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【発明の名称】 打込機
【発明者】 【氏名】飯島 義光

【氏名】石沢 禎紀

【氏名】石井 雅志

【要約】 【課題】ドライバブレードとピストンの耐久性向上を図ることができる打込機を提供すること。

【構成】シリンダ内を往復動するピストン11と、該ピストン11と共に往復動して止具を打撃するドライバブレード12を備え、該ドライバブレード12の一端を前記ピストン11に形成されたスリット11aに嵌合させ、該ドライバブレード12と前記ピストン11にそれぞれ形成された孔12a,11bに圧入されるピストンピン13によってドライバブレード12の一端をピストン11に連結して成る打込機において、前記ピストンピン13の外周部に、該ピストンピン13の軸方向中間部から挿入側端面13aに至る斜面部13bを形成するとともに、該斜面部13bの軸方向長さxを前記ピストン11に形成されたスリット11aの幅bよりも大きく設定する(x>b)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンと共に往復動して止具を打撃するドライバブレードを備え、該ドライバブレードの一端を前記ピストンに形成されたスリットに嵌合させ、該ドライバブレードと前記ピストンにそれぞれ形成された孔に圧入されるピストンピンによってドライバブレードの一端をピストンに連結して成る打込機において、
前記ピストンピンの外周部に、該ピストンピンの軸方向中間部から挿入側端面に至る斜面部を形成するとともに、該斜面部の軸方向長さを前記ピストンに形成されたスリットの幅よりも大きく設定したことを特徴とする打込機。
【請求項2】
前記斜面部をピストンピンの挿入側端面に向かって軸中心側に傾斜するテーパ面とするとともに、前記ドライバブレードの前記ピストンのスリットに嵌合する側の端面から孔の中心までの距離を、前記ピストンのスリット端面から孔の中心までの距離よりも大きく設定し、ピストンのスリットにドライバブレードを静的に挿入したときにドライブブレードの孔の中心がピストンの孔の中心に対してピストンのスリット入口側に偏心するようにしたことを特徴とする請求項1記載の打込機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンと共に往復動するドライバブレードによって釘やステープル等の止具を打ち込むための打込機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピストンと共に往復動するドライバブレードによって釘やステープル等の止具を打ち込むための打込機においては、図7に示すように、プレート状のドライバブレード112は、その一端がピストン111に形成されたスリット111aに嵌合され、ピストン111に圧入されるピストンピン113によってピストン111に連結されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
ここで、ドライバブレード112をピストンピン113によってピストン111に連結する過程を図8〜図11に基づいて説明する。尚、図8〜図11はピストンへのドライバブレードの連結方法をその工程順に示す断面図である。
【0004】
図8に示すように、ピストン111の下部には、軸中心を通るスリット111aが図8の紙面垂直方向に貫設されるとともに、該スリット111aを通過する円孔111bがスリット111aに対して軸直角方向(図8の横方向)に貫設されている。又、ドライバブレード112の端部には、ピストン111に形成された円孔111bと同径の円孔112aが貫設されている。
【0005】
而して、ドライバブレード112をピストン111に連結するには、図8に示すように、ドライバブレード112の一端をピストン111のスリット111aに嵌め込む。このとき、ピストン111の円孔111bの中心とドライバブレード112の円孔112aの中心が交差の範囲でずれるため、ピストン111のスリット111aにドライバブレード112の一端を嵌め込んだときにピストン111の円孔111bとドライバブレード112の円孔112aとの間には図示のような段差部A,Bが不可避的に形成される。
【0006】
上記状態において、ピストンピン113を図8に示すようにピストン111の円孔111bに挿入していくと、該ピストンピン113の挿入側端面113aが先ず段差部Aに接触するためにピストンピン113が円孔111b内で傾く。即ち、ピストンピン113は、その挿入側端面113aが図9において下方に向くよう傾く。そして、この傾いたピストンピン113をそのままドライバブレード112の円孔112aとピストンピン111の円孔111bに強引に挿入すると、該ピストンピン113の挿入側端部113aが図10に示すように次の段差部Bに接触する。
【0007】
その後もピストンピン113を更に押し込むと、ピストンピン113は、図11に示すように、傾いたままピストン111に圧入され、該ピストンピン113の挿入側端面113aによってピストン111の円孔111bの内面が抉り取られたり、ドライバブレード112とピストンピン111の外周面が擦れて傷付きながらドライバブレード112がピストン111に連結される。
