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ガス燃焼式打込み工具 - 特開2008−49411 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ガス燃焼式打込み工具
【発明者】 【氏名】内山 達

【氏名】村山 恵司郎

【要約】 【課題】残留物がプラグの中心電極先端部に溜まるのを遅延させる。

【構成】工具本体1内に配置された打撃シリンダ3に打撃ピストン4を上下方向に摺動可能に設けるとともに、上記打撃シリンダ3の上部に設けられた可動スリーブ10を上下動させて上記打撃シリンダ3とその上方のシリンダヘッド8とに当接、離間させることにより燃焼室を開閉可能とし、燃焼室で可燃性ガスと空気とを回転ファン16により撹拌混合して得た混合ガスに、シリンダヘッド8に配設された点火プラグ15により点火して爆発的に燃焼させ、この高圧の燃焼ガスを上記打撃ピストン4に作用させて衝撃的に駆動させ、打撃ピストンの下面側に結合されているドライバ5により釘を打ち出すガス燃焼式打込み工具において、下向きになって外部に露出した上記点火プラグ15の中心電極の露出基部と先端との間に、混合ガスの燃焼後に残留した残留物を一時的に滞留させる滞留部25を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具本体内に配置された打撃シリンダに打撃ピストンを上下方向に摺動可能に設けるとともに、上記打撃シリンダの上部に設けられた可動スリーブを上下動させて上記打撃シリンダとその上方のシリンダヘッドとに当接、離間させることにより燃焼室を開閉可能とし、上記燃焼室で可燃性ガスと空気とをファンにより撹拌混合して得た混合ガスに、上記シリンダヘッドに配設された点火プラグにより点火して爆発的に燃焼させ、この高圧の燃焼ガスを上記打撃ピストンに作用させて衝撃的に駆動させ、打撃ピストンの下面側に結合されているドライバにより釘を打ち出すガス燃焼式打込み工具において、
下向きになって外部に露出した上記点火プラグの中心電極の露出基部と先端との間に、上記混合ガスの燃焼後に残留した残留物を一時的に滞留させる滞留部を設けた
ことを特徴とするガス燃焼式打込み工具。
【請求項2】
上記滞留部が環状の段差部であることを特徴とする、請求項1に記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項3】
上記滞留部が環状凸部であることを特徴とする、請求項1に記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項4】
上記環状凸部は、上記中心電極に嵌合固定されたリングによって形成されていることを特徴とする、上記請求項3に記載のガスネイラの点火プラグ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼によって動力が供給され釘等の留め具を打ち込むガス燃焼式打込み工具に関し、特に点火プラグの中心電極の先端が燃焼ガスの残留物で汚損するのを遅延させるように改善したガス燃焼式打込み工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス燃焼式打込み工具は、特許文献1に示されるように、燃焼室で可燃性ガスと空気とをファンで撹拌混合して得た混合ガスに点火プラグからのスパークにより点火して爆発的に燃焼させ、この燃焼ガスのガス圧によって打撃ピストンを駆動して釘やネジ等のファスナの打ち込みを行うものである。このようなガス燃焼式打込み工具においては、燃焼室内に導入された燃料ガスの添加剤などによる燃焼残留物が点火プラグの中心電極に付着し、成長してその先端に溜まると、点火プラグの点火不良等を引き起す大きな原因になる。
【0003】
すなわち、ガスネイラにおいては、打ち込み後の打撃ピストンを確実に初期位置に戻すためにガス濃度の最適量を超える増量等が行われており、これにより通常の燃焼時においてさえも残留物が多く発生する状況となっており、残留物は燃焼室の壁部や点火プラグ等に付着するが、とりわけ燃焼室内における点火プラグの取付位置は撹拌ファンの風が届きにくい場所にあることから点火プラグに付着し易い。点火プラグは燃焼室の上部に下向きに配置されているので、点火プラグの中心電極に付着した残留物は比較的粘度が高いので、何度も燃焼を繰り返すうちに中心電極の外面を伝って少しずつ流下し、先端に達しても落下することなくしばらく先端に留まる。そこにさらに上から降りてきた残留物とくっつくので、だんだんと成長していき、ついには点火不良を引き起すのである。
【0004】
