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電動ハンマ - 特開2008−155369 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 電動ハンマ
【発明者】 【氏名】生田 洋規

【要約】 【課題】電動ハンマにおける制振性を確保しつつ、軽量化、外観性およびコストコントロールといった総合的な性能を向上するのに資する技術を提供する。

【解決手段】ハンマビット129と、駆動モータ121と、駆動モータ121の回転出力をハンマビット129の長軸方向への直線運動に変換して打撃子128を駆動するクランク機構123と、当該クランク機構123に着脱自在に取付けられて打撃子128の制振を行うカウンタウェイト201とを有する電動ハンマ101を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンマビットと、
駆動モータと、
前記駆動モータの回転出力を前記ハンマビット長軸方向への直線運動に変換して打撃子を駆動するクランク機構と
前記クランク機構に着脱自在に取付けられて前記打撃子の制振を行なうカウンタウェイトとを有することを特徴とする電動ハンマ。
【請求項2】
請求項1に記載の電動ハンマであって、さらに、
本体部と、当該本体部に収容されたウェイトと、当該ウェイトを本体部との間で連接する弾性要素とを有する動吸振器が着脱自在に取付けられていることを特徴とする電動ハンマ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動ハンマであって、
前記クランク機構は、
前記駆動モータの出力軸によって回転駆動されるギアと、
当該ギアに偏心状に止着された偏心ピンと、
一端側が当該偏心ピンに取付けられるとともに、他端側がハンマビット打撃機構に取付けられることで、当該ハンマビット打撃機構を直線運動させ、これによって打撃子を駆動するクランクアームとを有し、
前記カウンタウェイトは、前記ギアの回転により公転動作する前記偏心ピンに着脱自在に取付けられるとともに、前記ハンマビット長軸方向に直線運動するカウンタウェイト駆動手段によって直線運動されることを特徴とする電動ハンマ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンマやハンマドリル等のように一定の周期でハンマビットを駆動する電動ハンマにおける制振技術に関する。
【背景技術】
【0002】
実開昭51−6583号公報(特許文献1)では、制振装置が設けられたハンマの構成が開示されている。この従来のハンマでは、ハンマビットに打撃力を付与する打撃子を直線運動するためのクランクアーム機構の上方領域に、当該クランクアーム機構によって駆動されるカウンタウェイトが配置された構成が開示されている。カウンタウェイトは、クランクアーム機構によって駆動される打撃子に対向するようにギアハウジング内で往復動するよう構成され、かかる当該カウンタウェイトの対向動作により、ハンマ駆動の際に生じるハンマビット長軸方向への強い振動が効果的に抑制されるように構成される。
【0003】
ところでカウンタウェイトは、ハンマ駆動時の大きな振動を適宜抑制するべく相応の寸法を要するとともに、かかる動吸振器を収容するためのスペースも必然的に相応の大きさを要することとなる。しかも、作業状況やユーザの要望等よっては、電動ハンマにカウンタウェイトを架装することを要さない場合もあり、電動ハンマにおけるカウンタウェイトの構成技術に一層の工夫を講じる要請がある。
【0004】
【特許文献1】実開昭51−6583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電動ハンマにおける制振性を確保しつつ、軽量化、外観性およびコストコントロールといった総合的な性能を向上するのに資する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、ハンマビット、駆動モータ、クランク機構およびカウンタウェイトを有する電動ハンマが構成される。電動ハンマは、ハンマビットが長軸方向に直線運動してハンマ機能を奏するもののみならず、当該ハンマ機能に加え、ハンマビットがその周方向に回転運動してドリル機能を奏するドリルハンマタイプを好適に包含する。クランク機構は、駆動モータの回転出力をハンマビット長軸方向への直線運動に変換して打撃子を駆動する。カウンタウェイトは上記打撃子の制振を行なう。具体的には、クランク機構によって直線状に駆動される打撃子に対向して直線運動し、これによって互いの運動エネルギ(運動量)が相殺されて、電動ハンマ全体の振動を効果的に抑制するものである。
【0007】