【特許文献1】特開昭58−090475号公報
【特許文献2】特開昭60−062471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、図11に示すように傾いたピストンピン113によってピストン111に連結されたドライバブレード112によって釘等の打込動作を行うと、打込時にピストン111が不図示のピストンバンパに衝突して慣性力が発生したときに、ピストン111の円孔111bの内面に発生した抉れ傷やドライバブレード112の円孔112aに発生した傷に応力集中が発生し、これによってドライバブレード112やピストン111が破損する可能性があった。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ピストンピンによるドライバブレードのピストンへの連結部に応力集中が発生するのを防いでドライバブレードとピストンの耐久性向上を図ることができる打込機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンと共に往復動して止具を打撃するドライバブレードを備え、該ドライバブレードの一端を前記ピストンに形成されたスリットに嵌合させ、該ドライバブレードと前記ピストンにそれぞれ形成された孔に圧入されるピストンピンによってドライバブレードの一端をピストンに連結して成る打込機において、前記ピストンピンの外周部に、該ピストンピンの軸方向中間部から挿入側端面に至る斜面部を形成するとともに、該斜面部の軸方向長さを前記ピストンに形成されたスリットの幅よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記斜面部をピストンピンの挿入側端面に向かって軸中心側に傾斜するテーパ面とするとともに、前記ドライバブレードの前記ピストンのスリットに嵌合する側の端面から孔の中心までの距離を、前記ピストンのスリット端面から孔の中心までの距離よりも大きく設定し、ピストンのスリットにドライバブレードを静的に挿入したときにドライブブレードの孔の中心がピストンの孔の中心に対してピストンのスリット入口側に偏心するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ピストンピンの外周部に斜面部を形成し、その長さをピストンのスリットの幅よりも大きくしたため、ピストンの孔とドライバブレードの孔との間には段差部が存在する場合であっても、ピストンピンの挿入側端面が段差部に接触して傾く前に該ピストンピンの挿入側端部がピストンの孔によって迎え入れられ、その間、ピストンピンと段差部の接触は、ピストンピンに形成された斜面部によって回避されるため、ピストンピンは傾くことなくピストンとドライバブレードの孔にスムーズに圧入されてドライバブレードをピストンに連結する。このため、打込時にピストンがピストンバンパに衝突して慣性力が発生したときであっても、ドライバブレードのピストンへの連結部に応力集中が発生することがなく、ドライバブレードとピストンの破損が防がれてそれらの耐久性が高められる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、ピストンピンをピストンとドライバブレードの孔に挿入する過程で、該ピストンピンに形成されたテーパ状の斜面部による楔作用によってドライバブレードがピストンのスリット内でスリット端面側(反スリット入口側)に移動し、その端面がピストンのスリット端面に押圧されるため、打込時の衝突荷重がピストンのスリット端面で受けられる。このため、ドライバブレードとピストンピンが受ける荷重が軽減され、ドライバブレードとピストンピンの更なる耐久性向上が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明に係る打込機の一形態としての空気式釘打機1の破断側面図であり、図示の釘打機1は、側面視略T字状を成すボディ2を備えており、このボディ2の上端開口部にはエキゾーストカバー3が気密に被着されている。又、ボディ2内には蓄圧室S1が形成されており、ボディ2のハンドル部2aの後端部には、不図示のエアホースを接続するためのエアプラグ4が設けられている。
【0016】
更に、ボディ2には、多数本の釘5を収容することができるマガジン6が装着されるとともに、トリガ7によって上下動するプランジャ8を備えるトリガバルブ9が設けられている。
【0017】
又、ボディ2内にはシリンダ10が設けられており、このシリンダ10内にはピストン11が上下摺動可能に嵌挿されている。そして、ピストン11には、プレート状のドライバブレード12の一端がピストンピン13によって連結されており、ドライバブレード12は、シリンダ10内を垂直下方へ延びている。又、シリンダ10内はピストン11によってピストン上室S2とピストン下室S3とに区画されており、シリンダ10内の底部には、ゴム等の弾性体から成るピストンバンパ14が設けられている。
【0018】
