Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
作業工具 - 特開2008−23648 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 作業工具
【発明者】 【氏名】蜂須賀 智弘

【要約】 【課題】作業時において作業者が把持するハンドグリップが工具前後に少なくとも2つ配設され、工具前方側のハンドグリップが左右方向に関し長手状に延在する把持部を有する構成の作業工具において、ハンドグリップのフィット感向上を図るのに有効な技術を提供する。

【構成】本発明にかかるヘッジトリマ100において、工具前方側のフロントグリップ130は、左右方向に延在する第1延在部131が後斜め上方に向けて突出する凸部131aを有し、この凸部131aがグリップ把持状態の作業者の掌の凹み形状に合致する構成とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部の工具先端に配設された先端工具と、
前記本体部内に収容され前記先端工具を駆動する駆動機構と、
前記本体部の工具後方側に設けられ、工具使用時に作業者の一方の手によって把持される第1ハンドグリップと、
前記本体部のうち前記第1ハンドグリップよりも工具前方側に設けられ、工具使用時に作業者の他方の手によって把持される第2ハンドグリップと、
を備え、
前記第2ハンドグリップは、前記本体部の左右方向に関し長手状に延在する丸軸形状の把持部を備え、前記把持部は、後斜め上方に向けて突出する凸部を有する構成であることを特徴とする作業工具。
【請求項2】
請求項1に記載の作業工具であって、
前記第2ハンドグリップは、前記把持部を把持した作業者の掌に関し、第1指関節に沿って延在する延在線と、感情線ないし知能線に沿って延在する延在線とによって区画された掌の凹状部分に合わせて前記凸部が形成された構成であることを特徴とする作業工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業工具であって、
前記第2ハンドグリップは、丸軸形状の前記把持部が作業者側へR150〜R250[mm]で湾曲状に突出することで前記凸部を形成する構成であることを特徴とする作業工具。
【請求項4】
請求項3に記載の作業工具であって、
前記第2ハンドグリップは、作業者側へ湾曲状に突出する丸軸形状の前記把持部の両端から当該把持部に連接して下方へ延在したのち前記本体部に取付けられる丸軸形状の第2の把持部を有し、当該第2の把持部が工具前方に向けて湾曲状に突出した構成であることを特徴とする作業工具。
【請求項5】
請求項3または4に記載の作業工具であって、
前記第2ハンドグリップの把持部及び第2の把持部の少なくとも一方は、当該把持部の断面径が延在方向に関し一様に構成されていることを特徴とする作業工具。
【請求項6】
請求項5に記載の作業工具であって、
当該把持部の断面径がφ25〜35[mm]とされた構成であることを特徴とする作業工具。
【請求項7】
請求項4〜6のうちのいずれか1項に記載の作業工具であって、
前記第2ハンドグリップは、前記把持部と前記第2の把持部との連接部分がR45〜R50[mm]の湾曲状とされた構成であることを特徴とする作業工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作業工具の構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1には、ハウジングに主ハンドルと補助ハンドルを有する構成の刈込機が開示されている。この刈込機では、主ハンドルよりも工具前方に補助ハンドルが設けられており、工具使用時に主ハンドルが作業者の一方の手によって把持され、補助ハンドルが作業者の他方の手によって把持される。また、主ハンドル及び補助ハンドルのうち工具前方側に配置される補助ハンドルは、略C字状とされた構成であり、左右方向に関し長手状に延在する把持部を有する。
【特許文献1】特開2003−235352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1に記載の刈込機のように、作業者がハンドグリップを把持して作業を行う各種の作業工具においては、作業者の手のフィット感向上を追及することによって作業者の疲労感の軽減を図る技術が要請される。そこで、本発明者は、この種の作業工具を用いた作業時において、ハンドグリップの形状が当該ハンドグリップを把持している作業者が感じる手のフィット感(把持感、シックリ感など)に与える影響について鋭意検討した。その検討の結果、本発明者は、特に上記特許文献1に記載の補助ハンドルのように、工具前方側において左右方向に関し長手状に延在する把持部を有するハンドグリップに関し最適なハンドグリップ形状を追求することによって、作業者の手指のフィット感向上を図ることができ、長時間の作業においても作業者の手が疲れにくいハンドグリップ構造を見出すことに成功した。
