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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】渡邊 将裕

【氏名】西宮 岳志

【要約】 【課題】電動工具において、モータ駆動用のスイッチがオン状態にロックされた状態で、電源が投入されたとき、当該スイッチがオン状態に在ることを使用者に積極的に知らせる技術を提供する。

【構成】先端工具117と、所定の回転速度で回転して先端工具117を駆動するモータ111と、モータ111に電流を供給する給電手段127と、モータ111を駆動するオン状態と、モータ111を停止するオフ状態との間で切替操作可能な操作スイッチ123と、を有する電動工具であって、操作スイッチ123がオン状態にロックされた状態で、給電手段127が給電を行った場合に、モータ111を所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動し、当該モータ111によって駆動される先端工具117の低速駆動状態によって操作スイッチ123がオン状態に在ることを報知する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材に所定の加工作業を行う先端工具と、
所定の回転速度で回転して前記先端工具を駆動するモータと、
前記モータに電流を供給する給電手段と、
前記モータを駆動するオン状態と、前記モータを停止するオフ状態との間で切替操作可能な操作スイッチと、を有する電動工具であって、
前記操作スイッチがオン状態にロックされた状態で、前記給電手段が給電を行った場合に、前記モータを所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動し、当該モータによって駆動される前記先端工具の低速駆動状態によって前記操作スイッチがオン状態に在ることを報知することを特徴とする電動工具。
【請求項2】
請求項1に記載の電動工具であって、
音発生器を更に有し、前記操作スイッチがオン状態にロックされた状態で、前記給電手段が給電を行った場合に、前記音発生器を起動し、前記先端工具の低速駆動状態に加えて前記音発生器が発生する音によっても前記操作スイッチがオン状態に在ることを報知することを特徴とする電動工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動工具であって、
前記先端工具の低速駆動状態は、断続的な動作として行われるように構成されていることを特徴とする電動工具。
【請求項4】
請求項1に記載の電動工具であって、
前記操作スイッチが、前記モータを駆動するオン状態と前記モータを停止するオフ状態のいずれの状態に在るかを電気信号として出力するように構成されるとともに、
前記モータの駆動回路に設けられ、前記駆動回路を、高電流での通電状態とする第1の状態、低電流での通電状態とする第2の状態、あるいは非通電状態とする第3の状態のいずれか1つの状態とするように切り替え動作する切替スイッチと、
前記操作スイッチが出力する電気信号に基づき、前記切替スイッチを前記第1の状態、第2の状態、あるいは第3の状態のいずれか1つの状態へと切り替え制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記操作スイッチがオン状態に在ることを示す電気信号が入力されている状態で、前記給電手段が給電を行った場合には、前記切替スイッチを第2の状態へと動作させて前記駆動回路を低電流での通電状態に切り替え、これにより前記モータを前記所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動し、
前記操作スイッチがオフ状態に在ることを示す電気信号が入力されている状態で、前記給電手段が給電を行った場合には、前記切替スイッチを第3の状態へと動作させて前記駆動回路を非通電状態に切り替え、その後、前記操作スイッチがオン状態に切り替えられたことを示す電気信号が入力されたときには、当該入力信号に基づき、前記切替スイッチを第1の状態へと動作させて前記駆動回路を高電流での通電状態に切り替え、これにより前記モータを前記所定の回転速度で駆動する構成としたことを特徴とする電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、モータにより先端工具を駆動して被加工材に所定の加工作業を行う電動工具に関し、特にモータを駆動あるいは停止するために使用者によってオン・オフ操作されるスイッチが、モータの駆動を可能とするオン状態にロックされた状態で、電力が供給された際のモータの再起動防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具においては、連続作業の便宜を図るためにモータ駆動用のスイッチをオン状態にロックする機構(ロックオン機構)を備えたものが提供されている。このようなロックオン機構付きの電動工具においては、スイッチをオンにしたロックオン状態のままで、例えば停電によって給電が停止したような場合、当該停電の回復によって給電が再開されたときに、モータが再起動することを防止する再起動防止装置が備えられている。このような電動工具の再起動防止技術については、例えば特許第3092474号公報(特許文献1)に開示されている。上記の特許公報には、電気装置の運転中に停電等によって給電が停止した場合、停電回復後の給電再開時に運転スイッチがオン状態にロックされていてもモータの再起動を電気的に阻止するように構成された起動阻止装置を有する電気装置が記載されている。