更に、ボディ2内のシリンダ10との間の下半部には、隔壁15によって区画された円筒状の戻り空気室S4が形成されており、シリンダ10の戻り空気室S4の一部を構成する部分の上下には空気孔16,17がそれぞれ周方向に複数形成されており、上方の空気孔16には、ピストン上室S2からの圧縮空気の戻し空気室S4方向への流れのみを許容する逆止弁18が設けられている。
【0019】
他方、前記エキゾーストカバー3内には、前記シリンダ10の上面に対して接離するメインバルブ19が上下摺動可能に設けられており、該メインバルブ19は、スプリング20によって常時下方(シリンダ10の上端面に密着する方向)に付勢されている。そして、このメインバルブ19とエキゾーストカバー3との間にはメインバルブ室S5が画成されており、このメインバルブ室S5は、空気通路21を介して前記トリガバルブ9に連通しており、後述のようにトリガバルブ9によって前記蓄圧室S1又は大気に選択的に連通せしめられる。又、エキゾーストカバー3には、大気中に開口する排気孔22が形成されており、この排気孔22は、メインバルブ19によって開閉されて前記シリンダ上室S2に選択的に連通される。
【0020】
更に、ボディ2の先端部には、釘5を案内するためのノーズ23が取り付けられるとともに、該ノーズ23に沿って上下方向に移動可能なプッシュレバー24が設けられており、ノーズ23には前記マガジン6から供給された釘5を1本ずつ打ち込むための射出口25が形成されている。尚、プッシュレバー24は、前記トリガ7のアームプレート26に連結されている。
【0021】
次に、以上の構成を有する釘打機1の作用を説明する。
【0022】
図示の木材等の被打込材Wへの釘打作業に際して、エアプラグ4に不図示のエアホースを接続すると、コンプレッサ等の不図示の圧力供給源から圧縮空気がエアホースを経て釘打機1のボディ2内の蓄圧室S1に供給されて蓄積され、その一部は、空気通路21を通ってメインバルブ室S5に流入する。
【0023】
メインバルブ室S5に流入した圧縮空気は、その圧力でメインバルブ19を図1に示すようにスプリング20と共にシリンダ10の上端面に密着させてシリンダ10内のピストン上室S2と蓄圧室S1との連通を遮断し、蓄圧室S1内の圧縮空気のピストン上室S2への流入を防ぐため、ピストン11は静止したままの状態を保ち、釘打作業はなされない。
【0024】
次に、トリガ7の引き動作とプッシュレバー24の被打込材Wへの押し当て動作の双方がなされると、アームプレート26とトリガ7のリンク機構によってプランジャ8が押されてトリガバルブ9がONされ、メインバルブ室S5の圧縮空気が空気通路21を通って大気中に排出される。すると、メインバルブ19が蓄圧室S1内の圧縮空気の圧力で押し上げられ、シリンダ10の上端が開口すると同時に、シリンダ10内のピストン上室S2と大気との連通が遮断され、蓄圧室S1内の圧縮空気がシリンダ10内のピストン上室S2に流入し、ピストン11はドライバブレード12と共に圧縮空気の圧力で急激に下死点に向かって下降するため、マガジン6からノーズ23の射出口25へと供給された釘5がドライバブレード12によって打撃される。そして、ドライバブレード12によって打撃された釘5は、ノーズ23の射出口25に案内されて被打込材Wに打ち込まれる。尚、ピストン11がシリンダ10内を下降して空気孔16を通過すると、ピストン上室S2内の圧縮空気は、空気孔16と逆止弁18を通って戻し空気室S4に流入して蓄積される。又、ピストン11がシリンダ10内を下降して下死点に達すると、該ピストン11がピストンバンパ14に衝突して該ピストンバンパ14を弾性変形させるため、このピストンバンパ14の弾性変形によって余剰エネルギーが吸収される。
【0025】
次に、トリガ7を元に戻すか、或はプッシュレバー24を被打込材Wから離すと、プランジャ8が元に戻ってトリガバルブ9がOFFされ、蓄圧室S1内の圧縮空気が空気通路21を通ってメインバルブ室S5に流入するため、この圧縮空気の圧力でメインバルブ19が下方へ移動してエキゾーストカバー3から離脱し、図1に示すように、該メインバルブ19がシリンダ10の上端面に密着する。すると、蓄圧室S1とシリンダ10内のピストン上室S2との連通が遮断されるとともに、排気孔22が開いてピストン上室S2が排気孔22を介して大気に連通せしめられる。これにより、シリンダ10内のピストン上室S2内の圧縮空気は排気孔22から大気に排出される。
【0026】
すると、戻し空気室S4内に蓄積されていた圧縮空気が空気孔17を通ってシリンダ10内のピストン下室S3に流入するため、ピストン11は圧縮空気の圧力を下面に受けてシリンダ10内を上死点に向かって急激に上昇し、ピストン11とドライバブレード12は図1に示す初期位置に戻る。
【0027】
以上の動作が繰り返されることによって、マガジン6内に装填された複数の釘5が被打込材Wに連続的に打ち込まれていく。
【0028】
次に、本発明の要旨を構成するドライバブレードのピストンへの連結構造を図2〜図6に基づいて説明する。尚、図2〜図5はピストンへのドライバブレードの連結方法をその工程順に示す断面図、図6は図5の矢視C方向の図である。
