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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】細川 信仁

【氏名】加藤 清

【要約】 【課題】磁性を有する粉塵のモータ内への侵入を効果的に防止し、該粉塵を容易に電動工具の外部へと除去可能な電動工具を提供する。

【構成】ハウジング2内の風路2cの後部であって、吸気口2aの近傍には、複数のリブ21Aを前後方向に適当な間隔で配置して成る障壁部21が形成され、障壁部21の下部には収納部21aが形成されている。集塵ケース22が収納部21aに収納されると、風路2cの一部であるラビリンス状の集塵風路2dが画成される。集塵ケース22は、内部に磁石24を収容し、収納部21aに対して着脱可能に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口とが形成されたハウジングと、
回転軸を有し、該ハウジングに内蔵されるモータと、
該回転軸に固定されたファンと、を備え、
該ハウジング内には、該吸気口と該排気口とを連通する通風路が画成され、
該ハウジングの該吸気口近傍であって該通風路内には、1もしくは複数の磁石が設けられ、該磁石は該ハウジングに対し着脱可能に構成されていることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
該通風路内には、冷却風の流れを減速させる障壁部が設けられ、該磁石は該障壁部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
複数の該磁石の吸着面側の磁極が交互になるよう配列したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
【請求項4】
該磁石は、鉄心と、該鉄心に巻回されるコイルと、該鉄心と該コイルとを覆うヨークとから成る電磁石であって、該コイルには電力を受取る受電手段が接続され、
該ハウジングには、該受電手段に電力を供給する給電手段が設けられ、
該受電手段と該給電手段とは、該磁石が該ハウジングに装着された際に接続されて、電力の受給が行われることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
【請求項5】
該受電手段は可撓性を有する電極であって、該給電手段と当接することにより電力の受給を行うことを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
【請求項6】
該磁石の移動を検知する検知手段と、
該磁石を振動させる加振手段と、
該加振手段を駆動する制御手段とを更に有し、
該制御手段は、該検知手段によって該磁石の移動が検知された際に、該加振手段を駆動することを特徴とする請求項1乃至5に記載の電動工具。
【請求項7】
該磁石によって吸着された粉塵を、該磁石の吸着面から除去する除去手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至6に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄粉等の磁性を有する粉塵が多く存在する環境において使用される電動工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動工具を使用すると、モータから熱や振動、騒音となって損失が発生する。そこで、ハウジング内にモータ軸と共に回転する冷却用ファンを設け、冷却用ファンによって吸気口からハウジング内に空気を導入する。導入された空気は、冷却風としてハウジング内の風路を排気口に向かって流れることにより、モータを冷却して発熱を抑え、熱によるモータの損傷を防ぎ、モータの連続駆動を可能とする構成がある。
【0003】
上記の構成を有するディスクグラインダ等の金属加工用の電動工具は、木塵等の磁性を有しない粉塵や、金属加工作業により発生する鉄粉等の磁性を有する粉塵が空気中に飛散する環境で使用されるため、これらの粉塵が吸気口からハウジング内に吸込まれることがある。これらの粉塵がモータ内に侵入すると、高速回転するモータの回転子に損傷を与える。そこで、ハウジング内に侵入した粉塵を回収するための集塵構造が提案されている。
【0004】
例えば、図12に示される集塵構造は、電動工具800と別途設けられた集塵機801とをホース802を介して接続し、ハウジング内に侵入した粉塵を集塵機801まで吸上げて回収し、集塵機801から外部へと排出するようにしたものである。
【0005】
また、図13に示される集塵構造は、冷却用ファン901とは別の吸塵用ファン902を回転軸903に固定し、作業環境に飛散する粉塵を吸塵用ファン902の回転によって発生した風によりハウジング904内に吸い込み、ハウジング904の接続部に取付けられたダストバック905内に集塵するようにしたものである。
【0006】
ところが、図12及び図13に示される従来の集塵構造を採用しても、集塵しきれなかった粉塵が吸気口からハウジング内に吸込まれ、モータ内に侵入してしまうという問題があった。特に、モータとして直流モータを使用する場合には、鉄粉等の磁性を有する粉塵が、固定子に使用される永久磁石に吸着されてしまい、回転子の回転に支障を来す場合があった。さらに、金属加工作業によって発生した鉄粉等の磁性を有する粉塵は、鋭利な形状を有し、且つ、熱が加えられ硬化したものである場合が多いため、モータ内に侵入すると電動工具の動作に大きな影響を与えてしまう。
