トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 電動工具
【発明者】 【氏名】佐藤 慎一郎

【要約】 【課題】安価に、且つ大型化及び作業性の低下を招かず、打撃子の駆動による振動をより効果的に低減することができる電動工具を提供する。

【構成】ウェイト支持部材73は、第1接続部73B及び第2接続部73Cと、第1接続部73Bと第2接続部73Cとを連結する弾性変形部73Dとを備えている。弾性変形部73Dは、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2と、ウェイト取付部73D3とを備えている。第1及び第2弾性変形部73D1、73D2には、それぞれ切欠き73f、73gが形成されている。切欠き73f、73gにより、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2は、それらの幅が徐々に変化する形状をなしている。よって、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2は、第1接続部73Bの断面積、第2接続部73Cの断面積、及び、ウェイト取付部73D3の断面積よりも小さい断面積を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジング内に配置された電動モータと、
該ハウジング内に配置され該電動モータの回転を往復運動に変換する往復運動変換部と、
該往復運動の方向と直交する平面上であって該ハウジングに設けられた第1支持部及び第2支持部と、
該往復運動方向と直交する方向に延び、該第1、第2支持部に支持され該往復運動の方向に弾性曲げ変形可能なウェイト支持部材と、
該ウェイト支持部材に支持されたカウンタウェイトと、を備え、
該ウェイト支持部材は、該第1、第2支持部にそれぞれ支持される第1接続部と第2接続部と、該カウンタウェイトを取付ける取付部を有し該第1接続部と該第2接続部との間に位置する弾性変形部とを備え、
該弾性変形部は、該第1及び第2接続部の断面積よりも小さい断面積の部分を備えることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
該第1接続部及び該第2接続部は、それぞれ該ウェイト支持部材の一端と他端に位置することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
該第1接続部及び該第2接続部は、該ウェイト支持部材の弾性変形の支点部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
【請求項4】
該弾性変形部は、断面積が徐々に変化する形状をなすことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項5】
該弾性変形部は、該往復運動方向と該ウェイト支持部材が延びる方向とに直交する方向の幅が徐々に変化する形状をなすことを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
【請求項6】
該弾性変形部は、該往復運動方向の厚みが徐々に変化する形状をなすことを特徴とする請求項4又は5に記載の電動工具。
【請求項7】
該弾性変形部には、切欠きが形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項8】
該弾性変形部には、穴が形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項9】
該弾性変形部は、該第1支持部が該第1接続部に当接しかつ最も該第2接続部側に位置する部分の断面積、及び、該第2支持部が該第2接続部に当接しかつ最も該第1接続部側に位置する部分の断面積よりも小さい断面積を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項10】
該弾性変形部は、該取付部と該第1接続部との間に位置する第1弾性変形部と、該取付部と該第2接続部との間に位置する第2弾性変形部と、を備え、
該第1弾性変形部と該第2弾性変形部は、該取付部、該第1接続部、及び該第2接続部の断面積よりも小さい断面積を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項11】
該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部は、断面積が徐々に変化する形状をなすことを特徴とする請求項10に記載の電動工具。
【請求項12】
該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部は、該往復運動方向と該ウェイト支持部材が延びる方向とに直交する方向の幅が徐々に変化する形状をなすことを特徴とする請求項11に記載の電動工具。
【請求項13】
該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部は、該往復運動方向の厚みが徐々に変化する形状をなすことを特徴とする請求項11又は12に記載の電動工具。
【請求項14】
該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部には、切欠きが形成されていることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項15】
該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部には、穴が形成されていることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具に関し、特に、制振機構を有する電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から制振機構を有する電動工具が提案されている。例えば、互いに接続されたハンドル部、モータハウジング、及びギヤハウジングからなるケーシングを備える電動工具では、モータハウジングに電動モータが収納され、ギヤハウジングは、運動変換ハウジングと、制振ハウジングと、打撃ハウジングとを備えている。運動変換ハウジング内には、電動モータの回転運動を往復運動に変換する運動変換機構が設けられている。打撃ハウジング内には、電動モータの回転軸と直交する方向に延びるシリンダが設けられている。シリンダの先端側には工具保持部が設けられ、先端工具が着脱自在に取付けられる。
