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【発明の名称】 ウィルキー
【発明者】 【氏名】西村 竜也

【要約】 【課題】操作すべき弁のハンドルの周囲に柱等の障害部材が存在する場合であっても、操作杆と把持杆との角度を調節することにより、容易かつ確実に弁のハンドルの回転操作を行う。

【構成】操作杆2と、操作杆2に、該操作杆2の軸線に対して略直交して設けられた一対の固定脚3,4と、操作杆2の基端部に、該操作杆2の軸線に対する角度を変更可能に連結された把持杆5と、操作杆2と把持杆5とを所定の角度で固定する固定機構部6とを備える。また、固定機構部6は、所定の角度毎に、または、任意の角度で、操作杆2と把持杆5とを固定可能であることが好ましい。さらに、操作杆2は、把持杆5に対して着脱可能であることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁のハンドル(7)を回転操作するウィルキー(1)であって、
操作杆(2)と、
前記操作杆(2)に、該操作杆(2)の軸線に対して略直交して設けられた一対の固定脚(3,4)と、
前記操作杆(2)の基端部に、該操作杆(2)の軸線に対する角度を変更可能に連結された把持杆(5)と、
前記操作杆(2)と前記把持杆(5)とを所定の角度で固定する固定機構部(6)と、を備えたことを特徴とするウィルキー。
【請求項2】
前記固定機構部(6)は、所定の角度毎に、前記操作杆(2)と前記把持杆(5)とを固定可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のウィルキー。
【請求項3】
前記固定機構部(16)は、任意の角度で、前記操作杆(12)と前記把持杆(15)とを固定可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のウィルキー。
【請求項4】
前記操作杆(2)は、前記把持杆(5)に対して着脱可能である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のウィルキー。
【請求項5】
前記操作杆(2)は、弁のハンドル(7)の形状に適合する一対の固定脚(3,4)を備えた複数種類からなり、回転操作すべき弁のハンドル(7)の形状に適合させて前記操作杆(2)を交換可能である、ことを特徴とする請求項4に記載のウィルキー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、配管弁等のハンドルを回転操作する際に使用する弁の開閉操作用工具であるウィルキーに係り、特に操作すべき弁のハンドルの周囲に柱等の障害部材が存在する場合であっても、操作杆と把持杆との角度を調節することができるウィルキーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、配管弁、マニホールド弁、計器元弁等のハンドルを回転させる際に、その弁を容易に開閉できるようにウィルキーが使用されている。例えば、従来のウィルキー51は、図4に示すように、操作杆52の先端側に、操作杆52の軸線と直交し合う一対の固定脚53,54が設けられた形状となっている。このようなウィルキー51は、一対の固定脚53から固定脚54までの寸法が、弁のハンドル55の孔56内に入る長さに設定されている。そして、ハンドル55の孔56内に、先端側の固定脚53を挿入した状態で、操作杆52を時計方向又は反時計方向に回転させることで弁を開閉操作することができるようになっている。
【0003】
また、特許文献1の実開平6−17874号公報「ハンドル用ウィルキー」において、操作杆に、操作杆から延長された2本の固定脚と、操作杆に沿ってスライド自在に装着され固定脚に対して前進、後退可能な可動脚とを設け、前記固定脚と可動脚とを、操作杆から外側へ拡がる末広がり形状とした弁のハンドル用ウィルキーが提案されている。
【0004】
この特許文献1に記載された弁のハンドル用ウィルキーによれば、一対の固定脚によるウィルキーでは固定脚の間隔が広すぎて使用できない径の小さいミニハンドルの場合であっても、可動脚をスライドし、固定脚と可動脚とをミニハンドルの外周線にかかるように設定することで、ミニハンドルの操作が可能となる。
【0005】
【特許文献1】実開平6−17874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、作業者がウィルキーを用いて弁のハンドルを回転させる際に、その弁のハンドルの取り付け位置によっては、操作杆が柱、パイプ、鋼材等の障害部材と干渉して弁の開閉動作が困難となってしまう場合があった。例えば、弁のハンドルを回転させる方向に柱等の障害部材が配設されていると、回転操作の途中で一旦、ハンドルからウィルキーを取り外し、操作杆が障害部材と干渉しない位置で再度ハンドルにウィルキーを取り付けて回転操作を続行しなければならない。
【0007】