上述の不都合を解消するための一つの改良策が施された点火プラグとして、従来、スパークユニット電極(点火プラグの電極)の自由端、即ちスパーク射出先端部分(火花を飛ばす電極先端部)を、該スパークユニット電極を取付けるボスの下部表面から積極的に外側に突出させることで該電極の自由端周囲に凹部やポケット部が形成されないようにして、該電極の自由端周囲にオイルや塵埃を堆積させないことで電極を保護し、着火不良等の障害の発生を阻止するようにしたガスネイラの点火プラグが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特公平4−48589号公報
【特許文献2】特開2003−176773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1の電極保護策は凹部やポケット部に堆積するオイルや塵埃による電極の保護を対象にしており、突出させた電極先端部への残留物の付着防止という視点からの電極保護策は格別採られておらず、このような公知の電極保護策によっては上述の状況下にあるガスネイラの点火プラグにおける残留物の付着による着火不良等の障害の発生の解消は到底図ることはできない。
【0006】
本発明は、上述の課題の解決に着目してなされたガスネイラの点火プラグの改良策を提案するものであり、より具体的には点火プラグの電極に構造的改良を施すことで、上述の残留物がプラグの中心電極先端部に溜まるのを遅延させることにより、点火プラグの保守作業を減らすことができるガス燃焼式打込み工具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、工具本体内に配置された打撃シリンダに打撃ピストンを上下方向に摺動可能に設けるとともに、上記打撃シリンダの上部に設けられた可動スリーブを上下動させて上記打撃シリンダとその上方のシリンダヘッドとに当接、離間させることにより燃焼室を開閉可能とし、上記燃焼室で可燃性ガスと空気とをファンにより撹拌混合して得た混合ガスに、上記シリンダヘッドに配設された点火プラグにより点火して爆発的に燃焼させ、この高圧の燃焼ガスを上記打撃ピストンに作用させて衝撃的に駆動させ、打撃ピストンの下面側に結合されているドライバにより釘を打ち出すガス燃焼式打込み工具において、下向きになって外部に露出した上記点火プラグの中心電極の露出基部と先端との間に、上記混合ガスの燃焼後に残留した残留物を一時的に滞留させる滞留部を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記滞留部が環状の段差部であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1において、上記滞留部が環状凸部であることを特徴とする、請求項1に記載のガス燃焼式打込み工具。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3において、上記環状凸部が、上記中心電極に嵌合固定されたリングによって形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明は、下向きになって外部に露出した上記点火プラグの中心電極の露出基部と先端との間には、上記混合ガスの燃焼による残留物を一時的に滞留させる滞留部が設けられているので、残留物は中心電極を伝って下方へ徐々に流れていくが、滞留部において残留物はその表面張力により一旦溜まるように留まるので、中心電極の先端への到達は遅延される。したがって、中心電極の先端の汚損は遅延されるので、結果として点火プラグの寿命の延伸が図られる。また点火プラグの保守点検が行われる場合には、保守点検の回数を大幅に減らすことができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、上記滞留部が環状の段差部であるので、上記残留物は段差部の下面に滞留することになる。また、環状の段差部は機械加工によって簡単に形成することができる。なお、この段差部は多段にすれば、その滞留効果と汚損遅延効果もさらに高くなる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、上記滞留部が環状凸部であるので、上記残留物は環状凸部の上下面に滞留することになる。なお、この環状凸部は多段にすれば、その滞留効果も高くなる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、上記環状凸部は、上記中心電極に嵌合固定されたリングによって形成されているから、中心電極を直接に加工しなくても容易に環状凸部を形成することができる。また、リングを交換すればよいので、残留物の除去作業が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1及び図2において符号1はガス燃焼式打ち込み工具(釘打機)の工具本体を示す。この工具本体1には図示しないが、通常のガス燃焼式釘打機と同じようにグリップが連設され、工具本体1の下方には釘を打ち出すノーズ部とノーズ部内に釘を供給するマガジンが設けられ、また工具本体1の内部には打撃ピストン・シリンダ機構が設けられている。
