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【発明の名称】 ガス燃焼式打込み工具
【発明者】 【氏名】田村 純一

【氏名】村山 勝彦

【氏名】小西 正和

【要約】 【課題】高圧の燃焼ガスで打撃ピストン・シリンダ機構を作動させてノーズ部内の釘を被打込み材に打ち込むと同時に、送りピストン・シリンダ機構を作動させて新しい釘をノーズ部内供給する際、ドライバへの釘の摺りつきが発生しないガス燃焼式打込み工具を提供すること。

【解決手段】高圧の燃焼ガスでドライバ11を駆動して被打込み材に釘を打ち込むガス燃焼式打込み工具において、マガジンに収容された連結釘に係脱する送り爪23をノーズ部6に送る送りピストン・シリンダ機構7は上記送り爪23を付勢部材27で送り方向に付勢するとともに、上記高圧の燃焼ガスで後方に退避させるようにし、上記高圧の燃焼ガスを上記送りピストン・シリンダ機構7に案内する通路27には該通路を大気に連通させるバルブ40を設け、該バルブ40を開閉して送りピストン・シリンダ機構7を制御するバルブ機構Aを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性ガスと空気とを攪拌混合して得た混合ガスを爆発的に燃焼させる燃焼室と、この高圧の燃焼ガスを打撃シリンダ内に収容された打撃ピストンに作用させて打撃ピストンを打撃シリンダ内で衝撃的に駆動させ、この打撃ピストンの下面側に結合されているドライバを摺動案内して釘を打ち出すノーズ部と、
ノーズ部の下方に配置されてマガジンに収容された連結釘に係脱する送り爪を上記ノーズ部側に送る送りピストン・シリンダ機構とを備えたガス燃焼式打込み工具において、
上記送りピストン・シリンダ機構は上記送り爪を付勢部材で送り方向に付勢するとともに、上記高圧の燃焼ガスで後方に退避させるようにし、上記高圧の燃焼ガスを上記送りピストン・シリンダ機構に案内する通路には該通路を大気に連通させるバルブを設け、該バルブを開閉して送りピストン・シリンダ機構を制御するバルブ機構を備えたことを特徴とするガス燃焼式打込み工具。
【請求項2】
前記バルブを電磁弁で構成するとともに、前記ノーズ部が被打込み材に押し付けられているか否かを検出する検出手段と、タイマ機能と、上記電磁弁の開閉を制御する制御部とを備え、上記制御部は上記検出手段の検出結果に基づいてノーズ部が被打込み材に押し付けられたと判断したときは電磁弁を閉じるとともにタイマ機能を起動して時間監視を行い、ノーズ部の被打込み材への押し付けが解除され、所定時間経過したと判断したときには上記電磁弁を開放することを特徴とする、請求項1記載のガス燃焼式打込み工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスと空気とを攪拌混合して得た混合ガスを爆発的に燃焼させる燃焼室と、この高圧の燃焼ガスを打撃シリンダ内に収容された打撃ピストンに作用させて打撃ピストンを打撃シリンダ内で衝撃的に駆動させ、この打撃ピストンの下面側に結合されているドライバを摺動案内して釘を打ち出すノーズ部と、ノーズ部の下方に配置されてマガジンに収容された連結釘に係脱する送り爪を上記ノーズ部側に送る前方の釘送り方向と後方の退避方向に往復動させる送りピストン・シリンダ機構とを備えたガス燃焼式打込み工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼ガスの圧力により釘を打ち込む釘打機は、燃焼ガスによって作動した送りピストンのバネによる復帰がドライバの復帰よりも早いため、次の釘がノーズ部に送られてドライバに摺り付くことによるドライバの復帰不良が発生するため、送り機構の手前に逆止弁を設けて送りピストン・シリンダ機構のガス圧力を保持し、コンタクトアームと連動した移動部材によってこの管路の密閉制御を行なっている釘打機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】実開平5−72380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の釘打機はコンタクトアームの押し付け作業によって送りピストンに供給された燃焼ガスの圧力を開放するものであるが、打込み時の反動で釘打機が