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【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】小室 義広

【氏名】大森 和博

【要約】 【課題】ライトからの光が作業者の手によって遮られることなく作業部位に届き、作業部位を常に確実に照らして暗所での作業を作業性良く行うことができるとともに、作業者への肉体的負担を軽減することができる電動工具を提供すること。

【構成】駆動源であるモータ3と、該モータ3の回転を減速させる遊星歯車機構(減速機構)4と、該遊星歯車機構4によって減速されたモータ3の回転をビット(先端工具)5に伝達する回転打撃機構(動力伝達機構)6を本体胴体部に内蔵して成るインパクトドライバ(電動工具)1において、前記遊星歯車機構4を保持するインナカバー10の左右両側部を前記本体胴体部の外側方に部分的に突出させ、その突出部の内部にライト18を収納する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源であるモータと、該モータの回転を減速させる減速機構と、該減速機構によって減速されたモータの回転を先端工具に伝達する動力伝達機構を本体胴体部に内蔵して成る電動工具において、
前記減速機構を保持するインナカバーの左右両側部を前記本体胴体部の外側方に部分的に突出させ、その突出部の内部にライトを収納したことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記本体胴体部の両側部に外側方に向かって突設された複数の突起部の間に前記ライトを配置し、該ライトが前記突起部の幅方向内側に位置するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項3】
前記各ライトを独立に点灯/消灯するためのスイッチを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作業部位を照らすライトを備えた電動工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋根裏や床等の光が届かない暗所において電動工具を用いて作業を行う場合、作業部位が暗くて見えないために作業に支障来してしまうことがある。
【0003】
そこで、図6に示すように、作業部位を照らすライト118を電動工具であるインパクト工具101の本体胴体部に設ける提案がなされている。
【0004】
即ち、図6は従来のインパクトドライバ101の側断面図であり、図示のインパクトドライバ101は、バッテリ108を電源とし、モータ103を駆動源として回転打撃機構106を駆動するコードレスの手持ち式の工具であって、モータ103や回転打撃機構106を内蔵する外枠102の下部にライト118を配置している。ここで、ライト118は、スイッチ109のON/OFF操作に連動して点灯/消灯される。
【0005】
而して、斯かるインパクトドライバ101において、スイッチ109をON操作してモータ103を駆動すると、該モータ103によって回転打撃機構106が駆動され、この回転打撃機構106によってアンビル116とこれに装着されたビット105に回転打撃力が間欠的に伝達され、ビット105によってネジ117が被締付材Wに締め付けられるが、前述のようにスイッチ109のON動作に連動してライト118が点灯されるため、作業部位、つまりビット105とネジ117及び被締付材Wがライト118の光Lで照らされ、暗所でのネジ締め作業が可能となる。そして、作業が終了してスイッチ109をOFF操作すると、これに連動してライト118が消灯される。
【0006】
尚、電動工具に照明用のライトを設ける構成は既に幾つか提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】実開平5−049283号公報
【特許文献2】特開2002−154065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図6に示したインパクトドライバ101を用いてネジ締め作業を行う場合、作業者は、一方の手で当該インパクトドライバ101の本体を把持し、他方の手をネジ117に添えて作業を行うことが多い。
【0008】
ところが、ライト118を外枠102の下部に配置した場合には、作業者がネジ117に手を添えると、その手がライト118からの光Lを遮るため、被締付材Wのネジ込部位が手の影になって見えにくく、作業しづらいという問題があった。
【0009】
ところで、図6に示すようなインパクトドライバ101においては、回転打撃機構106を内蔵する本体胴体部からスイッチ109までの距離が短い程、作業者の手に作用するモーメントが小さくなるために作業者への肉体的負担が軽くなって作業性も良い。
【0010】
しかしながら、ライト118を外枠102の下部に配置すると、本体胴体部とスイッチ109との距離が伸びてしまい、作業者の手に作用するモーメントが大きくなり、結果的に作業者への肉体的負担が重くなって作業性も悪くなるという問題が発生する。
