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【発明の名称】 連続ねじ締付け機のねじ送り装置
【発明者】 【氏名】柴田 美徳

【氏名】鵜飼 智大

【要約】 【課題】ねじ連結帯のねじの振れを効果的に防止することのできる連続ねじ締付け機のねじ送り装置を提供する。

【構成】ベースケーシング2とフィーダケーシング3の相対移動に連動してベースケーシング2内にねじ連結帯Bを供給するねじ供給機構4と、ねじ連結帯Bの先頭に位置するねじSaの振れを防止する振れ防止機構8とを備える連続ねじ締付け機のねじ送り装置1であって、振れ防止機構8は、フィーダケーシング3に傾動可能に設けられる傾動部材8aを有する。傾動部材8は、先頭のねじSaの供給方向先方に位置しかつ磁力を利用して先頭のねじSaを吸着する吸着部8a1を有する。そしてねじSaを締付ける際に傾動部材8がねじSaの頭部に押されて傾動してねじSaの頭部の経路を開放する構成になっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ締付け機に取付けられるベースケーシングと、そのベースケーシングにねじ締付け方向に移動可能に取付けられるフィーダケーシングと、これらベースケーシングとフィーダケーシングの相対移動に連動して前記ベースケーシング内にねじ連結帯を供給するねじ供給機構と、前記ねじ連結帯の先頭に位置するねじの振れを防止する振れ防止機構とを備える連続ねじ締付け機のねじ送り装置であって、
前記振れ防止機構は、フィーダケーシングに傾動可能に設けられる傾動部材を有し、前記傾動部材は、前記先頭のねじの供給方向先方に位置しかつ磁力を利用して前記先頭のねじを吸着する吸着部を有し、前記ねじを締付ける際に前記傾動部材が前記ねじの頭部に押されて傾動して前記ねじの頭部の経路を開放する構成になっていることを特徴とする連続ねじ締付け機のねじ送り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の連続ねじ締付け機のねじ送り装置であって、
傾動部材は、先頭のねじの先端部の供給方向先方に位置し、かつねじ締付時にねじ締付方向に傾動する構成になっていることを特徴とする連続ねじ締付け機のねじ送り装置。
【請求項3】
請求項1に記載の連続ねじ締付け機のねじ送り装置であって、
振れ防止機構は、一対の傾動部材を有し、これら一対の傾動部材の間にねじ連結帯のねじが供給され、
前記一対の傾動部材の少なくとも一つには、先頭のねじの供給方向先方に張出す張出部が形成され、その張出部に、磁力を利用して前記ねじを吸着する吸着部が設けられていることを特徴とする連続ねじ締付け機のねじ送り装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の連続ねじ締付け機のねじ送り装置であって、
ねじ供給機構は、フィーダケーシングとベースケーシングとの相対移動に連動して傾動するアームと、前記アームの一方向の傾動に連動して回転する中間ギヤと、前記中間ギヤに噛合って回転することでねじ連結帯をフィーダケーシング内に供給するラチェットホイールとを有し、
前記アームには、前記ラチェットホイールが前記ねじ連結帯を1ピッチ供給した後に前記ラチェットホイールに係合することで前記ねじ連結帯の送り過ぎを防止する爪が設けられていることを特徴とする連続ねじ締付け機のねじ送り装置。
【請求項5】
ねじ締付け機に取付けられるベースケーシングと、そのベースケーシングにねじ締付け方向に移動可能に取付けられるフィーダケーシングと、これらベースケーシングとフィーダケーシングの相対移動に連動して前記ベースケーシング内にねじ連結帯を供給するねじ供給機構と、前記ねじ連結帯の先頭に位置するねじの振れを防止する振れ防止機構とを備える連続ねじ締付け機のねじ送り装置であって、
前記振れ防止機構は、前記フィーダケーシングに傾動可能に設けられる一対の傾動部材を有し、これら一対の傾動部材の間に前記ねじ連結帯のねじが供給され、
前記一対の傾動部材の少なくとも一つには、先頭のねじの供給方向先方に張出して該ねじの供給方向の振れを防止する張出部が設けられ、
前記一対の傾動部材は、前記先頭のねじを締付ける際に、前記ねじの頭部に押されて傾動して該ねじの頭部の経路を開放する構成になっていることを特徴とする連続ねじ締付け機のねじ送り装置。