被打込み部材から離れてしまった場合にバルブが解除され、送りピストンを保持することができなくなり、送りピストンが作動してノーズ部に釘を送り込むためドライバへの摺りつきが発生し、確実なドライバの戻りができなかったり、釘のノーズ部への正しい送り込みができなかったりするトラブルが発生する問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、高圧の燃焼ガスで打撃ピストン・シリンダ機構を作動させてノーズ部内の釘を被打込み材に打ち込むと同時に、送りピストン・シリンダ機構を作動させて新しい釘をノーズ部内供給する際、ドライバが復帰したタイミングで新しい釘をノーズ部に送り込み、ドライバへの釘の摺りつきが発生しないガス燃焼式打込み工具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係るガス燃焼式打込み工具は、可燃性ガスと空気とを攪拌混合して得た混合ガスを爆発的に燃焼させる燃焼室と、この高圧の燃焼ガスを打撃シリンダ内に収容された打撃ピストンに作用させて打撃ピストンを打撃シリンダ内で衝撃的に駆動させ、この打撃ピストンの下面側に結合されているドライバを摺動案内して釘を打ち出すノーズ部と、ノーズ部の下方に配置されてマガジンに収容された連結釘に係脱する送り爪を上記ノーズ部側に送る前方の釘送り方向と後方の退避方向に往復動させる送りピストン・シリンダ機構とを備えたガス燃焼式打込み工具において、上記送りピストン・シリンダ機構は上記送り爪を付勢部材で送り方向に付勢するとともに、上記高圧の燃焼ガスで後方に退避させるようにし、上記高圧の燃焼ガスを上記送りピストン・シリンダ機構に案内する通路には該通路を大気に連通させるバルブを設け、該バルブを開閉して送りピストン・シリンダ機構を制御するバルブ機構を備えたことを特徴とする。
【0006】
なお、前記バルブを電磁弁で構成するとともに、前記ノーズ部が被打込み材に押し付けられているか否かを検出する検出手段と、タイマ機能と、上記電磁弁の開閉を制御する制御部とを備え、上記制御部は上記検出手段の検出結果に基づいてノーズ部が被打込み材に押し付けられたと判断したときは電磁弁を閉じるとともにタイマ機能を起動して時間監視を行い、ノーズ部の被打込み材への押し付けが解除され、所定時間経過したと判断したときには上記電磁弁を開放するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、コンタクトアームとバルブとを連動させ、コンタクトアームの被打込み材への押し付けを解除したときにはバルブが開いて送りピストン・シリンダ機構に高圧の燃焼ガスを送る通路を大気に連通させて送りピストン・シリンダ機構による釘の送りを開始させるので、ドライバに対する釘の摺り付きを確実に解除することができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、制御部はコンタクトアームの状態を検出する検出手段の検出結果から電磁弁の開閉を制御するようにし、ドライバが復帰したタイミングで電磁弁を開放し送りピストン・シリンダ機構による釘の送りを開始させるのようにしたのでドライバに対する釘の摺り付きを確実に解除することができるとともに、電気的に制御するのでガス燃焼式打込み工具自体の設計上の自由度を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1において符号1はガス燃焼式釘打機のボディを示す。このボディ1には、グリップ2とマガジン3とが連設されているとともに、打撃ピストン・シリンダ機構4と燃焼室5とノーズ部6と送りピストン・シリンダ機構7とが設けられている。
【0010】
打撃ピストン・シリンダ機構4は、打撃シリンダ9内に打撃ピストン10を摺動自在に収容するとともに、打撃ピストン10の下方にドライバ11が一体的に結合されている。
【0011】
燃焼室5は、上記打撃ピストン10の上端面と打撃シリンダ9と上部ハウジング12の内部に形成された上部壁(シリンダヘッド)13と両者間に配置されている環状の可動スリーブ14とによって形成されており、可動スリーブ14を上方に移動させることにより密閉した燃焼室5が形成され、下方に移動させることにより燃焼室5の上部が大気に連通するように構成されている。