また、ウィルキーの着脱操作を行わずにハンドルの回転操作を行うことができる場合であっても、狭い空間内に手を差し込まなければならず、無理な姿勢での作業を強要される等、作業環境が悪化するおそれがあった。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、操作すべき弁のハンドルの周囲に柱等の障害部材が存在する場合であっても、操作杆と把持杆との角度を調節することにより、容易かつ確実に弁のハンドルの回転操作を行うことが可能なウィルキーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、弁のハンドル(7)を回転操作するウィルキー(1)であって、操作杆(2)と、前記操作杆(2)に、該操作杆(2)の軸線に対して略直交して設けられた一対の固定脚(3,4)と、前記操作杆(2)の基端部に、該操作杆(2)の軸線に対する角度を変更可能に連結された把持杆(5)と、前記操作杆(2)と前記把持杆(5)とを所定の角度で固定する固定機構部(6)と、を備えたことを特徴とするウィルキーが提供される。
【0010】
ここで、前記固定機構部(6)は、所定の角度(例えば60度)毎に、前記操作杆(2)と前記把持杆(5)とを固定可能であること、または、任意の角度で、前記操作杆(2)と前記把持杆(5)とを固定可能であることが好ましい。
【0011】
また、前記操作杆(2)は、前記把持杆(5)に対して着脱可能であることが好ましい。
【0012】
さらに、前記操作杆(2)は、弁のハンドル(7)の形状に適合する一対の固定脚(3,4)を備えた複数種類からなり、回転操作すべき弁のハンドル(7)の形状に適合させて前記操作杆(2)を交換可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のウィルキー(1)では、ハンドル(7)の回転操作に支障をきたす位置に柱、パイプ、鋼材等の障害部材(8)が存在する場合であっても、弁のハンドル(7)の回転操作に用いる一対の固定脚(3,4)を備えた操作杆(2)と、この操作杆(2)に連結された把持杆(5)との角度を調節することにより、容易かつ確実に弁のハンドル(7)の回転操作を行うことが可能となる。
【0014】
また、弁のハンドル(7)の形状に適合する一対の固定脚(3,4)を備えた複数種類の操作杆(2)を用意しておき、回転操作すべき弁のハンドル(7)の形状に適合させて操作杆(2)を交換することにより、さらに一層容易かつ確実に弁のハンドル(7)の回転操作を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のウィルキーは、弁のハンドルの回転操作に用いる一対の固定脚を備えた操作杆と、この操作杆に連結された把持杆との角度を変更可能として、操作すべき弁のハンドルの位置に合わせて操作杆と把持杆との角度を調節することができるようにしたものである。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1に係るウィルキーの分解斜視図である。図2は本発明の実施例1に係るウィルキーの操作状態を示す平面図である。
【0017】
実施例1のウィルキー1は、図1に示すように、弁のハンドルを回転操作する棒状の操作杆2と、この操作杆2に、操作杆2の軸線と直交し合うように設けた一対の固定脚3,4と、操作杆2の基端部に連結された棒状の把持杆5とを備えている。
【0018】
把持杆5は、操作杆2の基端部に、該操作杆2の軸線に対する角度を変更可能に連結されている。また、操作杆2と把持杆5とは、固定機構部6により所定の角度で固定することができる。
【0019】
一対の固定脚3,4は、その一方をハンドル7の孔7a内に挿入し、他方をハンドル7の外周部に押し当てて、把持杆5を操作することによりハンドル7を回転させる部材であり、操作するハンドル7の大きさ(直径)等に合わせて、太さおよび間隔が調整されている(図2参照)。
【0020】
実施例1の固定機構部6は、把持杆5の先端部に設けた六角柱状の係合突部6aと、この係合突部6aの外周形状に合致させて操作杆2の基端部に設けた断面六角形状の係合孔6bとからなる。そして、操作杆2と把持杆5とが所望の角度となるようにして、係合孔6b内に係合突部6aを挿入することにより、操作杆2と把持杆5とを所望の角度で固定することができる。
【0021】
図1に示す例では、係合突部6aが六角柱状であり、係合孔6bが断面六角形であるため、約60度毎に操作杆2と把持杆5との角度を調節することができる。なお、係合突部6aと係合孔6bの形状を変更することにより、操作杆2と把持杆5との角度調節の度合いを変更することができる。例えば、係合突部6aを八角柱状とし、係合孔6bを断面八角形とすることにより、約45度毎に操作杆2と把持杆5との角度を調節することができる。
【0022】
また、係合突部6aと係合孔6bとの係合状態を強固なものとするために、係合突部6aと係合孔6bとの間に係止機構(図示せず)を設けてもよい。係止機構は、例えば、係合孔6bの内周面に設けた係止凹部と、係合突部6aの外周面に設けられ、バネ等の付勢手段により係止凹部内に突出する方向に付勢力を与えられた係止部とにより構成することができる。
【0023】
実施例1のウィルキー1を用いて弁の開閉操作を行うには、図2に示すように、操作杆2に設けられた一方の固定脚3をハンドル7の孔内に挿入し、他方の固定脚4をハンドル7の外周に押し当て、把持杆5を左回り(反時計回り)あるいは右回り(時計回り)に回せばよい。一般的な弁では、把持杆5を左回り(反時計回り)に回すことにより弁を開くことができ、把持杆5を右回り(時計回り)に回すことにより弁を閉じることができる。
【0024】
この際、図2に示すように、把持杆5の回動方向に、柱、パイプ、鋼材等の障害部材8が存在する場合には、係合孔6b内から係合突部6aを引き抜いて操作杆2と把持杆5とを分離した後に、把持杆5が柱、パイプ、鋼材等の障害部材8と干渉しないように、把持杆5の位置を調節して、再び係合孔6b内に係合突部6aを挿入して、弁の開閉動作を続行すればよい。