【0007】
そこで、流体内から磁性を有する粉塵を捕集する方法として、磁性を有する粉塵を磁極によって吸着する構成が提案されている。例えば、特許文献1には、粉塵を吸着する鉄粉吸着磁石が開示され、特許文献2には、粉塵を磁石により吸着する集塵装置が開示されている。また、特許文献3には、鉄粉を含む圧油の流路内に、乱流を発生させる乱流発生板と、鉄粉を吸着する磁石とを配置した磁石鉄粉吸着フィルタが開示されている。また、特許文献4には、流体内に含まれた鉄粉を吸着するマグネットプレートが流路内に嵌挿されたマグネットフィルタが開示されている。また、特許文献5には、通風路内に、粉塵を含む冷却風をカーブさせる通風路壁を設け、通風路壁に磁石を配置し粉塵を吸着する鉄粉除去装置が開示されている。
【特許文献1】特開昭63−278570号公報
【特許文献2】特開平4−027450号公報
【特許文献3】特開平5−329311号公報
【特許文献4】特開平9−162028号公報
【特許文献5】特開平11−178282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記に開示された構成によれば、流体内から磁性を有する粉塵を磁極によって吸着することが可能であるものの、吸着した粉塵が磁極上に堆積し、粉塵吸着能力が低下してしまうという欠点が予想できる。
【0009】
本発明は上記問題に鑑み、磁性を有する粉塵のモータ内への侵入を効果的に防止し、該粉塵を容易に電動工具の外部へと除去可能な電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、吸気口と排気口とが形成されたハウジングと、回転軸を有し、該ハウジングに内蔵されるモータと、該回転軸に固定されたファンと、を備え、該ハウジング内には、該吸気口と該排気口とを連通する通風路が画成され、該ハウジングの該吸気口近傍であって該通風路内には、1もしくは複数の磁石が設けられ、該磁石は該ハウジングに対し着脱可能に構成されていることを特徴とする電動工具を提供している。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の特徴に加え、該通風路内には、冷却風の流れを減速させる障壁部が設けられ、該磁石は該障壁部に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の特徴に加え、複数の該磁石の吸着面側の磁極が交互になるよう配列したことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の特徴に加え、該磁石は、鉄心と、鉄心に巻回されるコイルと、該鉄心と該コイルとを覆うヨークとから成る電磁石であって、該磁石には、電力を受けとる受電手段が接続され、該ハウジングには、該受電手段に電力を供給する給電手段が設けられ、該受電手段と該給電手段とは、該磁石が該ハウジングに装着された際に接続されて、電力の受給が行われることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の特徴に加え、該受電手段は可撓性を有する電極であって、該給電手段と当接することにより電力の受給を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載の特徴に加え、該磁石の位置を検知する検知手段と、該磁石を振動させる加振手段と、該加振手段を駆動する制御手段とを更に有し、該制御手段は、該検知手段によって該磁石の移動が検知された際に、該加振手段により該磁石を振動させることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6に記載の特徴に加え、該磁石によって吸着された粉塵を、該磁石の吸着面から除去する除去手段を更に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、磁石はハウジングに対して出入れ可能に構成されているため、吸気口からハウジング内へと導入された空気から粉塵が吸着され、ある程度の量が堆積した時点で、磁石をハウジングから引き出し、磁石に吸着している粉塵をエアーで吹飛ばす等して除去することができる。粉塵を除去した後、磁石をハウジングに装着することにより、再度空気中から粉塵を分離することができる。つまり、磁石に吸着され堆積した粉塵を除去するメンテナンス作業を簡単に行うことができる。よって、磁石に粉塵が吸着され空気から取り除かれるため、固定子に使用されている永久磁石に粉塵が吸着されて回転子の回転に支障を来すことがなく、モータの安定した動作が可能となって、その耐久性が高められて寿命延長が図られる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、粉塵と共に吸気口からハウジング内に導入された空気の流れが障壁部によって減速され、空気に含まれる粉塵が空気から分離し易くなる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、複数の磁石を、その吸着面側の磁極が交互に異なるよう配列したため、鉄粉等の磁性を有する粉塵の磁極がN、S極の何れであっても、この粉塵を複数の磁石の何れかで確実に吸着除去することができ、高い集塵効率を得ることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3に記載の発明の効果に加え、ハウジングに磁石が装着された際には、受電手段と給電電極が接触し接続されるので、磁石は磁極を有し、電磁石として粉塵を吸着する。