しかしながら、上述した従来の電動工具の再起動防止技術は、モータ駆動用のスイッチがオン状態にロックされた状態で、電源が投入されたときのモータの再起動を防止するものであり、スイッチがロックオン状態にあることを使用者に積極的に気付かせようとするものではない。
【特許文献1】特許第3092474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電動工具において、モータ駆動用のスイッチがオン状態にロックされた状態で、電源が投入されたとき、当該スイッチがロック状態に在ることを使用者に積極的に知らせる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、被加工材に所定の加工作業を行う先端工具と、所定の回転速度で回転して先端工具を駆動するモータと、モータに電流を供給する給電手段と、モータを駆動するオン状態とモータを停止するオフ状態との間で切替操作可能な操作スイッチと、を有する電動工具が構成される。なお本発明における「操作スイッチ」とは、典型的には、バネによってオフ状態に付勢され、使用者の手指によって引き操作されることでオン状態へと操作されるトリガスイッチがこれに該当する。また本発明における「給電手段」は、電気コードを用いて工場等の電源からモータに電流を供給する方式、工具本体に装着されたバッテリからモータに電流を供給する方式のいずれも包含する。また本発明における「電動工具」は、穴あけ作業や締付け作業に用いられる作業工具、切断作業や切削作業あるいは研削作業や研磨作業に用いられる作業工具等、モータを駆動源とする電動式の作業工具を広く包含する。
本発明では、特徴的構成として、操作スイッチがオン状態にロックされた状態で、給電手段が給電を行った場合に、モータを所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動し、当該モータによって駆動される先端工具の低速駆動状態によって操作スイッチがオン状態に在ることを報知する構成とした。なお本発明における「ロックされた状態」とは、典型的には操作スイッチとしてのトリガスイッチが引き操作されたとき、機械的ロックオン機構によって当該トリガスイッチをオン状態にロック(保持)する態様がこれに該当する。また本発明における「給電を行った場合」とは、給電を再開した場合を指し、例えば工場等の電源を利用して電動工具を駆動する方式の場合であれば、停電後における当該停電の回復によって給電が再開される態様、電動工具の電気コードのプラグを壁等に設けたコンセントに差し込むことによって給電が再開される態様、あるいは電源としてバッテリを用いる充電式電動工具の場合であれば、電動工具のバッテリホルダ部から一旦取り外されて充電されたバッテリを当該バッテリホルダ部に再び装着することによって給電が再開される態様等がこれに該当する。また本発明における「モータを所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動し」とは、モータの駆動回路に流す駆動電流値につき、加工作業時に流す電流値よりも小さい(低い)電流値を流す態様がこれに該当する。また本発明における「先端工具の低速駆動状態」とは、典型的には、先端工具が所定の加工作業を行うことができない緩やかな速度で駆動される状態がこれに該当する。
本発明によれば、操作スイッチがオン状態にロックされた状態で、給電手段が給電を行った場合に、モータを所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動し、当該モータによって駆動される先端工具の低速駆動状態によって操作スイッチがオン状態に在ることを報知する構成としたものである。したがって、本発明によれば、不意にモータが所定の回転速度で駆動されることを防止できることは勿論のこと、先端工具を通常時とは異なる低速度で駆動し、これにより操作スイッチがオン状態にロックされていることを使用者に積極的に知らせることができる。
【0005】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の電動工具において、音発生器を更に有し、操作スイッチがオン状態にロックされた状態で、給電手段が給電を行った場合に、音発生器を起動し、先端工具の低速駆動状態に加えて音発生器が発生する音によっても操作スイッチがオン状態に在ることを報知する構成とした。なお本発明における「音発生器が発生する音」については、非常ベル、警笛あるいはサイレンのような警告音が好適であるが、警告音以外の音であっても差し支えない。本発明によれば、操作スイッチがオン状態にロックされていることを、先端工具の低速動作のみならず、音を利用して使用者により確実に気付かせることが可能となる。
