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【発明の名称】 手持工具装置のための制振器
【発明者】 【氏名】エルヴィン マンシッツ

【氏名】フランツ モスナンク

【要約】 【課題】手持工具装置の内部または上部に組み付けるのに適した、全体長が短い制振器を得る。

【解決手段】手持工具装置1のハウジング2に取り付ける制振器3であって、少なくとも1個のばね5によってハウジング2に対して軸線方向に圧着可能な振動可能な制振体4を備える、該制振器3において、ばね5をその軸線方向ばね長さに関して完全に制振体4の内部に配置する。制振器3は、鏡対称に構成するとよい。制振体4は、この制振体4の少なくとも大部分を包囲する制振体ハウジング9内に配置して軸線方向に移動可能に案内する。また、制振体ハウジング9に、ばね5ごとに軸線方向に離れた2個のハウジングストッパ12を形成し、制振体4に、ばね5ごとに軸線方向に離れた2個の制振体ストッパ13を形成し、これらストッパ12,13にばね5が軸線方向に当接する構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持工具装置(1)のハウジング(2)に取り付ける制振器であって、少なくとも1個のばね(5)によって前記ハウジング(2)に対して軸線方向に圧着可能な振動可能な制振体(4)を備える該制振器(3)において、前記ばね(5)をその軸線方向ばね長さに関して完全に前記制振体(4)の内部に配置したことを特徴とする制振器。
【請求項2】
鏡対称に構成したこと特徴とする請求項1に記載の制振器。
【請求項3】
前記制振体(4)は、この制振体(4)の少なくとも大部分を包囲する制振体ハウジング(9)内に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の制振器。
【請求項4】
前記制振体(4)を、前記制振体ハウジング(9)に軸線方向に移動可能に案内したことを特徴とする請求項3に記載の制振器。
【請求項5】
前記制振体ハウジング(9)に、ばね(5)ごとに軸線方向に離れた2個のハウジングストッパ(12)を形成し、これらハウジングストッパ(12)に前記ばね(5)が当接可能としたことを特徴とする請求項3または4に記載の制振器。
【請求項6】
前記制振体ハウジング(9)に、1個のばね(5)のために、軸線方向に離れた2個のハウジングストッパ(12)を形成し、これらハウジングストッパ(12)を鏡対称面(S)上に設けたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の制振器。
【請求項7】
前記制振体ハウジング(9)に、2個のばね(5)のため、軸線方向に離間したペアごとに合計4個のハウジングストッパ(12)を形成し、これらのハウジングストッパ(12)を鏡対称面(S)に対して鏡対称に配置したことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の制振器。
【請求項8】
前記制振体(4)に、ばね(5)ごとに軸線方向に離れた2個の制振体ストッパ(13)を形成し、これら制振体ストッパ(13)に前記ばね(5)が軸線方向に当接する構成としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の制振器。
【請求項9】
前記制振体(4)は、前記制振体ハウジング(9)によって包囲されない部分を凹状に形成したことを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の制振器。
【請求項10】
前記ばね(5)を、前記制振体(4)の角柱状ポケットとした凹部11に配置したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の制振器。
【請求項11】
前記制振体ハウジング(9)を、固定手段(6)によって、締め付け力連結および/または形状ロック連結により手持工具装置(1)のハウジング(2)に着脱可能に固定したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の制振器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手持工具装置、特にハンマードリル、コンビハンマーまたはチゼルハンマーのための制振器に関する。
【背景技術】
【0002】
制振器は、抽象的な、振動可能な物体、抽象的なばねおよび抽象的なダンパーであって、それぞれ明示的に具体的な部材として説明できないものからなる振動機能を備える部分系である。とくに、抽象的なダンパーはしばしば具体的な部材として実現されず、代わりに、実際上常に発生する摩擦・流動損失によって作用する。もっぱら自ら励起する一般的なパッシブ制振器は、アクティブ制御される制振器と区別される。
