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打撃工具 - 特開2008−119755 | j-tokkyo
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【発明の名称】 打撃工具
【発明者】 【氏名】新間 康智

【氏名】飯尾 剛良

【氏名】加納 厚志

【要約】 【課題】トリガロックスイッチを有する打撃工具において、トリガロックスイッチの操作性を維持しつつ、不測の切り替わり動作を防止する上で有効な技術を提供する。

【解決手段】打撃工具101は、モータ111と、作業工具本体103と、工具ビット119と、グリップ109と、作業工具本体の後部とグリップの上部とを連接する連接領域109bと、作業者による引き操作によってモータを通電駆動するモータ駆動位置に移動され、引き操作が解放されることに伴いモータの通電駆動を停止するモータ停止位置に戻されるトリガ131と、を有する。また連接領域109bの上面、または左右双方の側面に配置されたトリガロックスイッチ151を有する。トリガロックスイッチ151は、連接領域109bの外表面に沿う方向に操作されてトリガ131をモータ駆動位置にロックするトリガロック位置とトリガ131のロックを解除するトリガロック解除位置との間で切り替えられる構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを収容する作業工具本体と、
前記作業工具本体の先端領域に取り付けられ、前記モータによって駆動されて長軸方向に打撃動作を行う工具ビットと、
前記作業工具本体の、前記工具ビットと反対側の後側に配置されて前記工具ビットの長軸方向と交差する方向に延在するグリップと、
前記工具ビットの長軸方向に延びて前記作業工具本体の後部と前記グリップの上部とを連接する連接領域と、
前記グリップに配置され、作業者による引き操作によって前記モータを通電駆動するモータ駆動位置に移動され、前記引き操作が解放されることに伴い前記モータの通電駆動を停止するモータ停止位置に戻されるトリガと、を有する打撃工具であって、
前記連接領域の上面、または左右双方の側面に配置されたトリガロックスイッチを有し、前記トリガロックスイッチは、前記連接領域の外表面に沿う方向に操作されて前記トリガを前記モータ駆動位置にロックするトリガロック位置と前記トリガのロックを解除するトリガロック解除位置との間で切り替えられる構成としたことを特徴とする打撃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の打撃工具であって、
前記トリガロックスイッチの操作方向は、前記トリガの引き操作方向と同方向に設定されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項3】
請求項2に記載の打撃工具であって、
前記トリガロックスイッチは、前記トリガロック位置と前記トリガロック解除位置との間で切替操作される切替操作部材と、前記トリガが前記モータ駆動位置に引き操作された際、当該引き操作された前記トリガの戻り方向の前面部に向って回動して当該前面部に係止する係止部材と、を有し、
前記切替操作部材は、前記トリガが前記モータ駆動位置に引き操作された状態において前記トリガロック位置に切替操作されたとき、前記係止部材に対して当該切替操作部材の操作方向と交差する方向から当接し、これにより作業者が前記トリガの引き操作を解放しても前記係止部材の前記前面部に対する係止状態を維持する構成としたことを特徴とする打撃工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、工具ビットを長軸方向に打撃動作することにより、被加工材に対するハンマ作業やケレン作業等の加工作業を行う打撃工具に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工材に対してハンマ作業を遂行することができる打撃工具は、例えば特開2001−62756号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1に記載の打撃工具においては、工具ビットと、工具ビットを駆動するモータと、モータに対する通電をオン・オフする電源スイッチと、電源スイッチを操作するトリガと、工具ビットの動作モードを切り替えるモード切替部材を有している。そしてモード切替部材によって、工具ビットに打撃動作のみを行わせるハンマモードと、工具ビットに打撃動作と回転動作とを行わせるハンマドリルモードとに切り替えることができる構成とされている。またモード切替部材をハンマモードに切り替えた状態において、作業者によって引き操作されたトリガを、電源スイッチをオンとするモータ駆動位置にロック(いわゆる、ロックオン)し、トリガの引き操作を解除してもトリガのロック状態を維持できるロックオン機構(以下、トリガロックスイッチという)を備えている。
