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【発明の名称】 打込機
【発明者】 【氏名】西田 昌史

【氏名】丹治 勇

【要約】 【課題】片手で保持したまま壁面パネル裏面の柱の位置を正確に検知しながら打込作業を行うことができるとともに、センサユニットを衝撃から保護してその誤作動や損傷を防ぐことができる打込機を提供すること。

【構成】マガジン7に収容された複数本の釘(止具)を、壁面パネルとこれの裏面側に位置する柱に1本ずつ順次打ち込んで、壁面パネルを柱に打ち付けるための釘打機(打込機)1において、前記マガジン7の底面に、前記柱を検出するセンサと該センサの検出信号に基づいて駆動される表示手段を備えたセンサユニット11を着脱可能に取り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マガジンに収容された複数本の止具を、壁面パネルとこれの裏面側に位置する柱に1本ずつ順次打ち込んで、壁面パネルを柱に打ち付けるための打込機において、
前記マガジンの底面に、前記柱を検出するセンサと該センサの検出信号に基づいて駆動される表示手段を備えたセンサユニットを設けたことを特徴とする打込機。
【請求項2】
前記センサユニットをマガジンの底面に着脱可能に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の打込機。
【請求項3】
前記センサユニットを柱の幅方向に移動可能に取り付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の打込機。
【請求項4】
前記センサユニットに、止具の射出方向に対して垂直な面を射出口と略同じ高さに設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の打込機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、釘打機やネジ打機等の打込機に関するものであり、特に、壁面パネルをその裏面側に位置する柱に打ち付けるための打込機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築施工において、釘打機やネジ打機等の打込機によって木材等の柱の上にベニヤ合板や石膏ボード等の壁面パネルを釘止め或いはネジ止めする際には、壁面パネルの表面に柱の位置を表示する線を墨入れし、この墨入れされた線(墨線)を目標にして釘やネジ等の止具を打ち込んでいた。
【0003】
しかし、既成の家屋を改築する際に既設の壁面へ壁面パネルを打ち付ける場合等においては、壁の裏面側に位置する柱の位置が不明なまま作業しなければならないことが多く、壁面パネルを柱に常に正確に打ち付けることは容易ではなかった。
【0004】
又、新築工事であっても、工期の制限や人手不足等のために墨入れ作業を省略して釘打ち或いはネジ打ち作業を行う場合があり、このような場合には、一般に作業者が壁面パネルの表面を叩いてその音響や感触によって柱の位置を判断しながら釘やネジ等を打ち込んでいる。
【0005】
しかし、上記方法は専ら作業者の感覚に頼るものであるため、正確を期し難いという問題があった。
【0006】
そこで、非金属桟を検出する近接センサと金属桟を検出する金属センサを打込機のノーズの先端部に取り付け、これらのセンサによって壁面パネルの裏面に位置する桟(柱)が金属製であるか非金属製であるかを検出する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3289577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載された打込機においては、繊細なセンサを大きな衝撃が発生するノーズの先端部に取り付けており、又、桟(柱)の検出が不要な場合であってもセンサが常時取り付けられているため、センサが衝撃によって誤作動したり、損傷する等の問題が発生する。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、片手で保持したまま壁面パネル裏面の柱の位置を正確に検知しながら打込作業を行うことができるとともに、センサユニットを衝撃から保護してその誤作動や損傷を防ぐことができる打込機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、マガジンに収容された複数本の止具を、壁面パネルとこれの裏面側に位置する柱に1本ずつ順次打ち込んで、壁面パネルを柱に打ち付けるための打込機において、前記マガジンの底面に、前記柱を検出するセンサと該センサの検出信号に基づいて駆動される表示手段を備えたセンサユニットを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記センサユニットをマガジンの底面に着脱可能に取り付けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記センサユニットを柱の幅方向に移動可能に取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記センサユニットに、止具の射出方向に対して垂直な面を射出口と略同じ高さに設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、打込機を保持したまま、センサユニットによって柱の位置を正確に検知して釘打ち等の作業を連続的に行うことができ、止具の打込位置の誤認による取付不良の防止と作業能率の向上を図ることができる。