また、メンテナンス等のために磁石がハウジングから取外される際には、受電手段と給電手段とが接続されないため、磁石に電力が供給されず、磁石は電磁石としての機能を有しない。よって、粉塵を吸着する力が失われ、磁石上に堆積した粉塵の除去が容易となる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、受電手段は可撓性を有するため、磁石がハウジングに対して出入れされる際に、磁石に接続された受電手段は磁石の摺動に応じて伸縮し、磁石の摺動を阻害することがない。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5に記載の発明による効果に加え、検知手段によって磁石の移動が検知された際に、制御手段によって加振手段が駆動し、磁石を振動させるため、磁石の吸着面に吸着された粉塵と磁石とを離間させ、粉塵の除去を行うことが容易となる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6に記載の発明による効果に加え、磁石の吸着面から粉塵を除去する除去手段を有するため、磁石の吸着面に吸着された粉塵を除去し、吸着面に堆積した粉塵により磁石の吸着力を低下させることなく、磁石を繰返し使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本実施の第一の実施の形態による電動工具について図1乃至図5に基づき説明する。図1及び図2に示されるように、電動工具1は、吸気口2aと排気口2bとが形成されたハウジング2を有し、ハウジング2には、回転軸(出力軸)4を有するモータ3と、回転軸4を支承するベアリング5、6(図2)と、モータ3の回転力を所定の運動に変換する機構部7と、機構部7を介してモータ3の回転力を伝達される先端工具8と、回転軸4に固定された冷却用ファン9と、モータ3に駆動力を与えるための電源部10とが内蔵されている。図2及び図3に示されるように、吸気口2aは複数のスリット状に、ハウジング2の後端部の両側部に形成されている。排気口2bは複数の円孔状に、ハウジング2の冷却用ファン9の周りに形成されている。また、ハウジング2内には、吸気口2aと排気口2bとの間を連通する風路2cが画成されている。詳しくは後述するが、風路2cのうち吸気口2a近傍には集塵風路2dが画成されている。なお、電動工具1に関し、先端工具8側を前方、電源部10側を後方、集塵風路2d側を上方、電源部10側を下方として説明する。
【0025】
図2に示されるように、モータ3は、永久磁石から成る固定子3aと、回転軸4に挿通固定された回転子3bとから構成されている。固定子3aはハウジング2に固定され、回転子3bは回転軸4を介して一対のベアリング5,6によって回転可能に支持されている。先端工具8は、機構部7を介してモータ軸4の先端部に着脱可能に取付けられている。また、冷却用ファン9はモータ軸4のベアリング6の後方に固定され、電源部10はモータ3の後方に設けられている。
【0026】
上記の構成によれば、作業者がハウジング2を把持し、ハウジング2に設けられたスイッチ(不図示)を押すことにより、電源部10とモータ3とが電気的に接続され、電源部10からモータ3に電力が供給され、モータ3が駆動する。モータ3との出力軸4の回転力は機構部7を介して先端工具8に伝達される周知の構成であって、先端工具8が回転駆動されて所要の作業がなされる。
【0027】
図4に示されるように、ハウジング2内の風路2cの後部であって、吸気口2aの近傍(斜め前方上部)には、複数のリブ21Aを前後方向に適当な間隔で配置して成る障壁部21が形成されており、障壁部21の下部には前後方向に長い矩形孔状の収納部21aが形成されている。収納部21aは、ハウジング2から着脱可能に構成された集塵ケース22を収納する部分である。また、ハウジング2の後部には、集塵ケース22を固定するための固定金具23が設けられている。
【0028】
図5に示されるように、集塵ケース22の内部には3つの磁石24が前後方向に配列されて収納されている。集塵ケース22は、上面が開口する矩形ボックス状に成形され、3つの磁石24は永久磁石であって、矩形プレート状に形成されている。3つの磁石24は、上面(吸着面)側の磁極が前方からN極、S極、N極と配列され、極性が交互に変化するよう配置されている。また、集塵ケース22の後端上面には、固定金具23と係合する形状であって、幅方向に長く形成された係合溝22aが形成されている。固定金具23が係合溝22aに係合されることで、集塵ケース22はハウジング2内に固定される。
【0029】
図2に示されるように、ハウジング2内に形成された障壁部21の収納部21a(図4)に、集塵ケース22が収納されると、風路2cの一部であるラビリンス状の集塵風路2dが画成される。具体的には、集塵風路2dは、ハウジング2の障壁部21のリブ21Aと、障壁部21に収納された集塵ケース22の上面、つまり、磁石24の上面とによって画成される。
【0030】
電動工具1によれば、粉塵と共に吸気口2aからハウジング2内に導入された空気は、障壁部21の複数のリブ21Aによって形成されたラビリンス状の集塵風路2dを流れる過程で減速されるため、この空気に含まれた粉塵が空気から分離され、磁石24の磁力によって磁石24の表面に吸着される。集塵風路2dで粉塵が分離除去された清浄な空気は、冷却風として風路2c内を排気口2bに向かって前方へと流れる。その際、冷却風がモータ3近傍を通過することにより、モータ3は冷却され、熱によるモータ3の損傷を防ぐとともに、電動工具1の連続駆動を可能とする。尚、モータ3を冷却して温度が高くなった冷却風は、複数の排気口2bからハウジング2外へと排出される。