【0003】
ばね定数と質量を適切に選択することにより、パッシブ制振器の場合、その固有周波数を減衰すべき撹乱周波数に近似させ、この撹乱周波数は、本発明の適用例では、手持工具装置の外側ハウジングの振動である。
【0004】
特許文献1によると、手持工具装置が打撃する際に、ハウジングの振動を減少させるためのこの種のパッシブ制振器を使用し、特許文献2によると、2個のパッシブ制振器を相互に同調させる。この場合、コイルばねとして構成した抽象的なばねを軸線方向に手持工具装置が打撃する方向へ指向させるとともに、少なくとも部分的に軸線方向にコンパクトで振動可能な制振体を移動させる。
【0005】
特許文献3によると、中空円筒状に構成した制振器を打撃機構のガイド管の周囲に配置する。
【0006】
特許文献4によると、コンパクトに構成した制振器をハウジングの内部においてハンドグリップ側とは逆側のハウジング上面に配置する。
【0007】
特許文献5によると、コンパクトに構成した制振器を制振器ハウジングの内部に配置し、この制振器ハウジングは、外側を手持工具装置の残りの外側ハウジング対してハンドグリップ側とは逆側のハウジング上面で着脱可能に形状ロック連結または締め付け力連結により固定する。
【0008】
特許文献6によると、コンパクトで振動可能な制振体の軸線方向両側に、2個の圧縮コイルばねを設ける。
【0009】
制振器の全体長は、このため必ずばねの長さよりも大きいので、充分な振動干渉作用を得るために、比較的大きな、軸線方向に延在する構造空間が必要になる。
【0010】
【特許文献1】仏国特許第2237734号明細書
【特許文献1】米国特許第4478293号明細書
【特許文献3】欧州特許第1710052号明細書
【特許文献4】国際公開第2006/022345号パンフレット
【特許文献5】欧州特許第1415768号明細書
【特許文献6】独国特許第815179号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、手持工具装置の内部または上部に組み付けるのに適した、全長が短い制振器を得るにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、基本的に請求項1の特徴によって解決される。好適な実施態様を従属請求項に示す。
【0013】
すなわち、手持工具装置の内側(例えば伝動装置ハウジング)または外側(例えば外ハウジング)ハウジングに組み付けるのに適した制振体に、少なくとも1個のばねによってハウジングに対して軸線方向に圧着可能な振動可能な制振体を設け、このばねをその軸線方向ばね長さに関して完全に制振体の内部に配置する。
【発明の効果】
【0014】
ばねを完全に振動可能な制振体の内部に配置することによって、制振器の全体長は基本的に制振体の長さによって規定される。したがって、制振体の長さを最大にできるので、制振器の長さとばね定数が所与のときに、最小の共振周波数を得ることができる。さらに、内部にプレストレスの下に圧着する圧縮ばねが、制振体の振幅に関してばねの両側外方に位置する制振体ストッパに交互衝合することによって、半分のばねストローク分だけ外方移動するので、ばね自体の応力を小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
制振器を鏡対称に構成すると好適であり、これによって横振動が防止される。
【0016】
制振体の少なくとも大部分を包囲する制振体ハウジングの内部に制振体を配置すると好適であり、これによってこの振動する部分系が汚れから保護される。
【0017】
制振体ハウジングに制振体を軸線方向に移動可能に案内すると好適であり、これによって制振体は減衰し終わるまで自由に軸線方向に振動できる。
【0018】
制振体ハウジングには、ばねごとに軸線方向に離れた2個のハウジングストッパを形成し、これにばねが当接可能にすると好適であり、これによってばねの長さを両側から制限できる。
【0019】
制振体ハウジングに、1個のばねのための軸線方向に離れた2個のハウジングストッパを形成し、これらのハウジングストッパを鏡対称面上に配置すると好適であり、これによって鏡対称性が維持される。
【0020】
代案として、制振体ハウジングに、2個のばねのため、軸線方向に離間したペアごとに合計4個のハウジングストッパを形成し、これらハウジングストッパを鏡対称面に対して鏡対称に配置すると好適であり、これによって鏡対称性が維持される。
【0021】
制振体に、ばねごと軸線方向に離れた2個の制振体ストッパを形成し、この制振体ストッパにばねが軸線方向に当接する構成にすると好適であり、これによってばねが振動する際交互に各制振体ストッパに圧着する。