【0003】
また、シリンダには、その内周に摺動可能にピストンが設けられている。ピストンは、運動変換機構により、シリンダの内周に沿って往復運動される。シリンダ内の先端側には打撃子が、シリンダの内周に摺動可能に設けられている。シリンダ内であってピストンと打撃子との間には空気室が画成されている。打撃子の先端側には、中間子がシリンダ内に前後方向に摺動可能に設けられている。上述の先端工具は、中間子の先端側に位置している。
【0004】
制振ハウジングは、打撃ハウジングの側方に設けられ、空気通路を介して打撃ハウジングと連通している。また、制振ハウジング、カウンタウェイト、打撃ハウジング、シリンダ、及びピストンにより画成される空間は、密閉空間となるように構成されている。制振ハウジングには、ピストンの往復方向と平行に往復運動可能なカウンタウェイトと、カウンタウェイトの両端にそれぞれ設けられた2本のばねが配置されている。
【0005】
そして、電動モータの回転駆動力は、運動変換機構に伝達され、運動変換機構により、ピストンは、シリンダ内において往復運動される。ピストンの往復運動により空気室中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子に打撃力を付与する。打撃子が前進して中間子の後端に衝突し、中間子を介して打撃力が先端工具に伝達される。これにより、被削材は破砕される。
【0006】
また、電動工具の動作中に、ピストンが、先端側に移動すると、制振ハウジング、カウンタウェイト、打撃ハウジング、シリンダ、及びピストンにより画成される空間は、密閉空間であるので、カウンタウェイトは、後端側に移動する。逆に、ピストンが後端側に移動すると、カウンタウェイトは先端側に移動する。このように、ピストンの往復運動に連動して、カウンタウェイトが往復運動するように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−299036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の電動工具を実現しようとすると、一般的に加工費の高価なシリンダをはじめとして、多くの部品が必要となり、高価な電動工具となる。また、制振ハウジング等を打撃ハウジングの側方に設けた場合、電動工具に作用する回転モーメントを相殺するため制振ハウジング等を打撃ハウジングの両側面に設ける必要があり、更なる部品点数の増加を招くことになる。
【0008】
また、制振ハウジングを打撃ハウジングの上方や側方に設けることにより、電動工具の大型化を招き、更に、上方、側方の大型化は先端工具の視認性を低下させ、作業性の低下を招いていた。
【0009】
そこで、本発明は、安価に、且つ大型化及び作業性の低下を招かず、打撃子の駆動による振動をより効果的に低減することができる電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に配置された電動モータと、該ハウジング内に配置され該電動モータの回転を往復運動に変換する往復運動変換部と、該往復運動の方向と直交する平面上であって該ハウジングに設けられた第1支持部及び第2支持部と、該往復運動方向と直交する方向に延び、該第1、第2支持部に支持され該往復運動の方向に弾性曲げ変形可能なウェイト支持部材と、該ウェイト支持部材に支持されたカウンタウェイトとを備え、該ウェイト支持部材は、該第1、第2支持部にそれぞれ支持される第1接続部と第2接続部と、該カウンタウェイトを取付ける取付部を有し該第1接続部と該第2接続部との間に位置する弾性変形部とを備え、 該弾性変形部は、該第1及び第2接続部の断面積よりも小さい断面積の部分を備える電動工具を提供している。
【0011】
ここで、該第1接続部及び該第2接続部は、それぞれ該ウェイト支持部材の一端と他端に位置することが好ましい。
【0012】
更に、該第1接続部及び該第2接続部は、該ウェイト支持部材の弾性変形の支点部であることが好ましい。
【0013】
また、該弾性変形部は、断面積が徐々に変化する形状をなすことが好ましい。
【0014】
また、該弾性変形部は、該往復運動方向と該ウェイト支持部材が延びる方向とに直交する方向の幅が徐々に変化する形状をなすことが好ましい。
【0015】
また、該弾性変形部は、該往復運動方向の厚みが徐々に変化する形状をなすことが好ましい。
【0016】
また、該弾性変形部には、切欠きが形成されていることが好ましい。
【0017】
また、該弾性変形部には、穴が形成されていることが好ましい。
【0018】
また、該弾性変形部は、該第1支持部が該第1接続部に当接しかつ最も該第2接続部側に位置する部分の断面積、及び、該第2支持部が該第2接続部に当接しかつ最も該第1接続部側に位置する部分の断面積よりも小さい断面積を備えることが好ましい。
【0019】
また、該弾性変形部は、該取付部と該第1接続部との間に位置する第1弾性変形部と、該取付部と該第2接続部との間に位置する第2弾性変形部とを備え、該第1弾性変形部と該第2弾性変形部は、該取付部、該第1接続部、及び該第2接続部の断面積よりも小さい断面積を備えることが好ましい。
【0020】
また、該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部は、断面積が徐々に変化する形状をなすことが好ましい。
【0021】
また、該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部は、該往復運動方向と該ウェイト支持部材が延びる方向とに直交する方向の幅が徐々に変化する形状をなすことが好ましい。
【0022】
また、該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部は、該往復運動方向の厚みが徐々に変化する形状をなすことが好ましい。
【0023】
また、該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部には、切欠きが形成されていることが好ましい。
