トップ :: B 処理操作 運輸 :: B25 手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレ−タ

【発明の名称】 トルクレンチ用延長ツールおよびトルクレンチアセンブリ
【発明者】 【氏名】マイケル ディー.グリーンバーグ

【氏名】キース イー.シャレット

【要約】 【課題】トルク補正不要のトルクレンチ用延長ツールを提供する。

【構成】延長ツール50は、締め具締結に係わる駆動端52とトルクレンチ58に連結される被駆動端56を備え、これらは互いに180°上にある。駆動端52は回転軸Aを画定し、被駆動端56は回転軸Aと共軸になっている。このためモーメントの腕の長さが不変であり、トルク補正が不要である。また、延長ツール50はハンドサポート70を有し、トルクレンチ58での締め具締結において、作業者が回転軸方向に力を印加することを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を画定し、締め具との連結構造を有する第1の遠位端を備える第1の本体部と、
トルクレンチとの連結構造を有する第2の遠位端を備える第2の本体部とを備え、該第2の本体部は、前記第1の本体部と共軸をなすことを特徴とするトルクレンチ用延長ツール。
【請求項2】
前記第1の本体部から前記第2の本体部に移行する部分であって、C字型形状を有する第3の本体部を備えることを特徴とする請求項1に記載の延長ツール。
【請求項3】
前記第3の本体部は、先ず前記第1の本体部から前記回転軸を横断する方向へ延在し、次に該回転軸に概ね平行に延在し、更に前記第2の本体部へと該回転軸を横断する方向へ延在することを特徴とする請求項2に記載の延長ツール。
【請求項4】
前記第1の本体部と前記第2の本体部は、前記第3の本体部から同一方向に延在することを特徴とする請求項3に記載の延長ツール。
【請求項5】
前記第2の本体部に、作業者が前記回転軸方向に荷重を印加し得るハンドサポートを備えることを特徴とする請求項1に記載の延長ツール。
【請求項6】
前記ハンドサポートは、前記回転軸と同軸のノブを有することを特徴とする請求項5に記載の延長ツール。
【請求項7】
前記第1の遠位端が駆動端を備え、前記第2の遠位端が被駆動端を備え、該駆動端と該被駆動端が相互に180°の位置をなしていることを特徴とする請求項1に記載の延長ツール。
【請求項8】
締め具の締結時に対応するトルク値を確認できるトルク出力デバイスを備えたトルクレンチと、
前記締め具と連係する第1の係合部分および前記トルクレンチと係合する第2の係合部分を備える延長ツールと、を備え、前記第1の係合部分と前記第2の係合部分は同一軸を中心に回転する共通軸であることを特徴とするトルクレンチアセンブリ。
【請求項9】
前記延長ツールは、前記共通軸に沿って延在する第1の部分と、前記第1の部分から、前記共通軸に対して横断する方向に延在する第2の部分と、前記第2の部分から前記共通軸に対して概ね平行方向に延在する第3の部分と、該第3の部分から、前記共通軸に対して横断方向に延在する第4の部分と、該第4の部分から、共通軸に沿った方向に延在する第5の部分とを備えることを特徴とする請求項8に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の部分は、該第1の係合部分を画定する第1の端へ延在し、前記第5の部分は、前記第2の係合部分を画定する第2の端へ延在することを特徴とする請求項9に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の端と前記第2の端は、前記共通軸上で軸方向に相互にオフセットしていることを特徴とする請求項10に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の部分は、前記第5の部分が前記第4の部分から延在している方向と同一方向に前記第2の部分から延在することを特徴とする請求項11に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項13】
前記第2の部分と前記第4の部分とが前記共通軸に対して概ね垂直であることを特徴とする請求項9に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項14】
前記延長ツールには、作業者が片手で前記トルクレンチを駆動しながら、別の手で操作可能な、前記共通軸を中心に回転するハンドサポートを備えることを特徴とする請求項8に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項15】