【0029】
図2に示すように、ピストン11の下部には、軸中心を通るスリット11aが図2の紙面垂直方向に貫設されるとともに、該スリット11aを通過する円孔11bがスリット11aに対して軸直角方向(図2の横方向)に貫設されている。又、ドライバブレード12の一端部には、ピストン11に形成された円孔11bと同径の円孔12aが貫設されている。ここで、ピストン11に形成された円孔11bのスリット11aを挟む両側の部分を円孔部11b−1,11b−2と表示する。
【0030】
ここで、ドライバブレード12のピストン11のスリット11aに嵌合する側の端面12bから円孔12aの中心O1までの距離L1は、ピストン11のスリット端面11a−1から円孔11bの中心O2までの距離L2よりも大きく設定されており(L1>L2)、図示のようにピストン11のスリット11aにドライバブレード12を静的に挿入したとき、ドライブブレード12の円孔12aの中心がピストン11の円孔11bの中心に対してピストン11のスリット入口側(図2の下方)に図示のεだけ偏心している。このため、ピストン11のスリット端面11a−1とドライバブレード12の端面12bとの間には隙間δが形成されるとともに、ピストン11の円孔11bとドライバブレード12の円孔12aとの間には図示のような段差部A,Bが形成されている。
【0031】
又、本実施の形態では、ピストンピン13の外周部に、該ピストンピン13の軸方向中間部から挿入側端面13aに至る斜面部13bが斜めに形成されている(図6参照)。この斜面部13bは、ピストンピン13の挿入側端面13aに向かって(図2の左方向に向かって)軸中心側に傾斜する(図2の下方に傾斜する)テーパ面とされ、その軸方向長さxはピストン11に形成されたスリット11aの幅bよりも大きく設定され(x>b)、ピストンピン13の胴部13cが円孔11bの一方の円孔部11b−1から他方の円孔部11b−2に接触する位置まで圧入されても、斜面部13bとドライバブレード12の円孔12aには接触しないよう構成されている。尚、ピストンピン13の反挿入側端部(図2の右端部)には、回り止め及び抜け止め用のローレット部13dが形成されている。
【0032】
而して、ドライバブレード12をピストン11に連結するには、図2に示すように、ドライバブレード12の一端をピストン11のスリット11aに嵌め込む。このとき、前述のようにドライバブレード12の円孔12aの中心がピストン11の円孔11bに対して図示のεだけ偏心しているため、ピストン11のスリット11aにドライバブレード12の一端を嵌め込んだときにピストン11の円孔11bとドライバブレード12の円孔12aとの間には図示のような段差部A,Bが形成されている。
【0033】
上記状態において、ピストンピン13を図2に示すようにピストン11の円孔11bの一方の円孔部11b−1に挿入していくと、該ピストンピン13の斜面部13b以外の部分の全周がピストン11の円孔11bの他方の円孔部11b−2に嵌合するため、ピストンピン13は傾くことなくピストン11の円孔11b内を真っ直ぐ挿入されていく。このとき、ピストンピン13の挿入側の外周には斜面部13bが形成されているため、ピストンピン13の挿入側端部13aは段差部Aと接触することなく段差部Aを通過する。
【0034】
その後もピストンピン13を更に押し込むと、ピストンピン13は、図3に示すように、段差部Aに接触する前に、その挿入側端部13aがピストン11の円孔11bの他方の円孔部11b−2によって迎え入れられて支持される。即ち、前述のようにピストンピン13の外周部に形成された斜面部13bの長さxをピストン11のスリット11aの幅bよりも大きくし(x>b)、更に斜面部13bが円孔12aに接触しないようにしたため、ピストンピン13の挿入側端面13aが段差部Aに接触して傾く前に該ピストンピン13の挿入側端部13aがピストン11の円孔11bの他方の円孔部11b−2によって迎え入れられ、その間、ピストンピン13と段差部Aの接触は、ピストンピン13に形成された斜面部13bによって回避されるため、ピストンピン13は傾くことなく挿入される。
【0035】
その後もピストンピン13を更に押し込むと、該ピストンピン13の斜面部13bは、図4に示すように段差部Aに接触する。そして、このようにピストンピン13の斜面部13bが段差部Aに接触した後もピストンピン13を更に押し込むと、テーパ状の斜面部13bによる楔作用によってドライバブレード12がピストン11のスリット11a内でスリット端面11a−1側(図4の上方)に移動し、図5に示すようにピストンピン13が完全に圧入されると、該ドライバブレード12の端面12bがピストン11のスリット端面11a−1に押圧され、初期段階においてピストン11のスリット端面11a−1とドライバブレード12の端面12bとの間に形成されていた隙間δ(図2参照)が0となり、ドライバブレード12の一端がピストンピン13によってピストン11に連結される。
【0036】
