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【発明の名称】 T字型ハンドル用回転工具
【発明者】 【氏名】寄能 良太

【要約】 【課題】T字型ハンドルを安定して回転させることができるT字型ハンドル用回転工具を提供する。

【解決手段】棒状の操作杆2の一端部に、操作杆2に対してほぼ垂直に延びる4つの挟持脚3bを設け、T字型ハンドル101の回転軸部101bの上方に位置する把持部101aの中心部101cの四方を囲えるように4つの挟持脚3bを配設する。このようなT字型ハンドル用回転工具1を用いてT字型ハンドル101を回転させるには、T字型ハンドル101の把持部101aの中心部101cの四方を囲うように4つの挟持脚3bを位置させ、この状態で操作杆2を回転させる。すると、4つの挟持脚3bによって把持部101aの中心部101cが挟持され、操作杆2の回転に伴って把持部101aつまりT字型ハンドル101が回転する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
T字型で水平に延びる把持部と垂直に延びる回転軸部とを有するT字型ハンドルを回転させるためのT字型ハンドル用回転工具であって、
棒状の操作杆の一端部に、前記操作杆に対してほぼ垂直に延びる4つの挟持脚を設け、対向する2対の前記挟持脚によって前記T字型ハンドルの把持部を挟めるように前記4つの挟持脚を配設したことを特徴とするT字型ハンドル用回転工具。
【請求項2】
前記T字型ハンドルの回転軸部の上方に位置する前記把持部の中心部の四方を囲えるように前記4つの挟持脚を配設したことを特徴とする請求項1に記載のT字型ハンドル用回転工具。
【請求項3】
前記操作杆に対して前記4つの挟持脚が着脱自在であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のT字型ハンドル用回転工具。
【請求項4】
前記挟持脚を略正四角形の各頂角に位置させ、その略正四角形のほぼ中心線上に前記操作杆を配設したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のT字型ハンドル用回転工具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ハンドルを回動させるための回転工具に関し、特にT字型ハンドル(T字型バルブ)を回転させるのに適したT字型ハンドル用回転工具に関する。
【背景技術】
【0002】
マニホールド弁や計器元弁などのハンドルを回転させる(開閉する)際に、狭い場所でのハンドルの回転操作を容易にしたり、より大きな力をハンドルに与えたりするために、回転工具が使用される場合がある。このような回転工具には、円環状のハンドルに適し、複数の大きさのハンドルに適用できる回転工具(ハンドル用ウイルキー)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この回転工具は、棒状の操作杆に、この操作杆から延長された固定脚と、操作杆に沿ってスライド自在に装着され固定脚に対して前進、後退可能な可動脚とが設けられている。さらに、固定脚と可動脚とが、操作杆から外側に拡がる末広がり形状となっている。そして、ハンドルの大きさに合わせて可動脚をスライドさせ、固定脚と可動脚とによってハンドルを挟持した状態で操作杆を回すことで、ハンドルを回転させることができるものである。
【特許文献1】実開平06−17874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、蒸気タービン設備における油漉器のクノーフィルタなどのハンドルには、T字型をしているものがある。すなわち、T字型で水平に延びる把持部(T字の水平部)と垂直に延びる回転軸部(T字の垂直部)とを有し、把持部を把持して回すと、回転軸部が回転して、回転軸部に連結されたクノーフィルタなどが回転するものである。このようなT字型ハンドルを上記特許文献1に記載されたような回転工具によって回転させようとすると、T字型ハンドルに力が適切に伝わらず、回転工具がT字型ハンドルから外れてしまう場合がある。すなわち、T字型ハンドルの把持部が直線状であるため、回転工具の2つの挟持部材である固定脚と可動脚とによって把持部を適切に(確実に)挟持することができない。そして、このような不安定な挟持状態で操作杆を回しても、T字型ハンドルに力が適切に伝わらず、回転工具がT字型ハンドルから外れてしまうものである。
【0004】