【0016】
打撃ピストン・シリンダ機構は、打撃シリンダ3内に打撃ピストン4を摺動自在に収容するとともに、打撃ピストン4の下方にドライバ5を一体的に結合させたものである。
【0017】
次に、打撃シリンダ3の上部には燃焼室6が開閉可能に構成されている。燃焼室6は、上記打撃ピストン4の上端面と、打撃シリンダ3と上部ハウジング7の内部に形成されたシリンダヘッド8との間に上下動可能に配置されている可動スリーブ10によって形成されている。
【0018】
すなわち、シリンダヘッド8の底面には可動スリーブ10の上端を受ける受け溝11が形成され、この受け溝11の内側の内面にはシール部12が設けられている。同様に、打撃シリンダ3の上端の外側面にもシール部13が設けられている。
【0019】
可動スリーブ10は筒状に形成され、その上端の内側壁は内方に突出して突壁9を構成している。この突壁9の内面は上記シリンダヘッド8の上部シール部12と当接可能に形成されている。また、可動スリーブ10の下端14の内面は、打撃シリンダ3の上端の下部シール部13に当接可能に配置されている。
【0020】
ところで、シリンダヘッド8には、ガス容器に連通する噴射ノズル(図示せず)と、混合ガスに点火して燃焼させるための点火プラグ15が配置されている。また、上部ハウジング7には、燃焼室6内に噴射された可燃性ガスを燃焼室6内の空気と撹拌させて燃焼室6内で所定の空燃比の混合ガスを生成するための回転ファンFが設けられている。Mはファン用モータである。
【0021】
上記燃焼室構造においては、まず、釘の打ち込みに当たり、図示しないコンタクトアームを被打ち込み材に強く押しつけることに伴って可動スリーブ10を図1に示されるように、シリンダヘッド8の受け溝11に入り込むまで上方に移動させ、可動スリーブ10をシリンダヘッド8に設けられた上部シール部12と打撃シリンダ3に設けられた下部シール部13に当接させることにより密閉した燃焼室6が形成される。この燃焼室6内に噴射ノズルから可燃性ガスを噴射し、回転ファンFを回転させて可燃ガスと空気とを撹拌混合した後、トリガを引いて点火プラグ15で点火して爆発的に燃焼させる。これにより、打撃ピストン4が駆動されて下動して釘を打撃して被打込み材内に打込む。
【0022】
打ち込み後、燃焼室6内のガスが冷却されて燃焼室6が負圧になるので、打撃ピストン4は上動して、初期位置に復帰し、トリガを離すと、可動スリーブ10が下方に移動するので、可動スリーブ10の上下端は、それぞれシリンダヘッド8のシール部12と打撃シリンダ3の上端のシール部13から離れ、燃焼室6の上方には吸気口が、下方には排気口が開口形成され、次の打ち込みが準備される。
【0023】
ところで、点火プラグ15は、図2および図3に示されるように、磁器質などの絶縁材からなるプラグ本体15aの中心に金属製の中心電極16を固定したもので、中心電極16は所定長さの径大軸部16aと径小軸部16bとからなり、径小軸部16bの大部分がプラグ本体15a内に埋設されており、その埋設部の略中央部には複数の環状隆起部17が形成されている。中心電極16の先端(下端)18は先鋭に形成されている。そして、シリンダヘッド8に設けられた開口20にOリング等のシール材21を介して既述のように密封状態で圧入固定されている。このとき、中心電極16の先端18はシリンダヘッド8の延長部22に設けられた接地電極23に対向する。
【0024】
上記点火プラグ15は、中心電極16と接地電極23との間に高電圧を印加して気中放電が起こった際に発生するスパークを点火用に使用するもので、点火プラグ15の点火制御は、図示されないトリガレバーの操作に伴うトリガスイッチのオン、オフ作動に関連してイグナイタ(図示せず)を介して圧電導体から電極への高圧電流を供給することにより行われ、このためイグナイタはバッテリと電気的に接続されている。
【0025】
次に、上記中心電極16の下部はプラグ本体15aから露出しているが、その露出基部24と先端18との間には段差部25が環状に形成され、露出基部24よりも先端18部の方が小径に形成されている。
【0026】
ここで、上記構成において残留物Pが中心電極16に付着してからどのように先端18まで移動していくかについて説明する。