【0006】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の電動工具において、先端工具の低速駆動状態が断続的な動作として行われるように構成した。本発明によれば、操作スイッチがオン状態にロックされた状態で、給電手段がモータに給電を再開した場合に、先端工具を断続的な低速駆動状態で駆動することにより、先端工具の動作に変化を与えることができる。このため、使用者は、操作スイッチがオン状態にロックされていることに気付き易い。
【0007】
(請求項4に記載の発明)
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電動工具における操作スイッチが、モータを駆動するオン状態とモータを停止するオフ状態のいずれの状態に在るかを電気信号として出力するように構成される。また電動工具は、切替スイッチと、制御装置とを更に有する。切替スイッチは、モータの駆動回路に設けられ、当該駆動回路を、高電流での通電状態とする第1の状態、低電流での通電状態とする第2の状態、あるいは非通電状態とする第3の状態のいずれか1つの状態とするように切り替え動作する。制御装置は、操作スイッチが出力する電気信号に基づき、切替スイッチを第1の状態、第2の状態あるいは第3の状態のいずれか1つの状態へと切り替え制御する。
また制御装置は、操作スイッチがオン状態に在ることを示す電気信号が入力されている状態で、給電手段が給電を行った場合には、切替スイッチを第2の状態へと動作させて駆動回路を低電流での通電状態に切り替え、これによりモータを所定の回転速度よりも低い回転速度で駆動する。また制御装置は、操作スイッチがオフ状態に在ることを示す電気信号が入力されている状態で、給電手段が給電を行った場合には、切替スイッチを第3の状態へと動作させて駆動回路を非通電状態に切り替え、その後、操作スイッチがオン状態に切り替えられたことを示す電気信号が入力されたときには、当該入力信号に基づき、切替スイッチを第1の状態へと動作させて駆動回路を高電流での通電状態に切り替え、これによりモータを所定の回転速度で駆動する構成とした。なお本発明における「切替スイッチ」としては、典型的には、半導体スイッチが好適に用いられる。
本発明によれば、給電手段による給電時において、操作スイッチがオン状態に在るか否かに応じてモータを電気的に制御する構成としたことにより、簡単な構造でモータの再起動防止技術が構築される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電動工具において、モータ駆動用のスイッチがオン状態にロックされた状態で、電源が投入されたとき、当該スイッチがロック状態に在ることを使用者に積極的に知らせる技術が提供されることとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態につき、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、電動工具の一例として、金属、コンクリート、石材等の各種被加工材の研磨作業あるいは研削作業に用いられる手持ち式の電動ディスクグラインダーを用いて説明する。図1には電動ディスクグラインダーの全体構成が斜視図として示される。本実施の形態に係る電動ディスクグラインダー101(以下、グラインダーという)は、長軸方向を前後方向(図示左右方向)とするものであって、モータハウジング105およびギアハウジング107からなる工具本体としての本体部103によって外郭が構成されている。モータハウジング105は、概ね円筒形状に形成され、当該モータハウジング105内には、駆動モータ111(図2の回路図参照)が収容されている。駆動モータ111は、本発明における「モータ」に対応する。なお本実施の形態は、電源コード119を用いて工場等の電源127(図2の回路図参照)から駆動モータ111に電流を供給する方式の場合が示される。電源127は、本発明における「給電手段」に対応する。
【0010】
モータハウジング105の前端部に連接されるギアハウジング107内には、駆動モータ111の回転出力を砥石117に伝達する動力伝達機構(便宜上図示を省略する)が収容されている。砥石117は、本発明における「先端工具」に対応する。駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構を介して砥石117に周方向の回転運動として伝達される。砥石117は、本体部103の長軸方向の一端側(前側)において、その回転軸線が本体部103の長軸方向に対して直交するように配置される。
【0011】
またモータハウジング105の他端側(後側)には、メインハンドル109が連接されている。メインハンドル109は、その長軸方向が本体部103の長軸方向となるように設けられる。すなわち、メインハンドル109は、本体部103の長軸方向に概ね直線状に延在されている。そしてメインハンドル109には、後述するトリガスイッチ123を切替操作するトリガ115が設けられている。トリガ115は、メインハンドル109に回動中心(便宜上図示を省略する)を支点にして回動可能に取り付けられるとともに、操作位置側から初期位置(非操作位置)側へとスプリング(図示省略)によって付勢されており、常時には初期位置に置かれる。またメインハンドル109には、連続作業の便宜を図るために、トリガ115を引き操作された操作位置にロックすることが可能な機械的なロックオン機構116が備えられている。
