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【発明の名称】 制振装置を有する手工具装置
【発明者】 【氏名】フランツ モスナンク

【要約】 【課題】不十分な押圧力の際に非作動化される、簡単な構成の制振装置を得る。

【解決手段】手工具装置1にハウジング2と、打撃ピストン4を有する空気ばね式打撃機構3とを備え、この打撃ピストン4によってヘッダ5を打撃し、さらに手工具装置1に少なくとも1個の、振動可能な制振質量体7を有する制振装置6を備え、この制振質量体7を少なくとも1個のばね8aによってハウジング2に対して軸線方向にばね付加を加えて押圧し、制振装置6を、軸線方向に摺動可能な励起手段9を介して作動位置に位置するヘッダ5によって能動的に励起可能とする。好適には、励起手段9によって少なくとも部分的に、周方向に関してヘッダ5のための案内管11を圧迫する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)と、打撃ピストン(4)を備えた空気ばね式打撃機構(3)とを有する手工具装置(1)であって、この打撃ピストン(4)によってヘッダ(5)を打撃し、前記手工具装置(1)に少なくとも1個の制振装置(6,6′)を備え、この制振装置(6,6′)は振動可能な制振質量体(7,7′)を有し、この制振質量体(7,7′)を少なくとも1個のばね(8a,8a′)によってハウジング(2)に対して軸線方向にばね負荷圧着させた該手工具装置(1)において、制振装置(6,6′)を、軸線方向に摺動可能な励起手段(9′)を介して駆動位置に位置するヘッダ(5)によって能動的に励起可能としたことを特徴とする手工具装置(1)。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、励起手段(9)は、ヘッダ(5)のための案内管(11)の周方向に少なくとも部分的に貫通係合するものとした手工具装置(1)。
【請求項3】
請求項1または2記載の装置において、励起手段(9)を、リング状に構成した手工具装置(1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置において、制振装置(6)をコンパクトに構成した手工具装置(1)。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置において、制振装置(6′)を中空シリンダ形状に構成した手工具装置(1)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、能動的な制振装置を有する手工具装置、とくにドリルハンマー、コンビハンマーまたはチゼルハンマーに関する。
【背景技術】
【0002】
制振装置とは、振動可能な部分系であって、理論上の(抽象的な)振動可能な質量体、理論上の(抽象的な)ばねおよび理論上の(抽象的な)緩衝器によって構成し、これらはそれぞれ明確に、実体のある構成部材として構成する必要はない。特に理論上の(抽象的な)緩衝器は、しばしば、実体のある構成部材として構成しなくとも、実質的に常に発生する摩擦損失や流動損失によって効果をなす。通常の、専ら自発的に作動する受動的制振装置は、多くの場合周期的な励起機能を目的として外部から励起される、能動制御制振装置から区別される。
【0003】
ばね定数と質量を適切に選択することにより受動的制振装置では固有周波数が、減衰すべき撹乱周波数の近傍の値となる。この使用例では、減衰すべき撹乱周波数とは手工具装置の外側ハウジングにおける振動である。
【0004】
能動的制振装置では、多くの場合、固有周波数を僅かに超えて干渉周波数によって外部から駆動され、外側ハウジングの振動減衰を、攪乱する変動効果を受けることなく良好に行うことができる。
【0005】
特許文献1には、ハウジングの振動を減衰するために、受動的制振装置を備えた打撃動作を行う手工具装置が記載されている。特許文献2には、圧縮空気変動により互いに同調させる2個の受動的制振装置が記載されている。
【特許文献1】仏国特許第2237734号明細書
【特許文献2】米国特許第4478293号明細書
【0006】
特許文献3には、側面に関して両側から2個の受動的制振装置を備えた打撃機構が記載されている。
【特許文献3】独国特許出願公開第815179号明細書
【0007】
特許文献4には、中空シリンダ状に構成した受動的制振装置を案内管の周囲に備えた打撃機構が記載されている。
【特許文献4】欧州登録特許第1710052号明細書
【0008】
特許文献5では、複数個のコンパクトに構成した制振装置を外側ハウジング内部の種々の位置に備える。
【特許文献5】国際特許第2006022345号明細書
【0009】
特許文献6には、駆動ピストンが駆動する際に生ずる圧縮空気変動によって能動的に制御する制振装置を、案内管の周囲に備えた打撃機構が記載されている。手工具装置の押し付け力が不十分な場合は、不作動状態にした打撃機構の他に移動可能な制御スリーブによっても、能動的制御制振装置を不作動状態になる。