前記ハンドサポートは前記共通軸と共軸であり、締め具締結時に前記共通軸方向に荷重を印加できることを特徴とする請求項14に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の係合部分は、雄型ソケット保持デバイスを備えていることを特徴とする請求項8に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項17】
前記第2の係合部分には、係止デバイスを受容する穴があることを特徴とする請求項8に記載のトルクレンチアセンブリ。
【請求項18】
前記延長ツールは、連続的に折曲した一本の素材からできた単一部品で構成されることを特徴とする請求項8に記載のトルクレンチアセンブリ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、オフセットによるトルク補正を必要としない、トルクレンチ用駆動方向反転延長ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
トルクレンチは、締め具が緩すぎず(トルク不足)きつ過ぎない(トルク過多)ように所定のトルクレベルに締め具を締結するために使用される。雌型ソケットがレンチの一端に取り付けられ、締め具との連結に適した寸法に調整される。トルクレンチにはダイアルも備わっており、作業者はそれを読み取って、所定のトルクに達したことを知ることができる。ソケットを締め具に被せ、作業者が所定のトルクに達するまでトルクレンチを回転する。
【0003】
例えばガスタービンエンジンの組み立てなどの適用例では、作業者の頭上に位置するボルトの締結にトルクレンチを使用することがある。この種の組立作業はやりにくく、上方を見上げてダイアルを読み取ることが要求される。更にこの種の組立作業では、ツールの方向を反転して作業がやりやすいようにするために、しばしば延長ツールの使用が必要とされる。しかしながら、既存の延長ツールの使用ではトルクに誤差を生じる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
延長ツールの一例として、直線本体部が曲線部分へ移行してJ字型を構成しているJアダプタが知られている。その直線本体部は回転軸を画定し、遠位端にはソケットが取付けられる。曲線部分はトルクレンチに連結する遠位端へ延在している。J字型の故に、ツールとトルクレンチとの間の係合は回転軸からオフセットしている。このオフセットによりモーメントの腕の長さが変わる為にトルク補正が必要となる。補正の必要性によりトルク値に更に誤差をもたらす可能性がある。
【0005】
更に、ツールが適正に取付けられない場合には、トルク値に対して別の誤差を生じる可能性がある。例えば、ツールは異なる3方位のいずれかに取付け可能である。トルクレンチは正方形の雄型コネクタを有し、ツールは対応した正方形の雌型ソケットを有する。このように、正方形であるが故に、雄型コネクタの雌型ソケットへの挿入は異なる3方位が可能である(第4の方位はJアダプタの直線本体部が邪魔となる)。それぞれの方位はオフセットに対して異なる補正係数を有する。トルクレンチが不適切な方位に取付けられた場合には、間違った補正係数が用いられる可能性があり、それがトルク値に対して更なる誤差をもたらす。
【0006】
このように、トルク補正を必要とせず、トルクレンチに容易且つ効果的に取付け可能な、トルクレンチの延長ツールが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の開示された一実施例においては、トルクレンチの延長ツールは、共通の回転軸を中心に一緒に回転する駆動端と被駆動端を有している。駆動端は締め具に関連し、被駆動端はトルクレンチに関連する。駆動端は回転軸を画定し、被駆動端はその回転軸と共軸となっている。このことで、如何なるトルク補正も不要となる。別の利点としては、トルクレンチは延長ツールとはどのような方位ででも連結し得て新たな誤差をもたらすことはない。
【0008】
実施例の一例においては、延長ツールにはハンドサポートが備わっており、トルクレンチで締め具を締結する際に作業者が回転軸に沿った方向に力を印加することを可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は従来技術により設計された、トルクレンチ12用の延長ツール10を示す。延長ツール10はJ字型をなし、その直線部分14は締め具18と連係するソケット16を支持する駆動端へと延在している。この直線部分14は、締め具18を構造物20に捩込む際の直線部分14の回転軸A1を画定する。
【0010】
直線部分14は、曲線部分22へ移行し、トルクレンチ12と係合する被駆動端24へ延在する。被駆動端24は第2の軸A2を画定する。トルクレンチ12は延長ツール10の被駆動端24と連結する第1端部26、及びノブ又はハンドル30を備える第2端部28、とを備えている。トルクレンチ12はトルクの値を読み取れるようにした目視トルクダイアル又は目盛32を備えている。