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ライトからの光が作業者の手によって遮られることなく作業部位に届き、作業部位を常に確実に照らして暗所での作業を作業性良く行うことができるとともに、作業者への肉体的負担を軽減することができる電動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、駆動源であるモータと、該モータの回転を減速させる減速機構と、該減速機構によって減速されたモータの回転を先端工具に伝達する動力伝達機構を本体胴体部に内蔵して成る電動工具において、前記減速機構を保持するインナカバーの左右両側部を前記本体胴体部の外側方に部分的に突出させ、その突出部の内部にライトを収納したことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記本体胴体部の両側部に外側方に向かって突設された複数の突起部の間に前記ライトを配置し、該ライトが前記突起部の幅方向内側に位置するよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記各ライトを独立に点灯/消灯するためのスイッチを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、インナカバーの左右両側部、つまり本体胴体部の左右両側部にライトを配置したため、作業に際して作業者の片手が一方のライトからの光を遮った場合であっても、他方のライトからの光が作業部位に届き、作業部位を常に確実に照らす。このため、暗所での作業を作業性良く行うことができる。又、ライトを本体胴体部の下部ではなく、左右に配置したため、本体胴体部とスイッチとの距離が伸びることがなく、この距離を最短に保って作業者の手に作用するモーメントを小さく抑えることができ、これによって作業者への肉体的負担を軽減して作業性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、本体胴体部の両側部に外側方に向かって突設された複数の突起部の間にライトを配置し、該ライトが前記突起部の幅方向内側に位置するよう構成したため、万一、電動工具を誤って落下させた場合であっても、ライトを落下の衝撃から保護してその損傷を防ぐことができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、各ライトを独立に点灯/消灯するためのスイッチを設けたため、暗所での作業では必要な側のライトのみを点灯し、不要な側のライト、例えば作業者の手によって光が遮られる側のライトを消灯することができ、又、暗所以外の明るい場所での作業では左右のライトを消灯することができ、省エネルギー化を図ってバッテリ寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る電動工具の側断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は同電動工具の正面図である。
【0020】
図示の電動工具1はインパクトドライバであって、このインパクトドライバ1は、外枠2内に、駆動源であるモータ3と、該モータ3の回転を減速させる遊星歯車機構4と、該遊星歯車機構4によって減速されたモータ3の回転を回転打撃力に変換して先端工具であるビット5に伝達する回転打撃機構6を内蔵している。尚、モータ3は、ハンドル部7の下端に脱着可能に取り付けられたバッテリ8を電源として駆動されるものであって、スイッチ9のON/OFF操作によって起動/停止される。
【0021】
ところで、外枠2に内蔵された前記遊星歯車機構4はインナカバー10によって保持されており、前記回転打撃機構6においては、モータ3の出力軸(モータ軸)11の回転は、遊星歯車機構4によって減速されてスピンドル12に伝達され、該スピンドル12が所定の速度で回転駆動される。ここで、スピンドル12とハンマ13とはカム機構によって連結されており、このカム機構は、スピンドル12の外周面に形成されたV字状のスピンドルカム溝12aとハンマ13の内周面に形成されたV字状のハンマカム溝13a及びこれらのカム溝12a,13aに係合するボール14で構成されている。
【0022】
又、上記ハンマ13は、スプリング15によって常に先端方向(図1及び図2の右方)に付勢されており、静止時にはボール14とカム溝12a,13aとの係合によってアンビル16の端面と隙間を隔てた位置にある。そして、ハンマ13とアンビル16の相対向する回転平面上の2箇所には凸部がそれぞれ対称的に形成されている。尚、ネジ17とビット5及びアンビル16は、回転方向が互いに拘束されている。
【0023】
而して、本実施の形態に係るインパクトドライバ1においては、図2に示すように、前記インナカバー10の左右両側部が本体胴体部の外側方に部分的に突出しており、その突出部の内部にライト18がそれぞれ収納されている。尚、これらのライト18は、前記バッテリ8を電源として点灯し、前記スイッチ9のON/OFF操作に連動して点灯/消灯する。
【0024】
ところで、前記外枠2は、前後のハウジング2Aとハンマケース2Bに2分割されており、これらのハウジング2Aとハンマケース2Bを図3に示す4本のネジ19で接合一体化して構成されるが、図3に示すように、該外枠2の外周の上下左右の四隅には、各ネジ19が螺合挿通するための突起部(ボス部)2aが一体に外側方に向かって一体に突設されている。そして、外枠2の左右両側の上下の突起部2aの間に挟まれる中間高さ位置であって、上下の突起部2aの幅方向内側に前記ライト18がそれぞれ配置されている。
【0025】
以上のように構成されたインパクトドライバ1において、スイッチ9がON操作されてモータ3が駆動されると、前述のように該モータ3の出力軸(モータ軸)11の回転は、遊星歯車機構4によって減速されてスピンドル12に伝達され、該スピンドル12が所定の速度で回転駆動される。このスピンドル12の回転は、前記カム機構を介してハンマ13に伝達され、ハンマ13が半回転しないうちに、該ハンマ13の凸部がアンビル16の凸部に係合して該アンビル16を回転されるが、そのときの係合反力によってハンマ13とスプリング15との間に相対回転が生ずると、ハンマ13は、カム機構のスピンドルカム溝12aに沿ってスプリング15を圧縮しながらモータ3側へと後退を始める。