【0025】
また、弁のハンドル7の形状に適合する一対の固定脚3,4を備えた複数種類の操作杆2を用意し、回転操作すべき弁のハンドル7の形状に適合させて操作杆2を交換可能とすることが可能である。
【0026】
このように、実施例1のウィルキー1によれば、ハンドル7の回転操作に支障をきたす位置に柱、パイプ、鋼材等の障害部材8が存在する場合であっても、操作杆2と把持杆5との角度を調節することにより、容易かつ確実にハンドル7の回転操作を行うことができる。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明の実施例2に係るウィルキーについて説明する。図3は、本発明の実施例2に係るウィルキーの分解斜視図である。
実施例2のウィルキー11は、図3に示すように、その基本構成は上述した実施例1のウィルキー1と同様であるが、固定機構部16の構成が実施例1のものと異なっている。
【0028】
すなわち、実施例2のウィルキー11は、弁のハンドルを回転操作する棒状の操作杆12と、この操作杆12に、操作杆12の軸線と直交し合うように設けた一対の固定脚13,14と、操作杆12の基端部に連結された棒状の把持杆15とを備えており、操作杆12と把持杆15とは、固定機構部16により所定の角度で固定することができる。
【0029】
実施例2の固定機構部16は、いわゆるラジアルスプラインと称される機構であり、把持杆15の先端部および操作杆12の基端部にそれぞれ設けられた係合部16a,16bを備えている。把持杆15に設けられた係合部16aは、略中心部に貫通孔16cを設けるとともに、その下面に、貫通孔16cから外周部に向かって複数の放射状の溝16dを設けてある。一方、操作杆12に設けられた係合部16aは、略中心部に貫通孔16eを設けるとともに、その上面に、貫通孔16eから外周部に向かって複数の放射状の溝16fを設けてある。すなわち、把持杆15の係合部16aに設けられた放射状の溝16dと、操作杆12の係合部16bに設けられた放射状の溝16fとは、互いに対向して噛み合うようになっている。
【0030】
そして、操作杆12と把持杆15とが所望の角度となるようにして、各係合部16a,16bに設けられた放射状の溝16d,16fを噛み合わせ、各係合部16a,16bの貫通孔16c,16e内にボルト16gを一連に挿通してボルト16gの先端部にナット16hを取り付けて締め付けることにより、操作杆12と把持杆15とを所望の角度で固定することができる。
なお、各係合部16a,16bに設ける放射状の溝16d,16fの数は、操作杆12に作用するトルク等に合わせて適宜変更することができる。
【0031】
このように、実施例2のウィルキー11によれば、操作杆12と把持杆15との角度をさらにきめ細かく調節することができるので、ハンドルの回転操作に支障をきたす位置に柱、パイプ、鋼材等の障害部材が存在する場合であっても、容易かつ確実ハンドルの回転操作を行うことができる。
【0032】
なお、上述した例では、1種類の操作杆を用いたウィルキーについて説明したが、弁のハンドルの形状に適合する一対の固定脚を備えた複数種類の操作杆を用意し、回転操作すべき弁のハンドルの形状に適合させて操作杆を交換可能とするといった種々の形態にすることができ、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のウィルキー1(11)は、主に、ハンドル7の回転操作に支障をきたす位置に柱、パイプ、鋼材等の障害部材8が存在する場合に、操作杆2(12)と把持杆5(15)との角度を調節することにより、容易かつ確実に弁のハンドル7の回転操作を行う際に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1に係るウィルキーの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係るウィルキーの操作状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例2に係るウィルキーの分解斜視図である。
【図4】従来のウィルキーの正面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ウィルキー
2 操作杆
3,4 固定脚
5 把持杆
6 固定機構部
6a 係合突部
6b 係合孔
7 ハンドル
7a 孔
8 障害部材
11 ウィルキー
12 操作杆
13,14 固定脚
15 把持杆
16 固定機構部
16a,16b 係合部
16c,16e 貫通孔
16d,16f 溝
16g ボルト
16h ナット
51 ウィルキー
52 操作杆
53,54 固定脚
55 ハンドル
56 孔
【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【出願日】 平成18年8月14日(2006.8.14)
【代理人】 【識別番号】100099667
【弁理士】
【氏名又は名称】武政 善昭

【識別番号】100120101
【弁理士】
【氏名又は名称】畑▲崎▼ 昭


【公開番号】 特開2008−44061(P2008−44061A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220837(P2006−220837)