トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 動力工具におけるマガジンの取付構造
【発明者】 【氏名】星野 享道

【氏名】粟飯原 泰宣

【要約】 【課題】グリップ部にマガジンとフックを取付ける構造に格別の工夫を施すことで、取付部分の小型化と構造の単純化、さらには取付け強度の強化を図ることができる。

【構成】マガジンとフックの取付構造であって、グリップ部の後部から下方に延びたブラケット24にマガジン5後部から上方に延びたステー21の上端部を突合せるとともに、取付部材20に左右の挟持片31とこれらの挟持片の後端を連結する連結片32とをコ字状に形成するとともに、フック27を取り付け可能に設け、ブラケット24とステー21との突合せ部を、左右から上記取付部材20の挟持片31で挟み、かつ前後から上記ブラケット24と上記連結片32とで挟んで固定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力工具本体の後部に設けられたグリップ部に、取付部材を介してマガジンを取付ける動力工具におけるマガジンとフックの取付構造であって、
上記グリップ部の後部から下方に延びたブラケットにマガジン後部から上方に延びたステーを突合せるとともに、
上記取付部材に左右の挟持片とこれらの挟持片の後端を連結する連結片とをコ字状に形成するとともに、フックを取り付け可能に設け、
上記ブラケットとステーとの突合せ部を、左右から上記取付部材の挟持片で挟み、かつ前後から上記ブラケットと上記連結片とで挟んで固定した
ことを特徴とする動力工具におけるマガジンの取付構造。
【請求項2】
上記取付部材に対し、上記フックを回動可能に取り付け可能とした、請求項1に記載の動力工具におけるマガジンの取付構造。
【請求項3】
上記取付部材に上記フックが一体に設けられている、請求項1又は2に記載の動力工具におけるマガジンの取付構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、動力工具のグリップの後端部にマガジンとフックとを一体的に結合して取り付けた動力工具におけるマガジンの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
釘打機におけるマガジンの取付構造として、釘打機本体部の一部であるグリップ部に対するマガジン後部の取付けとフックの取付けを1本のボルトとナットからなる取付部で行うようにしたものが従来から知られている。このフックとマガジンの一体的取付構造においては、グリップ部後方のブラケット側部にマガジンのステー側部を重ね合わせ、さらにフックの端部面を重ね合わせてボルトとナットを用いて一体的に締付けることで釘打機本体部に対してマガジンとフックを同時に取付けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−165071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の特許文献1に記載のフックの取付けを兼ねたマガジン取付構造においては、既述のようにグリップ部後方のブラケット側部にマガジン端部のステー側部とフックの端部面を重ね合わせてボルトとナットで一体に締付ける構造を採用しており、重ね合わせが3重になることから取付部の幅が拡くなって(厚めになって)いる。
【0004】
そして、上述の端部側面の重ね合わせによる幅の拡くなる取付構造は、例えばフックの左右における組み換え使用がなされる場合においては組み換えた左右のフックの取付位置が重ね合わせ順の変更等によりズレることからその取付状態が左右で対称とならず大きく異なることになり、フックの取付状態によっては釘打機の使い勝手が悪くなる恐れがある。
【0005】
また、このような端部側面の重ね合わせによる取付構造はマガジンやフックにかかる荷重がボルトやボルト受け部に集中するので、強度を強くする必要があり、そのためには太めのボルトを使用する等の強度対策が必要であり、取付部が大型化し、結果として釘打機の軽量小型化を困難とする。
【0006】
上述したような状況の中で、本発明は、グリップ部にマガジンとフックを取付ける構造に格別の工夫を施すことで、取付部分の小型化と構造の単純化、さらには取付け強度の強化を図ることができる動力工具におけるマガジンの取付構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、動力工具本体の後部に設けられたグリップ部に、取付部材を介してマガジンを取付ける動力工具におけるマガジンとフックの取付構造であって、上記グリップ部の後部から下方に延びたブラケットの後端面にマガジン後部から上方に延びたステーの上端部の前端面を突合せるとともに、上記取付部材に左右の挟持片とこれらの挟持片の後端を連結する連結片とをコ字状に形成するとともに、フックを取り付け可能に設け、上記ブラケットとステーとの突合せ部を、左右から上記取付部材の挟持片で挟み、かつ前後から上記ブラケットの後端面と上記連結片とで挟んで固定したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記取付部材に対し、上記フックを回動可能に取り付け可能としたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記取付部材に上記フックが一体に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、グリップ部の後部から下方に延びたブラケットの後端面にマガジン後部から上方に延びたステーの上端部の前面を突合せた状態で固定しているから、ブラケットとマガジンのステーとの突合せが、前後に直列的な取付配置となるので、取付構造部の幅の拡がりを小さく抑えることができる。