公報に記載のトリガロックスイッチは、電源スイッチをオンにするモータ駆動位置へと引き操作されたトリガと係止することによって、当該トリガをモータ駆動位置にロックする係止部材を有する。係止部材は、ハウジングの後端部分から後方のグリップに向って水平に延びるグリップ連接部の側面に配置されている。係止部材は、グリップ連接部の左右双方の側面を貫通して工具ビット長軸方向と交差する水平方向に延びるとともに、延在方向の各端部がグリップ連接部の側面から突出されている。そして係止部材は、一方の突出端部を手指で押されることでトリガをロックするトリガロック位置に移動され、他方の突出部を押されることでトリガのロックを解除するトリガロック解除位置に移動される構成である。
【0003】
公報に記載のトリガロックスイッチの場合、係止部材がグリップ連接部の左右の側面を貫通する構成のため、グリップを握ってトリガを引き操作する手と同じ手で係止部材を操作すると仮定した場合、右手、左手のいずれの手でも操作することが可能なため、操作性がよいという長所を有する。ところで、例えば作業現場において、ハンマドリルを地面等に置く場合、通常ハウジングの側面が地面に接触する横倒しの安定した姿勢で置かれる。このため、係止部材がハウジングを貫通して左右の側面から突出し、その貫通方向を切替動作方向とする公報記載のトリガロックスイッチの場合、ハンマドリルを地面等に横倒し状態に置いたとき、係止部材の突出部分が地面で押されて係止部材が不測に切り替わる可能性があり、この点でなお改良の余地がある。
【特許文献1】特開2001−62756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる点に鑑み、トリガロックスイッチを有する打撃工具において、トリガロックスイッチの操作性を維持しつつ、不測の切り替わり動作を防止する上で有効な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、モータと、モータを収容する作業工具本体と、作業工具本体の先端領域に取り付けられ、モータによって駆動されて長軸方向に打撃動作を行う工具ビットと、作業工具本体の、工具ビットと反対側の後側に配置されて工具ビットの長軸方向と交差する方向に延在するグリップと、工具ビットの長軸方向に延びて作業工具本体の後部とグリップの上部とを連接する連接領域と、グリップに配置され、作業者による引き操作によってモータを通電駆動するモータ駆動位置に移動され、引き操作が解放されることに伴いモータの通電駆動を停止するモータ停止位置に戻されるトリガと、を有する打撃工具が構成される。本発明における「打撃工具」は、典型的には、被加工材に対してハツリや破砕等のハンマ作業を行う電動ハンマ、あるいは溝切りや剥離等のケレン作業を行う電動ケレン等がこれに該当するが、工具ビットに長軸方向の打撃動作を行わせる電動工具を広く包含する。
【0006】
本発明は、特徴的構成として、連接領域の上面、または左右双方の側面に配置されたトリガロックスイッチを有する。そしてトリガロックスイッチは、連接領域の外表面に沿う方向に操作されてトリガをモータ駆動位置にロックするトリガロック位置とトリガのロックを解除するトリガロック解除位置との間で切り替えられる構成とした。なお本発明における「外表面に沿う方向」とは、工具ビットの長軸方向と同方向、すなわち打撃工具の前後方向、あるいは工具ビットの長軸方向と交差する方向、すなわち打撃工具の上下方向がこれに該当する。また本発明における「トリガロック位置とトリガロック解除位置」は、連接領域の外表面に沿って配置される構成とされる。トリガロックスイッチは、好ましくは、グリップを握ってトリガを操作する手指での操作を可能とするべく当該グリップを握った手指(親指あるいは人差し指)が届く範囲に配置される。本発明においては、トリガロックスイッチを、連接領域の上面、または左右双方の側面に配置する構成としている。つまり打撃工具の軸中心線に関して左右対称に配置されているため、作業者の利き手の如何に関係なくグリップを握った手指での操作が可能である。
【0007】
本発明によれば、モータ駆動位置に引き操作されたトリガを、当該引き操作されたモータ駆動位置にロックするためのトリガロックスイッチを有する。そしてトリガロックスイッチは、連接領域の上面、または左右双方の側面に配置されるとともに、その操作方向が連接領域の外表面に沿う方向に設定されている。このため、例えば、作業現場において、打撃工具を地面上等に横倒しの安定した姿勢で置いたとき、トリガロックスイッチが連接領域の上面に配置されていれば、当該トリガロックスイッチが地面と接触することを回避でき、またトリガロックスイッチが連接領域の側面に配置されている場合には、トリガロックスイッチが地面と接触しても、当該地面から作用する力の方向がトリガロックスイッチの操作方向と交差する方向であり、このため、トリガロックスイッチが動作されない。すなわち、本発明によれば、トリガロックスイッチが不測に切り替わることを防止できる。
