Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
電動工具 - 特開2008−68385 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】小堀 賢志

【氏名】鈴裏 司

【氏名】大津 新喜

【要約】 【課題】打撃子の駆動による振動を、大型化せずに作業性を悪化させることなく低減した電動工具の提供。

【構成】出力軸22を有するモータ21と、出力軸22と接続されるクランク45とクランク45の回転運動により往復運動するピストン40とを有し出力軸22の回転運動を往復運動に変換する運動変換機構36と、モータ21と運動変換機構36との少なくとも一部を収容するケーシング部とを備え、運動変換機構36には、内部に空間が画成されると共にクランク45の回転軸と平行な中心軸を備えたバランサボディ47Aとバランサボディ47Aの内部空間に内蔵された複数のボール47Cとを有して複数のボール47Cの移動により運動変換機構36のバランスを調整するボールバランサ47が設けられている電動工具1を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転運動する出力軸を有するモータと、
該出力軸と接続される回転部と該回転部の回転運動により往復運動する往復部とを有し該出力軸の回転運動を往復運動に変換する往復運動変換部と、
該モータと該往復運動変換部との少なくとも一部を収容するケーシング部とを備え、
該往復運動変換部には、内部に空間が画成されると共に該回転部の回転軸と平行な中心軸を備えた円筒部と、該円筒部の内部空間に内蔵された複数のボールと、を有するボールバランサが設けられていることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
該ボールは磁性材料から構成され、
該ボールに対して磁力を発生させ該ボールを移動させることができる磁力発生装置と、
該磁力発生装置に接続されて該磁力発生装置より発せられる磁力を制御する制御装置とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
該磁力発生装置は、該ケーシング部において該円筒部の少なくとも一部に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
該磁力発生装置は、該ボールバランサに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項5】
前記往復運動変換部は、中空状のシリンダと、該シリンダの内周に摺動可能に設けられたピストンと、該モータの回転駆動力を該ピストンの往復運動に変換する運動変換部と、該ピストンの往復運動により駆動される打撃子と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具に関し、特に、制振機構を有する電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、制振機構を有する電動工具が提案されており、一例として制振機構を有する打撃工具について説明する。互いに接続されたハンドル部、モータハウジング、及びギヤハウジングからなるケーシングを備える打撃工具では、モータハウジングに電動モータが収納され、ギヤハウジングは、運動変換ハウジングと、制振ハウジングと、打撃ハウジングとを備えている。運動変換ハウジング内には、電動モータの回転運動を往復運動に変換する運動変換機構が設けられている。打撃ハウジング内には、電動モータの回転軸と直交する方向に延びるシリンダが設けられている。シリンダの先端側には工具保持部が設けられ、先端工具が着脱自在に取付けられる。
【0003】
また、シリンダには、その内周に摺動可能にピストンが設けられている。ピストンは、運動変換機構によりシリンダの内周に沿って往復運動する。シリンダ内の先端側には打撃子が、シリンダの内周に摺動可能に設けられている。シリンダ内であってピストンと打撃子との間には空気室が画成されている。打撃子の先端側には、中間子がシリンダ内に前後方向に摺動可能に設けられている。上述の先端工具は、中間子の先端側に位置している。
【0004】
制振ハウジングは、打撃ハウジングの側方に設けられ、空気通路を介して打撃ハウジングと連通している。また、制振ハウジング、カウンタウェイト、打撃ハウジング、シリンダ、及びピストンにより画成される空間は、密閉空間となるように構成されている。制振ハウジングには、ピストンの往復方向と平行に往復運動可能なカウンタウェイトと、カウンタウェイトの両端にそれぞれ設けられた2本のバネが配置されている。
【0005】