本発明では、作業時において作業者が把持するハンドグリップが工具前後に少なくとも2つ配設され、工具前方側のハンドグリップが左右方向に関し長手状に延在する把持部を有する構成の作業工具において、ハンドグリップのフィット感向上を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
【0005】
本発明に係る作業工具は、本体部、先端工具、駆動機構、第1ハンドグリップ及び第2ハンドグリップを少なくとも備える。
本発明の先端工具は、本体部の工具先端に取り付けられる工具として構成され、刈り込み、切断、切削、研磨等、各種の作業に用いられる。
本発明の駆動機構は、本体部内に収容され先端工具を駆動する機構として構成される。本発明の駆動機構として、工具本体に搭載されたバッテリから供給される電流、或いは電源コードを用いて電源から供給される電流によって作動する電動モータや、空気や燃焼ガスの圧力によって作動する駆動機構を採用することができる。従って、本発明の「作業工具」には、電動式の作業工具、エア駆動式やガス駆動式の作業工具が広く包含される。
本発明の第1ハンドグリップは、本体部の工具後方側に設けられ、工具使用時に作業者の一方の手によって把持されるハンドグリップとして構成される。
本発明の第2ハンドグリップは、本体部のうち第1ハンドグリップよりも工具前方側に設けられ、工具使用時に作業者の他方の手によって把持されるハンドグリップとして構成される。本発明では、特に第2ハンドグリップは、本体部の左右方向に関し長手状に延在する丸軸形状の把持部を備え、この把持部は、後斜め上方に向けて突出する凸部を有する構成とされる。なお、この把持部は、作業者がハンドグリップを把持する際に、その手の把持力(握力)が及ぶ部位に相当する。また、本明細書中でいう「丸軸形状」には、外周が真円ないし楕円とされた中空の円筒形状や中実の円柱形状が広く包含される。また、本発明において、第2ハンドグリップの把持部は、本体部の左右方向に関し長手状に延在する成分を有していれば足りる。
【0006】
ところで、本発明の作業工具のように、作業時において作業者が把持する第1ハンドグリップ及び第2ハンドグリップが工具前後に配設された構成の作業工具にあっては、工具前後方向に関し第1ハンドグリップと第2ハンドグリップの間に作業者が位置するため、工具前方側の第2ハンドグリップに対しては、作業者の一方の手が工具後方側から延在して作用して第2ハンドグリップが把持されることとなる。また、この第2ハンドグリップを把持するグリップ把持状態の作業者の掌には、凹み形状(「窪み」ともいう)が形成される。そこで、本発明では、グリップ把持状態の掌には、この凹み形状が形成されることを勘案して、第2ハンドグリップのうち、本体部の左右方向に関し長手状に延在する丸軸形状把持部が、後斜め上方に向けて突出する凸部を備える構成を採用している。このような構成の凸部は、第2ハンドグリップのグリップ把持状態において把持部よりも工具後方側に位置する作業者に向かう凸部となり、当該作業者の手の位置との関係においては、後斜め上方から前斜め下方に向けて延在する当該作業者の手が、後斜め上方から第2ハンドグリップの把持部を把持したとき、当該作業者の掌に凸部が作用することとなる。このような構成によれば、第2ハンドグリップのうち丸軸形状とされた把持部の凸部が、グリップ把持状態の作業者の掌の凹み形状の部位に合致することとなり、作業者の手のフィット感を高めることが可能となる。従って、長時間の作業においても作業者の手が疲れにくいハンドグリップ構造が実現される。
【0007】
本発明に係る更なる形態の作業工具では、第2ハンドグリップは、把持部を把持した作業者の掌に関し、第1指関節に沿って延在する延在線と、感情線ないし知能線(「頭脳線」ともいう)に沿って延在する延在線とによって区画された掌の凹状部分に合わせて、凸部が形成された構成とされる。本構成に関しては、グリップ把持状態にある作業者の掌のうち、とりわけ第1指関節に沿って延在する延在線と、感情線ないし知能線(「頭脳線」ともいう)に沿って延在する延在線とによって区画された領域が、とりわけ凹み形状が形成され易い部位となる。従って、このような構成によれば、第2ハンドグリップのうち丸軸形状とされた把持部の凸部が、グリップ把持状態の作業者の掌の凹み形状の部位により確実に合致することとなり、グリップ把持状態の作業者の掌の形状を考慮した、よりフィット感の高いハンドグリップ構造が実現される。