【0011】
また、マガジンのステー上端部は、左右から取付部材の挟持片で挟まれ、かつ前後からブラケットの後端面と上記連結片とで挟まれて固定されるので、マガジンは位置ズレや変形を起こすことなく強固に取り付けられる。
【0012】
さらに、取付部材はコ字状に形成されているから、ブラケットとステーとの突合せ部に左右の挟持片を入れ替えて取り付けることにより、上記フックを左右に選択的に取り付け可能となり、作業者の利き腕等の条件に応じてフックを左右に付け替えることができるので、使い勝手がよい。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明において、取付部材に対し、フックを回動可能に取り付け可能としたので、フックを使い勝手の良い角度位置に回動して使用することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2において、上記取付部材に上記フックが一体に設けられているので、コストを低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1及び図2において動力工具の一例として符号Aは釘打機を示す。釘打機Aは釘打機本体1の後方にグリップ部2を、釘打機本体1の下部には射出路3を有するノーズ部4をそれぞれ一体に設け、ノーズ部4の後部には射出路3に釘を供給するマガジン5を連設したもので、釘打機本体1内には打撃シリンダ6と打撃ピストン7からなる駆動部を備えており、打撃シリンダ6内に打撃ピストン7が摺動自在に収容されている。打撃ピストン7の下面にはドライバ8が一体に結合され、ドライバ8はノーズ部4の射出路3内を摺動するように構成されている。
【0016】
また、釘打機本体1には、グリップ部2の内部の空気供給路10を介して図示されないエアコンプレッサ等の圧縮空気供給源(図示せず)から供給された圧縮空気を貯留するエアチャンバ11が形成されている。
【0017】
ノーズ部4の先端が被打ち込み材に押し付けられた後、トリガレバー12を引き操作して起動バルブ13を作動させると、ヘッドバルブ14が開き作動し、エアチャンバ11内の圧縮空気が打撃シリンダ6内の打撃ピストン7の上面に供給され、これにより打撃ピストン7とドライバ8が下方に駆動されて、マガジン5からノーズ部4の射出路3に供給された釘(図示せず)が打ち出されるようになっている。
【0018】
その後、打撃時に圧縮された打撃シリンダ6の周囲のブローバックチャンバ15内に貯留した圧縮空気により、打撃ピストン7は上動し、初期の上死点位置に復帰して次の釘打ち込みの準備がなされる。
【0019】
グリップ部2は中空部として形成され、空気供給路10はグリップ部2の後部の端部の接続金具16に接続される図示されないゴムホース等を介して圧縮空気供給源である空気圧縮機に連通するように構成されている。
【0020】
マガジン5は、略ドラム状の釘収納部17の前方に釘供給路18を形成したもので、釘供給路18の前端は上記射出路3に開口している。なお、上記釘供給路18の側部には釘送り機構が設けられ、この釘送り機構により上記釘収納部17内の連結釘は釘供給路18を通ってノーズ部4の射出路3に供給されるようになっている。
【0021】
なお、ノーズ部4の前部には射出路3に臨むようにマグネット19が配置され、上記釘供給路18から射出路3内に釘が送り込まれたとき、この釘の軸部は上記マグネット19に吸着されて打ち込み姿勢が正しく保持され、打撃ピストン7の作動に基づくドライバ8の駆動により釘射出路3から確実に打ち出される。
【0022】
次に、図2及び図3に示されるように、上記マガジン5の後部は取付部材20を介してグリップ部2の後部に固定されている。すなわち、マガジン5の釘収納部17の後部から上方にステー21が形成されている。ステー21の上端部21aはマガジン5から上方に突出しており、ステー21の上端部の前端面22は凹面として形成されている。また、上端部にはボルト挿通孔23が形成されている。
【0023】
これに対し、グリップ部2の後部から斜め下方に、上記ステー21と同じ厚さのブラケット24が延出されている。ブラケット24の端部にはボルト挿通孔25が形成され、またその後端面26は、上記マガジン5のステー21の前端面22に嵌り合う凸面として形成されている。
【0024】
次に、図3及び図5に示されるように、取付部材20は合成樹脂製の成型品で、左右の挟持片31とこれらの挟持片31の後端を連結する連結片32とを断面コ字状に形成してなり、上記連結片32の端部からはフック27に連結するための連結部33が形成されている。
【0025】
フック27は合成樹脂製の成型品で、略コの字状を呈しており、フック27の先端部は先細構造とされ、これにより釘打機Aの脚立等への掛け外しの容易化が図られている。これに対し、フック27の基部には外側に向いた連結部30が形成されている。
【0026】
取付部材20に対してフック27を取り付けるときは、フック27の連結部30と取付部材20の連結部33とを直列状に配置し、図6のように、両連結部30、33に連結ピン34を貫通させ、連結ピン34の一端をスプリング42で付勢し、他端をEリング40と座金41とで止着して連結する。これにより、フック27は取付部材20に対して上記連結ピン34を中心に自由に回動することができる。