そして、電動モータの回転駆動力は運動変換機構に伝達され、運動変換機構によりピストンはシリンダ内において往復運動する。ピストンの往復運動により空気室中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子に打撃力を付与する。打撃子が前進して中間子の後端に衝突し、中間子を介して打撃力が先端工具に伝達される。これにより、被削材は破砕される。
【0006】
また、電動工具の動作中にピストンが先端側に移動すると、カウンタウェイトは後端側に移動する。逆に、ピストンが後端側に移動すると、カウンタウェイトは先端側に移動する。このように、ピストンの往復運動に連動して、カウンタウェイトが往復運動するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−299036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記電動工具では、一般的に加工費の高価なシリンダをはじめとして、多くの部品が必要となり、高価な装置となってしまう。また、制振ハウジングを打撃ハウジングの側方に設ける場合には、振動の原因の一つである回転モーメントを相殺するため、電動工具の両側方に設ける必要があり、更なる部品点数の増加を招くことになる。さらには、制振ハウジングを打撃ハウジングの上方や側方に設けることにより、電動工具の大型化を招き、更には上方及び側方の大型化は先端工具部の視認性を低下させ、作業性の低下を招いていた。
【0008】
そこで、本発明は、打撃子の駆動による振動を安価に、且つ大型化を招くことなく、さらには作業性を悪化させることなく、効果的に低減することができる電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、回転運動する出力軸を有するモータと、該出力軸と接続される回転部と該回転部の回転運動により往復運動する往復部とを有し該出力軸の回転運動を往復運動に変換する往復運動変換部と、該モータと該往復運動変換部との少なくとも一部を収容するケーシング部とを備え、該往復運動変換部には、内部に空間が画成されると共に該回転部の回転軸と平行な中心軸を備えた円筒部と、該円筒部の内部空間に内蔵された複数のボールとを有するボールバランサが設けられている電動工具を提供する。
【0010】
また該ボールは磁性材料から構成され、該ボールに対して磁力を発生させ該ボールを移動させることができる磁力発生装置と、該磁力発生装置に接続されて該磁力発生装置より発せられる磁力を制御する制御装置とを更に備えることが好ましい。
【0011】
また該磁力発生装置は、該ケーシング部において該円筒部の少なくとも一部に対向する位置に配置されていることが好ましい。
【0012】
また該磁力発生装置は、該ボールバランサに配置されていることが好ましい。
【0013】
また前記往復運動変換部は、中空状のシリンダと、該シリンダの内周に摺動可能に設けられたピストンと、該モータの回転駆動力を該ピストンの往復運動に変換する運動変換部と、該ピストンの往復運動により駆動される打撃子と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の電動工具によれば、往復運動変換部における回転運動の回転軸と平行な軸を中心とする円筒を有し、円筒内に複数のボールを内蔵し、ボールの移動によってバランスを調整するボールバランサを装着している。したがって、往復運動変換部の往復運動により発生する周期的な振動を低減する方向にボールが移動することにより、往復運動変換部の往復運動による振動を低減し、電動工具の操作性を向上することができる。
【0015】
請求項2記載の電動工具によれば、磁力発生装置を有し、前記磁力発生装置は磁力の発生と停止を制御する制御装置を有し、且つ、前記ボールは磁性材である。これにより、往復運動変換部の往復運動のタイミングに合わせて磁力を発生させることで、ボールの移動を促進することができる。従って、往復運動変換部の往復運動による振動をより確実に低減することができる。特に請求項3に記載されるように、円筒部の少なくとも一部に対向する位置に磁力発生装置が設けられることにより、ボールの位置を容易に制御することが可能となり、往復運動変換部の往復運動により発生する周期的な振動をより有効に低減することができる。また請求項4に示されるように、磁力発生装置がボールバランサに配置されている場合であっても、ボールの位置を容易に制御することが可能となり、運動変換部の往復運動により発生する周期的な振動をより有効に低減することができる。
【0016】