【0024】
また、該第1弾性変形部及び該第2弾性変形部には、穴が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
請求項1から請求項3に記載の電動工具によれば、ウェイト支持部材は、第1、第2支持部にそれぞれ支持される第1接続部と第2接続部と、カウンタウェイトを取付ける取付部を有し第1接続部と第2接続部との間に位置する弾性変形部とを備え、弾性変形部は、第1及び第2接続部の断面積よりも小さい断面積の部分を備える。また、第1接続部及び第2接続部は、それぞれウェイト支持部材の一端と他端に位置し、第1接続部及び第2接続部は、ウェイト支持部材の弾性変形の支点部である。よって、ウェイト支持部材の強度の確保及び長尺化の防止を図ることができ、かつ所望のばね定数を得ることができる。また、ウェイト支持部材及びカウンタウェイトは往復運動変換部の往復運動による振動を効果的に低減するように振動し、電動工具の操作性を向上させることが出来る。また、高価なシリンダ等の多くの部品を使用することなく、電動工具の大型化、高価格化、視認性の悪化等を招かずに低振動化を図ることが出来る。
【0026】
請求項4、請求項6から請求項8に記載の電動工具によれば、弾性変形部は、断面積が徐々に変化する形状をなしている。また、弾性変形部は、往復運動方向の厚みが徐々に変化する形状をなしている。また、弾性変形部には、切欠き又は穴が形成されている。よって、往復運動時における応力集中を防止することができる。
【0027】
請求項5に記載の電動工具によれば、弾性変形部は、往復運動方向とウェイト支持部材が延びる方向とに直交する方向の幅が徐々に変化する形状をなすので、往復運動時における応力集中を防止することができ、容易にウェイト支持部材を製造することができる。
【0028】
請求項9に記載の電動工具によれば、弾性変形部は、第1支持部が第1接続部に当接しかつ最も第2接続部側に位置する部分の断面積、及び、第2支持部が第2接続部に当接しかつ最も第1接続部側に位置する部分の断面積よりも小さい断面積を備える。よって、ウェイト支持部材の強度の確保及び長尺化の防止を図ることができ、かつ所望のばね定数を得ることができる。
【0029】
請求項10に記載の電動工具によれば、弾性変形部は、取付部と第1接続部との間に位置する第1弾性変形部と、取付部と第2接続部との間に位置する第2弾性変形部とを備え、第1弾性変形部と第2弾性変形部は、取付部、第1接続部、及び第2接続部の断面積よりも小さい断面積を備える。よって、ウェイト支持部材の強度の確保及び長尺化の防止を図ることができ、かつ所望のばね定数を得ることができる。
【0030】
請求項11、請求項13から請求項15に記載の電動工具によれば、第1弾性変形部及び第2弾性変形部は、断面積が徐々に変化する形状をなしている。また、第1弾性変形部及び第2弾性変形部は、往復運動方向の厚みが徐々に変化する形状をなしている。また、第1弾性変形部及び第2弾性変形部には、切欠き又は穴が形成されている。よって、往復運動時における応力集中を防止することができる。
【0031】
請求項12に記載の電動工具によれば、第1弾性変形部及び第2弾性変形部は、往復運動方向とウェイト支持部材が延びる方向とに直交する方向の幅が徐々に変化する形状をなすので、往復運動時における応力集中を防止することができ、容易にウェイト支持部材を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態について図1から図5に基づき説明する。図1における左側を打撃工具1の先端側、右側を打撃工具1の後端側として以下説明する。打撃工具1は、互いに接続されたハンドル部10、モータハウジング20、及びギヤハウジング30からなるケーシングを備えている。
【0033】
ハンドル部10には、電源ケーブル11が取付けられると共に、スイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には、使用者により操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。電源ケーブル11は、スイッチ機構を図示せぬ外部電源に接続し、トリガ13を操作することにより、後述の電動モータ21と外部電源との接続と断続とを切換えることができるようになっている。また、ハンドル部10は、使用者が打撃工具1を使用するときに握る握り部14を有している。
【0034】
モータハウジング20は、ハンドル部10の先端側下部に設けられている。電動モータ21は、モータハウジング20内に収納されている。電動モータ21は、その回転駆動力を出力する出力軸22を備えている。出力軸22の先端には、ピニオンギヤ23が設けられており、ギヤハウジング30内に位置している。また、モータハウジング20内であって、電動モータ21の後端側には、電動モータ21の回転速度を制御するための制御装置24が配置されている。
【0035】
ギヤハウジング30は、運動変換ハウジング31と、打撃ハウジング32とを備えている。運動変換ハウジング31は、モータハウジング20の上部に位置し、その後端はハンドル部10と接続されている。打撃ハウジング32は、運動変換ハウジング31の先端側に位置している。
【0036】
運動変換ハウジング31内には、ピニオンギヤ23の後端側において、出力軸22と平行に延びるクランク軸34が回転可能に支承されている。クランク軸34の下端には、ピニオンギヤ23と噛合する第1ギヤ35が同軸固定されている。クランク軸34の上端部には、運動変換機構36が設けられている。運動変換機構36は、クランクウェイト37、クランクピン38、及びコンロッド39を有している。クランクウェイト37は、クランク軸34の上端に固定されている。クランクピン38は、クランクウェイト37の端部に固定されている。コンロッド39の後端には、クランクピン38が挿入されている。
【0037】
また、運動変換ハウジング31内には、ピニオンギヤ23の先端側において、出力軸22と平行に延びる回転伝達軸51が回転可能に支承されている。回転伝達軸51の下端には、ピニオンギヤ23と噛合する第2ギヤ52が同軸固定されている。回転伝達軸51の上端には、第1ベベルギヤ51Aが同軸固定されている。
【0038】
