トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 ハンマードリル
【発明者】 【氏名】平山 俊郎

【氏名】柴田 健治

【氏名】奥田 紳介

【要約】 【課題】作業中等での操作部材の損傷を効果的に防止する。

【解決手段】ギヤハウジング5における操作部23側の側面には、突出部26が設けられている。この突出部26は、操作部23の移動範囲の前端且つ上方位置で、操作部23のギヤハウジング5の側面からの突出高さよりも高く形成され、この突出部26と、ギヤハウジング5の側面後方に突設された上下方向の突条27とにより、ギヤハウジング5の側面には、突出部26側を下にして平坦面Sに置いた際には操作部23を平坦面Sよりも内側に収める退避スペース28が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの内部に、前記ハウジングの先端に装着したビットを回転させる回転機構と、前記ビットを打撃する打撃機構と、前記回転機構及び打撃機構から前記ビットへの作動伝達を切替可能な切替機構とを設け、前記ハウジングの側面に、前記切替機構を前記ハウジング外部から動作させる操作部材を設けたハンマードリルであって、
前記ハウジングの側面で少なくとも前記操作部材の移動範囲の前端若しくは前方位置に、前記操作部材の前記ハウジング側面からの突出高さよりも高くなる突出部を設け、その突出部により前記ハウジングの側面に、前記突出部側を下にして平坦面に置いた際には前記操作部材を前記平坦面よりも内側に収める退避スペースを形成したことを特徴とするハンマードリル。
【請求項2】
突出部の少なくとも先端部分を弾性材料で形成した請求項1に記載のハンマードリル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングの先端に装着したビットに回転作動や打撃作動を単独或いは同時に伝達することができるハンマードリルに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンマードリルは、ハウジングの先端に、チャック等を介してドリルビットやタガネ等のビットが装着可能で、ハウジングの内部には、モータの回転を伝達してビットを回転させる回転機構と、モータの回転をピストンの往復動作に変換してビットを直接又は間接的に打撃する打撃機構とが設けられると共に、その回転機構及び打撃機構からビットへの作動伝達を切り替えて、ビットへ回転のみ伝えるドリルモード、打撃のみ伝えるハンマーモード、回転と打撃とを同時に伝えるハンマードリルモードといった複数の動作モードを選択可能な切替機構が設けられている。この切替機構の動作は、ハウジングの外部に設けられたチェンジレバー等の操作部材によって行われるようになっているが、一方の手でハンマードリルのハンドルを把持したまま他方の手で操作部材の操作がしやすいように、特許文献1〜3に開示の如く、操作部材をハウジングの側面に設けたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1280931号公報
【特許文献2】意匠登録第1092227号公報
【特許文献3】意匠登録第1282586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ハンマードリルにおいては、操作部材がハウジングの側面から突出する格好となるため、例えば壁等のチッピングを行っている際に、勢い余ってハンマードリルが前に飛び出し、操作部材が壁に衝突して破損したり、ハンマードリルを床に置いた際に下になった操作部材が床に当接して傷付いたり等、作業中や保管中等に損傷させるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、作業中等での操作部材の損傷を効果的に防止でき、耐久性に優れたハンマードリルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングの側面で少なくとも操作部材の移動範囲の前端若しくは前方位置に、操作部材のハウジング側面からの突出高さよりも高くなる突出部を設け、その突出部によりハウジングの側面に、突出部側を下にして平坦面に置いた際には操作部材を平坦面よりも内側に収める退避スペースを形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、突出部での緩衝効果を得るために、突出部の少なくとも先端部分を弾性材料で形