【0012】
上記可動スリーブ14は、図2に示すように、リンク部材19を介してコンタクトアーム15と連係している。リンク部材19は、打撃シリンダ9の下方に配置された篭状底部19aの端部から打撃シリンダ9の外周部に沿ってアーム部19bを延長形成してなるもので、アーム部19bの上端は上記可動スリーブ14に連結され、篭状底部19aは打撃シリンダ9の下面との間に設けられたバネ29により下方に付勢されている。
【0013】
また、コンタクトアーム15はノーズ部6に沿って上下に摺動自在に設けられ、その先端15aはノーズ部6から突出し、ノーズ部6とともに上記先端15aを被打込み材Pに押し付けることにより、ノーズ部6に対して相対的に上方に移動するようになっている。
【0014】
そして、リンク部材19の篭状底部19aの下面はコンタクトアーム15の上端15bに係合しているため、ノーズ部6を被打込み材Pに押し付けることによりコンタクトアーム15が相対的に上方に移動し、リンク部材19をバネ29に抗して押し上げて可動スリーブ14を上方に移動させる。これにより、燃焼室5内は大気と遮断され、密閉された燃焼室5が形成されるようになっている。
【0015】
これに対し、釘打込み直後に生じた反動によって釘打機が持ち上がったとき、コンタクトアーム15は自重によりノーズ部6に沿って下方に移動するが、燃焼室5内は釘打込み直後は負圧となっており、打撃ピストン10が原位置まで上昇し、燃焼室5が大気に開放されると、可動スリーブ14とリンク部材19とはバネ29によって相対的に下方に移動し、再び図1及び図2に示すようにコンタクトアーム15に係合する。
【0016】
上部ハウジング12には、ガス容器に連通する噴射ノズル17と、混合ガスに点火して燃焼させるための点火プラグ18が配置されている。また、上部ハウジング12には、燃焼室5内に噴射された可燃性ガスを燃焼室5の空気と攪拌させて燃焼室5内で所定の空燃比の混合ガスを生成するための回転ファン20が設けられている。
【0017】
ノーズ部6は上記ドライバ11の摺動を案内するとともに、マガジン3に開口している。
【0018】
送りピストン・シリンダ機構7は、図3(a)に示すように、送りシリンダ21内に摺動自在に収容された送りピストン22の先端に送り爪23を連結させ、送りピストン22とともに送り爪23をマガジン3に収容された連結釘Nに係合させて、スプリング27に付勢されてノーズ部6側に送る釘送り方向と、図3(b)に示すように、ガス管路26を介して送りこまれた高圧の燃焼ガスでスプリング27に抗してノーズ部6から退避する方向とに往復動させるもので、上記送りピストン・シリンダ機構7の送りシリンダ21の前側はガス管路26を介して上記燃焼室5に連通し(図1参照)、送りシリンダ21の後ろ側には上記送りピストン22を常時釘送り方向に付勢するスプリング27が設けられ、ガス管路26からの圧力とスプリング27の力のバランスにより送りピストン22は往復動するようになっている。
【0019】
そして、図3(a)に示すように、送りピストン22がスプリング27に付勢されて送り方向に移動したときは、送り爪23は連結釘Nの2番目の釘N2に係合して先端釘N1をノーズ部6の射出口24内に押し込むようになっている。
【0020】
また、図3(b)に示すように、先頭の釘N1が打ち終わり送りピストン22が退避方向に移動したときは、送り爪23は3番目の釘N3に係合できる位置まで後退しているので、送りピストン22がスプリング27に付勢されて前進するときは、2番目の釘N2はノーズ部6の射出口24内に押し込まれることになる。
【0021】
そして、釘の打込みにあたっては、図4に示すように、ノーズ部6の先端を被打込み材Pに強く押し付けてコンタクトアーム15を相対的に上動させることにより、リンク部材19の篭状底部19aの下面がコンタクトアーム15の上端15bに係合しているため、篭状底部19aはバネ29を圧縮して上昇しリンク部材19の上端に連結された可動スリーブ14が上動して密閉した燃焼室5が形成されるとともに、燃焼室5内に噴射ノズル17から可燃性ガスが噴射され、回転ファン20が回転して可燃ガスと空気とを攪拌混合する。
【0022】