【請求項6】
ねじ締付け機に取付けられるベースケーシングと、そのベースケーシングに対してねじ締付け方向に相対移動可能に取付けられるフィーダケーシングと、これらベースケーシングとフィーダケーシングの相対移動に連動して前記ベースケーシング内にねじ連結帯を供給するねじ供給機構とを備える連続ねじ締付け機のねじ送り装置であって、
前記ねじ供給機構は、前記フィーダケーシングと前記ベースケーシングとの相対移動に連動して傾動するアームと、前記アームの一方向の傾動に連動して回転する中間ギヤと、前記中間ギヤに噛合って回転することでねじ連結帯を前記フィーダケーシング内に供給するラチェットホイールとを有し、
前記アームには、前記ラチェットホイールが前記ねじ連結帯を1ピッチ供給した後に前記ラチェットホイールに係合することで前記ねじ連結帯の送り過ぎを防止する爪が設けられていることを特徴とする連続ねじ締付け機のねじ送り装置。



【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ締付け動作に連動してねじ締付機にねじ連結帯を供給することで、ねじを連続して締付けることを可能にする連続ねじ締付け機のねじ送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なねじ送り装置が知られている。例えば特許文献1,2に記載のねじ送り装置は、ねじ締付け動作に連動してねじ連結帯をねじ締付け機のビット先方に供給するねじ供給機構と、ねじ供給機構によって送られてきたねじ連結帯の先頭に位置するねじの振れを防止するストッパを有している。そしてストッパは、ねじの供給方向前方に位置しており、ねじが供給方向に振れた際に当接してねじの振れを防止する構成になっている。
【0003】
特許文献3に記載のねじ送り装置は、ねじ供給機構によって送られてきたねじ連結帯の先頭に位置するねじを支持するために、ねじの軸線方向に延出する凹溝を有するベースと、凹溝に対応する位置に供給されたねじを凹溝に向けて押さえる保持部材を有している。そしてねじを凹溝と保持部材によって保持することで、ねじの振れを防止する。
【特許文献1】実開平4−42376号公報
【特許文献2】実開平6−50762号公報
【特許文献3】特開平7−40259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1に記載のねじ送り装置に設けられたストッパは、ねじを締付ける際にねじの頭部に邪魔にならない位置に設ける必要があった。特許文献2に記載のストッパは、頭部に邪魔にならない傾斜角度にする必要があった。そのためねじの振れを十分に防止することが容易でない構造になっていた。特許文献3は、凹溝と保持部材によってねじを挟む構成であったために、ねじの径により、ねじの振れを十分に防止することが容易でないなどの問題があった。
そこで本発明は、ねじ連結帯のねじの振れを効果的に防止することのできる連続ねじ締付け機のねじ送り装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載のとおりの構成を備える連続ねじ締付け機のねじ送り装置であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によると、振れ防止機構は、フィーダケーシングに傾動可能に設けられる傾動部材を有しており、傾動部材は、先頭のねじの供給方向先方に位置しかつ磁力を利用して先頭のねじを吸着する吸着部を有している。そしてねじを締付ける際に傾動部材がねじの頭部に押されて傾動してねじの頭部の経路を開放する構成になっている。
【0006】
したがって振れ防止機構は、磁力を利用してねじを吸着するために、ねじの径などに係わらずねじを確実に吸着して、ねじの振れを確実に防止できる。また振れ防止機構の傾動部材は、ねじを締付ける際に傾動してねじの頭部の経路を開放するために、ねじの頭部に係わらず吸着部の位置を設定することができ、吸着部の位置設定によりねじの振れを効果的に防止することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明によると、傾動部材は、先頭のねじの先端部の供給方向先方に位置し、かつねじ締付時にねじ締付方向に傾動する構成になっている。したがってねじは、先端部が傾動部材によって振れ防止されるために、先端部が振れることが防止される。そして傾動部材は、ねじ締付時にねじ締付方向に回動することで、ねじの頭部の経路を開放する。