ギアハウジング107の側面には、取り外し可能な補助ハンドルが113設けられ、当該補助ハンドル113は、その長軸方向が本体部103の長軸方向に概ね直交するように装着される。作業者はこのメインハンドル109および補助ハンドル113を手で握り、砥石117を回転駆動して被加工材の研削作業あるいは切断作業を行うことができる。
【0012】
図2は駆動モータ111を制御するモータ制御回路図である。図示のように、コントローラ121には、電源127が接続されている。またコントローラ121には、トリガスイッチ123の位置検出信号が電気信号として入力されるように当該トリガスイッチ123が接続されている。コントローラ121は、本発明における「制御装置」に対応し、トリガスイッチ123は、本発明における「操作スイッチ」に対応する。駆動モータ111の駆動回路125には、当該駆動回路125を流れる電流の大きさを制御する半導体スイッチ129が設けられている。半導体スイッチ129は、コントローラ121からの信号によって、駆動モータ111の駆動回路125に、高電流を通電する高電流通電状態と、低電流を通電する停電流通電状態と、通電を遮断する非通電状態との、いずれか1つの状態に切り替え動作される。半導体スイッチ129は、本発明における「切替スイッチ」に対応する。また高電流通電状態が本発明における「第1の状態」に対応し、停電流通電状態が本発明における「第2の状態」に対応し、非通電状態が本発明における「第3の状態」に対応する。
【0013】
トリガ115によって操作されるトリガスイッチ123は、トリガ115が使用者によって引き操作されていない初期位置にあるときは、オフ状態となり、トリガ115が作業者の手指によって初期位置から操作位置に引き操作されたときにオン状態とされる。そしてコントローラ121には、トリガ115の非操作時にトリガスイッチ123のオフ状態の信号(以下、オフ信号という)が入力され、トリガ115の引き操作時にトリガスイッチ123のオン状態の信号(以下、オン信号という)が入力される構成とされる。
【0014】
コントローラ121は、電源127の投入時期と、当該コントローラ121に入力されるトリガスイッチ123のオン・オフ信号とに基づいて半導体スイッチ129を制御する。すなわち、コントローラ121は、トリガスイッチ123がオフ状態に在ることを示すオフ信号が入力されている状態で、電源127が投入された場合には、当該オフ信号に基づき、駆動モータ111の駆動回路125が非通電状態となるように半導体スイッチ129を動作させ、トリガスイッチ123がオン信号を出力したときには、当該オン信号に基づき、駆動モータ111の駆動回路125が高電流での通電状態となるように半導体スイッチ129を動作させ、これにより駆動モータ111を所定の高速回転で駆動するように構成される。
【0015】
またコントローラ121は、トリガスイッチ123がオン状態に在ることを示すオン信号が入力されている状態で、電源127が投入された場合には、駆動モータ111の駆動回路125が低電流での通電状態となるように半導体スイッチ129を動作させ、駆動モータ111を所定の高速回転よりも低い一定の低速回転で駆動するように構成される。
【0016】
図3にはトリガスイッチ123のオン・オフ動作と、電源127のオン・オフと、駆動モータ111の動作例(高電流あるいは低電流による通電と非通電の関係)が示される。なおコントローラ121による駆動モータ111の高電流、低電流での通電・非通電の制御については、アナログ制御、マイクロコンピュータ制御あるいはそれ以外の制御であってもよい。
【0017】
本実施の形態に係るディスクグラインダー101は、上記のように構成したものであり、以下その作用を説明する。例えば、トリガ115が操作位置に引き操作された状態でロックオン機構により当該操作位置にロックされた状態で、停電した場合(あるいは電気コードのプラグをコンセントから引き抜いた場合)には、図3に示すように、トリガスイッチ123がオン状態にロックされた状態で電源127からの給電がオフ(遮断)となる。すなわち、コントローラ121に対するトリガスイッチ123のオン信号が入力された状態で駆動モータ111に対する給電が遮断され、駆動モータ111が停止する。
【0018】
そしてトリガスイッチ123のオン状態の信号がコントローラ121に出力されている状態で、停電が復旧すると(あるいは電気コードのプラグをコンセントに差し込むと)、給電が再開される、すなわち電源127が投入されるため、コントローラ121は、半導体スイッチ129に対して駆動モータ111の駆動回路125に低電流を通電するように信号を出力する。これにより駆動モータ111の駆動回路125には低電流が通電され、駆動モータ111が動力伝達機構を介して所定の高速回転よりも低い低速回転で駆動される(図3のA部参照)。このため、駆動モータ111によって先端工具である砥石117が通常時の高速回転よりも低い(遅い)緩やかな低速回転で駆動される。すなわち、駆動モータ111の高速回転での再起動が防止される。そして使用者は、この砥石117の低速回転での駆動状態を視認することで、トリガスイッチ123がオン状態にロックされていることを認識することができる。
