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【発明の名称】 携帯用電動工具
【発明者】 【氏名】石田 英樹

【氏名】坂井 正登

【氏名】掛札 晋一

【要約】 【課題】携帯用電動工具1において、ハンドルハウジング部3に設けられる電池パック受納部4に対し電池パック9を強固に固定し、また電池パック受納部4の重量を低減した電池パックの装着構造を提供することを一つの目的とする。

【構成】電動工具1の電池パック受納部4は、電池パック9を収容する電池収容室を形成するキャビネットで構成し、キャビネット4の前面には電池パック9を挿入するための少なくとも一つの挿入口4f1(または4f2)を開設し、電池パック9を挿入口4f1または4f2よりキャビネット4の内面に沿って摺動させながら挿入し、キャビネット4内に装着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延び、先端工具を駆動するモータ部および動力伝達部を収容する胴体ハウジング部と、
前記胴体ハウジング部に連結され、前記胴体ハウジング部の延在方向に対し垂直方向または該垂直方向からある角度を持つ方向に延びるハンドルハウジング部と、
前記ハンドルハウジング部の先端部に設けられた電池パック受納部であって、電池パックを装着し、かつ前記モータ部に駆動電源として電気的接続する電池パック受納部とを具備する携帯用電動工具において、
前記電池パック受納部は電池パックを収容する電池収容室を形成するキャビネットを有し、前記キャビネットの側面には前記電池パックを挿入するための少なくとも一つの挿入口が開設され、
前記挿入口より前記電池パックを前記キャビネットの内面に沿って摺動させながら挿入する構成としたことを特徴とする携帯用電動工具。
【請求項2】
前記キャビネットの側面には複数の電池パックを挿入するための複数の前記挿入口を有し、前記キャビネットの内面には前記複数の挿入口に対応して挿入される前記電池パックを電気的に互いに並列接続するための接続端子を有することを特徴とする請求項1に記載された携帯用電動工具。
【請求項3】
前記キャビネットの内面には、前記電池収容室を複数の収容室および複数の前記挿入口に間仕切りする隔壁部を配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された携帯用電動工具。
【請求項4】
前記電池パックの外周面の少なくとも一部には、前記挿入口から前記キャビネットの前記電池収容室内へ挿入する前記電池パックの挿入方向に延在する凸部または凹部を形成し、前記キャビネットの内面には、前記電池パックの前記凸部または凹部に摺動可能に形成された凹部または凸部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載された携帯用電動工具。
【請求項5】
複数の前記電池パックは互いに同一形状の外形を有し、各前記電池パックには複数の電池セルが収容されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載された携帯用電動工具。
【請求項6】
前記電池パックは、前記キャビネットに装着された場合、前記キャビネットの前記電池収容室内に挿入する挿入部と、前記キャビネットの前記挿入口を塞ぎ該挿入口から露出する蓋体部とから構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載された携帯用電動工具。
【請求項7】
前記電池パックは、前記キャビネットに装着された場合、前記キャビネットの側面に係合可能な抜け止め片を具備していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載された携帯用電動工具。
【請求項8】
前記キャビネットは、前記ハンドルハウジング部の延在方向に重ねられ、前記隔壁部によって間仕切りされた複数段の前記電池収容室および複数段の前記挿入口を有し、各前記挿入口に挿入される前記電池パックは前記胴体ハウジング部の延在方向に摺動可能に挿入されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載された携帯用電動工具。
【請求項9】
前記モータ部は、前記キャビネットの前記複数段の前記挿入口の少なくとも一つに挿入される前記電池パックによって動作可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載された携帯用電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバドリル、インパクト工具等の電池パックを電源とする携帯用電動工具に関し、特に、電池パックをハンドルハウジング部の端部へ装着するための電池パック受納部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、駆動電源として電池パックを用いる携帯用電動工具では、モータ部および動力伝達機構部を収容する胴体ハウジング部に連結して、胴体ハウジング部の延在方向と垂直方向またはその垂直方向からある角度を持つ方向に延びるハンドルハウジング部を設け、このハンドルハウジング部の先端部において電池パックを装着するための電池パック受納部を設けることが行われている。この場合、電池パック受納部へ電池パックを装着する代表的な接続方式としては、下記特許文献1に開示されるように、電池パック受納部に設けられたガイドレールに沿って電池パックのガイドレール受け部をスライドさせて接続する、所謂、スライド接続方式が知られている。
