閉鎖されたリングの形の光導体52が示されている。択一的に図7には、開放したリングの形の光導体52が示されている。光導体52は分岐部59を有しており、この分岐部59のところで光導体52は分割されている。開口57のところで光導体52内に入力される光源60の光は、従って分岐部59のところで分割される。図8には、光導体52から突出している複数の分岐部59を備えたリング状の光導体52が示されている。これらの分岐部59はほぼ等しい間隔をおいてリング状の光導体52に沿って配置されている。分岐部59はその自由端部に光出口開口58を有しており、これらの光出口開口58から光はほぼ点状に出ることができる。
【0036】
光導体52の別の実施形態は図9に示されている。この光導体52は2部分から形成されていて、第1の光導体エレメント63と第2の光導体エレメント64とから成っており、両光導体エレメント63,64は差込みコネクタ65を介して互いに結合されており、その結果光源60の光は第1の光導体エレメント63から第2の光導体エレメント64内へと導かれる。第1の光導体エレメント63は光だけを第2の光導体エレメント64に導くだけではなく、ネームプレート66(又はその他のデザインエレメント)を照らすためにも働く。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による手持ち式工作機械の第1実施形態を示す側面図である。
【図2】図1に示された手持ち式工作機械の工具受容部の領域を断面して示す斜視図である。
【図3】図1に示された手持ち式工作機械の、照明エレメントを備えたプリント基板とレンズを備えた保持体とを示す図である。
【図4】本発明による手持ち式工作機械の第2実施形態を示す側面図である。
【図5】図4に示された手持ち式工作機械の一部を断面して示す正面図である。
【図6】光導体の第1実施形態を示す図である。
【図7】光導体の第2実施形態を示す図である。
【図8a】光導体の第3実施形態を示す斜視図である。
【図8b】図8aに示された光導体を示す正面図である。
【図9】光導体の別の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 ハウジング、 11 モータハウジング、 12 伝動装置ハウジング、 13 グリップ、 14 オンオフスイッチ、 15 工具受容部、 17 電動モータ、 20 矢印、 21 プリント基板、 22 照明エレメント、 23 保持体、 24,25 凸レンズ、 26 破線(照射方向)、 52 光導体、 57 開口、 59 分岐部、 60 光源、 62 接続ワイヤ、 63,64 光導体エレメント、 65 差込みコネクタ、 66 ネームプレート、 100 インパクトレンチ、 200 バッテリドライバ
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【出願日】 平成19年9月25日(2007.9.25)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄

【識別番号】100110593
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 博司

【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康

【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト


【公開番号】 特開2008−80484(P2008−80484A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2007−248129(P2007−248129)