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【発明の名称】 印刷物を綴付けるための綴じ装置
【発明者】 【氏名】ヨーゼフ カイスト

【要約】 【課題】印刷物を綴付けるための綴じ装置において耐用期間を延長するとともにコストを低減する。

【構成】綴じ装置は、綴じ針を予め成形して製品の背部に貫通させる綴じヘッド(2)と、前記綴じ針の自由端を折り曲げる折り曲げフィン(20)を有する折り曲げ機構(3)を備えている。綴じヘッドの少なくとも1つの部品を少なくとも部分的にセラミックから製造する。部品は焼結された成形部品とし、セラミックは好適には酸化セラミックとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴じ針を予め成形して製品の背部に貫通させる駆動機構(16)とベンダ(17)とからなる綴じヘッド(2)と前記綴じ針の自由端を折り曲げる折り曲げフィン(20)を有する折り曲げ機構(3)を備えた綴じ装置であり、綴じヘッドの少なくとも1つの部品を少なくとも部分的にセラミックから製造することを特徴とする綴じ装置。
【請求項2】
部品は焼結された成形部品とすることを特徴とする請求項1記載の綴じ装置。
【請求項3】
部品は酸化セラミックから形成することを特徴とする請求項1または2記載の綴じ装置。
【請求項4】
部品は混合酸化セラミックから形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の綴じ装置。
【請求項5】
部品は互いに固定的に結合した少なくとも2つの部品から形成し、そのうち1つの部品をセラミックから製造し、他方の部品を特に鋼材あるいは硬質合金等の別の材料から製造することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の綴じ装置。
【請求項6】
部品は駆動機構(16)、折り曲げフィン(20)、ベンダ(17)、心合せ脚部、押し棒(19)、ワイヤノズル(12)、ワイヤガイド(11)、ワイヤカッタ(13)、ワイヤ整経アーム、あるいは歯車(14)等の摩耗部品であることを特徴とする請求項5記載の綴じ装置。
【請求項7】
部品は射出成形部品であることを特徴とする請求項1および請求項3ないし6のいずれかに記載の綴じ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、綴じ針を予め成形して製品の背部に貫通させる駆動機構とベンダとからなる綴じヘッドと前記綴じ針の自由端を折り曲げる折り曲げフィンを有する折り曲げ機構を備えた綴じ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の綴じ装置は例えば折畳まれた紙葉を綴付けるための中綴じ機に関して知られている。例えばその種の中綴じ機内において折り畳まれた紙葉は集積ベルト上を搬送され、その上で馬乗り状に収容されている。ここで綴じヘッドは集積ベルトとその下にある折り曲げ装置の上方に位置している。綴じヘッド内において針断片の自由端がベンダによって折り曲げられ、両方の端部が駆動機構によって製品背部を貫通して挿入される。その後それらの自由端が折り曲げ装置によって90°折り曲げられ、従ってそれらの端部は製品背部に対して平行に延在して綴じ針が閉じた状態になる。
【0003】
この種の綴じ装置は、例えばスイス国特許出願公開第549443号明細書によって知られている。この装置によれば折り畳まれた紙葉がアイレットステープラによって綴付けられる。別の綴じ装置がスイス国特許出願公開第662987号明細書および欧州特許出願公開第0958942号明細書によって開示されている。
【0004】
前述した種類の綴じ装置において、特に可動部および高加速動作部に強い負荷がかかる。従って、この種の部品は一定時間後に交換する必要がある。鋼材および硬質合金等の高価な部品を使用することによって、摩耗を低減し従って保守費用を削減することが以前から試みられている。また、これらの部品は特に動作信頼性の観点から高い形状精度を有する必要がある。このことを達成するためにこれらの部品は従来工具鋼または硬質合金から製造されていた。硬質合金によって製造された部品が極めて長期間の耐用性を有するため好適である。しかしながら、硬質合金は破損し易く既に組み立てあるいは搬送に際して破損する危険性がある。加えて、この部品は比較的高価格である。
【0005】
【特許文献1】スイス国特許出願公開第549443号明細書