【0011】
トルクレンチ12の第1端部26は延長ツール10の被駆動端24に連結される。作業者はハンドル30を回転させ、それによってトルクレンチ12及び延長ツール10が回転して締め具18を締結する。図示されているように、被駆動端24の第2の軸A2は回転軸A1からは距離Dだけオフセットしている。このオフセットのために、締め具18に対して所望のトルク値を確実に達成するにはトルク値の補正が必要となる。
【0012】
本発明を用いた延長ツール50においては、駆動方向を反転しつつもこの種のトルク補正を必要としない。図2に示すように、延長ツール50は締め具締結用ソケット54の取付けに適応した駆動端52を備えている。ソケット54の脱落を防ぐために、ばね仕掛けの係止ピン又は類似の保持機構を選択使用してもよい。延長ツール50は、トルクレンチ58により駆動される被駆動端56もまた備えている。此処で、駆動端52と被駆動端56は相互に180°の位置関係にある。トルクレンチ58は、トルクレンチ58と被駆動端56との間のより確実な係合をもたらすために、穴42に受容しうるボール又は係止ピン又は他の類似の保持機構を備えている。トルクレンチ58は、前述のトルクレンチ12と同様の構成である。
【0013】
延長ツール50は、頭上のものに適用する場合には、概ね疑問符号(?)を倒立したごとき形状をなしている。一例としては、延長ツール50は、指定形状を具現するために連続的に屈曲した1片の材料から形成される。延長ツール50には回転軸Aを画定している第1の部分60があり、第1の部分60はそこを中心に回転する。第1の部分60は概ね直線であり、回転軸Aに沿って延在している。第1の部分60は、第1の部分60から回転軸Aを横断する方向に延在している第2の部分62へ移行する。第3の部分64は、第2の部分62から回転軸Aに対して概ね平行に延在し、第4の部分66へ移行する。第4の部分66は、第3の部分64から回転軸を横断する方向に延在し、第5の部分68へ移行する。第5の部分68は、第4の部分66から回転軸Aに対し概ね平行に延在する。第1の部分60は第2の部分62から、第5の部分68が第4の部分66から延在している方向と同一方向に延在している。
【0014】
駆動端52と被駆動端56は回転軸Aに沿って、軸方向に相互に離間している。開示した例においては、第2の部分62と第4の部分66は回転軸Aに対して概ね直交しており、第2の部分62、第3の部分64および第4の部分66がC字型をなしている。このように、延長ツール50は駆動端52と被駆動端56が相互に共通軸をなし、回転軸Aと一致した構成となっている。このように、作業者が締め具締結のためにトルクレンチ58を回転した場合、駆動端52と被駆動端56は回転軸Aを中心に一緒に回転する。これにより、モーメントの腕の長さが不変であるが故に如何なるトルク補正の必要もなくなり、その上、更なる誤差を生じることなしにトルクレンチを延長ツールのどのような方位にでも連結することが可能となる。
【0015】
開示した例では、延長ツール50は回転軸Aに沿って下方に延在する支持部材70を有する。支持部材70はノブ、ハンドル等で構成され、作業者が一方の手でハンドルを操作し別の手でトルクレンチ58を駆動することができる。支持部材70は延長ツール50に対してしっかり固定されているか、ベアリング乃至はブッシングアセンブリ(非表示)により回転可能なように固定されている。支持部材70は回転軸Aと共軸であり、作業者が回転軸A方向に荷重を印加できるため締め具締結が更に容易となる。
【0016】
本発明の好適な実施例について開示したが、当業者であれば、本発明の範囲内である程度の修正ができることがわかる。従って、本発明の真の範囲と内容の判定には請求項の詳細な検討がなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術によるトルクレンチ用延長ツールを示す図。
【図2】本発明によるトルクレンチ用延長ツールの一例を示す図。
【出願人】 【識別番号】590005449
【氏名又は名称】ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【出願日】 平成19年7月24日(2007.7.24)
【代理人】 【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛

【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔


【公開番号】 特開2008−36814(P2008−36814A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2007−191520(P2007−191520)