【0008】
本発明に係る更なる形態の作業工具では、第2ハンドグリップは、丸軸形状の把持部が作業者側へR150〜R250[mm]で湾曲状に突出することで凸部を形成する構成とされる。このような形状の把持部は、グリップ把持状態の作業者の掌の凹み形状に倣った形状とされ、とりわけ本発明者が実施した被験者による評価に基づいた結果、フィット感が高いことが確認された。従って、このような構成によれば、第2ハンドグリップの把持部の更なるフィット感向上を図ることが可能となる。
【0009】
本発明に係る更なる形態の作業工具では、第2ハンドグリップは、作業者側へ湾曲状に突出する丸軸形状の把持部の両端から当該把持部に連接して下方へ延在したのち本体部に取付けられる丸軸形状の第2の把持部を有し、当該第2の把持部が工具前方に向けて湾曲状に突出した構成とされる。この第2ハンドグリップでは、丸軸形状の把持部が作業者側へ湾曲状に突出する構成上、この把持部の両端が一旦は工具前方側へと延在することとなる。そこで、本発明のように、把持部の両端から本体部までの間で下方へ延在する第2の把持部が工具前方に向けて湾曲状に突出した構成を採用することによって、把持部から第2の把持部を経て本体部へと至る第2ハンドグリップの形状を、連続状の滑らかな(自然な)曲線とすることが可能となる。従って、このような構成によれば、作業者が第2ハンドグリップの各部位のうち、把持する部位を作業中に変更する場合に違和感が生じるのを抑えることが可能となる。
なお、本発明において、第2ハンドグリップの第2の把持部に関しては、把持部の両端から当該把持部に連接して下方へ延在する成分を有していれば足り、把持部の両端から垂直下向きに延在する構成、把持部の両端から後斜め下方に延在する構成、把持部の両端から前斜め下方に延在する構成を適宜採用することができる。
【0010】
本発明に係る更なる形態の作業工具では、第2ハンドグリップの把持部及び第2の把持部の少なくとも一方は、当該把持部の断面径が延在方向に関し一様に構成されている。ところで、例えばヘッジトリマにおける生垣バリカン作業のように先端工具であるブレードを様々な角度に設定することが想定される作業にあっては、作業上の要請によって作業中に第2ハンドグリップの把持位置がかわる場合がある。そこで、本発明のように第2ハンドグリップの把持部及び第2の把持部の少なくとも一方の断面径を一様に構成することによって、作業中に把持位置がかわっても作業者に違和感を与えるのを抑えることができ、以って疲れにくいグリップ形状が実現される。
【0011】
本発明に係る更なる形態の作業工具では、当該把持部の断面径がφ25〜35[mm]とされている。このような形状の把持部は、とりわけ本発明者が実施した被験者による評価に基づいた結果、フィット感が高いことが確認された。その理由としては、設定範囲よりも断面径が小さい細いグリップほど重量感を感じ易く、また把持したときに指が余るという傾向があり、また設定範囲よりも断面径が大きい太いグリップほど外観上の重量感を感じ易いという傾向がある。従って、このような構成によれば、第2ハンドグリップの把持部や第2の把持部に関し更なるフィット感向上を図ることが可能となる。
【0012】
本発明に係る更なる形態の作業工具では、第2ハンドグリップは、把持部と第2の把持部との連接部分がR45〜R50[mm]の湾曲状とされている。このような形状の第2ハンドグリップは、第2の把持部や、把持部と第2の把持部との連接部分に関するフィット感が高い。その理由としては、当該設定範囲よりもRを小さくすると連接部分の曲がりがきつくなり連接部分を把持しにくくなる傾向があり、また当該設定範囲よりもRを大きくすると連接部分は把持し易くなる一方、今度は第2の把持部のうち直線状に延在する領域が狭くなり第2の把持部を把持しにくくなる傾向がある。従って、このような構成によれば、第2ハンドグリップの第2の把持部や、把持部と第2の把持部との連接部分に関するフィット感向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、作業時において作業者が把持するハンドグリップが工具前後に少なくとも2つ配設され、工具前方側のハンドグリップが左右方向に関し長手状に延在する把持部を有する構成の作業工具において、特に工具前方側のハンドグリップの形状を工夫することによって、ハンドグリップのフィット感向上を図ることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の「作業工具」の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、作業工具の一例として、生垣や植え込みの刈り込み、或いは街路樹の剪定などの園芸作業に用いられるヘッジトリマについて説明する。このヘッジトリマは、「作業工具」或いは「園芸工具」とも称呼される。