打撃ハウジング32内には、出力軸22と直交する方向に延びるシリンダ40が設けられている。シリンダ40の中心軸と、出力軸22の回転軸は、同一平面上に位置している。また、シリンダ40の後端部は、電動モータ21と対向している。また、シリンダ40内には、その内周に摺動可能にピストン43が設けられている。ピストン43は、ピストンピン43Aを有し、コンロッド39の先端には、ピストンピン43Aが挿入されている。シリンダ40内の先端側には打撃子44が、シリンダ40の内周に摺動可能に設けられている。シリンダ40内であってピストン43と打撃子44との間には空気室45が画成されている。
【0039】
また、打撃ハウジング32内には、シリンダ40の外周を覆うように回転シリンダ50が回転可能に支承されている。また、回転シリンダ50は、シリンダ40よりも先端側に延び、その先端部には工具保持部15が設けられ、図示せぬ先端工具が着脱自在に取付けられる。回転シリンダ50の後端部には、第1ベベルギヤ51Aと噛合する第2ベベルギヤ50Aが設けられている。回転シリンダ50の中心軸と出力軸22の回転軸とは同一平面上に位置している。また、打撃子44の先端側には、中間子46が回転シリンダ50内に前後方向に摺動可能に設けられている。
【0040】
運動変換ハウジング31内であって、ハンドル部10に対向する部分には、カウンタウェイト機構70が配置されている。カウンタウェイト機構70について、図1から図4に基づき詳細に説明する。カウンタウェイト機構70は、第1支持部71と、第2支持部72と、ウェイト支持部材73と、カウンタウェイト74とを備えている。第1及び第2支持部71、72は、ピストン43の往復運動の方向と直交する平面上に互いに対向するように設けられている。第1支持部71は、第1外側支持部75と、第1外側支持部75よりもカウンタウェイト74側に位置する第1内側支持部77とを備えている。第2支持部72も同様に、第2外側支持部76と、第2外側支持部76よりもカウンタウェイト74側に位置する第2内側支持部78とを備えている。
【0041】
図2及び図3に示すように、第1外側支持部75は、ボルト75Aと、ワッシャー75Bと、スペーサ75Cとを有している。ボルト75Aが、ワッシャー75B、スペーサ75C、及び後述の第1ボルト挿通穴73aを挿通することにより、ウェイト支持部材73の上端は、運動変換ハウジング31に固定される。ウェイト支持部材73の上端は、第1外側支持部75により、ピストン43の往復運動方向の一方向(後端側)への移動を阻止される。
【0042】
第1内側支持部77は、第1外側支持部75の下側かつウェイト支持部材73の先端側に配置され、ピストン43の往復運動方向の一方向と反対の方向(先端側)へのウェイト支持部材73の移動を阻止する。第2外側支持部76は、ゴムからなり、ウェイト支持部材73の下端かつ後端側に配置され、ウェイト支持部材73の後端側への移動を阻止する。第2内側支持部78は、第2外側支持部76の上側かつウェイト支持部材73の先端側に配置され、ウェイト支持部材73の先端側への移動を阻止する。また、各外側支持部75、76及び各内側支持部77、78は、ウェイト支持部材73に後端方向へのオフセット荷重Fを付与するようにそれぞれ配置されている。
【0043】
次に、図4及び図5を参照してウェイト支持部材73について説明する。図5は、ウェイト支持部材73の正面図を示している。ウェイト支持部材73は、板ばねにより構成され、ピストン43の往復運動の方向と直交する方向に延びるように配置されている。また、ウェイト支持部材73は、その一端と他端に位置する第1接続部73B及び第2接続部73Cと、第1接続部73Bと第2接続部73Cとを連結する弾性変形部73Dとを備えている。第1ボルト挿通穴73aは、第1接続部73Bに形成されている。ウェイト支持部材73の第1ボルト挿通穴73aは、ウェイト支持部材73が第1外側支持部75から脱落するのを防止する脱落防止部として機能する。第1接続部73Bは、第1支持部71により、運動変換ハウジング31に対して支持される。第1接続部73Bには、スペーサ75C及び第1内側支持部77が当接する。第2接続部73Cは、第2支持部72により、運動変換ハウジング31に対して支持される。第2外側支持部76は、ゴムにより構成されるので、第2接続部73Cは、第2外側支持部76に対し上下方向に移動可能に支持される。
【0044】
弾性変形部73Dは、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2と、ウェイト取付部73D3とを備えている。ウェイト取付部73D3には、第2ボルト挿通穴73eが形成されている。ウェイト取付部73D3は、弾性変形部73Dの略中央に位置し、第1弾性変形部73D1は、第1接続部73Bとウェイト取付部73D3との間に位置し、第2弾性変形部73D2は、第2接続部73Cとウェイト取付部73D3との間に位置している。また、図4に示すように、第2弾性変形部73D2は、その略中央付近から先端側へ折れ曲る形状をなしている。
【0045】
第1及び第2弾性変形部73D1、73D2には、それぞれ切欠き73f、73gが形成されている。図5に示すように、切欠き73f、73gにより、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2は、それらの幅が徐々に変化する形状をなしている。具体的には、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2は、くびれ状をなしている。よって、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2は、第1接続部73Bの第1内側支持部77が当接する部分の断面積、第2接続部73Cの第2内側支持部78が当接する部分の断面積、及び、ウェイト取付部73D3の第2ボルト挿通穴73gが形成されていない部分の断面積よりも小さい断面積を備える。
【0046】
カウンタウェイト74は、二つの部材からなり、ボルト79を第2ボルト挿通穴73eに挿通することによりウェイト取付部73D3に固定されている。よって、カウンタウェイト74は、ウェイト支持部材73により両持ち支持される。また、カウンタウェイト74は、その往復運動の方向と直交する平面上において、ウェイト支持部材73が延びる方向の質量バランスと、それと直交する方向の質量バランスが略同一であるように構成されている。