次に、トリガ16を引くと、点火プラグ18が混合ガスに点火し、混合ガスは燃焼して爆発的に膨張する。この燃焼ガスの圧力が打撃ピストン10の上面に作用し打撃ピストン10を下方に駆動するのでドライバ11がノーズ部6内に供給されている先頭釘N1を打撃する。この時、上記燃焼室5で発生した高圧の燃焼ガスで、打撃ピストン10が駆動される際にガス管路26を介して送りピストン・シリンダ機構7にも燃焼ガスが送り込まれるので送りシリンダ21内の圧力が上がり、スプリング27に抗して送りピストン22が戻り方向に移動し、次の打込みに備えて釘を射出孔24に送り込む準備をする(図3(b)参照)。
【0023】
釘の打込みが完了すると燃焼室5内の温度が急激に下がり、燃焼室5内部の燃焼ガスは収縮して打撃ピストン10の上方の燃焼室5の空間は負圧になるため、打撃ピストン10は大気圧の差圧によってドライバ11とともに上昇移動するが、燃焼室5内が負圧になるとガス管路26内の圧力も低下するため送りピストン22は、図3(a)に示すように、スプリング27に付勢されて釘送り方向に移動して釘を射出口24に送り込むようになるが、スプリング27に付勢されて送りピストン22が釘送り方向に移動するタイミングと、打込み終了時後の打撃ピストン10の復帰とのタイミングで、ドライバ11がノーズ部6から退避しないうちに送り爪23が釘をノーズ部6に送り込むと釘がノーズ部6内を上昇中のドライバ11に摺り付いてしまう恐れがあるため、送りピストン22の前進(釘送り方向)のスタートを遅らせるように送りシリンダ21内の圧力を維持し、ドライバ11がノーズ部6内から退避したタイミングで送り爪23が釘をノーズ部6内に送り込むようにしている。
【0024】
これは、図5に示すように、ガス管路26の途中に、送りシリンダ21内の燃焼ガスを大気に連通させるか否かを制御するバルブ機構Aを設け、コンタクトアーム15を被打込み材Pに押し付けていないときは、図5(a)に示すように、バルブ40が押圧板41に押圧されてスプリング42に抗して下降し、送りシリンダ21を大気に連通する通路43を開いて送りシリンダ21を大気に連通させ、コンタクトアーム15を被打込み材に押し付けたときは、図5(b)に示すように、押圧板41が上動してバルブ40の押圧を解除するので、バルブ40はスプリング42に付勢されて上昇し、通路43を閉鎖して送りシリンダ21を大気から遮断するようにしたものである。
【0025】
上記押圧板41は、図7に示すように、上端が可動スリーブ14にネジ44で固定されたリンク45の下端に一体に形成されたもので、コンタクトアーム15が被打込み材に押し付けられて上昇したとき、このコンタクトアーム15に突き上げられて可動スリーブ14が上昇すると、リンク45も一体となって上昇し、押圧板41が上昇してバルブ40の押圧が解除され(図5(b)参照)、釘の打込みが終了してコンタクトアーム15の押し付けが解除され、スリーブ14が下降すると、リンク45も可動スリーブ14と一体で下降し、押圧板41がバルブ40を押圧するようになっている(図5(a)参照)。
【0026】
さらに、バルブ機構Aにはガス管路26からバルブ機構Aに燃焼ガスが流入する部分には一方向バルブ46が配置されている。この一方向バルブ46は常時ガス流入口48を塞ぐようにスプリング47に付勢されているが、燃焼室5で混合ガスが燃焼すると、燃焼した高圧の燃焼ガスはスプリング47に抗して一方向バルブ46を押し戻してガス流入口48から送りシリンダ21内に流入し(図6(a)参照)、送りシリンダ21内の圧力とガス管路26内の圧力が等しくなるとスプリング47に付勢されて一方向バルブ46はガス流入口48を塞ぎ、高圧の燃焼ガスが充満した空間ができるようになっている(図6(b)参照)。
【0027】
上述のガス燃焼式打込み工具によれば、コンタクトアーム15を被打込み材に押し付けると押圧板41によるバルブ40の押圧が解除され、図5(b)に示すように、バルブ40が通路43を塞ぐとともに、燃焼室5内に噴射ノズル17から可燃性ガスが噴射され、回転ファン20が回転して可燃ガスと空気とを攪拌混合するので、トリガ16を引くと、燃焼室5で混合ガスが爆発的に燃焼し、燃焼した高圧の燃焼ガスは打撃ピストン10に作用し、これを駆動してドライバ11で釘を被打込み材に打ち込むと同時に、この高圧の燃焼ガスはガス管路26を介してバルブ機構Aに送り込まれる。
【0028】