【0031】
また、磁石24は、磁石24を収容する集塵ケース22と共に障壁部21の収納部21aに対して出入れすることができるため、磁石24に粉塵が吸着され、ある程度の量が堆積した時点で、図4に示されるように磁石24を集塵ケース22と共にハウジング2の後端側から引き出し、磁石24に吸着している粉塵をエアーで吹飛ばす等して除去することができる。粉塵を除去した後、磁石24を集塵ケース22と共にハウジング2の後端側から差込み、図2に示されるように障壁部21の収納部21aに装着することにより、再度空気中から粉塵を分離することができる。つまり、磁石24に吸着され堆積した粉塵を除去するメンテナンス作業を簡単に行うことができる。よって、磁石24に粉塵が吸着されて空気から取り除かれるため、固定子3aに使用されている永久磁石に粉塵が吸着されて回転子3bの回転に支障を来すことがなく、モータ3の安定した動作が可能となって、その耐久性が高められて寿命延長が図られる。
【0032】
また、隔壁部21が設けられているため、粉塵と共に吸気口2aからハウジング2内に導入された空気の流れが障壁部21によって減速され、空気に含まれる粉塵が空気から分離し易くなり、より効果的に粉塵の吸着除去を実現できる。
【0033】
また、3つの磁石24の上面は、集塵風路2dの一部を画成している。これら3つの磁石24は、上面(吸着面)側の磁極が前方からN極、S極、N極と配列されるように配置されているので、粉塵を含んだ空気が集塵風路2dを通過する際には、粉塵の磁極がN、S極の何れであっても、3つの磁石24の何れかで確実に吸着することができ、より高い集塵効率を得ることができる。
【0034】
次に、本発明の第二の実施の形態による電動工具について、図6(a)乃至図9を参照して説明する。第二の実施の形態による電動工具100の集塵ケース122には、鉄心125と、鉄心125に巻回されたコイル126と、コイル126と鉄心125とを覆うヨーク127とから成る3つの電磁石124が配置されている。集塵ケース122の左右方向の両側面には、各電磁石124に対応する受電電極131が配置され、受電電極131は対応する電磁石124のコイル126と電気的に接続されている。受電電極131はバネ性を有し、プレート状に形成されている。また、集塵ケース122を完全に引出した状態において、受電電極131は、基端部を集塵ケース122に固定され、自由端131Aを揺動可能に構成されており、自由端131Aは集塵ケース122から幅方向外側に向かって配置されている。
【0035】
また、ハウジング102のうち、集塵ケース122を装着した際に集塵ケース122の左右方向の側面と対向する面には、プレート状に形成された給電電極132が設けられている。給電電極132は、電力を調節するための抵抗133を介して、電源部10と電気的に接続されている。集塵ケース122がハウジング102に装着されると、給電電極132と受電電極131とが接触し、抵抗133、給電電極132、受電電極131とを介して、電源部10とコイル126とが接続されることにより、各電磁石124は磁極を有する。なお、本実施形態において、電磁石124は、吸着面(ヨーク127の上面)側の磁極が前方からN極、S極、N極、つまり、極性が交互になるように電気的に接続されている。
【0036】
このような構成によれば、集塵ケース122がハウジング102に装着されている際には、受電電極131と給電電極132とが接触することにより、電磁石124は電源部10と電気的に接続され磁極を有するので、空気中に含まれる磁性を有する粉塵を吸着することができる。一方、電磁石124のヨーク127に堆積した粉塵を除去するために、集塵ケース122をハウジング102から引出す際には、受電電極131と給電電極132との接続が解除される。よって、電磁石124には電力が供給されず磁性を有しないため、堆積した粉塵とヨーク127との間の吸着力が弱まり、粉塵の除去が容易となる。
【0037】
また、電磁石124にそれぞれに対応する受電電極131を設けたことにより、各電磁石124は、自身がハウジング102内に収納されている間には粉塵の吸着力を有し、自身がハウジングの外に引出されると粉塵の吸着力を弱めることができる。例えば、最も後方に位置する電磁石124だけをハウジング102の外に配置すると共に、前方に位置する2つの電磁石124をハウジング102内に配置するように集塵ケース122が引出された場合には、最も後方に位置する電磁石124に対応する受電電極131は給電電極132から離間し、電気的な接続が解除されて、最も後方の電磁石124は磁性を失う。一方、前方に位置する2つの電磁石124に対応する各受電電極131は、給電電極132に当接し電気的に接続されたままであり、前方に位置する2つの電磁石は磁性を維持し続ける。よって、前方の2つの電磁石124は、自身がハウジング102の外に引出されるまでは粉塵の吸着力を維持しているので、吸着した粉塵をハウジング102内に離散してしまうことがない。そして、さらに集塵ケース122が引出され、自身がハウジング102の外に位置した際には、電磁石124は電気的な接続が解除され、粉塵を吸着する力が弱まり、粉塵の除去が容易となる。
【0038】
また、受電電極131はバネ性を有しているため、ハウジング102から集塵ケース122を出入れする場合に集塵ケース122の幅方向に伸縮し、集塵ケース122の摺動を阻害することがない。
【0039】