【0003】
スライド接続方式は、電池パックがガイドレールに緩みなく固定できて脱落しにくいという利点を有し、かつ電池パックを携帯用電動工具本体のハンドルハウジング部内に装着しないので、ハンドルハウジング部を細くすることにより、把持しやすく操作性または作業性に適した断面形状にできるという長所がある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−358942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の携帯用電動工具では、スライド接続方式の電池パックの接続部は、作業時の激しい動きや振動に耐えられる強度をもたせるため、ガイドレールをできるだけ長くかつ厚く形成することが要求され、その結果、携帯用電動工具の重量が重くなって操作性または作業性が低下してしまうという問題があった。
【0006】
さらに、携帯用電動工具は、作業現場の高所や狭所における作業では軽量タイプが要求され、また連続作業では高電流容量タイプが要求されるといったように、作業場所または作業内容によって要求される仕様が異なる場合がある。異なる要求仕様を満足するためには複数種類の携帯用電動工具を用意することが好ましいが、経済的に不利となる。また、複数種類の電池パックを用意すれば携帯用電動工具の重量および電流容量を変えることができるが、やはり経済的に不利となる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、ハンドルハウジング部に設けられる電池受納部に対し電池パックを強固に固定できる電池パックの装着構造を有する携帯用電動工具を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、電池パックおよび電池パックを装着するための電池受納部の重量を低減した電池パックの装着構造を有する携帯用電動工具を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、工具本体に装着できる電池パックを所望の個数に選択し得る電池パックの装着構造を有する携帯用電動工具を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、操作性が良く、経済性の良い電池パックの装着構造を有する携帯用電動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
本発明の携帯用電動工具における一つの特徴によれば、一方向に延び、先端工具を駆動するモータ部および動力伝達部を収容する胴体ハウジング部と、前記胴体ハウジング部に連結され、前記胴体ハウジング部の延在方向に対し垂直方向または該垂直方向からある角度を持つ方向に延びるハンドルハウジング部と、前記ハンドルハウジング部の先端部に設けられた電池パック受納部であって、電池パックを装着し、かつ前記モータ部に駆動電源として電気的接続する電池パック受納部とを具備する携帯用電動工具において、前記電池パック受納部は電池パックを収容する電池収容室を形成するキャビネットを有し、前記キャビネットの側面には前記電池パックを挿入するための少なくとも一つの挿入口が開設され、前記挿入口より前記電池パックを前記キャビネットの内面に沿って摺動させながら挿入する。
【0013】
本発明の携帯用電動工具における他の特徴によれば、前記キャビネットの側面には複数の電池パックを挿入するための複数の前記挿入口を有し、前記キャビネットの内面には前記複数の挿入口に対応して挿入される前記電池パックを電気的に互いに並列接続するための接続端子を有する。
【0014】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、前記キャビネットの内面には、前記電池収容室を複数の収容室および複数の前記挿入口に間仕切りする隔壁部を配設する。
【0015】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、前記電池パックの外周面の少なくとも一部には、前記挿入口から前記キャビネットの前記電池収容室内へ挿入する前記電池パックの挿入方向に延在する凸部または凹部を形成し、前記キャビネットの内面には、前記電池パックの前記凸部または凹部に摺動可能に形成された凹部または凸部を設ける。
【0016】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、複数の前記電池パックは互いに同一形状の外形を有し、各前記電池パックには複数の電池セルが収容されている。
【0017】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、前記電池パックは、前記キャビネットに装着された場合、前記キャビネットの前記電池収容室内に内接する挿入部と、前記キャビネットの前記挿入口を塞ぎ該挿入口から露出する蓋体部とから構成される。