バルブ機構Aに送り込まれた高圧の燃焼ガスはスプリング47に抗して一方向バルブ46を押し戻してガス流入口48を開放するとともに送りシリンダ21内に流入し、スプリング27に抗して送りピストン22を退避させる(図6(a)参照)。送りシリンダ21内の圧力がガス管路26内の圧力と等しくなると、図6(b)に示すように、一方向バルブ46はスプリング47に付勢されて前進し、ガス流入口48を塞ぐので、燃焼室5内の圧力が下がっても送りシリンダ21内の圧力は高い状態が維持され、送りピストン22は退避した状態が持続し、送り爪23による釘のノーズ部6への送り込みはされない。
【0029】
釘の打込みが終了してコンタクトアーム15の押し付けが解除され、スリーブ14が下降すると、リンク45も可動スリーブ14と一体で下降し、図6(a)に示すように、押圧板41がバルブ40を押圧するのでバルブ40はスプリング42に抗して下降し、通路43を開放して送りシリンダ21を大気に連通させるので送りシリンダ21内の圧力は大気と同じ圧力まで降下し、スプリング27に付勢されている送りピストン22は釘送り方向に動き、釘を射出口24内に送り込むことができる。
【0030】
上述したように、ドライバ11で釘を打ち込む際にはドライバ11を駆動する高圧の燃焼ガスをガス管路26を介して送りシリンダ21に送り込み送りピストン22を退避させ次の釘を射出口24に送り込む準備をするが、この釘を射出口24に送り込むタイミングは、釘の打込みが完了しコンタクトアーム15が被打込み材から離れた段階で行なわれるので、このタイミングはドライバ11はノーズ部6から退避しているタイミングになり、ノーズ部6に送り込むまれた釘がノーズ部6内を上昇中のドライバ11に摺り付いてしまうトラブルの発生を回避したガス燃焼式打込み工具を実現することができる。
【0031】
つまり、図7で示すように、釘を射出口24に送り込むタイミングは、作業者がトリガ16を離してロック部材25によるアーム部19bの押し上げの解除、もしくは燃焼室5が大気に開放されるときであれば、打撃ピストン10は上昇するため、この動作と連動させることとなる。
【0032】
上述のバルブ機構Aは、バルブ40をスリーブ14に連動させて機械的に制御していたが、このバルブ40を電磁弁50で構成し、この電磁弁50を電気的に制御するバルブ機構で構成してもよい。
【0033】
図8は、上記ガス燃焼式打込み工具の電気的な構成の概念図を示し、このガス燃焼式打込み工具は、可動スリーブ14の上下動(燃焼室の開閉)によってON/OFFするコンタクトスイッチSW1と、トリガ16を引き操作するとONするトリガスイッチSW2と、この2つのスイッチの状態により回転ファン20の回転と、点火プラグ18の点火と、電磁弁50のON/OFFを制御する制御部51で構成されている。
【0034】
上記制御部はタイマ機能52、内蔵メモリ53を備えたMPUで構成されていればよく、このMPUは内蔵メモリ53に記憶した制御プログラムに基づいて、コンタクトスイッチSW1、トリガスイッチSW2の状態とタイマ機能52の作動時間とを判断し回転ファン20、点火プラグ18、電磁弁50の制御を行なうようになっているものである。
【0035】
次に、電磁弁50を使用したバルブ機構Aの制御の一例を、図9のフローチャート図に基づいて説明する。
【0036】
作業者がガス燃焼式打込み工具を使用するために電源をONすると、イニシャライズが行なわれ初期状態に設定されると(ステップST1)、制御部51は利用者がコンタクトアーム15を被打込み材に押し付けて釘打ちの準備をしたか否かをコンタクトスイッチSW1で判断する(ステップST2)。コンタクトアーム15を被打込み材に押し付けると可動スリーブ14が上昇してコンタクトスイッチSW1がONするので、ステップST3に進んで制御部51はファンを20を回転させるとともに電磁弁50を閉鎖し、ファンをOFFするタイマ52aをリスタート(ステップST4)するとともに、電磁弁を開放するタイマ52bをリスタート(ステップST5)し、トリガ16が引かれるのを待つ(ステップST6)。
【0037】