【0022】
制振体は、制振体ハウジングによって包囲されない部分を凹状に形成すると好適であり、これによって制振体を手持工具装置の外側ハウジングの凸状のハウジング上面に適合するように構成できる。
【0023】
ばねを、制振体の角柱状ポケットとした凹部に配置すると好適であり、これによってばねが少なくとも部分的に強制的に案内されるので、横方向に外れることがなくなる。
【0024】
制振体ハウジングを、固定手段によって締め付け力連結および/または形状ロック連結により手持工具装置のハウジングに着脱可能に固定すると好適であり、これによって必要に応じてユーザーが、後から容易に自分で例えば制振器のない手持工具装置の外側ハウジングに振動緩衝器を取り付けられる。
【0025】
以下では、図面につき好適な実施例を参照して本発明について詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1によると、打撃軸線Aに関して軸線方向に打撃し回転する手持工具装置1は、打撃軸線Aに沿って振動するハウジング2に固定した制振器3に制振体4を設け、この制振体4はばね5によって外側のハウジング2に対して軸線方向にプレストレスの下に圧着する。打撃軸線Aを含む鏡対称面Sに対して鏡対称に構成された制振器3を、ねじの形式とした固定手段6によって、形状ロックにより手持工具装置のハウジングに対して、ハンドグリップ7側とは逆側の凸状のハウジング上面に着脱可能に固定する。これに適合するように凹状に構成した制振体4を、打撃軸線Aに対して直交する図示の平面内でこの制振体4の大部分(ハウジング上面8に対向する部分まで)を包囲する制振器ハウジング9の内部に配置し、この制振器ハウジング9における打撃軸線Aに沿って延在するガイド面10によって軸線方向に移動可能に案内する。ばね5は、打撃軸線Aに対して直交する図示の平面内で角柱状のポケットとして、端部が開放した制振体4の凹部11内に配置する。
【0027】
図2によると、圧縮コイルばねとして構成したばね5を、その軸線方向ばね長さに関して完全に制振体4の内部に配置する。制振器ハウジング9には、1個のばね5のための軸線方向に互いに離れた2個のハウジングストッパ12を形成し、これらハウジングストッパ12を鏡対称面S上に配置する。制振体4は、2個の互いに離れた端部に、それぞれ制振体ストッパ13を形成し、振動が生じた際に(左右の部分図に異なる振動状態を示してある)、ばね5はこの制振体ストッパ13に軸線方向に交互に圧着する。
【実施例2】
【0028】
図3および4に示す制振器ハウジング9には、2個のばね5のためのそれぞれ2個の軸線方向に離れたハウジングストッパ12を形成し、鏡対称面Sに対して鏡対称に配置したばね5をこれらのハウジングストッパ12に軸線方向に当接可能とする。この場合、ハウジングストッパ12は、鏡対称面Sに対して直交する方向に内方へ制振器ハウジング9から突出させる。
【実施例3】
【0029】
これとは異なり、図5および図6に示す実施例では、2個のばね5のためのハウジングストッパ12を、対称面Sに平行な方向に内方へ制振器ハウジング9から突出させる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1実施例の制振器を手持工具装置と一緒に示した説明図である。
【図2】図1に示す制振器のII‐II線上の横断面図である。
【図3】第2実施例の制振器の説明図である。
【図4】図3に示す実施例のIV‐IV線上の横断面図である。
【図5】第3実施例の制振器の説明図である。
【図6】図5に示す実施例のVI‐VI線上の横断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 手持工具機械
2 ハウジング
3 制振器
4 制振体
5 ばね
6 固定手段
7 ハンドグリップ
8 ハウジング上面
9 制振器ハウジング
10 ガイド面
11 凹部
12 ハウジングストッパ
13 制振体ストッパ
【出願人】 【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成20年1月29日(2008.1.29)
【代理人】 【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司

【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也


【公開番号】 特開2008−188759(P2008−188759A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2008−17518(P2008−17518)