【0018】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、前記電池パックは、前記キャビネットに装着された場合、前記キャビネットの側面に係合可能な抜け止め片を具備している。
【0019】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、前記キャビネットは、前記ハンドルハウジング部の延在方向に重ねられ、前記隔壁部によって間仕切りされた複数段の前記電池収容室および複数段の前記挿入口を有し、各前記挿入口に挿入される前記電池パックは前記胴体ハウジング部の延在方向に摺動可能に挿入される。
【0020】
本発明の携帯用電動工具におけるさらに他の特徴によれば、前記モータ部は、前記キャビネットの前記複数段の前記挿入口の少なくとも一つに挿入される前記電池パックによって動作可能に構成する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電池パック受納部は電池パックを収容する電池収容室を形成するキャビネットを有し、挿入口より電池パックをキャビネットの内面に沿って摺動させながら挿入し、装着する構成とするので、電池パックを強固に固定できる。また、キャビネット状に電池パックを摺動させるので、従来のスライド接続方式のような重いガイドレールを設ける必要がなく、携帯用電動工具の重量を抑えることができる。
【0022】
本発明によれば、電池パック受納部であるキャビネットは複数の電池パックの挿入口を持つので、作業現場の高所や狭所における限られた作業では電池パックを1個のみ接続することによって工具の軽量化が可能となる。一方、連続作業では複数個(例えば、2個)の電池パックを並列接続することにより高電流容量化の電源とすることができる。したがって、1台の携帯用電動工具によって作業場所および作業内容に対応した活用が可能となる。
【0023】
本発明によれば、キャビネットに多段の電池パック挿入口を有するので、電池パック1個を接続する際に、キャビネットへの挿入位置を変えることにより携帯用電動工具の重心位置を作業内容に応じて変えることができる。
【0024】
本発明によれば、キャビネットの電池収容室を複数の収容室および複数の前記挿入口に間仕切りするための隔壁部(間仕切り部)を配設するので、電池パック受納部の強度を高めることができ、携帯用電動工具を落下させても破損をしにくくすることができる。
【0025】
本発明によれば、特に、キャビネットの内面および電池パックの外面に互いに当接し合う凹凸部を形成するので、電池パックをキャビネットにスムースに摺動挿入(スライド挿入)することができる。また、電池パックの挿入方向(左右方向)のガタツキを抑え、強固に固定できる。
【0026】
本発明の上記および他の目的、ならびに本発明の上記および他の特徴は、本明細書の以下の記述および添付図面からさらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
図1は本発明に従う携帯用電動工具をインパクトドライバに適用した工具全体の外形図(正面図)、図2は図1に示したインパクトドライバの背面図、図3は図1に示したインパクトドライバの底面図、図4は図1に示したインパクトドライバの外形図のA−A線に沿う断面図、図5は図3に示したインパクトドライバの外形図のB−B線に沿う部分断面図、図6は図4に示したインパクトドライバの外形図のC−C線に沿う部分断面図、図7は図1に示した本発明に従うインパクトドライバにおいて一個の電池パックを下段キャビネット(電池パック受納部)に装着した場合の外形図、図8は図1に示した本発明に従うインパクトドライバにおいて一個の電池パックを上段キャビネット(電池パック受納部)に装着した場合の外形図をそれぞれ示す。
【0029】
最初に、図1、図2および図3を参照してインパクトドライバの工具全体の構成について説明する。
【0030】
図1および図2に示されるように、本発明の実施形態に従うインパクドライバ(電動工具)1は、モータ部(図示なし)の回転軸方向(X−X方向)(以下、水平方向という場合がある)に沿って延在する胴体ハウジング部2と、胴体ハウジング部2の延在方向(X−X方向)に対し垂直(鉛直)方向(Y−Y方向)または該垂直方向からある角度θを持つ方向(Z−Z方向)に連結されて延在するハンドルハウジング部3と、ハンドルハウジング部3の先端部に設けられ、電池パック受納部として機能するキャビネット(筐体)4とから構成される。
【0031】
胴体ハウジング部2は、胴体ハウジング部2の延在方向(X−X水平方向)右端部側から左端部側に沿って、図示されていないが、直流モータと、該直流モータの出力軸であるピニオンと、ピニオンに係合する遊星ギアを含む減速機構部と、減速機構部からの回転力を伝達するスピンドルと、スピンドルの外周面に形成されたハンマ機構と、ハンマ機構からの打撃を受けて回転するアンビルとを順次収容しており、アンビルの先端部にはドリル等の先端工具(図示なし)を着脱自在に取付けるための取付具2aが設けられ、ドリル等の先端工具が左端部側に装着される。
【0032】