【0015】
本発明の一実施の形態のヘッジトリマ100の外観が図1及び図2に示される。図1には、本発明の一実施の形態のヘッジトリマ100の側面図が示され、図2には、図1中のヘッジトリマ100の平面図が示される。
図1及び図2に示すように、本実施の形態のヘッジトリマ100は、トリマ本体部110、メイングリップ120、フロントグリップ130、ブレードアッセンブリー140及び駆動機構150を主体に構成される。
【0016】
トリマ本体部110は、ハウジング112内に、ブレードアッセンブリー140の駆動に関する種々の電気系部品や機械系部品を収容する構成とされる。このトリマ本体部110が本発明における「本体部」を構成している。このトリマ本体部110とメイングリップ120ないしフロントグリップ130をあわせて「本体部」ということもできる。
【0017】
メイングリップ120は、トリマ本体部110のハウジング112の工具後方側(図1中の左側)に設けられたハンドル(「主ハンドル」或いは「後部ハンドル」ともいう)として構成される。このメイングリップ120は、典型的には作業者の利き手によって把持される。このメイングリップ120が、本発明において「工具使用時に作業者の一方の手によって把持される第1ハンドグリップ」に相当する。
【0018】
フロントグリップ130は、トリマ本体部110のハウジング112の前側(図1中の右側)に設けられた取付け部114,114に取付けられた環状ないし略C字状のハンドル(「補助ハンドル」或いは「前部ハンドル」ともいう)として構成される。このフロントグリップ130は、全体として取付け部114,114から側面視で前斜め上方へと延在する。このフロントグリップ130は、典型的には作業者の利き手とは反対の手によって把持される。このフロントグリップ130が、本発明において「工具使用時に作業者の他方の手によって把持される第2ハンドグリップ」に相当する。
【0019】
なお、メイングリップ120の把持部分と、フロントグリップ130の把持部分の配置に関しては、工具前後方向に関しメイングリップ120とフロントグリップ130の間に作業者が位置し、またメイングリップ120の把持部分とフロントグリップ130の把持部分の中間位置にヘッジトリマ100の重心がくるように設計するのが好ましい。これにより、作業者がヘッジトリマ100を支持した場合に、利き手とその反対の手にかかる荷重をほぼ均等にすることができ、作業者の手の負担が軽減することが可能となる。
【0020】
ブレードアッセンブリー140は、トリマ本体部110のハウジング112の前側(図1中の右側)から前方へと長手状に延在する先端工具を含み、この先端工具として具体的には互いに上下に重なり合う2枚の櫛刃状のブレード(切刃)141,142が用いられている。また、このブレードアッセンブリー140を駆動する駆動機構(電動モータ等)150がトリマ本体部110のハウジング112内に収容されている。当該駆動機構150は、メイングリップ120に設けられたトリガ122の引き操作によって作動し、この作動状態において駆動されたブレードアッセンブリー140のブレード141,142を生垣の刈り込みや街路樹等の被剪定物に作用させることによって、剪定作業が遂行される。なお、ヘッジトリマ100の作動原理自体は、周知の技術事項に属するため、その詳細な構成や作用の説明は、便宜上省略する。ここでいうブレードアッセンブリー140のブレード141,142は、トリマ本体部110の工具先端に配設された先端工具であって、本発明における「先端工具」を構成している。また、ブレードアッセンブリー140を駆動する駆動機構150が、本発明における「駆動機構」に相当する。
【0021】