かかる機能を有するカウンタウェイトは、本発明においてはクランク機構に着脱自在に取付けられるよう構成されている。従って作業態様や動的制振の必要性などといった状況に応じて、カウンタウェイトを作業工具本体部に止着して制振を行なう場合と、カウンタウェイトを電動ハンマから取り外して軽量かつスリムな外観の電動ハンマを用いて作業を行なう場合とを適宜切り替えることが可能となる。またカウンタウェイトの装着可能性は確保しつつも、当該カウンタウェイトの設定を行なうか否かを作業者の判断に委ね、これによって電動ハンマのコストおよび利便性を合理的にコントロールすることが可能となる。なおカウンタウェイトの着脱は、クランクキャップあるいはクランク機構上方に形成される開口部等を介して行なうのが好ましい。
【0008】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の電動ハンマに対し、さらに動吸振器が着脱自在に取付けられる。この動吸振器は、本体部、当該本体部に収容されたウェイト、および当該ウェイトを本体部との間で連接する弾性要素を有する。ウェイトは、本体部との間で少なくとも弾性要素で連接されれば足り、さらに減衰要素によって本体部との間を連接する構成も包含されるものとする。本発明によれば、クランク機構の直線運動に対して、上述したカウンタウェイトによる制振に加え、当該動吸振器による制振作用を付加することで、カウンタウェイトでは制振し切れない振動を動吸振器で更に制振し、電動ハンマにおける振動対策の万全を図ることが可能になる。
【0009】
しかも動吸振器は、振動体の振動に応じて制振動作が開始されるという受動的な性格の制振機構であるため、単にクランク機構に対する制振のみならず、当該クランク機構とカウンタウェイトとの相殺動作が合致しない場合の制振に対しても有効に作用する。また本発明における動吸振器は、上記カウンタウェイトと同様に、電動ハンマに対して着脱自在に取付けられるため、作業態様や動的制振の必要性などといった状況に応じて、動吸振器を作業工具本体部に止着して制振を行なう場合と、動吸振器を電動ハンマから取り外して軽量かつスリムな外観の電動ハンマを用いて作業を行なう場合とを適宜切り替えることが可能となる。また動吸振器の装着可能性は確保しつつも、動吸振器の設定を行なうか否かを作業者の判断に委ね、これによって電動ハンマのコストおよび利便性を合理的にコントロールすることが可能となる。なお動吸振器の着脱は、カウンタウェイトの着脱と同様に、クランクキャップ、あるいはクランク機構上方に形成される開口部等を介して行なうのが好ましい。
【0010】
ところで上記のように、本発明におけるカウンタウェイトは、クランク機構によって駆動される打撃子の直線運動と対向状に直線運動することにより、当該打撃子に対する制振機能を奏するよう構成される。一方、電動ハンマの駆動態様としては、ハンマビットによって被加工材に所定の作業を行なう態様、すなわちハンマビットに負荷が作用する態様(有負荷駆動状態)のみならず、ハンマビットが作業を行なうことなくアイドリング状態に置かれる態様、すなわちハンマビットに負荷が作用しない態様(無負荷駆動状態)が存する。このため、本来は有負荷駆動状態における駆動子の制振用に設けられたカウンタウェイトが、当該無負荷駆動状態において振動源になってしまう可能性がある。
【0011】
本発明では、このように有負荷駆動状態に合わせて駆動タイミングがセッティングされたカウンタウェイトが、無負荷駆動状態において振動源となるような場合において、動吸振器が効果的に制振作用を奏することとなる。すなわち、本発明における動吸振器は、有負荷駆動状態の際には、当該有負荷駆動状態に合わせてタイミング調整されたカウンタウェイトと協働して打撃子の制振に効果を発揮し、さらに無負荷駆動状態の際には、打撃子の制振のみならずカウンタウェイトに対する制振作用も併せて奏するよう構成可能である。
【0012】
すなわち、
(態様1)
「請求項2に記載の電動ハンマであって、
前記カウンタウェイトは、前記ハンマビットに負荷が作用した場合の前記打撃子の直線運動に対応して対向状に直線運動するよう設定されるとともに、
前記動吸振器は、前記ハンマビットに負荷が作用しない場合の前記打撃子および前記カウンタウェイトの各直線運動に基づく振動を制振するよう設定されていることを特徴とする電動ハンマ。」
【0013】
これにより、有負荷駆動状態においては、打撃子の制振のためにカウンタウェイトと動吸振器が協働し、さらに無負荷駆動状態においては、動吸振器が打撃子およびカウンタウェイトに対する制振作用を奏するという合理的な制振機構が確保されることとなる。この場合、必要に応じてカウンタウェイトおよび動吸振器の双方ないし一方を適宜取り外し、作業時の便宜を図ることも可能である。