そこで本発明は、T字型ハンドルを安定して回転させることができるT字型ハンドル用回転工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、T字型で水平に延びる把持部と垂直に延びる回転軸部とを有するT字型ハンドルを回転させるためのT字型ハンドル用回転工具であって、棒状の操作杆の一端部に、前記操作杆に対してほぼ垂直に延びる4つの挟持脚を設け、対向する2対の前記挟持脚によって前記T字型ハンドルの把持部を挟めるように前記4つの挟持脚を配設したことを特徴としている。
(作用)
このようなT字型ハンドル用回転工具を用いてT字型ハンドルを回転させるには、T字型ハンドルの把持部を2対の挟持脚で挟むように4つの挟持脚を位置させ、この状態で操作杆を回転させる。すると、2対の挟持脚によって把持部が挟持(把持)され、操作杆の回転に伴って把持部つまりT字型ハンドルが回転する。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のT字型ハンドル用回転工具において、前記T字型ハンドルの回転軸部の上方に位置する前記把持部の中心部の四方を囲えるように前記4つの挟持脚を配設したことを特徴としている。
(作用)
このようなT字型ハンドル用回転工具を用いてT字型ハンドルを回転させるには、T字型ハンドルの把持部の中心部の四方を囲うように4つの挟持脚を位置させ、この状態で操作杆を回転させる。すると、4つの挟持脚によって把持部の中心部が挟持(把持)され、操作杆の回転に伴って把持部つまりT字型ハンドルが回転する。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載のT字型ハンドル用回転工具において、前記操作杆に対して前記4つの挟持脚が着脱自在であることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のT字型ハンドル用回転工具において、前記挟持脚を略正四角形の各頂角に位置させ、その略正四角形のほぼ中心線上に前記操作杆を配設したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、対向する2対の挟持脚によってT字型ハンドルの把持部を挟持するため、把持部が挟持脚によって確実、強固に挟持(把持)され、操作杆からの力がT字型ハンドルに適切に伝わる。しかも、把持部が確実に挟持されるため、挟持脚が把持部から外れて回転工具がT字型ハンドルから外れることもなく、T字型ハンドルを安定して回転させることができる。この結果、操作杆によるてこの原理を利用して、T字型ハンドルを容易かつ確実に回転させることができるとともに、回転工具がT字型ハンドルから外れることがないため、作業の安全性が向上する。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、4つの挟持脚がT字型ハンドルの把持部の中心部の四方を囲うため、把持部が挟持脚によってより確実、強固に挟持され、操作杆からの力がより適切にT字型ハンドルに伝わる。しかも、把持部の中心部が確実に挟持されるため、挟持脚が把持部から外れることがより防止される。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、4つの挟持脚が着脱自在であるため、例えば、T字型ハンドルの大きさに合わせて複数種の挟持脚を用意し、T字型ハンドルの大きさに合った挟持脚を操作杆に装着することで、大きさが異なる複数種のT字型ハンドルに対応することが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、4つの挟持脚が略正四角形の各頂角に位置されているため、つまり4つの挟持脚の間隔がほぼ均等であるため、T字型ハンドルの把持部が4つの挟持脚によってほぼ均等に挟持され、操作杆からの力がより適切にT字型ハンドルに伝わる。また、4つの挟持脚によって形成された略正四角形のほぼ中心線上に操作杆が配設されているため、T字型ハンドルの把持部が位置される挟持脚間の空間である挟持スペースが、操作杆の延直線上および操作杆と直交する方向に位置する。このため、挟持脚間の挟持スペースをT字型ハンドルの把持部に位置させて、2対の挟持脚で把持部を挟持することが容易となり、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係るT字型ハンドル用回転工具1の正面図(a)と側面図(b)である。このT字型ハンドル用回転工具1は、後述するように、T字型で水平に延びる棒状の把持部101a(T字の水平部)と垂直に延びる棒状の回転軸部101b(T字の垂直部)とを有するT字型ハンドル101(T字型バルブ)を回転させるための回転工具であって、主として、操作杆2と、4つの挟持脚3bとを備えている。