次に、上記フロントグリップ130の更なる具体的構成及び作用を、図3〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態のフロントグリップ130を図1中の矢印A方向からみた図が図3に示され、図3中のフロントグリップ130のB−Bに関する矢視図が図4に示される。図3及び図4に示すように、本実施の形態のフロントグリップ130は、第1延在部131と第2延在部133,133を備える構成とされる。第1延在部131は、トリマ本体部110の上方において左右方向に関し長手状に延在する部位として構成される。一方、第2延在部133,133は、トリマ本体部110の側方において第1延在部131の端部132,132から当該第1延在部131に連接して下方へ延在したのちトリマ本体部110側の取付け部114,114に取り付けられる部位として構成される。ここでいう第1延在部131が、本発明における「把持部」に相当し、ここでいう第2延在部133,133が、本発明における「第2の把持部」に相当する。
【0023】
図3及び図4に示すように、本実施の形態では、フロントグリップ130全体、すなわち第1延在部131及び第2延在部133,133は、いずれも断面径(図4中の断面径d)が一様とされた丸軸形状とされている。なお、ここでいう丸軸形状には、外周が真円ないし楕円とされた中空の円筒形状や中実の円柱形状が広く包含される。ところで、ヘッジトリマにおける生垣バリカン作業のように先端工具であるブレードを様々な角度に設定することが想定される作業にあっては、作業上の要請によって作業中にフロントグリップ130の把持位置がかわる場合がある。そこで、本実施の形態のようにフロントグリップ130全体の断面径を一様に構成することによって、作業中に把持位置がかわっても作業者に違和感を与えるのを抑えることができ、以って疲れにくいグリップ形状が実現される。
【0024】
また、本実施の形態のフロントグリップ130では、第1延在部131と第2延在部133,133との連接部分である端部132,132がR45〜R50[mm]の湾曲状とされている。ここでいう端部132,132が、本発明において「把持部と第2の把持部との連接部分」に相当する。このような形状は、第2延在部133,133や端部132,132に関するフィット感が高い。その理由としては、当該設定範囲よりもRを小さくすると端部132,132の曲がりがきつくなり端部132,132を把持しにくくなる傾向がある一方、当該設定範囲よりもRを大きくすると端部132,132は把持し易くなるが、そのぶん第2延在部133,133のうち直線状に延在する領域が狭くなり第2延在部133,133を把持しにくくなる傾向があることが挙げられる。
【0025】
図3に示すように、第1延在部131の構成上の更なる特徴として、この第1延在部131は、工具後方(図中の左側)へ向けて突出した凸部(「R部」ともいう)131aを有する。この凸部131aは、断面径が一様とされた丸軸形状の第1延在部131が工具後方へ向けて湾曲状に突出した構成、すなわち第1延在部131の各部位のうち凸部131aと反対側の面には凸部131aに対応した窪みが形成された構成であり、その曲がりが例えばR150〜R250[mm]とされている。
【0026】
一方、図4に示すように、第2延在部133,133の構成上の特徴として、第1延在部131の両側に位置する丸軸形状の各第2延在部133は、工具前方(図中の右側)に向けて湾曲状に突出した構成とされる。なお、トリマ本体部110に対しフロントグリップ130が取り付けられた実際の取り付け状態に関しては、図5に示す状態が参照される。
【0027】
ここで、図5には、本実施の形態のフロントグリップ130の側面図であって、ブレードアッセンブリー140を水平状態とした場合のフロントグリップ130の向きが示される。図5に示すように、トリマ本体部110に対しフロントグリップ130が取り付けられた実際の取り付け状態においては、フロントグリップ130の第1延在部131の凸部131aは、ブレードアッセンブリー140を水平状態とした場合の水平線(図5中のC方向)に対し後斜め上方(図5中のD方向)へと突出するように構成されている。図5中のD方向は、一方の手でメイングリップ120を把持し、他方の手でフロントグリップ130を把持している作業者に向かう方向と合致する。この場合、C方向とD方向のなす角度θは工具の仕様やハンドグリップの形状等に基づいて適宜設定可能であり、当該角度θを例えば30°に設定することが可能である。例えば、第1延在部131の凸部131aの突出方向に関しては、第1延在部131を把持する際の作業者の掌の凹み形状(凹み領域)との関係において適宜変更可能である。
【0028】