【0014】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の電動ハンマにおけるクランク機構につき、駆動モータの出力軸によって回転駆動されるギアと、当該ギアに偏心状に止着された偏心ピンと、一端側が当該偏心ピンに取付けられるとともに、他端側がハンマビット打撃機構に取付けられることで、当該ハンマビット打撃機構を直線運動させ、これによって打撃子を駆動するクランクアームとを有するよう構成する。またカウンタウェイトにつき、ギアの回転により公転動作する偏心ピンに着脱自在に取付けられ、ハンマビット長軸方向に直線運動するカウンタウェイト駆動手段によって直線運動されるよう構成する。この構成により、出力軸およびギアを介して駆動モータがクランクアームを駆動するための機構に、カウンタウェイトを駆動するための機構を着脱自在に配置し、合理的なカウンタウェイトの駆動を遂行することが可能とされる。
【0015】
なお上記発明の特質に鑑み、下記のごとき各種態様が構成可能とされる。すなわち、
(態様2)
「請求項3に記載の電動ハンマであって、
前記カウンタウェイト駆動手段は、前記偏心ピンに着脱自在に嵌着されるとともに当該偏心ピンとの間で相対的な摺動動作が許容された偏心ピン摺動溝を有することを特徴とする電動ハンマ。」
この態様によれば、クランクアームを駆動するべくクランク機構に設けられた偏心ピンに対し、カウンタウェイトを駆動するためのカウンタウェイト駆動手段が、偏心ピン摺動溝を介して係合し、当該溝内を偏心ピンが相対的に摺動動作する。この相対的な摺動動作により、ギアの回転に伴う偏心ピンの公転運動を介して、カウンタウェイトの直線運動が得られることとなる。また偏心ピンを偏心ピン摺動溝に嵌合させる構成により、両者の間の精度をラフに設定することが可能となり、製造時のコスト性および組み付け時の作業性をそれぞれ向上することが可能となる。
【0016】
(態様3)
「請求項3に記載の電動ハンマであって、
前記カウンタウェイト駆動手段は、一端側が前記偏心ピンに着脱自在に止着され、他端側が前記カウンタウェイトに取付けられる第2のクランクアームを有することを特徴とする電動ハンマ。」
この態様によれば、クランクアームを駆動するべくクランク機構に設けられた偏心ピンに一端側が着脱自在に止着され、他端側が前記カウンタウェイトに取付けられる第2のクランクアームを介して、カウンタウェイトの直線運動が得られることとなる。この構成により、クランク機構を構成するギアおよび偏心ピンと、カウンタウェイト駆動手段を構成する第2のクランクアームとが一体状の剛体として形成されることとなり、駆動モータの出力軸による回転駆動の際に安定状の支持が容易に行い得る構造が得られる。しかも第2のクランクアームは着脱自在に偏心ピンに止着されるので、不要な場合にはカウンタウェイトを第2のクランクアームとともに取り外し、電動ハンマの構成を簡便化することも容易に行い得る。なお第2のクランクアームを偏心ピンに着脱自在に止着する場合、偏心ピンと第2のクランクアームとをネジ止め、あるいはボルト止めする構成とするのが好ましい。
【0017】
(態様4)
「請求項3、または態様1から態様3までのいずれかに記載の電動ハンマであって、
前記カウンタウェイトおよびカウンタウェイト駆動手段は、前記クランクアームを電動ハンマ本体部に配置するのに用いられるクランクキャップ、あるいは前記クランク機構上方に形成された開口部を通じて着脱可能とされることを特徴とする電動ハンマ。」
この態様によれば、カウンタウェイトおよびカウンタウェイト駆動手段の着脱に際し、クランクキャップ、あるいはクランク機構上方の開口部という既存の設備を利用することが可能となり、合理的な電動ハンマの構成を得ることが可能となる。もちろん動吸振器についても、カウンタウェイトと同様に、当該クランクキャップを通じて着脱可能に構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電動ハンマにおける制振性を確保しつつ、軽量化、外観性およびコストコントロールといった総合的な性能を向上するのに資する技術が提供されることとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態であるハンマにつき、図面を参照しつつ詳細に説明する。このうち図1では、カウンタウェイト201のみが装着されたハンマ100の構成が示され、図2ではカウンタウェイト201および動吸振器301が装着されたハンマ101の構成が示される。ハンマ100,101は、動吸振器301以外の要素については同等の要素を用いるため、図面では共通の符号を付して説明することとする。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態に係るハンマ100は、概括的に見て、ハンマ100の外郭を形成する本体部103として、モータハウジング105、ギアハウジング107を有する。ギアハウジング107の先端領域にはハンマビット129を本体部103に止着するためのハンマビット止着部111が設けられている。またモータハウジング105およびギアハウジング107の後端側にはハンドグリップ113が設けられている。
【0021】