【0008】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の打撃工具におけるトリガロックスイッチの操作方向は、トリガの引き操作方向と同方向に設定されている。すなわち、トリガロックスイッチは、連接領域の外表面におけるトリガの引き操作方向と同方向に沿って摺動自在に配置される。このように、トリガロックスイッチの操作方向をトリガの引き操作方向と同方向に定めることで、手指を同じ方向に動かしてトリガおよびトリガロックスイッチを操作できるため、操作し易い。
【0009】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の打撃工具におけるトリガロックスイッチは、トリガロック位置とトリガロック解除位置との間で切替操作される切替操作部材と、トリガがモータ駆動位置に引き操作された際、当該引き操作されたトリガの戻り方向の前面部に向って回動して当該前面部に係止する係止部材と、を有する。そして切替操作部材は、トリガがモータ駆動位置に引き操作された状態においてトリガロック位置に切替操作されたとき、係止部材に対して当該切替操作部材の操作方向と交差する方向から当接し、これにより作業者がトリガの引き操作を解放しても係止部材の前面部に対する係止状態を維持する構成とした。なお本発明における「前面部に向って回動」とは、典型的には、切替操作部材がトリガロック位置に切替操作される際、当該切替操作部材で押されて回動する態様がこれに該当するが、トリガのモータ駆動位置に引き操作に伴い、係止部材がそれ自体の自重によって回動しても構わない。
【0010】
本発明によれば、トリガロック位置に切替操作された切替操作部材が、係止部材に対して当該切替操作部材の操作方向と交差する方向から当接する構成としている。したがって、トリガに付加されるバネ等による戻し力が、切替操作部材をトリガロック解除位置に向って移動させる力として作用し難くなる。むしろ切替操作部材をトリガロック位置に維持するような力、つまり切替操作部材を、当該切替操作部材の切替動作をガイドする部材に対して動作方向と交差する方向に押し付ける力として作用させることが可能となる。このため、作業者がトリガの引き操作を解放してもトリガの前面部に対する係止部材の係止状態を維持してトリガのロックオン状態を確保できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トリガロックスイッチを有する打撃工具において、トリガロックスイッチの操作性を維持しつつ、不測の切り替わり動作を防止する上で有効な技術が提供されることとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態につき、図1〜図7を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、打撃工具の一例として電動ハンマを用いて説明する。図1には本実施の形態に係る電動ハンマの全体構成が示され、図2〜図7にはトリガを引き操作された位置にロックするロックオン機構の構成が示される。図1に示すように、電動ハンマ101は、概括的に見て、電動ハンマ101の外郭を形成する本体部103と、当該本体部103の先端領域(図示左側)に中空状のツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられたハンマビット119と、本体部103のハンマビット119の反対側に連接された作業者が握るハンドグリップ109とを主体として構成されている。ハンマビット119は、ツールホルダ137によってその長軸方向への相対的な直線動作が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。本体部103は、本発明における「作業工具本体」に対応し、ハンマビット119は、本発明における「工具ビット」に対応し、ハンドグリップ109は、本発明における「グリップ」に対応する。なお説明の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンドグリップ109側を後という。
【0013】
本体部103は、駆動モータ111を収容したモータハウジング105と、運動変換機構113および打撃要素115を収容したクランクハウジング107とによって構成されている。駆動モータ111は、本発明における「モータ」に対応する。駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。ハンドグリップ109には、駆動モータ111に対する通電駆動用の電源スイッチ133(図3および図4参照)をオン・オフ動作するトリガ131が設けられている。
【0014】
運動変換機構113は、駆動モータ111によって水平面内にて回転駆動される駆動ギア121、被動ギア123、クランク軸122、クランク板125、クランクアーム127、および駆動子としてのピストン129を主体として構成され、クランク軸122、クランク板125、クランクアーム127およびピストン129によってクランク機構が構成されている。ピストン129は、シリンダ141内に摺動自在に配置されており、駆動モータ111が通電駆動されることに伴い当該シリンダ141に沿って直線動作を行う。
【0015】