【特許文献2】スイス国特許出願公開第662987号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0958942号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、上記の問題点を克服することができる前述した種類の綴じ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題は、本発明に係る綴じ装置によって、少なくとも1つの部品の少なくとも一部分をセラミックから形成することによって解決される。セラミック製の部品の使用によって耐用期間を大幅に延長することができる。このことは特に、駆動機構、ベンダ、および折り曲げ装置あるいは折り曲げ装置の部品等の高い性能を求められる部品に該当する。実験の結果、これらの部品が800万回の綴じ動作後においても殆ど損傷を受けないことが示された。加えて、極めて安定した材料品質のため検査コストも低減し得ることが極めて好適である。そのようなセラミック製の部品は衝撃に対して脆弱でないため、硬質合金と比べて殆ど破損が生じない。これらの部品が高い加速度に曝された場合も、鋼材に比べて低い密度のため比較的小さな力しか作用しない。別の重要な利点は、高い表面品質、均一かつ安定した硬度、高い耐熱性、低い熱膨張率、均一な構造、ならびに低い製造コストである。さらに、セラミックはその他の材料と組み合わせ可能であることも好適である。従って、部品をセラミックと鋼材あるいは硬質合金から製造することができる。
【0008】
本発明の追加構成によれば、セラミックから形成された部品は焼結された成形部品とされる。それによって極めて高い形状精度とまた特に高い動作信頼性を達成することができる。従って交換用部品を古い部品に対して完全に整合させることができる。
【0009】
本発明の追加構成によれば、部品は酸化セラミックから形成される。酸化セラミックを使用したセラミック部品によって、極めて高い耐久性を達成することができる。このことは、本発明の追加構成によって混合酸化セラミックから部品を形成した場合にも該当する。混合酸化セラミックの一例はチタン酸アルミニウムである。
【0010】
本発明の一追加構成によれば、1つの部品を互いに固定的に結合した少なくとも2つの部品から形成し、そのうち1つの部品をセラミックから製造し、他方の部品を特に鋼材あるいは硬質合金等の別の材料から製造する。ここでセラミックは特に大きな負荷がかかり摩耗の危険性が高い領域に適用する。
【0011】
セラミック製の部品は特に駆動機構、折り曲げフィン、ベンダ、心合せ脚部、押し棒、ワイヤノズル、ワイヤカッタ、あるいはワイヤ整経アームとされる。これらの部品は一般的に大きな負荷がかかり高い摩耗に曝されている。さらにこれらは綴じ動作毎に比較的高い加速度に曝される。この種のセラミック製の部品の製造に際して既に耐用時間を延長することができ、保守を容易にすることができる。
【0012】
本発明の一追加構成によれば、セラミック製の部品はセラミック射出成形部品とされる。この種の部品は大量生産においても比較的低コストかつ高い形状精度をもって製造することができる。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、以下に記述する詳細な説明ならびに添付図面によって明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明に係る綴じ装置の実施例につき添付図面を参照しながら説明する。
【0015】
綴じ装置1はケース部材4を備え、その上に少なくとも1つの綴じヘッド2が取り付けられている。この綴じヘッド2は例えば中綴じ機内においてここでは図示されていない既知の集積ベルトの上方に位置している。この集積ベルトの下方には折り曲げ機構3が配置されている。綴じヘッド2と折り曲げ機構3との間には図示されていない、綴じられる印刷物、例えば折畳まれた紙葉が存在している。
【0016】
綴じヘッド2内においてワイヤ5がここでは図示されていない綴じ針に予め成形される。このワイヤ5はここでは図示されていないローラから引き出されて湾曲した管11を介してワイヤノズル12に供給される。
【0017】
ワイヤ5の搬送のためにフレーム4上に2つの推進ローラ6および7が取り付けられており、これらは軸9あるいは10周りで回転するように駆動される。レバー8を使用して推進ローラ6を手動で回転させることができる。ワイヤノズル12の上方において整経アーム14上にワイヤカッタ13が配置されている。これによってワイヤ5がワイヤ断片に切断され、その断片からそれぞれ綴じ針が既知の方式で形成される。このため、駆動タペット15によって駆動機構16と2つのベンダ17が垂直に駆動される。ベンダ17によって切断されたワイヤ断片の両方の自由端が下方に向かって90°折り曲げられる。
【0018】
ベンダ16は駆動機構16によって予め成形された綴じ針が製品背部内に挿入される。その後折り曲げ機構3によって下方に向かって突出している端部が90°折り曲げられ、従って製品背部に対して平行に延在するようになる。それによって綴じ針が閉鎖される。そのため折り曲げ機構3は旋回可能に支持部材18上に取り付けられた2つの折り曲げフィン20を備えている。これらは図4に示されているように互いに左右対称に配置されており、いずれも軸21周りを制限付で旋回可能となっている。この旋回動作は、垂直に摺動可能に設置されるとともに駆動体22によって両方の折り曲げフィン20の間に係合している押し棒19によって実施される。押し棒19が下方に移動すると、アーム23を介して両方の折り曲げフィン20が旋回する。駆動体22は図5bに示されているようにアーム23の内面25上に係合する。