【0047】
図4に示すように、カウンタウェイト74は、ウェイト支持部材73が延びる方向と直交する方向に延びウェイト取付部73D3に固定される基部74Aと、基部74Aの両端からウェイト支持部材73に沿って延びる二本の脚部74BとからなるH字状をなしている。また、第1外側支持部75(スペーサ75Cの下端)及び第2外側支持部76から、カウンタウェイト74がウェイト取付部73D3に固定された部分までの距離は等しく、第1及び第2内側支持部77、78から、カウンタウェイト74がウェイト支持部材73に固定された部分までの距離は、それぞれ等しく設定されている。
【0048】
次に、第1の実施の形態による打撃工具1の動作について説明する。ハンドル部10を手で把持した状態で、図示せぬ先端工具を図示せぬ被削材に押し当てる。次に、トリガ12を引き、電動モータ21に電力を供給し回転駆動させる。この回転駆動力は、ピニオンギヤ23及び第1ギヤ35を介してクランク軸34に伝達される。クランク軸34の回転は、運動変換機構36(クランクウェイト37、クランクピン38、及びコンロッド39)によって、シリンダ40内におけるピストン43の往復運動に変換される。ピストン43の往復運動により空気室45中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子44に打撃力を付与する。打撃子44が前進して中間子46の後端に衝突し、中間子46を介して打撃力が図示せぬ先端工具に伝達される。
【0049】
また、電動モータ21の回転駆動力は、ピニオンギヤ23、第2ギヤ52、回転伝達軸51に伝達される。回転伝達軸51の回転は、第1ベベルギヤ51A及び第2ベベルギヤ50Aを介して回転シリンダ50に伝達され、回転シリンダ50は回転する。回転シリンダ50の回転により、先端工具に回転力が付与される。この回転力と上記の打撃力により、図示せぬ先端工具には回転力と打撃力とが付与され、被削材は破砕される。
【0050】
上記の打撃工具1の動作時には、打撃子44の往復動に起因するほぼ一定周期の振動が打撃工具1に発生し、運動変換ハウジング31を介して、第1及び第2支持部71、72に伝達される。第1及び第2支持部71、72に伝達された振動は、ウェイト支持部材73に伝達され、カウンタウェイト74は、ウェイト支持部材73の弾性変形部73Dの弾性変形によりピストン43の往復運動方向と同じ方向に振動する。
【0051】
打撃子44による振動によりカウンタウェイト74が、その初期位置から先端側へ移動し、初期位置まで戻ってくる時は、ウェイト支持部材73は、第1及び第2内側支持部77、78に支持される。カウンタウェイト74が初期位置から後端側へ移動する時、ウェイト支持部材73に、第1及び第2外側支持部75、76により加えられたオフセット荷重Fと同じ荷重が加わるまで、ウェイト支持部材73は、第1及び第2内側支持部77、78に支持される。ウェイト支持部材73にオフセット荷重Fよりも大きな荷重が加わると、ウェイト支持部材73は第1及び第2外側支持部75(スペーサ75C)、76に支持される。このように、ウェイト支持部材73及びカウンタウェイト74が振動することにより、打撃による打撃工具1の振動を効果的に低減することができ、打撃工具1の操作性を向上させることができる。
【0052】
具体的には、カウンタウェイト74の振動により、カウンタウェイト74及び板ばねである弾性変形部73Dにより決定される共振振動数を中心とする一定の幅を有する周波数帯の振動が低減される。尚、当該共振振動数は、打撃工具1の打撃により発生する振動の振動数とほぼ等しく設定されている。ここで、板ばねであるウェイト支持部材73のばね定数をk(第1弾性変形部73D1のばね定数)、k(第2弾性変形部73D2のばね定数)とし、カウンタウェイト74の質量をmとすると、共振周波数(共振点)fは、
f=1/(2π)((k+k)/m)1/2・・・(1)
となる。実際には、減衰などの影響により共振周波数は、若干低くなると共に、共振する周波数帯が若干広くなる。よって、上記の式(1)から導き出される共振点は、打撃工具1の振動の振動数よりも、若干高めに設定される。
【0053】
そして、本実施の形態のカウンタウェイト機構70において、所望の共振周波数を得るには、弾性変形部73Dのばね定数を小さくする(たわみ易くする)必要がある。単純形状の板ばねのばね定数kは、板ばねの弾性係数をE、幅をb、厚みをh、長さをlとすると、
k=(E・b・h)/(2・l)・・・(2)
で表される。式(2)から分かるように、ばね定数kは、幅bと厚みhの3乗とに比例し、長さlの3乗に反比例する。よって、幅bを狭く、厚みhを薄く、長さlを長くすれば、ばね定数kを小さくすることができる。
【0054】
しかし、単純にウェイト支持部材73全体の幅bを狭く、厚みhを薄くすると、第1及び第2接続部73B、73C及びウェイト取付部73D3の幅が狭く厚みが薄く(断面積が小さく)なり、それら部分の強度が低下する。これにより、第1及び第2接続部73B、73C及びウェイト取付部73D3が、弾性変形部73Dの弾性変形時の応力に耐えられず、ウェイト支持部材73が壊れることがある。また、ウェイト支持部材73の長さlを長くすると、運動変換ハウジング31内に収まらなくなる。
【0055】
本実施の形態のウェイト支持部材73においては、第1及び第2接続部73B、73C及びウェイト取付部73D3の断面積の大きさを変更せずに、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2をくびれ状にすることにより幅を狭くしているので、ウェイト支持部材73の強度の確保及び長尺化の防止を図ることができ、かつ所望のばね定数を得ることができる。また、第1及び第2弾性変形部73D1、73D2は、切欠き73f、73gにより、幅が徐々に変化する形状をなしているので、往復運動時における応力集中を防止することができる。更に、ウェイト支持部材73の製造を容易に行うことができる。
【0056】
上記のような簡易なカウンタウェイト機構70の構成にすることにより、高価なシリンダ等の多くの部品を使用することなく、電動工具1の大型化、高価格化、視認性の悪化等を招かずに低振動化を図ることが出来る。