モータハウジング105内には駆動モータ121が配置されている。また、ギアハウジング107の上面部には、クランクキャップ109が配設された開口部110が形成されている。後述するカウンタウェイト201ないし動吸振器301(図2参照)は、当該開口部110を通じて本体部103に着脱される。
【0022】
さらにギアハウジング内には、駆動モータ121の回転出力をハンマビット129の長軸方向への直線運動に変換するための運動変換機構123、運動変換機構123を介して駆動されるシリンダ機構125、シリンダ機構125によって得られた打撃力によってハンマビット129に長軸方向への衝撃力を作用する打撃子128を主体とする打撃要素127が適宜配置されている。
【0023】
ハンマ100における運動変換機構123の上部側であって、開口部110の直下領域にはカウンタウェイト201が着脱自在に配置される。カウンタウェイト201は、運動変換機構123において生じるハンマビット129長軸方向への振動を制振するのに用いられる。
【0024】
一方、図2に示すハンマ101では、上記ハンマ101の構成に加えて、更にカウンタウェイト201の上部側であって開口部110の直上領域に動吸振器301が着脱自在に配置される。動吸振器301は、ハンマ101の有負荷駆動時においては、カウンタウェイト201との協働により、運動変換機構123において生じるハンマビット129長軸方向への振動を制振する。さらに動吸振器301は、ハンマ101の無負荷駆動時においては、運動変換機構123における振動のみならず、カウンタウェイト201に起因して生じる振動についても制振作用を奏するよう設定されている。
【0025】
ハンマ101のうち、カウンタウェイト201および動吸振器301を中心とした主要部の詳細な構成が図3に示される。なお図1に示すハンマ100は、動吸振器301の装着の有無を除いては図2に示すハンマ101と同等の構成を有する。従って説明の重複を避けるため、ハンマ100に関しての主要部の詳細な構成の説明および図示については、ハンマ101に関する説明および図示を流用するものとする。
【0026】
図3に示すように、ハンマ101は、運動変換機構123として、駆動モータ121の出力軸131に形成されたギア部133と噛み合い係合して回転駆動される変速ギア135、当該変速ギア135と一体状に形成されて回転するギアシャフト137、当該ギアシャフト137を軸支する上方ベアリング138aおよび下方ベアリング138b、変速ギア135の回転中心(すなわちギアシャフト137の回転中心)からシフトして配置された偏心ピン139、当該偏心ピン139に対し偏心ピン用ベアリング141を介して一端側が連接されたクランクアーム143を有する。またクランクアーム143の他端側は、シリンダ147内に配置された駆動子145に連接される。駆動子145は、シリンダ147内を摺動することで、いわゆる空気バネの作用を介し、特に図示しないストライカを直線状に駆動し、これによって図2に示すハンマビット129に対する衝撃荷重を発生させる。
【0027】
さらに本実施の形態では、上記運動変換機構123の上方にカウンタウェイト201と、当該カウンタウェイトの駆動手段203を有する。カウンタウェイト駆動手段203は、偏心ピンガイド孔209に偏心ピン139を嵌合して連接されるカウンタウェイト駆動クランク205と、当該カウンタウェイト駆動クランク205の前側端部領域(図中左端部領域)に一体状に形成されたクランクピン207を有する。カウンタウェイト駆動クランク205は、ベアリング206を介してクランクキャップ109の内周面に軸支されつつ水平面内を回転可能に構成される。
【0028】
上述したカウンタウェイト201およびカウンタウェイト駆動手段203の更に上方には、動吸振器301が配置される。動吸振器301は、長尺中空状に形成された筒体303によってその外郭が構成される。筒体303は本発明における動吸振器の「本体部」に対応する。筒体303内には、当該筒体303の長軸方向に延在するウェイト305が配置されている。ウェイト305は大径部313および小径部315を有するとともに、大径部313の左右両端領域にはそれぞれ付勢バネ317が取付けられる。付勢バネ317は、本発明における「弾性要素」に対応し、ウェイト305が筒体303の長軸方向に移動する際に、筒体303との間で当該ウェイト305に弾発力を付与する。
【0029】
カウンタウェイト201、カウンタウェイト駆動手段203は、いずれもハンマ101の開口部110を通じて配置され、さらに動吸振器301は、当該開口部110の直上領域に配置されている。このため、カウンタウェイト201、カウンタウェイト駆動手段203および動吸振器301は、容易にハンマ101に対して着脱することが可能に構成されている。なおカウンタウェイト駆動手段203は、上述のようにクランクキャップ109ごと開口部110上方に取外すことが可能に構成され、着脱作業の効率性が確保されている。なお変速ギア135の偏心ピン139は、カウンタウェイト駆動クランク205における偏心ピンガイド孔209に対して、下部側から非固定状に遊嵌されるのみであり、カウンタウェイト駆動手段203の着脱性を阻害するものではない。