以上において、本実施の形態によれば、ピストンピン13の外周部に斜面部13bを形成し、その長さxをピストン11のスリット11aの幅bよりも大きくし(x>b)、更に斜面部13bが円孔12aに接触しないようにしたため、ピストン11の円孔11bとドライバブレード12の円孔12aとの間には段差部A,Bが存在しても、ピストンピン13の挿入側端面13aが段差部Aに接触して傾く前に該ピストンピン13の挿入側端部13aがピストン11の円孔11bの他方の円孔部11b−2によって迎え入れられ、その間、ピストンピン13と段差部Aの接触は、ピストンピン13に形成された斜面部13bによって回避されるため、ピストンピン13は傾くことなくピストン11の円孔11bとドライバブレード12の円孔12aにスムーズに圧入されてドライバブレード12をピストン11に連結する。このため、打込時にピストン11がピストンバンパ14に衝突して慣性力が発生したときであっても、ドライバブレード12のピストン11への連結部に応力集中が発生することがなく、ドライバブレード12とピストン11の破損が防がれてそれらの耐久性が高められる。
【0037】
又、本実施の形態では、ピストンピン13をピストン11とドライバブレード12の各円孔11b,12aに挿入する過程で、該ピストンピン13に形成されたテーパ状の斜面部13bによる楔作用によってドライバブレード12がピストン11のスリット11a内でスリット端面11a−1側(反スリット入口側)に移動し、その端面12bがピストン11のスリット端面11a−1に確実に当接しているため、打込時のドライバブレード12から伝わる衝突荷重がピストン11のスリット端面11a−1で受けられる。このため、ドライバブレード12とピストンピン13が受ける荷重が軽減され、ドライバブレード12とピストンピン13の更なる耐久性向上が図られる。
【0038】
尚、以上は本発明を空気式釘打機に適用した形態について説明したが、本発明は、電動式、燃焼式釘打機に対しても同様に適用可能であるとともに、釘打機以外のピンやステープル等の止具を打ち込むための他の任意の打込機に対しても適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る打込機(空気式釘打機)の破断側面図である。
【図2】本発明に係る打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図3】本発明に係る打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図4】本発明に係る打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図5】本発明に係る打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図6】図2の矢視C方向の図である。
【図7】打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結構造を示す部分斜視図である。
【図8】従来の打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図9】従来の打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図10】従来の打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【図11】従来の打込機におけるピストンへのドライバブレードの連結方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 釘打機(打込機)
2 ボディ
2a ハンドル部
3 エキゾーストカバー
4 エアプラグ
5 釘(止具)
6 マガジン
7 トリガ
8 プランジャ
9 トリガバルブ
10 シリンダ
11 ピストン
11a スリット
11a−1 スリット端面
11b 円孔
11b−1 一方の円孔部
11b−2 他方の円孔部
12 ドライバブレード
12a 円孔
12b ドライバブレード端面
13 ピストンピン
13a ピストンピンの挿入側端面
13b 斜面部
13c 胴部
13d ローレット部
14 ピストンバンパ
15 隔壁
16,17 空気孔
18 逆止弁
19 メインバルブ
20 スプリング
21 空気通路
22 排気孔
23 ノーズ
24 プッシュレバー
25 射出口
26 アームプレート
A,B 段差部
b ピストンのスリット幅
L1 ドライバブレードの端面から円孔中心までの距離
L2 ピストンのスリット端面から円孔までの距離
O1 円孔12aの中心
O2 円孔11bの中心
S1 蓄圧室
S2 ピストン上室
S3 ピストン下室
S4 戻し空気室
S5 メインバルブ室
x 斜面部の軸方向長さ
W 被打込材
δ ドライバブレード端面とスリット端面との隙間
ε ドライバブレードの円孔中心のピストンの円孔中心に対する偏心量
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−871(P2008−871A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175458(P2006−175458)