【0057】
次に、本発明の電動工具を打撃工具に適用した第2の実施の形態の打撃工具101について、図6に基づき説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部材については同一の番号を付し説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。本実施の形態における打撃工具101は、第1の実施の形態の打撃工具1が備えていた回転シリンダ50及び制御基板24を備えていない。よって、打撃時に先端工具に回転力は付与されず、また電動モータ21は、一定速度で回転する。
【0058】
本実施の形態のカウンタウェイト機構170のウェイト支持部材173は、その一端と他端に位置する第1接続部173B及び第2接続部173Cと、第1接続部173Bと第2接続部173Cとを連結する弾性変形部173Dとを備えている。弾性変形部173Dは、第1及び第2弾性変形部173D1、173D2と、ウェイト取付部173D3とを備えている。第1及び第2弾性変形部173D1、173D2は、その一部の厚みが第1及び第2接続部173B、173C、及びウェイト取付部173D3の厚みよりも薄い形状をなしている。よって、第1及び第2弾性変形部173D1、173D2は、第1接続部173Bの第1内側支持部77が当接する部分の断面積、第2接続部173Cの第2内側支持部78が当接する部分の断面積、及び、ウェイト取付部173D3の第2ボルト挿通穴73gが形成されていない部分の断面積よりも小さい断面積を備える。また、カウンタウェイト174は、ピストン43の往復運動方向に延びる形状をないしている。
【0059】
本実施の形態のカウンタウェイト機構170によれば、第1及び第2弾性変形部173D1、173D2の厚みを薄くしたので、式(2)から明らかなようにウェイト支持部材173のばね定数を小さくすることができる。従って、本実施の形態におけるウェイト支持部材173においても、第1の実施の形態と同様に、ウェイト支持部材173の強度の確保及び長尺化の防止を図ることができ、かつ所望のばね定数を得ることができる。また、打撃工具101の他の効果については、第1の実施の形態の打撃工具1の効果と同様である。
【0060】
次に、本発明の電動工具を打撃工具に適用した第3の実施の形態の打撃工具201について、図7及び図8に基づき説明する。打撃工具201は、ハンドル部10とモータハウジング20と、ウェイトハウジング60と、ギヤハウジング80とによりケーシングが構成される。
【0061】
ハンドル部10には電源ケーブル11が取付けられると共に、スイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には使用者により操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。電源ケーブル11はスイッチ機構12を外部電源(図示せず)に接続し、トリガ13を操作することにより、スイッチ機構12と電源との接続と断続とが切換えられる。
【0062】
モータハウジング20は、ハンドル部10の上部に設けられている。ハンドル部10とモータハウジング20とは、プラスチックで一体成型されている。モータハウジング20内には電動モータ21が収納されている。電動モータ21は出力軸22を備えて回転駆動力を出力する。
【0063】
ウェイトハウジング60は、モータハウジング20の前方に設けられた樹脂成型品である。ウェイトハウジング60は、モータハウジング20側に位置する第1ウェイトハウジング60Aと、ギヤハウジング80側に位置する第2ウェイトハウジング60Bとを有している。ウェイトハウジング60内には、第1中間シャフト61が、出力軸22が延びる方向と同方向に延びるように配置され、軸受62及び63により回転可能に支承されている。第1中間シャフト61の後端は出力軸22と連結している。第1中間シャフト61の先端は、ギヤハウジング80内に位置し、第4ギヤ61Aが設けられている。
【0064】
また、ウェイトハウジング60内には、カウンタウェイト機構270が配置されている。図7のVIII-VIII線に沿った断面図である図8に示すように、カウンタウェイト機構270は、第1支持部271と、第2支持部272と、ウェイト支持部材273と、カウンタウェイト274と、ボルト279とを備えている。第1及び第2支持部271、272は、ピストン43の往復運動の方向と直交する平面上に互いに対向するように設けられている。第1支持部271は、第1外側支持部275と、第1外側支持部275よりもカウンタウェイト274側に位置する第1内側支持部277とを備えている。第2支持部272も同様に、第2外側支持部276と、第2外側支持部276よりもカウンタウェイト274側に位置する第2内側支持部278とを備えている。第1外側支持部275は、後述の第1ウェイト支持部材273Aの上端の後端側への移動を阻止する。第1内側支持部277は、第1外側支持部275の下側かつ第1ウェイト支持部材273Aの先端側に位置し、先端側への第1ウェイト支持部材273Aの移動を阻止する。
【0065】
第2外側支持部276は、後述の第2ウェイト支持部材273Bの下端に位置し、第2ウェイト支持部材273の後端側への移動を阻止する。第2内側支持部278は、第2外側支持部276の上側かつ第2ウェイト支持部材273Bの先端側に位置し、第2ウェイト支持部材273Bの先端側への移動を阻止する。また、第1及び第2外側支持部275、276及び第1及び第2内側支持部277、278は、ウェイト支持部材273に後端方向へのオフセット荷重Fを付与するようにそれぞれ配置されている。
【0066】
ウェイト支持部材273は、第1ウェイト支持部材273A及び第2ウェイト支持部材273Bを備えている。第1及び第2ウェイト支持部材273A、273Bは、板ばねにより構成され、ピストン43の往復運動の方向と直交する方向に延びるように配置されている。図7に示すように、第1ウェイト支持部材273Aの上端及び第2ウェイト支持部材273Bの下端は、略L字状をなし、それらの端部は、第2ウェイトハウジング60Bに形成された凹部60c内に位置している。
【0067】