トリガ16を引くとトリガスイッチSW2がONし、発振回路がONして(ステップST7)、点火プラグが点火し混合ガスに着火するので、混合ガスは爆発的に燃焼して高圧の燃焼ガスが発生し、この高圧の燃焼ガスは打撃ピストン10を駆動してドライバ11で射出口24内の釘を被打込み材に打ち込むと同時に、ガス管路26を介してバルブ機構Aに送り込まれた高圧の燃焼ガスはスプリング47に抗して一方向バルブ46を押し戻してガス流入口48を開放するとともに送りシリンダ21内に流入し、スプリング27に抗して送りピストン22を退避させる。
【0038】
送りシリンダ21内の圧力がガス管路26内の圧力と等しくなると、一方向バルブ46はスプリング47に付勢されてガス流入口48を塞ぐので、燃焼室内の圧力が下がっても送りシリンダ21内の圧力は高い状態が維持され、送りピストン22は退避した状態が持続し、送り爪23による釘のノーズ部6への送り込みはされない。
【0039】
釘の打込みが終了し、可動スリーブ14が下降するとコンタクトスイッチSW1がOFFになるので(ステップST8)、ファンをOFFするタイマ52aをチェックし(ステップST9)、カウントアップしていればステップST10に進んでファン20の回転を止め、電磁弁を開放するタイマ52bをチェックし(ステップST11)、カウントアップしていればステップST12に進んで電磁弁50を開放する。
【0040】
電磁弁50が開放されると送りシリンダ21は大気に連通するので送りシリンダ21内の圧力は大気と同じ圧力まで降下し、送りピストン22はスプリング27に付勢されて釘送り方向に動き、釘を射出口24内に送り込むことができる。
【0041】
ステップST12で電磁弁50を開放した後、釘打ちの作業が継続する場合は、電源はONしたままなので(ステップST13)、ステップST2に戻り、次の釘打ちの開始(コンタクトアーム15の被打込み材への押し付け)を待つ。
【0042】
上述したように、釘を打ち込む前に電磁弁50を閉じ、打込み終了後に電磁弁50を開いて送りピストン22の釘送りを開始するので、上昇中のドライバ11に釘が摺り付いてしまうトラブルの発生を回避したガス燃焼式打込み工具を実現することができる。
【0043】
なお、上記電磁弁50はコンタクトスイッチのON/OFFに連係して開閉させたが、この電磁弁50を常時閉鎖しておき、混合ガスの燃焼で発生した高圧の燃焼ガスで釘が被打込み材に打ち込まれると同時に、ガス管路26を介して送りシリンダ21に送られて送りピストン22がスプリング27に抗して退避方向に移動させた時、この退避を図示しないスイッチで検出し、送りピストン22が退避してから所定時間経過後に電磁弁50を開放し、送りシリンダ21内の圧力を低下させ、送りピストン22がスプリング27に付勢されて送り方向に移動するようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るガス燃焼式打込み工具の要部を示す側面の縦断面図
【図2】上記ガス燃焼式打込み工具の正面の縦断面図
【図3】(a)(b)は送りピストン・シリンダ機構を送りピストンの動きと保持機構の働きを説明する横断面図
【図4】コンタクトアームを被打込み材に押し付けた状態を説明するノーズ部の縦断面図
【図5】(a)(b)はバルブ機構と送りピストン・シリンダ機構との関係を説明する縦断面図
【図6】(a)(b)はバルブ機構と送りピストン・シリンダ機構との関係を説明する縦断面図
【図7】上記バルブ機構を制御する制御板の構造を説明するガス燃焼式打込み工具の縦断面図
【図8】ガス燃焼式打込み工具の電気的な構成を説明する概念図
【図9】バルブ機構の電磁弁の開閉を説明するフローチャート図
【符号の説明】
【0045】
5 燃焼室
4 打撃ピストン・シリンダ機構
6 ノーズ部
7 送りピストン・シリンダ機構
9 打撃シリンダ
10 打撃ピストン
11 ドライバ
15 コンタクトアーム
22 送りピストン
23 送り爪
27 付勢部材
40 バルブ
A バルブ機構
N 釘
【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【出願日】 平成18年9月19日(2006.9.19)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫


【公開番号】 特開2008−73773(P2008−73773A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−252092(P2006−252092)