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【発明の名称】 集塵機の連動システム
【発明者】 【氏名】渡邊 将裕

【要約】 【課題】受信機を有しない既存の集塵機でも簡単に電動工具に無線で連動可能とする。

【構成】外部機器との連動機能を備えた集塵機1のコンセント24に、そのコンセント24から電源を得て動作し、マルノコ7に設けた送信機からの運転信号を受信して内部の受信通電回路に通電させるアダプタ32を差し込み接続した。よって、マルノコ7を作動させると、そのの運転信号を受信したアダプタ32に通電され、集塵機1が連動機能を発揮して連動運転することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具にホースを介して接続され、外部機器への電源供給用のコンセントを有して前記コンセントからの電源供給を検出して前記外部機器と連動運転する連動機能を備えた集塵機を、無線によって前記電動工具の作動及び作動停止に連動させるための集塵機の連動システムであって、
前記電動工具に、前記電動工具の作動を検出する作動検出手段と、その作動検出手段による検出結果に基づいて運転信号を送信する無線送信手段とを備えた送信機を設ける一方、
前記集塵機のコンセントに、そのコンセントから電源を得て通電する受信通電回路と、前記送信機の無線送信手段からの運転信号を受信する無線受信手段と、その無線受信手段での運転信号の受信に応じて前記受信通電回路の通電を制御する通電制御手段とを備えたアダプタを差し込み接続して、
前記電動工具の作動の際には、前記電動工具の運転信号を受信した前記アダプタにおいて前記受信通電回路が通電することで、前記集塵機に連動機能を発揮させるようにしたことを特徴とする集塵機の連動システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマルノコ等の電動工具と、その電動工具にホースを介して接続される集塵機とを備え、電動工具の作動及び作動停止に伴って集塵機を自動的に作動及び作動停止させるための集塵機の連動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルノコやグラインダ、カンナ等の電動工具を使用する場合、粉塵や切削屑が排出されるため、電動工具にホースを介して集塵機を接続し、集塵機を作動させながら切削作業等を行うことで、粉塵等を飛散させずに集塵機に直接集塵させることがよく行われている。この場合、両者を使用する際の作業性を向上させるために、集塵機に電動工具との連動機能を付加したものが知られている。これは、集塵機に、電動工具の電源コードを差し込むコンセントと連動/非連動の切替スイッチとを設けて、連動を選択した際には、集塵機内の制御部が、コンセント側への電流を検出する電流検出部からの信号に基づいて集塵機のモータ駆動回路に設けたスイッチを開閉させて集塵機を電動工具に連動させる一方、非連動を選択した際には、制御部がスイッチを常閉として、手動によるメインスイッチのON/OFFによって集塵機を単独で動作させるものである。
【0003】
しかし、この連動機能では、電源コードで交流電源を得るAC工具しか使用できない上、両者間を繋ぐ電源コードが作業の邪魔になるおそれもある。よって、本件出願人は、特許文献1に開示のように、電動工具に、電動工具の作動を検出する作動検出手段と、その作動検出手段による検出結果に基づいて、運転信号又は停止信号を送信する無線送信手段とを備えた送信機を装着する一方、集塵機に、送信機からの信号を受信する無線受信手段と、その無線受信手段で受信した信号に基づいてモータ駆動回路の通電を制御する通電制御手段とを備えた受信機を設けて、AC工具は勿論、DC工具でもその作動及び作動停止に集塵機が無線で連動可能とした集塵機の連動システムを提供している。
【0004】
【特許文献1】特開2004−195565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記集塵機の連動システムにおいては、集塵機に受信機を搭載させる必要があり、全体のコストアップに繋がる上、連動機能を備えたものであっても受信機がない集塵機では使用できない。ここでは、受信機をアダプタとして電源コードとコンセントとの間に介在させる例が提示されているが、このようにアダプタを介在させた状態では常に電動工具と連動となって単独での集塵機の使用が行えず、単独使用時にはコンセントの位置まで行ってアダプタを取り外す必要があって結局作業性が悪くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、受信機を有しない既存の集塵機でも簡単に電動工具に無線で連動可能となり、集塵機の単独運転も容易に可能となって使い勝手に優れる集塵機の連動システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電動工具にホースを介して接続され、外部機器への電源供給用のコンセントを有してコンセントからの電源供給を検出して外部機器と連動運転する連動機能を備えた集塵機を、無線によって電動工具の作動及び作動停止に連動させるための集塵機の連動システムであって、電動工具に、電動工具の作動を検出する作動検出手段と、その作動検出手段による検出結果に基づいて運転信号を送信する無線送信手段とを備えた送信機を設ける一方、集塵機のコンセントに、そのコンセントから電源を得て通電する受信通電回路と、送信機の無線送信手段からの運転信号を受信する無線受信手段と、その無線受信手段での運転信号の受信に応じて受信通電回路の通電を制御する通電制御手段とを備えたアダプタを差し込み接続して、電動工具の作動の際には、電動工具の運転信号を受信したアダプタにおいて受信通電回路が通電することで、集塵機に連動機能を発揮させるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、アダプタの採用により、連動機能を備えた集塵機であれば、受信機を有しない既存の集塵機でも簡単に電動工具と無線で連動させることができる。