【0030】
本実施の形態に係るハンマ101は上記のように構成される。次に当該ハンマ101の作用および使用方法について説明する。駆動モータ121が駆動されると、当該駆動モータ121の回転出力は出力軸131および当該出力軸131のギア部133を介して変速ギア135に伝達される。これにより変速ギア135は、ギアシャフト137とともに一体状に回転駆動される。変速ギア135の回転により、偏心ピン139がギアシャフト137の回転軸回りを周回動作し、これによってクランクアーム143が図中左右方向に往復動し、駆動子145がシリンダ147のボア内を往復直線運動する。
【0031】
駆動子145の直線運動に伴い、いわゆる空気バネの作用によってストライカ(特に図示しない)が、駆動子145の速度よりも高速でインパクトボルト(特に図示しない)に衝突し、当該衝突による運動エネルギーによってハンマビット129(図2参照)が前方に高速で直線運動し、特に図示しない被加工材に対するハンマ作業が遂行されることとなる。
【0032】
本実施の形態では、図3に示す運動変換機構123における偏心ピン139の周回動作を利用してカウンタウェイト201が駆動される。カウンタウェイト201の駆動形態に関しては、図4において、偏心ピン139、カウンタウェイト駆動クランク205、偏心ピンガイド孔209、クランクピン207およびカウンタウェイト201の関係が模式的に示される。上述のように偏心ピン139がギアシャフト137の回転軸回りに周回動作をすることにより、当該偏心ピン139の回転運動を偏心ピンガイド孔209が受承し、これによってカウンタウェイト駆動クランク205が回転駆動される。するとカウンタウェイト駆動クランク205に偏心状に設けられたクランクピン207が、偏心ピン139と正対する形で周回動作する。
【0033】
なお、偏心ピン139は偏心ピンガイドガイド孔209に遊嵌状に係合される構成ゆえに、両者の組み付け精度をそれ程シビアに設定する必要が無く、ハンマ構成におけるコスト性および組み付け性を向上することが可能とされている。
【0034】
一方、カウンタウェイト201には、その長軸方向と交差する方向(図中上下方向)に延在する長孔状のクランクピンガイド孔211が形成されており、クランクピン207の周回動作のうち、カウンタウェイト201の長軸方向への動作成分のみが当該カウンタウェイト201に伝達される。これにより、カウンタウェイト201は、長軸方向(図中左右方向)に向かって、偏心ピン139の周回動作と正対して、換言すれば打撃子128の直線運動と正対して直線運動することとなる。
【0035】
かくして、クランクアーム143がハンマ101の長軸方向(図3中左右方向)に直線状に往復動することで打撃子128が直線運動するに際して、当該打撃子128の直線運動に対向するように往復動し、これによって打撃子128の動的振動が合理的に制振されることとなる。さらに本実施の形態では、カウンタウェイト201による制振動作に加えて、さらに動吸振器301が打撃子128の動的振動に対する制振機能を奏することとなる。従ってハンマ101駆動時の振動を相当程度抑制し、当該ハンマ101の使用性および静音性を向上することが可能となる。
【0036】
ところで、本実施の形態におけるカウンタウェイト201は、打撃子128の直線運動に対して対向状に直線運動することで制振機能を奏するよう構成されるが、当該カウンタウェイト201は、有負荷駆動状態における打撃子128の直線運動と対向動作するように設定されている。このため、カウンタウェイト201は、有負荷駆動状態における制振作用を効果的に奏するものの、無負荷駆動状態においては、有負荷駆動状態の際の制振用に設定されたはずのカウンタウェイト201が逆に振動源となってしまう可能性がある。
【0037】
本実施の形態では、かかる無負荷駆動状態においては、仮にカウンタウェイト201が振動源となる場合であっても、かかる振動に対して上記した動吸振器301が有効に制振作用を奏する。すなわち、本実施の形態に係るハンマでは、動吸振器301につき、有負荷駆動状態の際には、当該有負荷駆動状態に合わせて位相が調整されたカウンタウェイト201と協働して打撃子128の制振機能を果たし、さらに無負荷駆動状態の際には、打撃子128の制振のみならず、カウンタウェイト143に対する制振作用も併せて奏することが可能とされる。
【0038】
しかも本実施の形態では、カウンタウェイト201、カウンタウェイト駆動手段203につき、いずれもクランクキャップ109の上方に形成された開口部110を通じてハンマ101から容易に取り外すことが可能であり、さらに動吸振器301については開口部110の上部から簡単に離脱させることが可能であるため、作業態様や動的制振の必要性などといった状況に応じて、各制振要素の着脱を容易に決定し、ハンマのコスト、利便性、外形寸法、重量といた要素を合理的に調整することが可能となる。