また、図8に示すように、第1ウェイト支持部材273Aは、第1接続部273Cと、弾性変形部273Dとを備えている。第1接続部273Cは、第1支持部275により第2ウェイトハウジング60Bに対して支持される。弾性変形部273Dは、第1弾性変形部273D1と、ウェイト取付部273D2(図7)とを備えている。ウェイト取付部273D2には、第2ボルト挿通穴273gが形成されている。第1弾性変形部273D1は、第1接続部273Cとウェイト取付部273D2との間に位置している。第1弾性変形部273D1には、切欠き273hが形成されている。切欠き273hにより、第1弾性変形部273D1は、その幅が徐々に変形する形状をなしている。具体的には、第1弾性変形部273D1は、くびれ状をなしている。よって、第1弾性変形部273D1は、第1接続部273Cの第1内側支持部277が当接する部分の断面積、及び、ウェイト取付部273D2の第2ボルト挿通穴273gが形成されていない部分の断面積よりも小さい断面積を備える。
【0068】
また、第2ウェイト支持部材273Bは、第2接続部273Eと、弾性変形部273Fとを備えている。第2接続部273Eは、第2支持部276により第2ウェイトハウジング60Bに対して支持される。弾性変形部273Fは、第2弾性変形部273F1と、ウェイト取付部273F2(図7)とを備えている。ウェイト取付部273F2には、第3ボルト挿通穴273iが形成されている。第2弾性変形部273F1は、第2接続部273Eとウェイト取付部273F2との間に位置している。第2弾性変形部273F1には、切欠き273jが形成されている。切欠き273jにより、第2弾性変形部273F1は、その幅が徐々に変形する形状をなしている。具体的には、第2弾性変形部273F1は、くびれ状をなしている。よって、第2弾性変形部273F1は、第2接続部273Eの第2内側支持部278が当接する部分の断面積、及び、ウェイト取付部273F2の第2ボルト挿通穴273iが形成されていない部分の断面積よりも小さい断面積を備える。
【0069】
カウンタウェイト274は、断面略円形をなし、その中心部には、シャフト挿通穴274aが形成されている。また、カウンタウェイト274は、ボルト279を第2ボルト挿通穴273g、第3ボルト挿通穴273iに挿通することにより第1及び第2ウェイト支持部材273A、273Bに固定されている。よって、カウンタウェイト274は、第1及び第2ウェイト支持部材273A、273Bにより両持ち支持される。また、シャフト挿通穴274aには、第1中間シャフト61が挿通されている。また、第1及び第2外側支持部275、276から、カウンタウェイト274が第1及び第2ウェイト支持部材273A、273Bに固定された部分までの距離は、それぞれ等しく、各第1及び第2内側支持部277、278から、カウンタウェイト274が第1及び第2ウェイト支持部材273A、273Bに固定された部分までの距離は、それぞれ等しく設定されている。
【0070】
ギヤハウジング80は第2ウェイトハウジング60Bの前方に設けられた樹脂成型品である。ギヤハウジング80の内部には、ギヤハウジング80とウェイトハウジング60との間を仕切る金属製の仕切部材80Aが設けられている。ギヤハウジング80と仕切部材80Aとによって、後述の回転伝達機構を収容する機構室である減速室80aを画成する。ギヤハウジング80内には、出力軸21と平行に第2中間シャフト82が、軸受82B、82Cを介してギヤハウジング80と仕切部材80Aとに、その軸心を中心に回転可能に支承されている。またギヤハウジング80の、後述する工具保持部15近傍には、サイドハンドル16が設けられている。
【0071】
第2中間シャフト82の電動モータ21側端部には、第4ギヤ61Aと噛合する第5ギヤ81が同軸固定されている。第2中間シャフト82の先端側にはギヤ部82Aが形成され、後述する第6ギヤ83と噛合している。ギヤハウジング80内であって第2中間シャフト82の上方の位置には、シリンダ84が設けられている。シリンダ84は第2中間シャフト82と平行に延び、仕切部材80Aに回転可能に支承されている。第6ギヤ83はシリンダ84の外周に固定され、上述したギヤ部82Aとの噛合により、シリンダ84はその軸心を中心として回転可能である。
【0072】
シリンダ84の先端側には上述した工具保持部15が設けられ、図示せぬ先端工具が着脱自在に取付けられる。第2中間シャフト82の中間部分には、ばねによって電動モータ21方向に付勢されるクラッチ86がスプライン係合されており、クラッチ86は、ギヤハウジング80の下部に設けたチェンジレバ87によってハンマドリル・モード(図示した位置)とドリルモード(クラッチ86が先端方向に移動した位置)との間で切換え可能である。クラッチ86の電動モータ21側には、回転運動を往復運動に変換する運動変換部90が第2中間シャフト82に回転可能に外装されている。運動変換部90の腕部90Aは、第2中間シャフト82の回転により打撃工具201の前後方向に往復動作可能に設けられている。
【0073】
クラッチ86がチェンジレバ87によってハンマドリル・モードに切換えられているときには、クラッチ86により第2中間シャフト82と運動変換部90とが結合するように構成されており、運動変換部90は、ピストンピン91を介して、シリンダ84内に設けられたピストン92と連動するように接続される。ピストン92は、第2中間シャフト82と平行な方向に往復運動可能且つシリンダ84内で摺動可能に装着されている。ピストン92内には打撃子93が内装されており、シリンダ84内であってピストン92と打撃子93の間には空気室94が画成される。打撃子93の空気室側の反対位置には、中間子95がシリンダ84内にピストン92の運動方向に摺動可能に支承されている。中間子95の打撃子側反対位置には、図示せぬ先端工具が位置している。よって打撃子93は中間子95を介して図示せぬ先端工具を打撃する。
【0074】