また、集塵機側での非連動への切替により単独運転が可能となるため、使い勝手に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電動工具としてマルノコを使用した集塵機の連動システムの一例を示す説明図で、まず集塵機1は、タンク2の上部に、ACモータ及び吸い込みファンを内蔵した本体3を載置してなる。タンク2には電源コード4が接続されており、ここから交流電源を得てACモータを駆動させると、タンク2の吸込口5に接続したホース6から粉塵等と共に外気を吸い込み、タンク2内を通過させて本体3から排気する。タンク2内と本体3との間にはフィルタが介在されていることから、吸い込まれた粉塵等は、フィルタで捕捉されてタンク2内に集塵される。
【0010】
7はマルノコで、集塵機1と同じく交流電源を得る電源コード9が接続される本体8には、ACモータの駆動によって回転する円盤状の鋸刃10が備えられる。鋸刃10を覆うブレードケース11には、集塵機1からのホース6が接続されている。
また、マルノコ7内には送信機12が内蔵されている。この送信機12は、図2に示すように、交流電源とマルノコ7のACモータ13との間でモータ駆動回路15に組み込まれるもので、ACモータ13と並列に接続されて動作電源を作成する電源部16と、電源部16から電源を得て動作し、変流器18を介してモータ駆動回路15の通電を検出する作動検出手段としての電流検出部17と、同じく電源部16から電源を得て電流検出部17による電流の検出に応じて動作する送信部19とを備える。20は送信部19に設けたアンテナで、送信部19と合わせて無線送信手段を構成する。すなわち、送信部19は、電流検出部17がマルノコ7のメインスイッチ14のONによってモータ駆動回路15内の通電を検出した際には、運転信号をアンテナ20から送信するものである。
【0011】
一方、集塵機1では、同図に示すように、ACモータ21を有するモータ駆動回路22では、メインスイッチ23が設けられる他、ACモータ21と並列に外部機器を接続するコンセント24が設けられている。モータ駆動回路22内には、ACモータ21と並列に接続されて動作電源を作成する電源部25と、電源部25から電源を得、変流器27を介してコンセント24への通電を検出する電流検出部26と、同じく電源部25から電源を得て動作し、電流検出部26による電流の検出信号が入力される制御部28が設けられている。この制御部28には、集塵機1に設けた連動/非連動切替スイッチ29の切替信号も入力されるようになっており、制御部28は、電流検出部26による検出信号の有無と、連動/非連動切替スイッチ29の切替信号とに応じて、駆動部30を介してモータ駆動回路22に設けられた連動スイッチ31をON/OFF動作させる。
【0012】
そして、32はアダプタで、このアダプタ32は、コンセント24に差し込まれるプラグ33を有して内部に受信通電回路34を形成している。受信通電回路34は、プラグ33及びコンセント24を介して交流電源から動作電源を作成する電源部35と、電源部35から電源を得て動作し、送信機12のアンテナ20から送信された運転信号を受信可能なアンテナ37を備えた受信部36と、同じく電源部35から電源を得て受信部36での受信信号に応じて動作する駆動部38とを備える。受信部36とアンテナ37とが無線受信手段となる。駆動部38は、受信部36が運転信号を得た場合には、受信通電回路34に設けたスイッチ39をONさせ、運転信号が得られない場合にはスイッチ39をOFFさせる通電制御手段となる。40は、受信通電回路内を所定の電流値で通電させるための抵抗負荷である。
【0013】
以上の如く構成された集塵機の連動システムにおいては、常にアダプタ32のプラグ33を集塵機1のコンセント24に差し込んだまま使用する。この状態で連動/非連動切替スイッチ29を切替操作して連動/非連動を選択すれば良い。
まず連動/非連動切替スイッチ29で連動を選択し、メインスイッチ23をONした状態で、マルノコ7のメインスイッチ14をONさせてモータ駆動回路15に通電させると、ACモータ13が駆動して鋸刃10が回転する。このモータ駆動回路15の通電を電流検出部17が検出すると、送信部19がアンテナ20から運転信号を送信する。すると、集塵機1では、アンテナ37を介して受信部36が運転信号を受信するため、駆動部38はスイッチ39をONさせて受信通電回路34に通電させる。
【0014】
こうして交流電源からアダプタ32の受信通電回路34へ通電されると、集塵機1側の電流検出部26がこれを検出するため、制御部28が駆動部30を介して連動スイッチ31をONさせる。よって、ACモータ21が駆動して集塵機1がマルノコ7と略同時に運転を開始することになる。
【0015】
マルノコ7側での作業が終了してメインスイッチ14をOFFさせると、モータ駆動回路15での通電が停止してACモータ13が停止すると共に、電流検出部17がこれを検出するため、送信部19はアンテナ20からの運転信号の送信を停止する。すると、アダプタ32では、受信部36で運転信号の受信が停止するため、駆動部38がスイッチ39をOFFさせて受信通電回路34の通電を停止させる。よって、集塵機1では、電流検出部26でコンセント24側への通電停止を検出した制御部28が、駆動部30を介して連動スイッチ31をOFFさせてACモータ21を停止させるため、集塵機1の運転がマルノコ7と略同時に停止することになる。