このインパクトドライバ1は、胴体ハウジング部2内に収容された直流モータに、後述する電池パック受納部4に装着される電池パック9よりトリガスイッチ5を介して電力を供給し、トリガスイッチ5のオン操作によって直流モータを回転駆動させ、その回転動力を胴体ハウジング部2内の上述した動力伝達部を介して、取付具2aに取付けられた先端工具に回転打撃力として伝達し、図示されない工作物に対しネジ等の締め具をネジ込むものである。
【0033】
電池パック受納部を形成するキャビネット4は、電池パック9を収容する電池収容室を形成する上面壁部4a、底面壁部4b、左側面壁部4c、右側面壁部4d、および背面壁部4eを有し、キャビネット4の前面(開口部)は壁部から開放された挿入口4f(4f1、4f2)を形成する。電池パック9は、この挿入口4fからキャビネット4が形成する電池収容室の内部へ摺動(スライド)させながら挿入する。
【0034】
本実施形態によれば、キャビネット4の上面壁部4aと底面壁部4bの間には、間仕切り壁部7が形成され、間仕切り壁部7によって電池パック9を収容する電池収容室は上下鏡面対称となるように2段の電池収容室に分割され、各段の挿入口4f1、4f2より2つの電池パック9を鏡面対称に挿入することができる。電池収容室は、本実施態様の場合、垂直方向(Y−Y方向)に上下2段に分割したが、装着される電池パック9の幅寸法が小さいものであれば、水平方向の左右に2分しても良い。さらに、装着する電池パックの総重量が許容範囲内であるならば、水平および垂直方向に行列状に挿入口を設けて2個以上の電池パックを装着できるように構成しても良い。
【0035】
本発明に従えば、電池パック9のキャビネット4内への挿入は、電池パック9の外周面をキャビネット4の内周面(上面壁部4a、底面壁部4b、左側面壁部4c、右側面壁部4d、および背面壁部4eの内面)に当接または接触するように摺動させながら挿入する。これによって、電池パック9とキャビネット4の間のガタツキを防止してしっかりと電池パック9をキャビネット4内に固定できる。さらに、より強固に固定するために、キャビネット4の上面壁部4aおよび底面壁部4bの各内壁面には、それぞれ前後方向(X−X方向)に延びる凹部15が設け、各電池パック9の挿入部9aの上部外面には、キャビネット4の凹部15の溝部に当接する凸部16を形成する。
【0036】
また、図4に示されるように、キャビネット4の左側面壁部4cおよび右側面壁部4dの各前端部には、電池パック9の側面部に設けられたラッチ部(係合部)10の係合片(抜け止め爪部)11を挿入するための一対の孔(係合片受け窓)6が形成され、電池パック9の挿入部9aがキャビネット4の電池収容室内に完全に挿入されると、電池パック9の係合片11がキャビネット4の係合片受け窓6に係合し、電池パック9はキャビネット4にラッチされてキャビネット4内に装着される。
【0037】
図4に示されるように、キャビネット4の背面壁部4eの内面には、トリガスイッチ5と電気的に接続された一対の接続端子8が取付けられ、電池パック9がキャビネット9内に完全に挿入された場合、電池パック9の一対の電源端子13は、キャビネット4の一対の接続端子8に電気的接続される。
【0038】
図5に示されるように、各電池パック9内には、5個の電池セル12が収納され、互いに電気的に直列接続されている。例えば、1個の電池パック9には、電圧3.6V、電流容量1.5Ahのリチウム・イオン電池の電池セル12が5個収納され、1個の電池パック9は電圧18V、電流容量1.5Ahとなるように構成される。本実施態様に示すように、2個の電池パック9を使用してキャビネット4内で互いに電気的に並列接続する場合、インパクトドライバ1は、電圧18V、電流容量3Ahの電源仕様となる。また、図7または図8に示すように、キャビネット4内に1個の電池パック9を装着する場合、インパクトドライバ1は電圧18V、電流容量1.5Ahの電源仕様とすることができる。この場合、ハンドルハウジング部3内には、従来の電池パック挿入式とは異なり、電池パックを挿入する必要がないので、ハンドルハウジング部3の太さ(胴回りの長さ)を電池パックの装着数に関係なく、手のひらで把持しやすい寸法に設計することができる。従って、工具の使用者は、作業現場または作業内容に従って、インパクトドライバ1の電流容量を選択することができ、かつ工具の操作性または作業性を向上させることができる。
【0039】
二つの電池パック9は、互いに同一形状の外形を有し、かつ対称形を有する。各電池パック9は、図4に示されるように、キャビネット4内に内接する挿入部9aと、キャビネット4の挿入口(前面)4fから露出する蓋体部(露出部)9bとから構成される。本実施態様の場合、電池パック9の挿入方向において、約2/3の長さが挿入部9aを構成し、残り約1/3の長さが蓋体部9bを構成する。また、電池パック9の蓋体部(露出部)9bの両側面には、弾性体材料から成るラッチ部10を有し、ラッチ部10の端部には係合片(爪部)11が設けられている。図4に示すように、ラッチ部10は中心軸X−Xを横切る横断方向の押圧に対し撓むように形成される。上述したように、電池パック9の挿入部9aがキャビネット4の電池収容室内に完全に挿入されると、電池パック9の係合片11がキャビネット4の係合片受け窓6に係合し、電池パック9はキャビネット4から脱落しないように装着できる。しかも、キャビネット4の挿入口4fは電池パック9の蓋体部9bによって閉塞されるので、キャビネット4内への切削屑などの塵の侵入を防止できる。