請求項5記載の電動工具によれば、往復運動変換部はシリンダとシリンダ内周に摺動可能に設けられたピストンと、電動モータの回転駆動力をピストンの往復運動に変換する運動変換部とピストンの往復運動により駆動される打撃子とを備えている。従って、打撃子のようにある程度の質量を有する部材の往復運動に起因して工具本体が往復振動するような電動工具において発生する周期的な振動を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の電動工具を打撃工具に適用した第一の実施形態について図1及び図2に基づき説明する。図1は本発明の電動工具を打撃工具に適用した第一の実施形態の断面図である。図1における左側を打撃工具1の先端側、右側を打撃工具1の後端側として以下説明する。打撃工具1は、互いに接続されたハンドル部10、モータハウジング20、及びギヤハウジング30からなるケーシングを備えている。
【0018】
ハンドル部10には、電源ケーブル11が取付けられると共に、スイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には、使用者により操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。スイッチ機構12は、電源ケーブル11を図示せぬ外部電源に接続し、トリガ13を操作することにより、後述の電動モータ21と外部電源との接続と断続とを切換えることができるようになっている。また、ハンドル部10は、使用者が打撃工具1を使用するときに握る握り部14を有している。
【0019】
モータハウジング20は、ハンドル部10の先端側下部に設けられている。モータハウジング20内には、電動モータ21が収納されている。電動モータ21は、その回転駆動力を出力する出力軸部22を備えている。出力軸部22の先端には、ピニオンギヤ23が設けられており、ギヤハウジング30内に位置している。また、モータハウジング20内であって、電動モータ21の後端側には、電動モータ21の回転速度を制御するための回転制御装置24が配置されている。
【0020】
ギヤハウジング30は、運動変換ハウジング31と、打撃ハウジング32とを備えている。運動変換ハウジング31は、モータハウジング20の上部に位置し、その後端はハンドル部10と接続されている。打撃ハウジング32は、モータハウジング20の上部であって運動変換ハウジング31の前側に位置している。
【0021】
運動変換ハウジング31内には、ピニオンギヤ23の後端側において、出力軸部22と平行に延びるクランク軸部33が回転可能に支承されている。クランク軸部33の下端には、ピニオンギヤ23と噛合する第一ギヤ35が同軸固定されている。クランク軸部33には、運動変換機構36が設けられている。
【0022】
運動変換機構36は、カウンタウェイト34、クランクピン37、コンロッド38、クランク45、クランクシャフト46及びボールバランサ47を有している。
【0023】
カウンタウェイト34は、クランク軸部33の上端に固定されている。クランクピン37は、一端がカウンタウェイト34の端部に固定され、他端がクランク45に固定されている。またクランクピン37は、一端側から他端側へと向かう中心軸がクランク軸部33の回転軸と平行かつ異軸になるように配置されている。コンロッド38は、その後端部でクランクピン37に接続され、先端部で後述のピストンピン41に接続されている。この接続箇所においてコンロッド38は、クランクピン37に対して中心軸周りを回転可能となっている。クランク45はクランクピン37を介してクランク軸部33に接続されている。クランクシャフト46は、クランク45に固定されており、クランク軸部33と同軸上をクランク45から上方に向かって延出されている。またクランクシャフト46は運動変換ハウジング31により回転可能に支承されている。
【0024】
ボールバランサ47はクランクシャフト46に固定されている。ボールバランサ47は、バランサボディ47A、バランサカバー47B及び複数のボール47Cを有している。バランサボディ47Aは、底壁を備えた円筒状に構成されており、その円筒の中心軸がクランク軸部33の回転軸と同軸になるように底壁がクランク軸部33に固定されて構成されている。ボール47Cはバランサボディ47A内に内蔵されて自由に移動可能となっている。バランサカバー47Bは、バランサボディ47Aの反底壁側に配置されて、ボール47Cをバランサボディ47A内に封入している。
【0025】
また、運動変換ハウジング31内には、出力軸部22と平行に延びる回転伝達軸部51が回転可能に支承されている。回転伝達軸部51の下端には、ピニオンギヤ23と噛合する第二ギヤ52が同軸固定されている。回転伝達軸部51の上端には、第一ベベルギヤ51Aが同軸固定されている。
【0026】
打撃ハウジング32内には、出力軸部22と直交する方向に延びるシリンダ39が設けられている。シリンダ39の中心軸と出力軸部22の回転軸とは、同一平面上に位置している。シリンダ39の後端部は、電動モータ21と対向している。また、シリンダ39内には、その内周に摺動可能にピストン40が設けられている。
【0027】