【0019】
上記の状態において、トリガ115のロックオンを解除し、トリガスイッチ123をオフ状態へと戻せば、当該トリガスイッチ123のオフ状態の信号が出力されるため、コントローラ121は、当該オフ信号に基づき、駆動モータ111の駆動回路125が非通電状態となるように半導体スイッチ129を動作させる。これにより、駆動モータ111の駆動回路125に対する通電が遮断され、駆動モータ111が停止する。したがって、その後、トリガ115を引き操作すれば、トリガスイッチ123が再びオン状態とされ、当該オン状態の信号がコントローラ121に入力される。これに伴いコントローラ121が半導体スイッチ129に対して駆動モータ111の駆動回路125に高電流を通電するように信号を出力する。これにより駆動モータ111の駆動回路125には高電流が通電され、駆動モータ111が所定の高速回転で駆動される(図3のB部参照)。
【0020】
なお給電再開時、すなわち電源127の投入時にトリガスイッチ123がオフ状態に在れば、当該オフ状態の信号に基づきコントローラ121が半導体スイッチ129を駆動モータ111の駆動回路125が非通電状態となるように制御し、駆動モータ111の停止状態が維持される。その後トリガ115を操作位置へと引き操作すれば、上記のように駆動モータ111が通常通り所定の高速回転で駆動される。
【0021】
以上のように、本実施の形態によれば、トリガスイッチ123がオン状態にロックされている状態で、電源127が投入された場合には、不意に駆動モータ111が所定の高速回転で駆動されることを防止するとともに、砥石117を通常時とは異なる低速回転で駆動させることにより、トリガスイッチ123(トリガ115)がロックオン状態に在ることを使用者に積極的に知らせることができる。
【0022】
なお上述した実施の形態では、トリガスイッチ123がオン状態にロックされている状態で、電源127が投入されたとき、駆動モータ111を一定の低速回転で駆動することによりトリガスイッチ123がロックオン状態に在ることを知らせる構成としたが、駆動モータ111の低速回転を断続的に行なうように構成してもよい。すなわち、半導体スイッチ129に所定の間隔でオン・オフ動作を行わせることで駆動モータ111の駆動回路125を通電状態と非通電状態とに交互に切り替える構成に変更してもよい。
【0023】
また駆動モータ111を低速回転させる構成、または駆動モータ111を断続回転させる構成に加え、音発生器を設け、非常ベル、警笛あるいはサイレンのような警告音を発生させることによって使用者にトリガスイッチ123がロックオン状態に在ることを報知するように構成してもよい。
【0024】
また上述した実施の形態は、電機コード119を用いて電源127から駆動モータ111に電流を供給する方式の場合で説明したが、バッテリを電源とする充電式の電動工具に適用しても構わない。そして充電式電動工具において、トリガスイッチ123をオン状態で、電源が投入された場合とは、例えばトリガ115をロックオン状態のままで、バッテリを外して充電し、充電後のバッテリをディスクグラインダーのバッテリホルダ部に装着することによって給電が再開された状態がこれに該当する。
また本実施の形態は、電動工具として、電動式ディスクグラインダーを用いて説明したが、電動式ディスクグラインダーに限られず、穴あけ作業や締付け作業に用いられる作業工具、切断作業や切削作業あるいは研削作業や研磨作業に用いられる作業工具等、モータを駆動源とする電動式の作業工具であれば広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る手持式の電動ディスクグラインダーの全体構成を示す斜視図である。
【図2】駆動モータの制御回路図である。
【図3】トリガスイッチのオン・オフ動作と、電源のオン・オフ状態と、駆動モータの動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
101 電動ディスクグラインダー(電動工具)
103 本体部
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
109 メインハンドル
111 駆動モータ(モータ)
113 補助ハンドル
115 トリガ
117 砥石(先端工具)
121 コントローラ
123 トリガスイッチ
125 駆動回路
127 電源
129 半導体スイッチ
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸

【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行


【公開番号】 特開2008−23645(P2008−23645A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198353(P2006−198353)