【0016】
一方、連動/非連動切替スイッチ29で非連動を選択すると、制御部28が駆動部30を介して連動スイッチ31をONさせる。よって、メインスイッチ23をONすると、モータ駆動回路22に通電してACモータ21が駆動し、集塵機1が単独運転するため、例えばマルノコ7を駆動させることなく集塵機1のみ運転させてホース6に残った粉塵を吸い込ませたり、マルノコ7からホース6を取り外して周囲の粉塵を吸い込ませたり等の作業を行うことができる。
【0017】
このように、上記形態の集塵機の連動システムによれば、マルノコ7に、マルノコ7のモータ駆動回路15の通電を検出する電流検出部17と、その電流検出部17による検出結果に基づいて運転信号を送信する送信部19及びアンテナ20を備えた送信機12を設ける一方、集塵機1のコンセント24に、そのコンセント24から電源を得て通電する受信通電回路34と、送信機12からの運転信号を受信する受信部36及びアンテナ37と、その受信部36及びアンテナ37での運転信号の受信に応じて受信通電回路34の通電を制御する駆動部38及びスイッチ39を備えたアダプタ32を差し込み接続して、マルノコ7の作動の際には、マルノコ7の運転信号を受信したアダプタ32において受信通電回路34が通電することで、集塵機1に連動機能を発揮させるようにしたことで、連動機能を備えた集塵機1であれば、受信機を有しない既存の集塵機でも簡単にマルノコ7に無線で連動可能となる。また、ここではアダプタ32をコンセント24に差し込んだままでも集塵機1の非連動への切替により単独運転が可能となるため、使い勝手に優れる。
【0018】
なお、上記形態では、AC工具であるマルノコに送信機を内蔵した例で説明しているが、先の背景技術で提示した特許文献1に開示のように、送信機をアダプタとして電源コードとコンセントとの間に介在させるようにしてもよい。こうすれば、送信機がない既存の電動工具にも本発明が適用可能となり、設計変更やコストアップが低減されて好ましい形態となる。
また、AC工具に限らず、図3に示すように、電源として複数の蓄電池を収容したバッテリーパック41を本体8に装着するマルノコ7a等のDC工具であっても、バッテリーパック41と本体8との間に送信機42をアダプタとして介在させることで連動システムは構成可能である。勿論アダプタとしてでなく本体内に送信機を組み込むこともできる。
【0019】
一方、アダプタの受信通電回路やモータ駆動回路の構成も上記形態に限定するものではなく、例えば集塵機のモータ駆動回路では、メインスイッチを連動スイッチと直列に設けているが、連動スイッチと並列に設けて、連動を選択した際にはメインスイッチをONさせることなく連動スイッチのON/OFFでモータ駆動回路の通電とその停止とを実行させ、非連動を選択した際には連動スイッチをOFFさせたままでメインスイッチのON/OFFでモータ駆動回路の通電とその停止とを実行させるようにしても差し支えない。
【0020】
また、集塵機の連動機能の切替も、上記形態のように連動/非連動切替スイッチを手動操作して行うものに限らない。例えば集塵機では、内蔵した連動/非連動切替スイッチをコンセントに設けたカバーの開閉動作に連動してON/OFFさせるものがあるが、この場合、アダプタをコンセントに差し込むためにカバーを開くと連動となり、アダプタをコンセントから外すとカバーが閉じて非連動となる。よって、集塵機の単独運転を行う際にはアダプタの取り外しが必要となるが、背景技術で提示したアダプタのように集塵機のプラグが差し込まれるコンセントの位置まで行った上でプラグを抜いてアダプタを取り外し、再びプラグをコンセントに差し込むという面倒な操作が必要がなく、集塵機側でのアダプタの取り外しのみで済むため、作業は楽となる。
その他、電動工具としてはマルノコに限らず、グラインダやサンダ、カンナ等の他のタイプであっても本発明の適用は可能である。集塵機も、連動機能を具備したものであれば、タンクや本体の形態は適宜設計変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】連動システムの説明図である。
【図2】連動システムの回路構成図である。
【図3】連動システムの変更例の説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1・・集塵機、2・・タンク、3・・本体、5・・吸込口、6・・ホース、7・・マルノコ、8・・本体、12・・送信機、15,22・・モータ駆動回路、16,25,35・・電源部、17,26・・電流検出部、19・・送信部、24・・コンセント、28・・制御部、29・・連動/非連動切替スイッチ、30,38・・駆動部、31・・連動スイッチ、32・・アダプタ、34・・受信通電回路、36・・受信部、39・・スイッチ。
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹

【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一


【公開番号】 特開2008−36723(P2008−36723A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−210244(P2006−210244)