ピストン40はその後端部にピストンピン41を有し、ピストンピン41には、上述のコンロッド38の先端が挿入されている。シリンダ39内の先端側には打撃子42がシリンダ39の内周と摺動可能に設けられている。シリンダ39内であってピストン40と打撃子42との間には空気室43が画成されている。
【0028】
また、打撃ハウジング32内には、シリンダ39の外周を覆うように回転シリンダ50が回転可能に支承されている。回転シリンダ50はシリンダ39よりも先端側に延び、その先端部には工具保持部15が先後端方向に移動可能に設けられて、図示せぬ先端工具が着脱自在に取付け可能になっている。工具保持部15と打撃ハウジング32との間にはバネ15Aが介在しており、バネ15Aにより工具保持部15は打撃ハウジング32に対して先端側に付勢されている。よって図示せぬ先端工具を非切削材に押し当てると、工具保持部15と打撃ハウジング32とが近づくように構成されている。
【0029】
回転シリンダ50の後端部には、第一ベベルギヤ51Aと噛合する第二ベベルギヤ50Aが設けられている。回転シリンダ50の中心軸と出力軸部22の回転軸とは同一平面上に位置している。また、打撃子42の先端側には、中間子44が回転シリンダ50内に前後方向に摺動可能に設けられている。
【0030】
次に、第一の実施の形態に係る打撃工具1の動作について説明する。ハンドル部10を手で把持した状態で、図示せぬ先端工具を図示せぬ被削材に押し当てる。次に、トリガ13を引き、電動モータ21に電力を供給し回転駆動する。この回転駆動力は、ピニオンギヤ23及び第一ギヤ35を介してクランク軸部33に伝達される。クランク軸部33の回転は、運動変換機構36によって、シリンダ39内におけるピストン40の往復運動に変換される。ピストン40の往復運動により空気室43中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子42に打撃力を付与する。打撃子42が前進して中間子44の後端に衝突し、中間子44を介して打撃力が図示せぬ先端工具に伝達される。
【0031】
また、電動モータ21の回転駆動力は、ピニオンギヤ23、第二ギヤ52、回転伝達軸部51に伝達される。回転伝達軸部51の回転は、第一ベベルギヤ51A及び第二ベベルギヤ50Aを介して回転シリンダ50に伝達され、回転シリンダ50が回転する。回転シリンダ50の回転により、先端工具に回転力が付与される。この回転力と上記の打撃力により、図示せぬ先端工具には回転力と打撃力とが付与され、被削材は破砕される。
【0032】
次に、実施の形態1に係る打撃工具1の、動作時におけるボールバランサ47の挙動について図2に基づき説明する。図2は本発明の電動工具を打撃工具に適用した第一の実施形態の動作を説明する模式図であり、図1の打撃工具1を図中の上方向から見た図である。ここでは、動作を分かりやすくするため、各部品を単純形状とし、それぞれの支持部は省略して表示し、動作を誇張して表示してある。また、図2中の中心線はクランク軸部33の中心軸の位置を示している。
【0033】
図2の(A)はカウンタウェイト34が下死点にある状態を示してあり、これを初期状態とする。この初期状態において、打撃子42は下死点側から上死点側へと移動中である。図2の(B)はカウンタウェイト34が下死点から90度回転した状態であり、ピストン40が先端側へ移動して、空気室43の圧力が最大となる。空気室43の圧力が大きくなることにより打撃子42が先端側に移動し始める。この時、ピストン40への反力が最大となり、これがコンロッド38、クランク軸部33を介して打撃工具1自身を後端側へ移動しようとする。打撃工具1と同時にボールバランサ47も後端側に移動するため、バランサボディ47Aの半径が打撃工具1の後端側に延びたことに相当し、遠心力によりボール47Cが後端側に移動開始する。従って、図2の(C)に示すように打撃子42とボール47Cが逆位相に移動する。その後、打撃工具1の降下に従いボール47Cも下降し、図2の(D)に示されるように初期状態に戻る。以上のように、打撃子42とボール47Cが概ね逆位相に動くことにより、打撃子の往復運動による振動を低減することができる。
【0034】
また、無負荷運転時には打撃子42は往復運動しないため、往復運動による荷重は発生しない。この時は、カウンタウェイト34やクランク45あるいはボールバランサ47など運動変換機構36の回転部品のアンバランスを修正する位置にボール47Cが移動するため、無負荷運転時の振動も低減することが可能である。
【0035】
第一の実施の形態においては、打撃工具1の実負荷運転時における、往復運動に起因する一定周期の振動を低減するとともに、無負荷運転時における回転部品のアンバランスによる振動も低減することができる。
【0036】
次に、本発明の電動工具を打撃工具に適用した第二の実施形態について図3及び図4に基づき説明する。図3は本発明の電動工具を打撃工具に適用した第二の実施形態の断面図である。尚、第一の実施形態と同一の部材については同一の番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0037】