【0039】
(変更例)
本実施の形態の変更例に係るハンマ102につき、図5を参照して説明する。このハンマ102は、上述の偏心ピン139と、カウンタウェイト駆動手段203との連接態様に関する変更例である。従って上記ハンマ100,101と同等の要素については、同等の符号をもって図示を行なうとともに、便宜上その説明を省略する。
【0040】
図5に示すように、変速ギア135に設けられた偏心ピン139は、固定ピン139aを介してカウンタウェイト駆動クランク205に着脱自在に固定される。カウンタウェイト駆動手段203の主要部をなすカウンタウェイト駆動クランク205は、開口部110の下部領域において、クランクキャップ109に対しベアリング206を介して回転可能に構成される。そしてカウンタウェイト駆動クランク205の回転に伴い、カウンタウェイト201がハンマ102の長軸方向(図5中左右方向)に往復動し、これによってクランクアーム143の往復動に対する制振作用を奏する。
【0041】
ところで本変更例では、偏心ピン139とカウンタウェイト駆動クランク205とが固定ピン139aによって固定されている結果として、変速ギア135、ギアシャフト137、偏心ピン139、固定ピン139a、カウンタウェイト駆動クランク205は、全体が一体的な剛体として回転駆動されることとなる。従って、かかる回転駆動の安定性確保の見地からすれば、一体的な剛体の上下各箇所を適宜に軸支すれば足りることとなる。本変更例では、当該一体的な剛体に対する軸支箇所として、上方ベアリング206および下方ベアリング138aが採用されている。以上より、本変更例では、変速ギア135およびギアシャフト137のための軸支箇所と、カウンタウェイト駆動クランク205のための軸支箇所とを別個独立に設定する必要がなくなるとともに、相応の高さ寸法を有する一体的な剛体を軸支すれば足りることとなる。そのため、各部材要素の組み付け精度等をある程度ラフに設定しても回転駆動に支障が生じにくくなり、内部機構の簡素化および回転駆動要素の安定支持の双方に対して合理的な構成を付与することが可能である。
【0042】
しかも開口部110を通じて各要素を取り外す場合には、上記の固定ピン139aによる偏心ピン139とカウンタウェイト駆動クランク205との間の固定を解除すれば足りるため、制振機構の着脱性を一層向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態に係るハンマ100の全体構成を示す断面図である。
【図2】本実施の形態に係るハンマ101の全体構成を示す断面図である。
【図3】ハンマ101の主要部の構成を示す部分断面図である。
【図4】カウンタウェイト駆動手段の構成を示す模式図である。
【図5】変更例に係るハンマ102の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0044】
100,101,102 ハンマ
103 本体部
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
109 クランクキャップ
110 開口部
111 ハンマビット止着部
113 ハンドグリップ
121 駆動モータ
123 運動変換機構
125 シリンダ機構
127 打撃要素
128 打撃子
129 ハンマビット
131 出力軸
133 ギア部
135 変速ギア
137 ギアシャフト
138a,b ギアシャフト用ベアリング
139 偏心ピン
141 偏心ピン用ベアリング
143 クランクアーム
145 駆動子
147 シリンダ
201 カウンタウェイト
203 カウンタウェイト駆動手段
205 カウンタウェイト駆動クランク
206 クランク用ベアリング
207 クランクピン
209 偏心ピンガイド孔
211 クランクピンガイド孔
301 動吸振器
303 筒体(本体部)
305 ウェイト
313 大径部
315 小径部
317 付勢バネ(弾性要素)
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成20年2月8日(2008.2.8)
【代理人】 【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸

【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行


【公開番号】 特開2008−155369(P2008−155369A)
【公開日】 平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願番号】 特願2008−29254(P2008−29254)