打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。ストライカ143は、ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを介して駆動され、ツールホルダ137に摺動自在に配置されたインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
【0016】
上記のように構成される電動ハンマ101は、作業者によるトリガ131の引き操作によって電源スイッチ133がオン動作されて駆動モータ111が通電駆動されると、クランク機構を主体に構成される運動変換機構113を介してピストン129がシリンダ141に沿って直線状に摺動動作され、それに伴う当該シリンダ141の空気室141a内の空気の圧力変化、すなわち空気バネの作用により、ストライカ143はシリンダ141内を直線運動する。ストライカ143は、インパクトボルト145に衝突することで、その運動エネルギをハンマビット119に伝達する。かくして、ハンマビット119が軸方向の打撃動作を行い、被加工材(コンクリート)にハンマ作業を遂行する。
【0017】
図3および図4に示すように、トリガ131は、その下部側がハンドグリップ109のグリップ本体部109aに支軸109dを介して前後方向に回動自在に取り付けられ、作業者の引き操作によって電源スイッチ133をオン動作するスイッチオン位置に移動され、引き操作が解放されることに伴い電源スイッチ133をオフ動作するスイッチオフ位置(初期位置)に復帰される構成とされる。スイッチオン位置は、本発明における「モータ駆動位置」に対応し、スイッチオフ位置は、本発明における「モータ停止位置」に対応する。トリガ131のスイッチオフ位置への復帰は、便宜上図示を省略する復帰バネ、あるいは電源スイッチ133が有するオフ位置への復帰バネによって行われる。
【0018】
次にハンマ作業を連続して行う場合において、作業者により引き操作されたトリガ131を、当該トリガ131から手指を離してもスイッチオン位置にロックすることができるロックオン機構151の構成につき、図2〜図7を参照して説明する。ロックオン機構151は、本発明における「トリガロックスイッチ」に対応する。ハンドグリップ109は、ハンマビット119の長軸方向と交差する上下方向に延びるグリップ本体部109aと、当該グリップ本体部109aの上端部および下端部において、本体部103の後側部分と連接される上下の連接部109b,109cとを有する(図1参照)。上部側の連接部109bは、本発明における「連接領域」に対応する。またハンドグリップ109は、ハンマビット119の長軸方向に沿って左右に分割された二つ割りとされ、ボルト109fによって接合されている。
【0019】
ハンドグリップ109の上側の連接部109bは、ハンマビット119の長軸方向に延びており、この連接部109bの上面に本実施の形態に係るロックオン機構151が配設されている(図2参照)。ロックオン機構151は、図3〜図5に示すように、スイッチホルダ153と、ロックオンボタン155と、ロックオンレバー157を主体として構成される。ロックオンボタン155は、本発明における「切替操作部材」に対応し、ロックオンレバー157は、本発明における「係止部材」に対応する。スイッチホルダ153は、連接部109bに形成された上方を開口する内部空間に収容されて固定されている。ロックオンボタン155およびロックオンレバー157は、スイッチホルダ153に組み付けられてロックオンアッセンブリーとされる。ロックオンボタン155は、スイッチホルダ153にハンマビット119の長軸方向、すなわち連接部109bの外表面の面方向に沿う前後方向に摺動可能に取り付けられ、引き操作されたトリガ131をスイッチオン位置にロックすることが可能なロックオン位置(図4に示す位置)と、当該ロックを解除することが可能なロックオン解除位置(図3に示す位置)との間で移動可能とされる。ロックオン位置は、本発明における「トリガロック位置」に対応し、ロックオン解除位置は、本発明における「トリガロック解除位置」に対応する。上記のように配置されるロックオンボタン155は、その操作方向がトリガ131の操作方向と同方向となる。
【0020】
ロックオンボタン155は、図3および図4に示すように、水平に延びる概ね板状の平面部155aと、当該平面部155aの上面側に形成された突起状の摘み部155bを有する。摘み部155bは、図2に示すように、連接部109bの上面から突出しないように、当該連接部109bの上面開口部109gに配置され、作業者が上面開口部109gに手指を差し込んで前後方向にスライド操作できる構成とされる。またロックオンボタン155は、平面部155aと摘み部155bとの間に円形の軸部155cを有する。この軸部155cは、スイッチホルダ153に設けたハンマビット119の長軸方向に延びるガイド溝153aに摺動可能に係合され、これによってロックオンボタン155の摺動動作の安定化、円滑化が図られている。またガイド溝153aは、ロックオンボタン155の移動範囲を規定する。すなわち、ロックオンボタン155が作業者によって前方あるいは後方にスライド操作されるとき、軸部155cがガイド溝153aの前側端部153bあるいは後側端部153cに当接し、これによってロックオンボタン155が前述したロックオン位置あるいはロックオン解除位置に位置決めされる。すなわち、ロックオンボタン155のロックオン位置およびロックオン解除位置は、連接部109bの上面に沿って配置されている。