打撃工具2において、ボール47Cは磁性を有する材料で製作されている。また、運動変換ハウジング31内であって、バランサボディ47Aの後端側において、バランサボディ47に対向するよう電磁石53が配置してある。電磁石53には、磁力を制御する磁力制御装置54が接続されており、磁力制御装置54はスイッチ機構12に接続されている。
【0038】
磁力制御装置54にはギャップセンサ56が図示しない導線により接続されている。ギャップセンサ56は運動変換ハウジング31内において略後端部分のカウンタウェイト34に対向する位置に配置してある。カウンタウェイト34には、図4の(A)に示されるようにその外周部分の略1/4程度、具体的にはカウンタウェイト34のギャップセンサ56に対向する位置であって図4の(C)でピストン40が下死点にある位置から、図4の(D)でピストン40が上死点と下死点との略中央部分に移動したときの位置に亘って突起部34Aが設けられている。よって図4の(C)(D)に示される突起部34Aと対向している間のみギャップセンサ56から電圧が出力され、図4の(A)(B)に示される位置においてはギャップセンサ56から電圧は出力されない。
【0039】
また磁力制御装置54は、スイッチ機構12にも図示せぬ導線で接続されており、スイッチ機構12に流れる電流を検出可能になっている。この電流を検出することにより、磁力制御装置54は打撃工具2において実負荷状態及び無負荷状態の何れの状態にあるかを検出している。
【0040】
次に、第二の実施形態の動作について、第一の実施形態と異なる点について図3、図4に基づき説明する。先ず磁力制御装置54において、スイッチ機構12に流れる電流を検出して実負荷状態か無負荷状態かを検出する。検出結果が実負荷状態の時は、ギャップセンサ56の出力電圧に応じて電磁石53に磁力を発生させる。カウンタウェイト34には突起部34Aが、打撃子42が先端側に移動開始する位置(図4の(C))から打撃子42が中間子44に衝突する位置(図4の(D))に亘って設けられているため、この間のみギャップセンサ56から電圧が出力される。磁力制御装置54はギャップセンサ56の出力電圧があるときのみ、電磁石53に磁力を発生させる。これにより、ボール47Cが打撃子42と逆位相となり、振動を低減することができる。
【0041】
無負荷運転時には、ギャップセンサ56で電圧出力が無く磁力を発生させないため、第一の実施形態と同様に、運動変換機構36の回転部品のアンバランスを修正する位置にボール47Cが移動し、振動を低減することができる。
【0042】
次に、本発明の電動工具を打撃工具に適用した第3の実施形態について図5から図7に基づいて説明する。尚、第一の実施形態及び第二の実施の形態と同一の部材については同一の番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0043】
図5に示されるように、バランサボディ47Aの外周面に電磁石53が固定されており、バランサボディ47Aは電磁石53の位置がクランク45との逆位置になるようクランクシャフト46に固定されている。バランサカバー47Bは絶縁材から構成されており、図6に示されるように、導体でできた内リング57と外リング58がその上方面に配置されて、ボールバランサ47の回転軸と同軸に固定されている。電磁石53を構成する図示せぬコイルの一端は内リング57に接続され、他端は外リング58に接続されている。
【0044】
図5に示されるように、運動変換ハウジング31内であって、バランサカバー47Bに設けた内リング57に対向する位置には、内端子59が設けられており、外リング58に対向する位置には外端子60が設けられている。内端子59と外端子60とはそれぞれ内リング57と外リング58とに向けて延出されており、その延出方向先端がそれぞれ内リング57と外リング58とに摺動可能に当接している。
【0045】
内端子59及び外端子60は図示しない導線により磁力制御装置54に接続されている。第二の実施の形態と同様に、磁力制御装置54にはスイッチ機構12が図示せぬ導線で接続されており、スイッチ機構12に流れる電流を検出可能になっている。この電流を検出することにより、打撃工具3において実負荷状態及び無負荷状態の何れの状態にあるかを検出している。磁力制御装置54はスイッチ機構12に流れる電流を検出することにより実負荷状態か無負荷状態かを判定し、実負荷運転時には電磁石53に磁力を発生させ、無負荷運転時は磁力を発生させないように設定してある。
【0046】
実負荷運転時には、スイッチ機構12で検出する電流に基づいて電磁石53から磁力が発生するため、図7(A)〜図7(D)に示されるようにボール47Cは常に電磁石53の位置に集中する。これにより、図7(B)〜図7(C)に示されるように打撃子42が先端側に移動する時にボール47Cが後端側に移動するため、打撃子42による荷重を低減し振動を低減することができる。