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、突出部及び退避スペースの形成により、作業中や保管中等での操作部材の損傷を効果的に防止でき、耐久性の向上が期待できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、突出部が他の物にぶつかった際の緩衝効果が得られ、作業者側への衝撃の緩和に加えて突出部自体の保護も図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ハンマードリルの一例を示す一部縦断面図、図2はA−A線断面図で、ハンマードリル1は、モータ2を内蔵したモータハウジング4の前方(図の左側)に、回転機構6と打撃機構7とを収容したギヤハウジング5を連結し、ギヤハウジング5の前方に、チャック9を備えてビット10を着脱可能なツールホルダ8を軸支してなる。
回転機構6は、モータ2の出力軸3と平行に軸支された中間軸11に、ツールホルダ8に設けられたギヤ12と噛み合う第2ギヤ13を、その後方で中間軸11にスプライン結合されたクラッチカム14との噛み合い側へ付勢して設けてなる。よって、出力軸3の回転で中間軸11が回転すると、クラッチカム14及び第2ギヤ13の回転がギヤ12を介してツールホルダ8に伝わり、ビット10が回転する。
【0009】
打撃機構7は、クラッチカム14の後方で中間軸11に外装されたスワッシュベアリング15のロッド16を、ストライカ18を内設してツールホルダ8に遊挿されるピストンシリンダ17の後端に連結し、ストライカ18の前方でツールホルダ8内にインパクトボルト19を設けてなる。よって、出力軸3の回転で中間軸11が回転すると、クラッチカム14を介してスワッシュベアリング15が回転し、その回転をピストンシリンダ17の往復動に変換する。このピストンシリンダ17の往復動により、ストライカ18が空気バネの作用で往復動してインパクトボルト19を打撃して、ツールホルダ8に装着された状態でインパクトボルト19に当接するビット10が間接的に打撃される。
【0010】
20は切替機構で、図2にも示すように、中間軸11に沿ってスライド可能且つ後方へ付勢され、第2ギヤ13及びクラッチカム14に係合するチェンジプレート21と、そのチェンジプレート21のスライド位置を変更する操作部材としてのチェンジレバー22とを有する。このチェンジプレート21のスライド位置により、クラッチカム14が前進してスワッシュベアリング15から離れ、第2ギヤ13のみと噛み合う位置(ドリルモード)、第2ギヤ13が前進し、クラッチカム14から離れてチェンジプレート21と係合し、クラッチカム14にスワッシュベアリング15のみが噛み合う位置(ハンマーモード)、第2ギヤ13が前進し、クラッチカム14にスワッシュベアリング15のみが噛み合うが、チェンジプレート21が第2ギヤ13と離れてツールホルダ8の回転をフリーとする位置(ニュートラルモード)、第2ギヤ13とスワッシュベアリング15とが共にクラッチカム14に噛み合う位置(ハンマードリルモード)とが選択可能となっている。
【0011】
チェンジレバー22は、図3,4にも示すように、ギヤハウジング5の外部に、下方部位を中心としてギヤハウジング5の側面に沿って略180°の範囲で回転操作可能な操作部23を露出している。ここでは操作部23が前方を向く図5(A)の回転位置がドリルモード、上方を向く図3,4の回転位置がハンマードリルモード、後方を向く図5(B)の回転位置がハンマーモードで、ハンマードリルモードとハンマーモードとの間がニュートラルモードとなっている。また、操作部23の内部には、各モード位置で上端側へ突出してギヤハウジング5に設けた係止部25に係止し、当該回転位置を保持させるロックボタン24が設けられている。よって、ロックボタン24を押し込んで係止部25との係止を解除させると、操作部23の回転操作が可能となる。
【0012】
そして、ギヤハウジング5におけるチェンジレバー22側の側面には、突出部26が設けられている。この突出部26は、操作部23の移動範囲の前端且つ上方位置で、操作部23のギヤハウジング5の側面からの突出高さよりも高く形成されている。この突出部26と、ギヤハウジング5の側面後方に突設された上下方向の突条27とにより、ギヤハウジング5の側面に、図6に示すように、突出部26側を下にして平坦面Sに置いた際には操作部23を平坦面Sよりも内側(ギヤハウジング5の側面側)に収める退避スペース28が形成されるようになっている。
【0013】