【0021】
ロックオンレバー157は、ロックオンボタン155の平面部155aの下面側に配置され、スイッチホルダ153に軸部157aを支点にして上下方向に回動自在に支持されている。ロックオンレバー157は、連接部109bの下面に形成された開口部109eを通してトリガ131の上端面と対向するように臨んでおり、当該対向部位にはトリガ131の上面前部に設けた切欠131aと係脱可能な係止爪157bを備えている。ロックオンレバー157は、トリガ131がスイッチオフ位置に置かれた状態(図3および図5参照)では、係止爪157bの先端がトリガ131の上端面に当接した位置に保持されている。
【0022】
図7にはロックオン機構151の動作が示される。図7の(A)は初期状態を示す。図7の(B)は作業者によってトリガ131が引き操作された状態が示される。この引き操作された状態において、ロックオンボタン155を前方のロックオン位置に向ってスライド操作すると、図7の(C)に示すように、ロックオンレバー157がその上面157cをロックオンボタン155の平面部155aで押されて軸部157aを中心にして下方へと回動する。そしてロックオンレバー157の係止爪157bがトリガ131の切欠131aに係止され、これによりトリガ131がロックオン状態となる。かくして、トリガ131がスイッチオン位置にロックされるため、作業者は、トリガ131を引き操作位置に引き続ける必要がなくなり、ハンマビット119によるハンマ作業を楽に連続して行うことができる。この状態が図4にも示される。
図7の(D)には、ロックオンボタン155を後方のロックオン解除位置に向ってスライド操作した状態が示される。この状態では、ロックオンボタン155の平面部155aがロックオンレバー157の上面157cから離間し、ロックオンレバー157の回動規制が解除される。すなわち、トリガ131のロックオンが解除される。そして作業者によるトリガ131の引き操作が解放され、当該トリガ131のスイッチオフ位置への復帰動作によってロックオンレバー157がトリガ131の切欠131aに押されて上方へと回動され、トリガ131のスイッチオフ位置への復帰を許容する。この状態が図7の(E)に示される。
【0023】
ロックオン機構151は、ロックオンボタン155を切替操作された位置に保持する位置保持機構部161を有する。位置保持機構部161は、図2および図3に示すように、鋼球163と、当該鋼球163が嵌合可能なロックオン位置用の断面円弧状の溝部165aおよびロックオン解除位置用の断面円弧状の溝部165bと、鋼球163を溝部165a,165bに向けて付勢するコイルスプリング167とを主体として構成されている。溝部165a,165bは、スイッチホルダ153に設けられる。鋼球163はコイルスプリング167を介してロックオンボタン155に設けられている。そして作業者によってロックオンボタン155がロックオン位置とロックオン解除位置との間で切替操作されるとき、ロックオン位置用の溝部165aとロックオン解除位置用の溝部165bに対して鋼球163が選択的に係合される。これによってハンマ作業時に電動ハンマ101に生ずる振動でロックオンボタン155が遊動することを抑える。
【0024】
本実施の形態に係る電動ハンマ101は、上記のように構成される。本実施例においては、ハンドグリップ109の上側の連接部109bにおける上面にロックオン機構151を配置している。このため、作業者は、利き手の如何に関係なくハンドグリップ109を握った手指(親指あるいは人差し指)を使ってロックオンボタン155を操作することが可能となる。すなわち、本実施形態の電動ハンマ101では、片手による、トリガ131の引き操作およびロックオン機構151の操作を可能とするものであり、このような片手操作を可能とするために、ロックオン機構151は、可能な限りトリガ131に接近した上方位置に配置される。このことによって操作性の良いロックオン機構151が提供される。また電動ハンマ101を、作業現場の地面上等に安定した横倒しの姿勢で置いた場合、連接部109bの上面に配置されたロックオンボタン155は、地面に接触することがない。このため、ロックオンボタン155の不測の切り替わりを防止できる。
【0025】
また本実施の形態では、ロックオンボタン155の操作方向をトリガ131の操作方向と同じ方向、すなわち前後方向に定めることで、各手指を同じ方向に動かしてトリガ131およびロックオンボタン155を操作できるようにし、ロックオンボタン155を操作し易くしている。その上で、本実施の形態では、トリガ131のロックオン状態を確実なものとするために、トリガ131とロックオンボタン155との間に、ロックオンボタン155の動作方向である前後方向と交差する上下方向に動作するロックオンレバー157を配置している。そしてロックオンレバー157に設けた係止爪157bが引き操作されてスイッチオン位置に置かれたトリガ131の切欠131aに係止した状態で、当該係止の解除方向である上方への回動動作をロックオンボタン155の平面部155aによって規制する構成としている。