【0047】
また、無負荷運転時は電磁石53が磁力を発生しないため、第二の実施形態と同様に、ボール47は運動変換機構36の回転部品のアンバランスを修正する位置に移動し、無負荷運転時の振動も低減することが可能である。特に、バランサボディ47Aに電磁石53を設けたことによるアンバランスを修正するようボール47Cが電磁石53の反対側に移動するため、電磁石53によるアンバランス振動は発生しない。
【0048】
実負荷運転時の打撃子42は周期的な運動であり、ピストン40が決まった位置に来たときに押し出されるため、ボール47Cを打撃子42と逆方向に移動するよう固定することで往復運動による荷重を低減し、振動を低減することができる。また、無負荷運転時は、打撃子42は往復運動しないため、ボール47Cを自由に移動できるようにしておくことでアンバランスを打ち消す位置に移動し、振動を低減することが出来る。
【0049】
本発明の電動工具は周期的な振動を発生する電動工具に対して有効であり、上記の実施形態では打撃工具に適用したが、例えば、セーバソーのような往復運動機構を有する他の電動工具に適用してもよい。
【0050】
第一〜第三の実施形態においてはボールバランサ47をクランクシャフト46に装着したが、クランク軸部33に装着しても同様の効果がある。また、バランサボディ47Aの寸法と材質、ボール47の寸法、材質、個数は、運動変換機構36により発生する負荷変動を低減できるよう、製品に合わせて適宜選択する。また第二の実施の形態及び第3の実施の形態に置いては、スイッチ機構12の電流に基づき磁力制御装置54で打撃工具の実負荷状態及び無負荷状態を検出したがこれに限らず、例えば回転制御装置24に流れる電流に基づき磁力制御装置54で打撃工具の実負荷状態及び無負荷状態を検出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、電動機により駆動される電気ハンマ等の往復運動機構を有する任意の電動工具に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る電動工具の断面図。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る電動工具の動作を説明する模式図。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る電動工具の断面図。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る電動工具の動作を説明する模式図。
【図5】本発明の第三の実施形態に係る電動工具の断面図。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る電動工具のバランサカバー周辺を表す部分詳細斜視図。
【図7】本発明の第三の実施形態に係る電動工具の動作を説明する模式図。
【符号の説明】
【0053】
1・・打撃工具 2・・打撃工具 10・・ハンドル部 11・・電源ケーブル
12・・スイッチ機構 13・・トリガ 14・・握り部 15・・工具保持部
15A・・バネ 20・・モータハウジング 21・・電動モータ 22・・出力軸部
23・・ピニオンギヤ 24・・回転制御装置 30・・ギヤハウジング
31・・運動変換ハウジング 32・・打撃ハウジング 33・・クランク軸部
34・・カウンタウェイト 34A・・突起部 35・・第一ギヤ
36・・運動変換機構 37・・クランクピン 38・・コンロッド 39・・シリンダ
40・・ピストン 41・・ピストンピン 42・・打撃子 43・・空気室
44・・中間子 45・・クランク 46・・クランクシャフト
47・・ボールバランサ 47A・・バランサボディ 47B・・バランサカバー
47C・・ボール 50・・回転シリンダ 50A・・第二ベベルギヤ
51・・回転伝達軸部 51A・・第一ベベルギヤ 52・・第二ギヤ 53・・電磁石
54・・磁力制御装置 56・ギャップセンサ 57・・内リング 58・・外リング
59・・内端子 60・・外端子
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩

【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸

【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子


【公開番号】 特開2008−68385(P2008−68385A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251640(P2006−251640)