本構成に関しては、工具前方側のフロントグリップ130に対しては、作業者の一方の手が工具後方側から延在して作用し、また当該フロントグリップ130の第1延在部131を把持するグリップ把持状態の作業者の掌には、凹み形状(「窪み」ともいう)が形成されることを勘案して、第1延在部131に後斜め上方に向かう凸部131aを設ける構成を採用している。すなわち、このような構成の凸部131aは、フロントグリップ130のグリップ把持状態において第1延在部131よりも工具後方側に位置する作業者に向かう凸部となり、当該作業者の手の位置との関係においては、後斜め上方から前斜め下方に向けて延在する当該作業者の手が、後斜め上方からフロントグリップ130の第1延在部131を把持したとき、当該作業者の掌に凸部131aが作用することとなる。このような構成によれば、フロントグリップ130の第1延在部131に設けた凸部131aが、グリップ把持状態の作業者の掌の凹み形状の部位、特には後述するR部当接領域200に合致することとなる。ここでいう凸部131aが、本発明における「後斜め上方に向けて突出する凸部」に相当する。
【0029】
一方、図5に示すように、フロントグリップ130の各第2延在部133は、ブレードアッセンブリー140を水平状態とした場合に、第1延在部131の各端部132から後斜め下方へと延在し、また前斜め下方に向けて湾曲状に突出するように構成されている。このフロントグリップ130では、丸軸形状の第1延在部131が作業者側へ湾曲状に突出する構成上、この第1延在部131の端部132,132が一旦は工具前方側へと延在することとなる。そこで、本実施の形態のように、第1延在部131の端部132,132からトリマ本体部110側の取付け部114,114までの間で延在する第2延在部133,133が工具前方に向けて湾曲状に突出した構成を採用することによって、第1延在部131から端部132,132及び第2延在部133,133を経てトリマ本体部110側へと至るフロントグリップ130の形状を、連続状の滑らかな(自然な)曲線とすることが可能となる。従って、このような構成によれば、作業者がフロントグリップ130の各部位のうち、把持する部位を作業中に変更する場合に違和感が生じるのを抑えることが可能となる。
【0030】
ここで、図3〜図5に示す本実施の形態のフロントグリップ130が作業者の左手によって把持された様子が図6に示され、本実施の形態のフロントグリップ130を把持する作業者の左手とフロントグリップ130の凸部131aとの関係が図7に示される。なお、図6及び図7では、フロントグリップ130が作業者の左手によって把持される場合について記載しているが、作業者の利き手によっては、フロントグリップ130が右手で把持されてもよい。
【0031】
図6に示すようにフロントグリップ130が作業者の左手によって把持されたとき、作業者の左手の各部位のうち、図7中の破線で示すR部当接領域200がフロントグリップ130の凸部131aと当接することとなる。このR部当接領域200は、作業者の掌の各部位のうち手指の延在方向と交差する方向(図7中の左右方向)に延在する領域とされ、グリップ把持状態の作業者の掌にて凹み形状となる。具体的には、図7に示すように、作業者の掌のうち、中手指節関節の部位(「触球の部位」ともいう)を挟んで第1指関節(指節間関節)に沿って延在する延在線(図7中の延在線L1)と、感情線ないし知能線に沿って延在する延在線(図7中の延在線L2)とで区画された領域がこのR部当接領域200として規定される。このR部当接領域200は、グリップ把持状態においては凹み形状(凹み領域)となるが、本実施の形態のフロントグリップ130の凸部131aはこのR部当接領域200の凹み形状(凹みカーブ)に倣った凸部であり、この凸部131aがR部当接領域200の凹み形状の部位に合致することとなる。従って、作業者の手のフィット感を高めることが可能となり、長時間の作業においても作業者の手が疲れにくいハンドグリップ構造が実現される。
【0032】
(フロントグリップ130のグリップ断面径の評価)
フロントグリップ130のグリップ断面径の評価に際しては、断面径がφ25[mm],φ30[mm],φ35[mm]の3種類のグリップ構造体を準備した。そのうえで、被験者による各グリップ構造体の評価を、ヘッジトリマ100による上面刈りや側面刈りを想定して行った。なお、この評価における被験者は、平均身長が173cmの20〜40代の日本人男性12名とした。この評価の結果、断面径がφ25〜35[mm]のグリップが被験者に好まれ、特にはグリップ断面径がφ30[mm]のグリップが最も被験者に好まれるという結果が得られた。その理由として、グリップ断面径に関しては、断面径が小さい細いグリップほど重量感を感じ易く、また把持したときに指が余るという傾向があり、また断面径が大きい太いグリップほど外観上の重量感を感じ易いという傾向がある。断面径がφ30[mm]のグリップは、断面径がφ25[mm]のグリップよりも大きいために実際の重量感を和らげフィット感の向上を図るのに有効であり、また断面径がφ35[mm]のグリップよりも小さいために外観上の重量感を感じ難いため、総合的にみて最も被験者に好まれるという結果が得られたものである。