【0026】
すなわち、本実施の形態によれば、ロックオンレバー157に対し、ロックオンボタン155が当該ロックオンボタン155の操作方向と交差する方向から当接することによってトリガ131に対するロックオンレバー157の係止を保持する構成としている。このため、トリガ131に付加されるバネ等による戻し力が、ロックオンボタン155をトリガロック解除位置に向って移動させる方向の力として作用し難くなり、むしろロックオンボタン155をスイッチホルダ153に押し付けることでスイッチオン位置に維持する力として作用させることが可能となる。このように、本実施の形態によれば、ロックオンボタン155の操作方向をトリガ131の操作方向に合せることで、ロックオンボタン155の良好な操作性を維持しつつ、ハンマ作業時の振動等に拘わらず、トリガ131のロックオン状態を確実に維持できる。
【0027】
また本実施の形態では、摘み部155bを連接部109bの上面開口部109gに配置して当該連接部109bの上面から突出しない構成としている。このため、例えば電動ハンマ101によるハンマ作業中において、摘み部155bが他物と干渉することを回避して干渉に原因するロックオンボタン155の切り替わり動作を防止できる。
【0028】
ところで、電動ハンマ101は、本体部103とハンドグリップ109は、それぞれ別体として製作した後で、互いに組み付けられる。本実施の形態では、本体部103とハンドグリップ109とを連接する連接部109bにつき、これをハンドグリップ109に設けている。このため、トリガ131およびロックオン機構151の組み付けを1つの部材、すなわちハンドグリップ109に集中して行うこととなり、組付け性を向上できる。また本実施の形態におけるロックオン機構151は、ロックオンボタン155およびロックオンレバー157を、スイッチホルダ153に組み付けることでロックオンアッセンブリーとする構成のため、連接部109bに対する組み付けを楽に行うことができる。
【0029】
(本発明の第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態の係る電動ハンマ101につき、図8〜図13を参照して説明する。この実施形態は、第1の実施形態で説明したロックオン機構151の変更例であり、ロックオン機構151を除いては、前述した第1の実施の形態と同様に構成される。このため、第1の実施の形態と同様の構成部材については、同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係るロックオン機構171は、図8および図9に示すように、ハンドグリップ109の上側の連接部109bの側面に配置されている。ロックオン機構171は、本発明における「トリガロックスイッチ」に対応する。ロックオン機構171は、前述した第1の実施形態と同様に、図10〜図12に示すように、スイッチホルダ173にロックオンボタン175およびロックオンレバー177が組み付けられたロックオンアッセンブリーとして構成される。ロックオンボタン175は、本発明における「切替操作部材」に対応し、ロックオンレバー177は、本発明における「係止部材」に対応する。
【0030】
スイッチホルダ173は、連接部109bの内部空間に、当該内部空間を左右方向(ハンマビット119の長軸方向と交差する水平方向)に貫通した状態で配置されている。ロックオンボタン175は、スイッチホルダ173にハンマビット119の長軸方向、すなわち連接部109bの外表面の面方向に沿う前後方向に摺動可能に取り付けられ、引き操作されたトリガ131をスイッチオン位置にロックすることが可能なロックオン位置(図11に示す位置)と、当該ロックを解除することが可能なロックオン解除位置(図10に示す位置)との間で移動可能とされる。
【0031】
ロックオンボタン175は、左右方向に水平に延びる概ね板状の平面部175aと、当該平面部175aの延在端部のそれぞれ形成された突起状の左右の摘み部175bを有する。左右の摘み部175bは、図12に示すように、連接部109bの左右の側面から側方に突出されている。またスイッチホルダ173の前端部には、連接部109bの側面から側方に向って突出する突片173bが設けられている。そして摘み部175bの突出量については、突片173bの端面とグリップ本体部109aの側面とを結ぶ直線を越えて側方に突出しないように設定されている。またロックオンボタン175は、平面部175aと摘み部175bとの間に円形の軸部175cを有する。この軸部175cは、図13に示すように、スイッチホルダ173に設けたハンマビット119の長軸方向に延びるガイド溝173aに摺動可能に係合され、これによってロックオンボタン175の摺動動作の安定化、円滑化が図られている。またガイド溝173aは、ロックオンボタン175の移動範囲を規定する。すなわち、ロックオンボタン175が作業者によって前方あるいは後方にスライド操作されるとき、軸部175cがガイド溝173aの前側端部173cあるいは後側端部173dに当接し、これによってロックオンボタン175が前述したロックオン位置あるいはロックオン解除位置に位置決めされる。すなわち、ロックオンボタン175のロックオン位置およびロックオン解除位置は、連接部109bの側面に沿って配置されている。