以上の如く構成されたハンマードリル1においては、チェンジレバー22の操作部23よりも前方に突出部26が設けられているため、壁のチッピング作業等を行っている際に勢い余ってハンマードリル1が壁等に当接することがあっても、突出部26によって操作部23が保護され、操作部23が直接衝突して破損するようなことがなくなる。
一方、突出部26及び突条27とによってギヤハウジング5の側面側に形成される退避スペース28内に操作部23が収まるため、ハンマードリル1を操作部23側を下にして平坦な床等に置いても、操作部23が床面と当接して傷付いたりするおそれもない。
【0014】
このように、上記形態のハンマードリル1によれば、ギヤハウジング5の側面で操作部23の移動範囲の前端に、操作部23のギヤハウジング5側面からの突出高さよりも高くなる突出部26を設け、その突出部26によりギヤハウジング5の側面に、突出部26側を下にして平坦面Sに置いた際には操作部23を平坦面Sよりも内側に収める退避スペース28を形成したことで、作業中や保管中等での操作部23の損傷を効果的に防止でき、耐久性の向上が期待できる。
【0015】
なお、突出部は、上記形態のような部分的なものに限らず、突条や壁状のものに代えても差し支えないし、単一のものに限らず、複数を並べて形成することもできる。また、操作部材の移動範囲の前端でなく、前方位置にあってもよい。
さらに、退避スペースは、突条を利用せずにハウジングの側面と突出部のみで形成してもよいし、逆に突出部以外に操作部材の上方や後方に複数の突起や突条等を設けて形成してもよい。
【0016】
一方、突出部は、操作部材の移動範囲を囲むように前方から上方、さらには後方へも連続状に繋げて形成することもできる。この場合、操作部材の移動範囲がハウジングの側面に凹設されることで相対的に移動範囲の周囲で突出部が形成されるようにすることも考えられる。
また、これらの突出部は、少なくとも先端部分をゴム等の弾性材料で形成するのが望ましい。このようにすれば、突出部が他の物にぶつかった際の緩衝効果が得られ、作業者側への衝撃の緩和に加えて突出部自体の保護も図られる。
【0017】
その他、本発明は、ハウジングの側面に操作部材を備えたものであれば、動作モードが少ないもの、例えばニュートラルモードがないものや、図7に示すハンマードリル1aのように、ハンマードリルモード(操作部23aが上方を向く位置)とドリルモード(操作部23aが後方を向く位置)のみ切替可能なものでも当然に突出部26aや退避スペース28aの採用は可能である。
また、ハンマードリルの内部構造も、打撃機構にスワッシュベアリングに代えてクランク機構を採用したもの、インパクトボルトがなくストライカで直接ビットを打撃するもの等、回転機構や打撃機構、切替機構の具体的な構造は上記形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ハンマードリルの一部縦断面図である。
【図2】A−A線断面図である。
【図3】ハンマードリルの側面図である。
【図4】ハンマードリルの正面図である。
【図5】ハンマードリルの一部側面図で、(A)がドリルモード、(B)がハンマーモードの状態を夫々示す。
【図6】ハンマードリルの平面図である。
【図7】ハンマードリルの変更例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0019】
1・・ハンマードリル、2・・モータ、4・・モータハウジング、5・・ギヤハウジング、6・・回転機構、7・・打撃機構、8・・ツールホルダ、10・・ビット、11・・中間軸、13・・第2ギヤ、14・・クラッチカム、15・・スワッシュベアリング、17・・ピストンシリンダ、18・・ストライカ、19・・インパクトボルト、20・・切替機構、22・・チェンジレバー、23・・操作部、26・・突出部、27・・突条、28・・退避スペース。
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年12月26日(2006.12.26)
【代理人】 【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹

【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一


【公開番号】 特開2008−155353(P2008−155353A)
【公開日】 平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願番号】 特願2006−350294(P2006−350294)