【0033】
(フロントグリップ130の凸部131aの湾曲度合いの評価)
フロントグリップ130の凸部131aの湾曲度合いの評価に際しては、断面径がφ30[mm]で、曲がりがR100[mm],R150[mm],R250[mm]の3種類のグリップ構造体を準備した。そのうえで、被験者による各グリップ構造体の評価を、ヘッジトリマ100による上面刈りや側面刈りを想定して行った。なお、この評価における被験者は、平均身長が172cmの20〜40代の日本人男性13名とした。この評価の結果、曲がりがR150[mm]及びR250[mm]のグリップが被験者に好まれ、特には曲がりがR250[mm]のグリップが最も被験者に好まれるという結果が得られた。その理由として、曲がりがR250[mm]のグリップの方がフィット感(把持感、シックリ感など)が高まることや、前述のように作業者の手のR部当接領域200の凹み形状(凹みカーブ)に馴染み易いことが挙げられる。この結果に基づいて、フロントグリップ130の凸部131aの湾曲度合いをR150〜R250[mm]に設定することが好ましく、特に好ましくはR250[mm]に設定することができる。
【0034】
なお、作業者の手のR部当接領域200の凹み形状に関しては、グリップ把持状態を想定した被験者の掌の形状について実際に計測したところ、被験者の掌の凹み形状はR100〜R500[mm]の範囲に収まることが確認された。具体的には、グリップ把持状態を模した状態の被験者の掌にR定規を当てて当該掌の凹み形状を計測した結果、被験者の掌の凹み形状がR100〜R500[mm]とされた。また、被験者がグリップ把持状態の如くに粘土を握って形成された当該粘土の形状を計測した結果、被験者の掌の凹み形状がR250〜R400[mm]とされた。これらの結果により得られた被験者の掌の凹み形状の範囲であるR100〜R500[mm]は、フロントグリップ130の凸部131aの湾曲度合いの好ましい範囲であるR150〜R250[mm]を包含するものであることが確認された。
【0035】
以上のように、本実施の形態のヘッジトリマ100によれば、特に工具前方側のフロントグリップ130の形状を工夫することによって、フロントグリップ130のフィット感向上を図ることが可能となった。
【0036】
具体的には、本実施の形態によれば、フロントグリップ130の第1延在部131の凸部131aが、グリップ把持状態の作業者の掌のR部当接領域200に確実に合致することとなるため、グリップ把持状態の作業者の掌の形状を考慮した、フィット感の高いハンドグリップ構造が実現される。特に、湾曲度合いをR150〜R250[mm]とすることによって、作業者の掌のR部当接領域200により確実にフィットすることとなる。
【0037】
また、本実施の形態では、フロントグリップ130の各第2延在部133が前斜め下方に向けて湾曲状に突出するように構成することによって、第1延在部131からトリマ本体部110側へと至るフロントグリップ130の形状を、連続状の滑らかな(自然な)曲線とすることができ、作業者がフロントグリップ130の各部位のうち、把持する部位を作業中に変更する場合に違和感が生じるのを抑えることが可能となる。
【0038】
また、本実施の形態では、フロントグリップ130全体の断面径を一様に構成することによって、作業中に把持位置がかわっても作業者に違和感を与えるのを抑えることができ、以って疲れにくいグリップ形状が実現される。特には、断面径をφ25〜35[mm]に設定することによって、実際の重量感を和らげるとともに外観上の重量感を感じ難いグリップ構造が実現される。
【0039】
また、本実施の形態では、フロントグリップ130における第1延在部131と第2延在部133,133との連接部分である端部132,132をR45〜R50[mm]の湾曲状とすることによって、フロントグリップ130の第2延在部133,133や端部132,132に関するフィット感向上を図ることが可能となる。
【0040】