又、センサユニットをマガジンの底面に設けたため、打込時のセンサユニットへの衝撃が軽減されて該センサユニットの誤作動や破損が防がれるとともに、射出口付近の視認性がセンサユニットによって阻害されることもない。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、センサユニットをマガジンの底面に着脱可能に取り付けたため、センサユニットが打込作業の邪魔になるような場合、例えば、被打込材の面上に凸障害物がある場合や、部屋の隅部に打込機をマガジン側に傾けて打ち込む場合等には、センサユニットを打込機から取り外して打込作業を行うことができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、センサが間柱端部を検出した時点で起動操作を行えば柱の幅方向中心に止具を打込むようにセンサユニットの位置を調整することができるため、連続して打込作業を行う際に打ち込み毎に柱の中心位置を確認する手間を省くことができ、作業性及び作業効率を著しく高めることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、打込機の射出部が被打込材に対して略垂直な姿勢に保持されるため、安定して止具を被打込材に対して垂直に正確に打ち込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明に係る打込機の一形態として空気式釘打機の側面図、図2は同空気式釘打機のセンサユニット取付部の破断側面図、図3は同空気式釘打機のセンサユニット取付部の底面図、図4はセンサユニットを取り外した状態を示す空気式釘打機の側面図、図5は同空気式釘打機の打込姿勢を示す側面図である。
【0019】
図1に示す空気式釘打機1は、グリップ部3が一体に形成された側面視略横T字状のハウジング2を備えており、グリップ部3の後端部には、不図示のエアホースを接続するためのエアプラグ4が設けられている。
【0020】
又、ハウジング2の下部にはノーズ部5が取り付けられており、このノーズ部5には、釘を被打込材である壁面パネルW1(図5参照)に向けて案内するための射出口6が形成されている。そして、ノーズ部5には、多数の釘を連結してコイル状に巻回して成る不図示の連結釘を収容するための円筒状のマガジン7が連結されており、このマガジン7とノーズ部5との間に形成された釘供給ガイド8には供給機構が設けられている。この供給機構によって前記マガジン7内の連結釘の釘が釘供給ガイド8に沿ってノーズ部5の射出口6内へと1本ずつ順次供給される。
【0021】
ところで、図示しないが、前記ハウジング2内には、ピストン、シリンダ等で構成された駆動機構が収容されており、ピストンにはドライバブレードが連結されている。このドライバブレードは、前記ノーズ部5の射出口6内で摺動自在に案内されており、前記駆動機構によってドライバブレードを駆動することによって、射出口6内に供給された釘がノーズ部5の先端方向へ打ち出される。
【0022】
又、ノーズ部5の先端部には、被打込材である壁面パネルW1の表面に当接して作動するコンタクト部材9が射出口6の先端方向に突出して配置されており、このコンタクト部材9が被打込材の表面に押し当てられて摺動操作されるとともに、グリップ部3の基部に配置されたトリガレバー10が手によって操作されると、釘打機1が起動されて釘打動作が開始される。
【0023】
而して、本実施の形態では、図1〜図3に示すように、マガジン7の底面には、センサユニット11が着脱可能に取り付けられている。
【0024】
図2に示すように、上記センサユニット11には、壁面パネルW1の裏面側に位置する柱W2(図5参照)を検出するセンサ12と、検出時の表示手段としてセンサ12の検出信号に基づいて駆動される発光器13及び警報器14が内蔵されている。
【0025】
図2に示すように、センサユニット11の筐体の上面はマガジン7の傾きに合わせて傾斜した斜面を成して下り、この上面には円柱状のボス15が一体に突設されている。そして、このボス15の外周にはガイド部材16がボス15に沿って摺動可能に挿通嵌合しており、ボス15の上端面には抜け止め用の保持部材17が螺着されている。又、保持部材17とガイド部材16と間にはスプリング18が縮装されおり、ガイド部材16は、スプリング18によってセンサユニット11側に常時付勢されている。
【0026】
他方、マガジン7の底面には、前記ガイド部材16の両端部をスライド可能に係合保持するための横断面L字状の2本のガイドレール19が図3に示すようにグリップ部3に対して略直角方向に突設されており、これらのガイドレール19にガイド部材16を図3の上又は下方向から嵌合させることによって、センサユニット11がマガジン7に着脱可能に取り付けられる。
【0027】
又、上記ガイドレール19の下面には、図2及び図3に示すように、係合歯19aが刻設されており、図2に示すように、センサユニット11の筐体の上面には、ガイドレール19の下面に刻設された前記係合歯19aに噛合する凸部20が一体に突設されている。
【0028】
前述のようにセンサユニット11に保持されたガイド部材16をマガジン7側のガイドレール19に図3の上下方向から嵌合させてセンサユニット11をマガジン7に取り付ける際、該センサユニット11に突設された凸部20がガイドレール19に刻設された係合歯19aを乗り越える毎にセンサユニット11がスプリング18の付勢力に抗してマガジン7及びガイド部材16に対して上下に移動し、これによってセンサユニット11のガイドレール19に沿う図3の矢印方向の移動が許容される。そして、センサユニット11の移動を適当な位置で停止すると、該センサユニット11に突設された凸部20がガイドレール19の下面に形成された係合歯19aに噛合してセンサユニット11がその位置に固定される。
【0029】