【0032】
ロックオンレバー177は、ロックオンボタン175の平面部175aの下面側に配置され、スイッチホルダ173に軸部177aを支点にして上下方向に回動自在に支持されている。またロックオンレバー177は、連接部109bの下面側の開口部109eを通してトリガ131の切欠131aと係脱可能な係止爪177bを有する。そしてトリガ131がスイッチオフ位置に置かれた状態では、係止爪177bの先端がトリガ131の上面に当接した位置に保持されている。
【0033】
本実施の形態に係るロックオン機構171は、上記のように構成される。したがって、作業者が手指によりトリガ131をスイッチオン位置に引き操作した状態において、ロックオンボタン175の摘み部175bを前方のロックオン位置に向ってスライド操作すると、ロックオンレバー177がその上面177cをロックオンボタン175の平面部175aで押されて軸部177aを中心にして下方へと回動する。そしてロックオンレバー177の係止爪177bがトリガ131の切欠131aに係止され、これによりトリガ131がロックオン状態となる。かくして、トリガ131がスイッチオン位置にロックされるため、作業者は、トリガ131を引き操作位置に引き続ける必要がなくなり、ハンマビット119によるハンマ作業を楽に連続して行うことができる。
【0034】
またロックオン機構171は、ロックオンボタン175を切替操作された位置に保持する位置保持機構部181を有する。位置保持機構部181は、図10および図11に示すように、ロックオン位置用の溝部185aおよびロックオン解除位置用の断面円弧状の溝部185bと、それら溝部185a,185bに対して弾発状に係合する半球面状の突部183を有するリーフスプリング187とを主体として構成されている。溝部185a,185bは、スイッチホルダ173に設けられる。リーフスプリング187は、ロックオンボタン175に設けられている。そして作業者によってロックオンボタン175がロックオン位置とロックオン解除位置との間で切替操作されるとき、ロックオン位置用の溝部185aとロックオン解除位置用の溝部185bに対してリーフスプリング187の突部183が選択的に係合される。これにより、当該ロックオンボタン175を切替操作された位置に保持してハンマ作業時に電動ハンマ101に生ずる振動でロックオンボタン175が遊動することを抑える。
【0035】
上記のように構成された第2の実施形態に係るロックオン機構171は、前述した第1の実施形態のロックオン機構151と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、ロックオン機構171をハンドグリップ109の上側の連接部109bにおける左右双方の側面に配置している。つまりロックオン機構171のロックオンボタン175が電動ハンマ101の軸中心線に関して左右対称的に配置されている。このため、作業者は、利き手の如何に関係なくハンドグリップ109を握った手の指(親指あるいは人差し指)を使ってロックオンボタン175を操作することが可能となる。
【0036】
また電動ハンマ101を、作業現場の地面上等に横倒しの安定した姿勢で置く場合、ロックオンボタン175の摘み部175bの連接部109b側面からの突出量が、グリップ本体109aの側面とスイッチホルダ173の突片173bの端面とを結ぶ直線よりも内側となるように設定してあるため、摘み部175bが地面に接触することを回避してトリガロックボタン175の不測の切り替わりを防止できる。この場合、仮に突片173bが地面側から押圧されたとしても、その押圧方向はロックオンボタン175の動作方向とは交差する方向であるため、ロックオンボタン175の切り替わりが防止される。
【0037】
またトリガ131をスイッチオン位置にロックしたロックオン状態において、ロックオンレバー177の上面177cに対し、ロックオンボタン175が当該ロックオンボタン175の操作方向と交差する方向から当接する構成のため、トリガ131の切欠131aに対するロックオンレバー177の係止爪177bの係止状態が維持される。このため、ロックオンボタン175の操作方向をトリガ131の操作方向に合せる構成としつつ、ハンマ作業時の振動に拘わらず、トリガ131のロックオン状態を確実に維持することが可能となる。
【0038】
なお本発明の趣旨に鑑み、以下の態様を構成することが可能である。
(態様1)
「請求項3に記載の打撃工具であって、