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、本実施の形態に基づいた種々の応用例や変更例を想到することができる。例えば、本実施の形態を応用した以下の形態を実施することもできる。
【0041】
上述した本実施の形態では、フロントグリップ130が環状ないし略C字状のハンドルとして構成される場合について記載したが、本発明では、工具前方側のハンドグリップが少なくとも左右方向に延在する把持部、すなわち第1延在部131に相当する把持部分を有していればよく、フロントグリップ130を必要に応じて略L字状、略T字状などの形状に適宜変更可能である。
【0042】
また、上述した本実施の形態では、フロントグリップ130の第1延在部131がトリマ本体部110の上方にて左右方向に延在する場合について記載したが、本発明では、第1延在部131トリマ本体部110に相当する本体部の側方にて左右方向に延在する把持部の構成に関し、本発明を適用することもできる。
【0043】
また、上述した本実施の形態では、第1延在部131及び第2延在部133,133を有するフロントグリップ130について記載したが、本発明では、第1延在部131に相当する把持部のみを有するハンドグリップの構成に関し、本発明を適用することもできる。
【0044】
また、上述した本実施の形態では、第1延在部131は、断面径が一様とされた丸軸形状とされ、また当該第1延在部131が工具後方へ向けて湾曲状に突出することによって凸部131aが形成される場合について記載したが、本発明では、湾曲形状以外の形状によって凸部131aに相当する部位を構成することもできる。例えば、第1延在部131の各部位のうち凸部131aに相当する部位のみの断面径を大きくし、凸部131aと反対側の面には窪みが形成されない直線形状とした構成を採用することができる。
【0045】
また、上述した本実施の形態では、メイングリップ120及びフロントグリップ130の2つのハンドグリップを有する作業工具に対し本発明を適用する場合について記載したが、本発明では、複数のハンドグリップを有する作業工具において、複数のハンドグリップのうちの工具前方側のハンドグリップの構成に対し本発明を適用することが可能である。
【0046】
また、上述した本実施の形態では、作業工具の一例として園芸作業に用いられるヘッジトリマを例にとって説明しているが、本発明は、ヘッジトリマに限定されるものではなく、作業時において作業者が把持するハンドグリップが工具前後に少なくとも2つ配設され、工具前方側のハンドグリップが左右方向に関し長手状に延在する把持部を有する構成の各種の作業工具に対し適用され得る。この際、先端工具の駆動方式に関しては、充電式或いは交流電源により駆動される駆動モータによって先端工具が駆動される構成、エアやガスの圧力によって先端工具が駆動される構成などを適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態のヘッジトリマ100の側面図である。
【図2】図1中のヘッジトリマ100の平面図である。
【図3】本実施の形態のフロントグリップ130を図1中の矢印A方向からみた図である。
【図4】図3中のフロントグリップ130のB−Bに関する矢視図である。
【図5】本実施の形態のフロントグリップ130の側面図であって、ブレードアッセンブリー140を水平状態とした場合のフロントグリップ130の向きを示す図である。
【図6】本実施の形態のフロントグリップ130が作業者の左手によって把持された様子を示す図である。
【図7】本実施の形態のフロントグリップ130を把持する作業者の左手とフロントグリップ130の凸部131aとの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
100 ヘッジトリマ(作業工具)
110 トリマ本体部
112 ハウジング
114 取付け部
120 メイングリップ
122 トリガ
130 フロントグリップ
131 第1延在部
131a 凸部(R部)
132 端部
133 第2延在部
140 ブレードアッセンブリー
141,142 ブレード
150 駆動機構
200 R部当接領域
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸

【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行


【公開番号】 特開2008−23648(P2008−23648A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198401(P2006−198401)