【特許文献5】欧州特許第1464449号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、不十分な押し付け力の際に不作動状態になる、簡単な構成の制振装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、本発明特許請求の範囲における請求項1に記載の手法により本質的に解決する。その他の好適な実施例を従属項に記載する。
【0012】
本発明によれば、手工具装置にハウジングと、打撃ピストンを有する空気ばね式打撃機構とを備え、この打撃ピストンによってヘッダを打撃する。手工具装置に少なくとも1個の、振動可能な制振質量体を有する制振装置を備え、この制振質量体を少なくとも1個のばねによってハウジングに対して軸線方向にばね負荷圧着させる。制振装置を、軸線方向に摺動可能な励起手段を介して、駆動位置に位置するヘッダによって能動的に励起可能とする。
【発明の効果】
【0013】
ヘッダによって制振装置を励起することにより、制振装置を、手工具装置の押し付け力によってヘッダが駆動位置に存在するときにのみ、打撃周波数に関して能動的に駆動する。不十分な押し付け力によって空打撃位置にヘッダが存在する場合は、制振装置は受動的に振動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
好適には、励起手段は、ヘッダのための案内管周方向に少なくとも部分的に貫通係合するものとする。これにより、特に打撃的に駆動された工具が跳ね返る場合、励起手段はヘッダとの直接の接触によって摺動可能となる。
【0015】
好適には、励起手段をリング状に構成することにより、励起手段がヘッダと接触した際に傾斜したり、湾曲したりすることを回避できる。
【0016】
好適には、制振装置を中空シリンダ形状に構成することにより、この制振装置を空気ばね式打撃機構の周囲に配置することができる。
【0017】
代案として、制振装置をコンパクトに構成することも好適である。これにより制振装置を、スペースをとらずに側面方向に関して空気ばね式打撃機構に隣接させて設けることができる。
【0018】
次に、図面につき本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0019】
図1には、軸線に関して回転および打撃動作を行う手工具装置1を示す。この手工具装置1は、ハウジング2と、打撃ピストン4を備えた空気ばね式の打撃機構3とを有し、この打撃ピストン4によってヘッダ5を打撃する。手工具装置1に2個のコンパクトに構成した制振装置6を設ける。ただし、2個目の制振装置6は手工具装置の鏡対称面に関して、図示しない下側に位置するため、1個の制振装置のみを図示する。この制振装置6は振動可能な制振質量体7を有し、この制振質量体7を第1ばね8aによってハウジング2に対して軸線方向にばね負荷により支持する。制振装置6は、さらに、第2ばね8bにおける軸線方向に摺動可能な励起手段9により、ヘッダ5が跳ね返る工具10によって後方に打撃されて図示した作動位置に位置するとき励起可能とする。励起手段9は、ヘッダ5のための案内管11の周方向に部分的に貫通係合する。
【実施例2】
【0020】
図2には、図1の代案として励起手段9′をリング状に構成し、ただ1個の制振装置6′を、空気ばね式打撃機構3の周囲に(制振質量体7′およびばね8a′,8b′に関連して)中空シリンダ形状に構成する。この場合、制振装置6′を、第1ばね8a′によって軸線方向に駆動ピニオン12に支持し、この駆動ピニオン12を軸線方向に関してハウジング2に静止した状態に配置する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の手工具装置の上半分を示す部分縦断面図である。
【図2】第2実施例における手工具装置の上半分を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 手工具装置
2 ハウジング
3 空気ばね式打撃機構
4 打撃ピストン
5 ヘッダ
6 制振装置
7 制振質量体
7′ 制振質量体
8a 第1ばね
8a′ 第1ばね
8b 第2ばね
8b′ 第2ばね
9 励起手段
9′ 励起手段
10 工具
11 案内管
12 駆動ピニオン
【出願人】 【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成20年1月29日(2008.1.29)
【代理人】 【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司

【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也


【公開番号】 特開2008−188760(P2008−188760A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2008−17541(P2008−17541)