図示せぬモータの回転出力は第1中間シャフト61、第4ギヤ61A、及び第5ギヤ81を介して第2中間シャフト82に伝わる。第2中間シャフト82の回転は、ギヤ部82Aとシリンダ84に外装した第6ギヤ83の噛合によりシリンダ84に伝わり、図示せぬ先端工具に回転力が伝えられる。チェンジレバ87を操作することによりクラッチ86をハンマドリル・モードに移動させると、クラッチ86が運動変換部90と結合し、第2中間シャフト82の回転駆動力が運動変換部90に伝わる。運動変換部90では回転駆動力がピストンピン91を介してピストン92の往復運動に変換される。ピストン92の往復運動により打撃子93とピストン92との間に画成された空気室94中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子93に打撃力を付与する。打撃子93が前進して中間子95の後端面に衝突し、中間子95を介して打撃力が図示せぬ先端工具に伝達される。このようにしてハンマドリル・モードでは図示せぬ先端工具に回転力と打撃力が同時に付与される。
【0075】
クラッチ86がドリルモードにあるときは、クラッチ86は第2中間シャフト82と運動変換部90との接続を断ち、第2中間シャフト82の回転駆動力のみがギヤ部82A、第6ギヤ83を介してシリンダ84に伝達される。よって、図示せぬ先端工具には回転力のみが付与されるように構成されている。
【0076】
打撃工具201の動作時においても、打撃子93の往復動に起因するほぼ一定周期の振動が打撃工具201に発生する。この振動が第2ウェイトハウジング60Bを介して、第1及び第2支持部271、272に伝達される。第1及び第2支持部271、272に伝達された振動は、第1及び第2ウェイト支持部材273A、273Bに伝達され、カウンタウェイト274は、第1及び第2弾性変形部273D1、273F1の弾性変形により、ピストン92の往復運動方向と同じ方向に振動する。この振動により、打撃による打撃工具201の振動を低減される。本実施の形態のカウンタウェイト機構270においても、第1及び第2接続部273C、273E及びウェイト取付部273D2、273F2の断面積の大きさを変更せずに、第1及び第2弾性変形部273D1、273F1をくびれ状にすることにより幅を狭くしているので、ウェイト支持部材273の強度の確保及び長尺化の防止を図ることができ、かつ所望のばね定数を得ることができる。また、打撃工具201の他の効果については、第1の実施の形態の打撃工具1の効果と同様である。
【0077】
尚、本発明の打撃工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、図9に示すように、ウェイト支持部材373の第1及び第2弾性変形部373D1、373D2に、穴373f、373gを形成しても良い。この形状によっても、第1及び第2弾性変形部373D1、373D2は、第1接続部373Bの第1内側支持部77が当接する部分の断面積、第2接続部373Cの第2内側支持部78が当接する部分の断面積、及び、ウェイト取付部373D3の第2ボルト挿通穴373gが形成されていない部分の断面積よりも小さい断面積を備える。また、上記の実施の形態では、本発明の電動工具を打撃工具に適用したが、セーバソーに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態の断面図。
【図2】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態のカウンタウェイト機構の分解図。
【図3】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態のカウンタウェイト機構の拡大図。
【図4】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態のカウンタウェイト機構を示す図。
【図5】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態のウェイト支持部材の正面図。
【図6】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第2の実施の形態の断面図。
【図7】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第3の実施の形態の断面図。
【図8】図7のVIII-VIII線に沿った断面図。
【図9】本発明の電動工具を打撃工具に適用した第1の実施の形態のウェイト支持部材の変形例の正面図。
【符号の説明】
【0079】
1、101、201 打撃工具、 20 モータハウジング、 21 電動モータ、 30 ギヤハウジング、 36 運動変換機構、 37 クランクウェイト、 38 クランクピン、 39 コンロッド、 40 シリンダ、 43、92 ピストン、 44、93 打撃子、 46、95 中間子、 70、170、270 カウンタウェイト機構、 71、271 第1支持部、 72、272 第2支持部、 73、173、273、373 ウェイト支持部材、 73B、173B、273C、373B 第1接続部、 73C、173C、273E、373C 第2接続部、 73D、173D 弾性変形部、 73D1、173D1、273D1、373D1、373D2 第1弾性変形部、 73D2、173D2、273F1 第2弾性変形部、 73D3、173D3、273D2、273F2、373D3 ウェイト取付部、 73f、73g、273h、273j 切欠き、 74、174、274 カウンタウェイト、 75、275 第1外側支持部、 75A ボルト、 75B ワッシャー、 75C スペーサ、 76、276 第2外側支持部、 77、277 第1内側支持部、 78、278 第2内側支持部、 79、379 ボルト、 90 運動変換部、 90A 腕部、 91 ピストンピン、 273A 第1ウェイト支持部材、 273B 第2ウェイト支持部材、 273D、273F 弾性変形部 373f、373g 穴
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩

【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸

【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子


【公開番号】 特開2008−23652(P2008−23652A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198664(P2006−198664)