【0040】
次に、インパクトドライバ本体1のキャビネット(電池パック受納部)4に装着する方法について説明する。
【0041】
キャビネット4の上面壁部4aの内面に設けられた凹部15に対し、電池パック9の上面壁部9aの外面に設けられた凸部16を合わせ、電池パック9をキャビネット4の内面に摺動させれば、キャビネット4の内部に容易に挿入できる。電池パック9の挿入部9aが完全に挿入されると、キャビネット4内の背面壁部4eに配設された接続端子8に、電池パック9の電源端子13が接触し電気的接続される。挿入された電池パック9の電源端子13がキャビネット4の接続端子8に接触すると共に、キャビネット4の係合片受け窓6に、電池パック9のラッチ部10の係合片(爪部)11が掛止めされて、電池パック9はキャビネット4内の所定の位置に固定される。他方、インパクトドライバ1のキャビネット4から電池パック9を外す場合には、ラッチ部10を電池パック9の横断方向の中心側へ押圧した状態で、電池パック9を挿入口4f1、4f2の前方へ摺動しながら引き出すことにより、キャビネット4から容易に取外すことができる。
【0042】
本実施形態によれば、キャビネット4の上下段に、図1に示すように、2個の電池パック9を装着して電動工具を運転することができる。また、図7または図8に示すように、1個の電池パック9を上下段の2個の挿入口4f1、4f2のいずれか一方に装着して電動工具を運転することができる。これにより、高容量化が求められる連続作業では、電池パック9を2個使用し、軽量化が求められる高所や狭所の作業現場での作業では、1個の電池パック9を使用するといった柔軟な使用方法が可能になる。
【0043】
また、図8に示すように、1個の電池パック9をキャビネット4の上部挿入口4f1に挿入した場合、重心14が上方向に移動するため、胴体ハウジング部2を動かし易くすることができる。一方、図7に示すように、1個の電池パック9をキャビネット4の下部挿入口4f2に挿入した場合、重心14が下方向に移動するため、胴体ハウジング部2がより安定する。従って、作業現場または作業内容によって、電池パック9の装着位置を変えることができる。
【0044】
さらに、本発明によれば、キャビネット4の内周面と電池パック9の外周面とは、凹部15と凸部16とで当接または接合されるために、キャビネット4に装着した電池パック9のガタツキを最小限に抑えられる。
【0045】
なお、上記実施形態では、キャビネット4の挿入口4fを水平方向(X−X方向)の前面、すなわち先端工具が取付けられる側に設けたが、その他の側面、すなわち上記実施形態の背面壁部4e側または左右側面壁部4c、4d側から挿入するように挿入口4fを形成しても良い。この場合、電池パック9をキャビネット4内へ差し込みまたはキャビネット4から引き出すための作業性の面から考えると、上記実施形態のように、挿入口4fを水平方向(X−X方向)の前面に設ける方が有利である。
【0046】
また、上記実施形態では本発明をインパクトドライバに適用した場合について説明したが、本発明はレンチ、ハンマ、丸ノコ、カッター、セーバソーといった電池パックを電源とする種々の携帯用電動工具に適用することができる。
【0047】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るインパクトドライバの外形図(正面図)。
【図2】図1に示したインパクトドライバの背面図。
【図3】図1に示したインパクトドライバの底面図。
【図4】図1に示したインパクトドライバの外形図のA−A線に沿う断面図。
【図5】図3に示したインパクトドライバの外形図のB−B線に沿う部分断面図。
【図6】図4に示したインパクトドライバの外形図のC−C線に沿う部分断面図。
【図7】図1に示したインパクトドライバにおいて一個の電池パックを下段キャビネットに装着した場合の外形図。
【図8】図1に示したインパクトドライバにおいて一個の電池パックを上段段キャビネットに装着した場合の外形図。
【符号の説明】
【0049】
1:インパクトドライバ(携帯用電動工具) 2:胴体ハウジング部
2a:取付具 3:ハンドルハウジング部
4:キャビネット(電池パック受納部) 4a:キャビネットの上面壁部
4b:キャビネットの底面壁部 4c:キャビネットの左側面壁部
4d:キャビネットの右側面壁部 4e:キャビネットの背面壁部
4f:キャビネットの前面(挿入口) 4f1:上段挿入口
4f2:下段挿入口 5:トリガスイッチ 6:孔(係合片受け窓)
7:間仕切り壁部 8:接続端子 9:電池パック 9a:挿入部
9b:蓋体部(露出部) 10:ラッチ部 11:係合片(抜け止め爪部)
12:電池セル 13:電源端子 14:重心 15:キャビネットの凹部
16:電池パックの凸部
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100072394
【弁理士】
【氏名又は名称】井沢 博


【公開番号】 特開2008−835(P2008−835A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170887(P2006−170887)