前記切替操作部材は、前記連接領域上面に配置されるとともに、作業者によって操作される摘み部を有し、前記摘み部は、前記連接領域の上面に形成された開口部内に置かれ、前記上面からの突出が抑えられていることを特徴とする打撃工具。」
態様1に記載の発明によれば、打撃工具による加工作業中において、摘み部が他物に干渉することを合理的に防止できる。
【0039】
(態様2)
「請求項3に記載の打撃工具であって、
前記切替操作部材は、前記連接領域の左右双方の側面に配置されるとともに、前記連接領域の側面から所定の突出高さで突出されて作業者によって操作される摘み部を有し、前記連接領域の側面には、少なくとも前記側面から突出された前記摘み部の突出高さと同程度の突出高さを有する突片が設けられ、これにより前記打撃工具を横倒しの状態で地面等に置いたとき、前記摘み部が地面等に接触することを防止する構成としたことを特徴とする打撃工具。」
態様2に記載の発明によれば、切替操作部材の不測の切り替わり防止効果をより高めることができる。
【0040】
(態様3)
「請求項1〜3または態様1,2のいずれか1つに記載の打撃工具であって、
前記連接領域は、前記グリップに形成されていることを特徴とする打撃工具。」
態様3に記載の発明によれば、グリップにトリガおよびトリガロックスイッチを組付けてから、当該グリップを作業工具本体に組付けることができる。このため、トリガおよびトリガロックスイッチの組付け性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る電動ハンマの全体構成を示す側断面図である。
【図2】第1の実施形態に係るロックオン機構を有するハンドグリップを示す斜視図である。
【図3】トリガおよびロックオン機構を示す断面図であり、トリガのロックオンが解除された初期状態を示す。
【図4】トリガおよびロックオン機構を示す断面図であり、トリガのロックオン状態を示す。
【図5】図3および図4と異なる部位で切断したトリガおよびロックオン機構を示す断面図である。
【図6】図3におけるVI−VI線断面図である。
【図7】ロックオン機構の動作を段階的に示す説明図である。
【図8】第2の実施形態に係るロックオン機構を有するハンドグリップの側面図である。
【図9】同じくハンドグリップの正面図である。
【図10】トリガおよびロックオン機構を示す断面図であり、トリガのロックオンが解除された初期状態を示す。
【図11】トリガおよびロックオン機構を示す断面図であり、トリガのロックオン状態を示す。
【図12】図10におけるXII−XII線断面図である。
【図13】図12におけるXIII−XIII線断面図である。
【符号の説明】
【0042】
101 電動ハンマ(打撃工具)
103 本体部(作業工具本体)
105 モータハウジング
107 クランクハウジング
109 ハンドグリップ
109a グリップ本体部
109b 上の連接部(連接領域)
109c 下の連接部
109d 支軸
109e 開口部
109f ボルト
109g 上面開口部
111 駆動モータ(モータ)
113 運動変換機構
115 打撃要素
119 ハンマビット(工具ビット)
121 駆動ギア
122 クランク軸
123 被動ギア
125 クランク板
127 クランクアーム
129 ピストン
131 トリガ
131a 切欠
133 電源スイッチ
137 ツールホルダ
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ
145 インパクトボルト
151 ロックオン機構(トリガロックスイッチ)
153 スイッチホルダ
153a ガイド溝
155 ロックオンボタン(切替操作部材)
155a 平面部
155b 摘み部
155c 軸部
157 ロックオンレバー(係止部材)
157a 軸部
157b 係止爪
157c 上面
161 位置保持機構
163 鋼球
165a ロックオン位置用の溝部
165b ロックオン解除位置用の溝部
167 コイルスプリング
171 ロックオン機構(トリガロックスイッチ)
173 スイッチホルダ
173a ガイド溝
173b 突片
175 ロックオンボタン(切替操作部材)
175a 平面部
175b 摘み部
175c 軸部
177 ロックオンレバー(係止部材)
177a 軸部
177b 係止爪
177c 上面
181 位置保持機構
183 突部
185a ロックオン位置用の溝部
185b ロックオン解除位置用の溝部
187 リーフスプリング
【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年11月8日(2006.11.8)
【代理人】 【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸

【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行


【公開番号】 特開2008−119755(P2008−119755A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−302629(P2006−302629)