【0019】
折り曲げフィン20は、いずれもV字型の溝部26を有しており、これは図4に示された状態において製品の搬送方向に平行に延在している。既知の方式に従って、溝部26は予め成形されていて折り曲げられる綴じ針の自由端を誘導するよう作用する。そのため、押し棒19によって折り曲げフィン20が図4に示された位置に旋回する。折り曲げフィン20は取り付けのために開口部24を備えている。綴じ動作に際して綴じられる印刷物が垂直に動作可能な支持部材27によって安定化される。
【0020】
図6に示されているように駆動機構16は板状に形成されるとともに駆動タペット15上に固定するための2つの開口部28および29を備えている。駆動体16は垂直動作を誘導するために側方に突出した2つのガイド部材30を備えている。その下面には縁部31が設けられていてその上に予め成形されて打ち込まれる綴じ針が装填される。図示されているように、折り曲げフィン20および駆動機構16は特に大きな負荷がかかる部品であり、これらには綴じ動作に際して高い加速度がかかる。同様に大きな負荷がかかるとともに部分的に加速度もかかるものは、ベンダ17、押し棒19、ワイヤノズル12、ワイヤカッタ13、ならびにワイヤ整経アーム14である。それらの部品のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に工業用セラミックから形成される。このセラミックは酸化セラミック、特に混合酸化セラミックとすることが好適である。酸化セラミックは通常90%超が単相かつ単一成分の酸化金属からなる。この酸化金属は例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または酸化ジルコニウムとすることができる。好適な混合酸化セラミックの一例はチタン酸アルミニウムである。しかしながら、その他の酸化セラミックあるいは混合酸化セラミックも知られている。
【0021】
セラミックの製造はセラミック射出成形(CIM)によって行うことが好適である。この射出成形において極めて微細なセラミック粉末が樹脂と同様に射出することができる熱可塑性の結合剤と混合される。型から取り出した後中間製品を加熱分解および焼結する。この焼結は、通常3つのステップからなる加工プロセスである。考えられるものは、例えばダイアモンド工具を使用した研磨による最終工程である。この種の部品の重要な利点は、工具鋼と比べて高くかつ長期間の経常安定性と安定した材料品質である。硬質合金と比べると、部品が破損に対して殆ど脆弱でなく、組み立てに際して破損する危険性が殆ど無いという利点を有している。硬質合金と異なって表面に亀裂が生じることはない。別の利点は、例えば5kg/dmの鋼材と比べて小さな密度、良好なドライラン特性、ならびに高くかつ安定した表面品質である。加えて、耐熱特性および小さな熱膨張性も利点である。
【0022】
前述したセラミックからなる部品の別の好適な適用分野は、その他の印刷加工用の装置および機械において大きな負荷がかかる部品全般である。それには、特にスタッカ、製品ラベル付け装置、差し込み紙葉挿入装置等が挙げられる。部品の例としては、グリッパ、締め付け装置、グリッパ支台、ノズル、溝車および穿孔車、ならびにレバー、ノッチ、吸引部材が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る綴じ装置の部分的に切断した構成図である。
【図2】本発明に係る綴じ装置を別の角度から見た構成図である。
【図3】本発明に係る綴じ装置を示した立体構成図である。
【図4】本発明に係る綴じ装置の一部を示した立体構成図である。
【図5a】折り曲げフィンを示した立体構成図である。
【図5b】折り曲げフィンを示した立体構成図である。
【図6】駆動機構を示した立体構成図である。
【符号の説明】
【0024】
1 綴じ装置
2 綴じヘッド
3 折り曲げフィン
4 ケース部材
5 ワイヤ
6,7 推進ローラ
8 レバー
9,10 軸
12 ワイヤノズル
13 ワイヤカッタ
14 整経アーム
15 駆動タペット
16 駆動機構
17 ベンダ
18 支持部材
19 押し棒
20 折り曲げフィン
21 軸
22 駆動体
23 アーム
24 開口部
25 内面
26 溝部
27 支持部材
28,29 開口部
30 ガイド部材
31 縁部
【出願人】 【識別番号】502254615
【氏名又は名称】ミュラー マルティーニ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト
【出願日】 平成19年6月23日(2007.6.23)
【代理人】 【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄


【公開番号】 特開2008−891(P2008−891A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−165702(P2007−165702)