【0026】
そして、ハンマ13の後退動によって該ハンマ13の凸部がアンビル16の凸部を乗り越えて両者の係合が解除されると、ハンマ13は、スピンドル12の回転力に加え、スプリング15に蓄積された弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、スプリング15の付勢力によって前方へと移動し、その凸部がアンビル16の凸部に再び係合して一体的に回転し始める。このとき、強力な回転打撃力がアンビル16に加えられるため、該アンビル16に装着されたビット5を介してネジ17に回転打撃力が伝達される。
【0027】
以後、同様の動作が繰り返されてビット5からネジ17に回転打撃力が間欠的に繰り返し伝達され、ネジ17が木材等の被締付材Wにネジ込まれる。
【0028】
ところで、本実施の形態に係るインパクトドライバ1においては、前述のようにスイッチ9のON操作に連動して左右のライト18が同時に点灯し、各ライト18からは照明用の光Lが出射される。
【0029】
而して、実際のネジ締め作業においては、作業者は、一方の手で当該インパクトドライバ1の本体を把持し、他方の手をネジ17に添えて作業を行うが、このとき、前述のように左右のライト18から光Lが同時に出射されるため、作業に際して作業者の片手が一方のライト18からの光Lを遮った場合であっても、他方のライト18からの光Lが作業部位であるビット5とネジ17及び被締付材Wに届き、作業部位を常に確実に照らす。このため、暗所での作業を作業性良く行うことができる。
【0030】
又、本実施の形態では、ライト18を本体胴体部の下部ではなく、左右に配置したため、本体胴体部とスイッチ9との距離が伸びることがなく、この距離を最短に保って作業者の手に作用するモーメントを小さく抑えることができ、これによって作業者への肉体的負担を軽減して作業性の向上を図ることができる。
【0031】
更に、本実施の形態に係るインパクトドライバ1においては、本体胴体部の両側部に外側方に向かって突設された上下の突起部2aの間にライト18を配置し、該ライト18が上下の突起部2aの幅方向内側に位置するよう構成したため、万一、インパクトドライバ1を誤って床等に落下させた場合であっても、突起部2aが床等に先に衝突してライト18を落下の衝撃から保護し、該ライト18の損傷を防ぐ。
【0032】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図4及び図5に基づいて説明する。
【0033】
図4は本実施の形態に係る電動工具(インパクトドライバ)の側断面図、図5は図4のB−B線断面図であり、これらの図においては図1及び図2において示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0034】
本実施の形態は、左右の各ライト18を各々独立に点灯/消灯するためのスイッチ20を各ライト18の近傍にそれぞれ設けたことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態1のそれと同じである。
【0035】
而して、本実施の形態によれば、暗所での作業では必要な側のライト18のみを点灯し、不要な側のライト18、例えば作業者の手によって光Lが遮られる側のライト18を消灯することができ、又、暗所以外の明るい場所での作業では左右のライト18を消灯することができるため、省エネルギー化が図られ、その結果としてバッテリ8の寿命を延ばすことができる。
【0036】
その他、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0037】
尚、以上は本発明を特にインパクトドライバに対して適用した形態について説明したが、本発明は、他の任意の電動工具に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電動工具(インパクトドライバ)の側断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電動工具(インパクトドライバ)の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る電動工具(インパクトドライバ)の側断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】従来の電動工具(インパクトドライバ)の側断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 インパクトドライバ(電動工具)
2 外枠
2A,2B ハウジング
2B ハンマケース
2a ハンマケースの突起部
3 モータ
4 遊星歯車機構(減速機構)
5 ビット(先端工具)
6 回転打撃機構(動力伝達機構)
7 ハンドル部
8 バッテリ
9 スイッチ
10 インナカバー
11 モータの出力軸(モータ軸)
12 スピンドル
12a スピンドルカム溝
13 ハンマ
13a ハンマカム溝
14 ボール
15 スプリング
16 アンビル
17 ネジ
18 ライト
19 ネジ
20 スイッチ
L ライトの光
W 被締付材
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年7月19日(2006.7.19)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−23635(P2008−23635A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197221(P2006−197221)