【0015】
操作杆2は棒状の鋼材製で、その一端部に挟持具3が取り付けられている。この挟持具3は、棒状の鋼材製で構成され、縦横の長さがほぼ同じである十字(X字)型の十字部3aと、この十字部3aの4つの端部から十字部3aに対してほぼ垂直に延びる挟持脚3bとから構成されている。このような挟持具3の各挟持脚3bが略正四角形(やや長方形)の各頂角に位置し、その略正四角形の中心線の延直線上に操作杆2が位置するように、操作杆2の一端部に挟持具3が取り付けられている。すなわち、十字部3aがX字状に配置されることによって各挟持脚3bが略正四角形の各頂角に位置され、この十字部3a(X字)の垂直中心線の延直線上に操作杆2が配置され、操作杆2の一端部と十字部3aの中央部(クロス部)とが溶接されている。これにより、4つの挟持脚3bが操作杆2に対してほぼ垂直に延び、かつ、T字型ハンドル101の把持部101aが位置される挟持脚3b間の挟持スペースが、操作杆2の延直線上(同軸上)および操作杆2と直交する方向に位置する。すなわち、操作杆2の同軸方向と直交方向とにおいて把持部101aを挟めるように、対向する2対の挟持脚3bが配設された状態となっている。
【0016】
さらに、4つの挟持脚3bは、後述するように、T字型ハンドル101の回転軸部101bの上方に位置する把持部101aの中心部101c(回転中心部)の四方を囲えるように、配設されている。すなわち、T字型ハンドル101の大きさに応じて、挟持脚3b間の空間である挟持スペースにT字型ハンドル101の中心部101cが入り、かつ挟持脚3bと中心部101cとの隙間が大きくならないように(中心部101cの四方を囲うように)、挟持脚3b間の距離(間隔)D1、D2が設定されている。また、4つの挟持脚3bが中心部101cの四方を囲った状態で、挟持脚3bが回転軸部101bの中央部ほどまで達するように、挟持脚3bの長さHが設定されている。これにより、挟持脚3bが把持部101aから容易に外れないようになっている。
【0017】
一方、操作杆2の他端部には、楕円リング状の吊り輪2aが形成され、工具置場のフックなどに掛けられるようになっている。また、T字型ハンドル用回転工具1の全長Lは、操作杆2によるてこの原理を利用して、T字型ハンドル101を回転させるのに要する力(トルク)を十分出せるように、T字型ハンドル101に応じて設定されている。同様に、操作杆2の直径Φ1および挟持具3の直径Φ2は、T字型ハンドル101を回転させるのに要する力に十分耐え得る強度(曲げ剛性など)が得られるように設定されている。
【0018】
次に、このような構成のT字型ハンドル用回転工具1の作用などについて説明する。ここで、この実施の形態では、蒸気タービン設備などに設置されている図2に示すような油漉器100のクノーフィルタ102に連結されているT字型ハンドル101を、T字型ハンドル用回転工具1を用いて回転させる場合について説明する。
【0019】
まず、図3に示すように、T字型ハンドル101の把持部101aの中心部101cの四方を囲うように、回転工具1の4つの挟持脚3bを位置させる。このとき、上記のように、挟持脚3b間の挟持スペースが、操作杆2の延直線上および操作杆2と直交する方向に位置しているため、操作杆2を把持している手の方向が、把持部101a(挟持スペース)の軸線方向とほぼ同方向またはほぼ直交する方向となる。このため、挟持脚3b間の挟持スペースを把持部101aに位置させて、把持部101aの中心部101cの四方を囲うように2対の挟持脚3bで把持部101aを挟持することを容易に行える。
【0020】
これにより、4つの挟持脚3bによってT字型ハンドル101の中心部101cが挟持(把持)され、この状態で操作杆2を回転させると、操作杆2の回転に伴って把持部101aつまりT字型ハンドル101が回転する。そして、この回転に伴って、回転軸部101bに連結されたクノーフィルタ102が回転するものである。
【0021】
以上のように、本T字型ハンドル用回転工具1によれば、対向する2対の挟持脚3bによってT字型ハンドル101の把持部101aを挟持し、しかも、4つの挟持脚3bが把持部101aの中心部101cの四方を囲うため、把持部101aが挟持脚3bによって確実、強固に挟持(把持)され、操作杆2からの力がT字型ハンドル101に適切に伝わる。また、把持部101aの中心部101cが確実、強固に挟持されるため、挟持脚3bが把持部101aから外れて回転工具1がT字型ハンドル101から外れることもなく、T字型ハンドル101を安定して回転させることができる。この結果、操作杆2によるてこの原理を利用して、T字型ハンドル101を容易かつ確実に回転させることができるとともに、回転工具1がT字型ハンドル101から外れることがないため、作業の安全性が向上する。