次に、本発明の第三の実施の形態による電動工具について、図10及び図11を用いて説明する。第三の実施の形態による電動工具200は、第二の実施の形態による電動工具の構成に加え、ハウジング102内に集塵ケース122の摺動を感知するセンサ141と、集塵ケース122に振動を与えるためのバイブレーションモータ142と、バイブレーションモータ142を制御するコントローラ143とが設けられている。粉塵の除去のため集塵ケース122を引出す際に、センサ141が集塵ケース122の摺動を感知すると、コントローラ143がバイブレーションモータ142を駆動させ、集塵ケース122に振動を伝達する。
【0040】
このような構成によれば、まず、ハウジング102から集塵ケース122が引出されると、センサ141が集塵ケース122の摺動を感知して、コントローラ143がバイブレーションモータ142を駆動する。ハウジング102の外に引出された電磁石124(ヨーク127)は、受電電極131と給電電極132との接続が解除されて磁性を失い、粉塵の吸着力が弱まる。さらに、集塵ケース122と共にヨーク127が振動することにより、ヨーク127上に堆積した粉塵とヨーク127とが離間しやすくなり、粉塵の除去が一層容易となる。なお、第二の実施の形態による電動工具と同様に、各電磁石124は、自身がハウジング102内に収納されている間には粉塵の吸着力を有するため、ハウジング102内に収納されている電磁石124上の粉塵は、バイブレーションモータ142による振動を受けてもヨーク127から離間せず、ハウジング102内に離散してしまうことがない。
【0041】
尚、本発明による電動工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求項の範囲に記載した発明の要旨の範囲内で種々の変形や改良が可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、3つの磁石を用いたが、磁石の数は特に限定されず任意である。
【0043】
また、第一実施形態では、磁石24を永久磁石として説明したが、磁石24の代わりに電磁石を用いても良い。また、第三実施形態では、磁石を電磁石124としたが、電磁石124の代わりに永久磁石を用いてもよい。
【0044】
また、第二実施形態及び第三実施形態において、受電電極131及び給電電極132の形状をプレート状としたが、本発明はこれに限定されることなく、電気的に接続することができる構成であればどのような形状でもよい。
【0045】
また、上記実施の形態では、集塵ケースを引出した後、磁石上に堆積した粉塵をエアー等で吹飛ばすとしたが、磁石上から粉塵を除去できればどのような手段で除去しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の電動工具は、金属加工を行うディスクグラインダ等に好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電動工具の模式的な構成図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る電動工具の内部構造を示す要部断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る電動工具において集塵ケースを引出す状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る電動工具における磁石が収容された集塵ケースの平面図である。
【図6】(a)本発明の第二実施形態に係る電動工具における電磁石が収容された集塵ケースの平面図、及び(b)側面図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る電動工具のハウジングを示す要部断面図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る電動工具において集塵ケースを引出す状態を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る電動工具におけるハウジングに収容された集塵ケースを示す部分平面図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る電動工具の電気回路図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る電動工具の要部断面図である。
【図12】従来の集塵構造を示す説明図である。
【図13】従来の他の集塵構造を示す電動工具要部の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1、100、200 電動工具
2、102 ハウジング
2a 吸気口
2b 排気口
2c 風路
2d 集塵風路
3 モータ
4 回転軸
9 冷却用ファン
10 電源部
21 障壁部
21A リブ
22、122 集塵ケース
24、124 磁石
125 鉄心
126 コイル
127 ヨーク
131 受電電極
132 給電電極
141 センサ
142 バイブレーションモータ
143 コントローラ
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年8月9日(2007.8.9)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−62375(P2008−62375A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2007−208202(P2007−208202)