【0027】
残留物Pはヤニ状の粘度の高い流体で、中心電極16の露出部の大径部26の周面上部に付着すると、少しずつであるが中心電極16の周面を伝って中心電極16の先端18に向かって移動していく。ところが、図4(a)に示されるように、残留物Pが段差部25に至り、さらに段差部25を越えるとき、段差部25の下面に回り込む。段差部25の下面は水平方向になっている場合が多いので、残留物Pは上記下面に滞留する。上からは少しずつ次の残留物Pが移動してくるので、下面に滞留している残留物Pとくっつく。このように、段差部25の下面に滞留している間は残留物Pは下方に移動しにくいので、お互いにくっつきあって同図(b)に示されるようにだんだん大きくなる。このとき、残留物Pの分子間には表面積を小さくするように働く力、つまり表面張力が働くので、球状になって段差部25の下面に付着して大きくなっていく。大きくなった残留物Pの先端18はやがて中心電極16の小径部に達する。ところが、小径部27に達しても残留物Pがすぐ小径部27の周面を伝って下方に移動するわけではない。表面張力により残留物Pの分子間の結合が強い間は段差部25の下面の残留物Pと一体に結合したままになっている。やがて残留物Pが成長し、その一部が重力に耐えられなくなって小径部を伝って下方にゆっくりと移動し、最終的に中心電極16の先端18に達して溜まっていく。
【0028】
以上のように、中心電極16の露出した中間部分に段差部25を形成することにより、残留物Pがここに達すると、それ自体の移動速度が遅くなるほか、残留物Pの分子同士が結合して大きくなり、成長する間もここに滞留するから、段差部25に留まっている時間が長くなり、残留物Pが中心電極16の先端18まで移動して汚すまでの時間が遅延される。
【0029】
これに対し、中心電極16の外径が、従来のものと同じように、上から下まで同じである場合は、その周面に付着した残留物はそのまま周面を伝ってゆっくりと下りていく。しかも、下方に移動する中で残留物の上に残留物Pが付着して成長いくから、下にいくにつれて降下スピードは速くなるのである。
【0030】
また、点火プラグ15の保守点検の回数を大幅に減らすことが可能になり、メンテナンス面のコストの削減を図ることができる。
【0031】
ところで、上記段差部25は一段に限定されない。図5のように多段に形成してもよいことはもちろんである。この構造によれば、ガス残留物Pの中心電極16の先端18への到達速度をさらに遅延させることができる。
【0032】
また、上記段差部25は、上記混合ガスの燃焼による残留物Pを一時的に滞留させる滞留部であるが、このような滞留部は段差部25に限らない。例えば、図6に示されるように、小径部27に環状凸部28を形成する構成であってもよい。この構造によれば、上記残留物Pは環状凸部28の上下面に滞留することになるから、よりいっそう先端18への到達速度を大幅に遅延させることができる。
【0033】
さらに、図7に示されるように、上記環状凸部28は、上記中心電極16に嵌合固定されたワッシャのようなリング29によって形成するようにしてもよい。これによれば、中心電極16を直接に加工しなくても容易に環状凸部を形成することができる。また、リングを交換すればよいので、残留物Pの除去作業が不要となる。
【0034】
なお、上記環状凸部28は図8のように多段にすれば、その滞留効果も格段に高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の点火プラグを備えるガスネイラの主要構造部を示す縦断面図
【図2】図1のA−A線の要部の拡大縦断面図
【図3】本発明の実施形態における点火プラグの中心電極の側面図
【図4】(a)(b)は上記中心電極に燃焼残留物の滞留状態を示す説明図
【図5】点火プラグの中心電極の他の形態の側面図
【図6】点火プラグの中心電極のさらに他の形態の側面図
【図7】点火プラグの中心電極の別の形態の側面図
【図8】点火プラグの中心電極のさらに別の形態の側面図
【符号の説明】
【0036】
1 工具本体
3 打撃シリンダ
6 燃焼室
15 点火プラグ
25 段差部(滞留部)
【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【出願日】 平成18年8月22日(2006.8.22)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫


【公開番号】 特開2008−49411(P2008−49411A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−225632(P2006−225632)