【0022】
また、4つの挟持脚3bが略正四角形の各頂角に位置するように配設されているため、つまり挟持脚3b間の距離D1、D2がほぼ等しいため、T字型ハンドル101の把持部101aが4つの挟持脚3bによってほぼ均等に挟持され、操作杆2からの力がより適切にT字型ハンドル101に伝わる。
【0023】
(実施の形態2)
図4は、この実施の形態に係るT字型ハンドル用回転工具11の側面図であり、このT字型ハンドル用回転工具11は、挟持具13つまり4つの挟持脚13bが操作杆12に対して着脱自在となっている点で、実施の形態1の場合と構成が異なる。
【0024】
操作杆12は、その一端部に雄ネジ12aが形成されている点で、実施の形態1における操作杆2と構成が異なる。また、挟持具13は、X字状に配置された十字部13aの垂直中心線上に管状の被着脱部13cが取り付けられ、この被着脱部13cに操作杆12の雄ネジ12aと螺合する雌ネジ13dが形成されている点で、実施の形態1における挟持具3と構成が異なる。そして、雄ネジ12aを雌ネジ13dにネジ込むことで、操作杆12の一端部に挟持具13が取り付けられ(装着され)、雄ネジ12aと雌ネジ13dとの螺合を解除することで、操作杆12から挟持具13を取り外せるものである。
【0025】
このようなT字型ハンドル用回転工具11によれば、挟持具13(4つの挟持脚13b)が着脱自在であるため、大きさが異なる複数種のT字型ハンドル101に対応することが可能となる。すなわち、各T字型ハンドル101の大きさに合わせて挟持脚13b間の距離や挟持脚13bの長さなどが異なる複数種の挟持具13を用意し、T字型ハンドル101の大きさに合った挟持具13を操作杆12に取り付けることで、大きさが異なる複数種のT字型ハンドル101に対応することが可能となる。さらに、作業場所の広さやT字型ハンドル101を回転させるのに要する力などの作業条件に応じて長さが異なる操作杆12を用意し、作業条件に合った操作杆12に挟持具13を取り付けることで、複数の作業条件に対応することが可能となる。
【0026】
以上、この発明の実施の形態1、2について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の態様1、2では、挟持具3(13)の十字部3a(13a)の4つの端部から挟持脚3b(13b)がほぼ垂直に延びているが、板状の基板の板面に4つの挟持脚を垂直に配設するようにしてもよい。また、実施の態様1、2では、挟持具3の各挟持脚3bを略正四角形の各頂角に位置させているが、各挟持脚3bを長方形の各頂角に位置させ、長手方向に延びる挟持スペース(2対の挟持脚3bによって形成された空間)にT字型ハンドル101の把持部101aを位置させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係るT字型ハンドル用回転工具の正面図(a)と側面図(b)である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る油漉器の平面図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るT字型ハンドル用回転工具を用いて油漉器のT字型ハンドルを回転させる状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るT字型ハンドル用回転工具の側面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 T字型ハンドル用回転工具
2 操作杆
2a 吊り輪
3 挟持具
3a 十字部
3b 挟持脚
11 T字型ハンドル用回転工具
12 操作杆
12a 雄ネジ
13 挟持具
13a 十字部
13b 挟持脚
13c 被着脱部
13d 雌ネジ
101 T字型ハンドル
101a 把持部
101b 回転軸部
101c 中心部
【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【出願日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【代理人】 【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎


【公開番号】 特開2008−93737(P2008−93737A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−274405(P2006−274405)