【0027】
なお、上記左右の挟持片31には前後の2個のボルト挿通孔35、36が貫通形成されている。
【0028】
次に、グリップ部2に対するマガジン5とフック27の取付け手順は以下のようになされる。
【0029】
まず、マガジン5の釘供給路18が設けられた前部を図4に示すようにノーズ部4の前部に支持させておき、マガジン5の後部を持ち上げるようにして、グリップ部2の後部から下方に延びたブラケット24の後端面26に、マガジン5後部から上方に延びたステー21の上端部の前端面22を嵌め合わせ状に突合せる。上記ブラケット24の後端面26は凸面として形成され、またマガジン5のステー21の上端部の前端面22は凹面として形成されているので、突合せ部は嵌め合わせ状となり、互いに密着するように係合する。
【0030】
次に、図2及び図3に示されるように、上記ブラケット24とステー21との突合せ部を、取付部材20で固定する。すなわち、上記突合せ部の左右から取付部材20の取付部材20の挟持片31で挟み、かつ上記ステー21の前後から上記ブラケット24の後端面26と取付部材20の連結片32とで挟む。さらに、上記挟持片31の前部のボルト挿通孔35とブラケット24のボルト挿通孔25、また後部のボルト挿通孔36とステー21のボルト挿通孔23とを整合させ、それぞれ挟持片31の一方のボルト挿通孔から他方のボルト挿通孔にボルト37を挿通し、ナット38で締め付け固定する。
【0031】
なお、上述のマガジン5の取付けにおいては、取付部材20に予めフック27を組付けるようにしているが、マガジン5をグリップ部2に固定した後に、取付部材20にフック27を組付けてもよいことはいうまでもない。また、フック27と取付部材20は一体でもよい。
【0032】
釘打機Aは上述の構造を備えるので、以下のような作用効果が期待できる。
【0033】
グリップ部2へのマガジン5とフック27の取付けは、グリップ部2のブラケット24の後端面26とマガジン5のステー21の上端部21aの突合せによる直列的な接続関係においてなされるので、取付構造部の幅の拡がり(厚みの増加)を小さく抑えることができ、フック27の左右における組み換え使用においても該フック27の取付状態の変化を比較的小さく抑えることができるので、フック27が釘打機Aの使い勝手を悪化させることはなく、また釘打機Aの脚立等への掛け外しにも何らの悪影響を与えることはない。
【0034】
マガジン5のステー21の上端部の突合せ部は、取付部材20の挟持片31及びブラケット24の後端面26と取付部材20の連結片32とにより、左右両側面から挟持されるとともに前後方向から圧縮されるように押圧されて密着状態とされ、ボルト37、ナット38により締付け固定されるから、マガジン5とフック27はグリップ部2に強固に取付けられる。
【0035】
また、取付部材20はコ字状に形成されているから、ブラケット24とステー21との突合せ部に左右の挟持片31を入れ替えて取り付けることにより、上記フック27を左右に選択的に取り付け可能となり、作業者の利き腕等の条件に応じてフック27を左右に付け替えることができるので、使い勝手がよい。
【0036】
また、比較的厚めに形成されたブラケット24のブラケット24の後端面26とマガジン5のステー21の前端面22との突合せ部は、の凹凸面が互いに嵌め合い状に係合する構造であるから、突合せ状態が安定しており、該突合せ部の位置ズレの発生や変形が抑制され、例えば作業中にマガジン5が他の部材と接触して取付構造部に衝撃が加わっても比較的その影響を小さく抑えることができ、取付構造部の損傷を防ぐことができる。
【0037】
さらに、フック27は取付部材20に回動自在に取り付けられているから、フック27の角度を自由に変えることができ、使用に便利であるだけでなく、フック27が何かにぶつかったり、釘打機を落下させて床面にフック27が当たったときなど、回転して衝撃をかわすことができる。
【0038】
なお、上記取付部材20にフックを一体に設けた構成としてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、コイル状の釘を供給する略ドラム状マガジンで説明したが、ステック状の釘を供給するステック状マガジンでもよい。さらに、釘打機の他にネジ締め機、また駆動源として圧縮空気以外にガス燃焼を利用したガス燃焼式打込み工具でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の釘打機を示す斜視図である。
【図2】上記釘打機の縦断面図である。
【図3】図2におけるX−X断面図である。
【図4】図2におけるY−Y断面図である。
【図5】取付部材とフック斜視図である。
【図6】取付部材とフックとの連結態様を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
A 釘打機
1 釘打機本体
2 グリップ部
4 ノーズ部
5 マガジン
20 取付部材
21 ステー
24 ブラケット
27 フック
【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫


【公開番号】 特開2008−55545(P2008−55545A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−234979(P2006−234979)