而して、建築現場において図5に示すようにベニア合板や石膏ボード等の壁面パネルW1をその裏面側に位置する柱W2に打ち付ける場合には、釘打機1を、これに取り付けられたセンサユニット11の底面である走査面11aを壁面パネルW1の表面に沿わせながら移動させる。ここで、センサユニット11の走査面11aは、これが図5に示すように壁面パネルW1の表面に密着した場合に、釘打機1の釘の射出方向に対して垂直な面を成しており、その高さは射出口6と略同じ高さに設定されている。
【0030】
従って、釘打作業に際して図5に示すようにセンサユニット11の走査面11aとノーズ部5の先端部とを壁面パネルW1に当接させたとき、ノーズ部5が壁面パネルW1に対して略垂直の姿勢に保持されるため、釘を壁面パネルW1と柱W2に略垂直に正確に打ち込むことができる。そして、センサユニット11の走査面11aを壁面パネルW1に接触させながら釘打機1を移動させれば、センサユニット11に内蔵されたセンサ12の正面に間柱W2が位置したときに発光器13が発光するとともに、警報器14が鳴るため、作業者は、その位置で釘打機1を起動させて釘を壁面パネルW1を介して柱W2に打ち込むことができる。
【0031】
ところで、上述のようにセンサユニット11のセンサ12が柱W2を検出を開始する位置は間柱W2の幅方向端部付近であるため、柱W2の幅方向中心に釘を打ち込むためには、打ち込み毎に間柱W2を左右から走査し、柱W2の幅と中心位置を確認しながら作業を行う必要があり、多大な時間と手間が掛かる。
【0032】
そこで、釘打作業を行う前に、柱W2の端部の検出位置と柱W2の幅方向中心との距離を確認し、その距離分だけセンサユニット11を左右方向(柱W2の幅方向)にオフセットさせてマガジン7に取り付け、その状態で柱W2を走査し、発光器13と警報器14が駆動を開始した位置で釘打機1の起動操作を行うようにすれば、柱W2の幅方向中心に釘を正確に作業性良く効率的に打ち込むことができる。尚、センサユニット11のオフセットは、該センサユニット11をそのままガイドレール19に沿って移動させることによって容易になされる。即ち、センサユニット11に突設された凸部20がガイドレール19に刻設された係合歯19aを乗り越える毎にセンサユニット11がスプリング18の付勢力に抗してマガジン7及びガイド部材16に対して上下に移動し、これによってセンサユニット11のガイドレール19に沿う移動が許容される。そして、センサユニット11の移動を適当な位置で停止すると、該センサユニット11に突設された凸部20がガイドレール19の下面に形成された係合歯19aに噛合してセンサユニット11がその位置に固定される。
【0033】
又、例えば、被打込材である壁面パネルW1の面上に凸障害物がある場合や、部屋の隅部に打込機1をマガジン7側に傾けて打ち込む場合等にはセンサユニット11が打込作業の邪魔になるが、このような場合には、センサユニット11を図4に示すように釘打機1(マガジン7)から取り外せば、釘打作業を作業性良く行うことができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、打込機1を保持したまま、センサユニット11によって柱W2の位置を正確に検知して釘打作業を連続的に行うことができ、釘の打込位置の誤認による取付不良の防止と作業能率の向上を図ることができる。
【0035】
又、センサユニット11をマガジン7の底面に設けたため、打込時のセンサユニット11への衝撃が軽減されて該センサユニット11の誤作動や破損が防がれるとともに、射出口6付近の視認性がセンサユニット11によって阻害されることもない。
【0036】
更に、センサユニット11をマガジン7の底面に着脱可能に取り付けたため、センサユニット11が打込作業の邪魔になるような場合には、センサユニット11を打込機1から取り外して打込作業を行うことができる。
【0037】
又、打込機1の射出部であるノーズ部5が被打込材である壁面パネルW1に対して略垂直な姿勢に保持されるため、釘を壁面パネルW1に対して垂直に正確に打ち込むことができる。
【0038】
尚、以上は本発明を空気式釘打機に適用した形態について説明したが、本発明は、電動式、燃焼式釘打機に対しても同様に適用可能であるとともに、釘打機以外のピン、ネジ、ステープル等の他の止具を打ち込むための他の任意の打込機に対しても適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る空気式釘打機の側面図である。
【図2】本発明に係る空気式釘打機のセンサユニット取付部の破断側面図である。
【図3】本発明に係る空気式釘打機のセンサユニット取付部の底面図である。
【図4】本発明に係る空気式釘打機のセンサユニットを取り外した状態を示す側面図である。
【図5】本発明に係る空気式釘打機の打込姿勢を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 空気式釘打機(打込機)
2 ハウジング
3 グリップ部
4 エアプラグ
5 ノーズ部
6 射出口
7 マガジン
8 釘供給ガイド
9 コンタクト部材
10 トリガレバー
11 センサユニット
11a 走査面
12 センサ
13 発光器(表示手段)
14 警報器(表示手段)
15 ボス
16 ガイド部材
17 保持部材
18 スプリング
19 ガイドレール
19a 係合歯
20 凸部
W1 壁面パネル
W2 柱
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−23602(P2008−23602A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195030(P2006−195030)