【0008】
請求項3に記載の発明によると、振れ防止機構は、一対の傾動部材を有しており、これら一対の傾動部材の間にねじ連結帯のねじが供給される。そして一対の傾動部材の少なくとも一つには、先頭のねじの供給方向先方に張出す張出部が形成され、その張出部に、磁力を利用してねじを吸着する吸着部が設けられている。
【0009】
したがってねじは、一対の傾動部材に案内されて供給されるために、供給方向に対して直交する方向の振れが防止される。そしてねじは、傾動部材の吸着部に吸着されて供給方向への振れが防止される。
【0010】
請求項4に記載の発明によると、ねじ供給機構は、フィーダケーシングとベースケーシングとの相対移動に連動して傾動するアームと、アームの一方向の傾動に連動して回転する中間ギヤと、中間ギヤに噛合って回転することでねじ連結帯をフィーダケーシング内に供給するラチェットホイールとを有している。そしてアームには、ラチェットホイールがねじ連結帯を1ピッチ供給した後にラチェットホイールに係合することでねじ連結帯の送り過ぎを防止する爪が設けられている。
【0011】
したがってアームに設けられた爪によってねじ供給機構によるねじ連結帯の送り過ぎが防止される。そのため送り過ぎによるねじの振れを防止することができる。しかも爪は、アームに設けられており、アームは、ねじ供給機構のタイミングを決定する部材である。したがって特別な構造を設けることなく、爪をタイミング良くラチェットホイールに係合させることができる構成になっている。
【0012】
請求項5に記載の発明によると、振れ防止機構は、フィーダケーシングに傾動可能に設けられる一対の傾動部材を有しており、これら一対の傾動部材の間にねじ連結帯のねじが供給される。そして一対の傾動部材の少なくとも一つには、先頭のねじの供給方向先方に張出して該ねじの供給方向の振れを防止する張出部が設けられ、一対の傾動部材は、先頭のねじを締付ける際に、ねじの頭部に押されて傾動して該ねじの頭部の経路を開放する構成になっている。
【0013】
したがってねじは、一対の傾動部材に案内されて供給されるために、供給方向に対して直交する方向の振れが防止される。そして先頭のねじは、傾動部材の張出部によって供給方向に振れることが防止される。また振れ防止機構の傾動部材は、ねじを締付ける際に傾動してねじの頭部の経路を開放するため、ねじの頭部に係わらず張出部の位置を設定することができ、張出部の位置設定によりねじの振れを効果的に防止することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明によると、ねじ供給機構は、フィーダケーシングとベースケーシングとの相対移動に連動して傾動するアームと、アームの一方向の傾動に連動して回転する中間ギヤと、中間ギヤに噛合って回転することでねじ連結帯をフィーダケーシング内に供給するラチェットホイールとを有している。そしてアームには、ラチェットホイールがねじ連結帯を1ピッチ供給した後にラチェットホイールに係合することでねじ連結帯の送り過ぎを防止する爪が設けられている。
【0015】
したがってねじ連結帯は、アームに設けられた爪によってねじ供給機構によるねじ連結帯の送り過ぎが防止される。そのため送り過ぎによるねじの振れを防止することができる。しかも爪は、アームに設けられており、アームは、ねじ供給機構のタイミングを決定する部材である。したがって特別な構造を設けることなく、爪をタイミング良くラチェットホイールに係合させることができる構成になっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施の形態1)
実施の形態1の連続ねじ締付け機10を図1〜5にしたがって説明する。連続ねじ締付け機10は、図1に示すようにねじ締付け機11と、ねじ締付け機11に取付けられるねじ送り装置1とを有している。
【0017】
ねじ締付け機11は、略D字状に形成されたハウジング12を有しており、ハウジング12は、モータハウジング部12aとグリップ部12bを有している。モータハウジング部12aには、駆動モータ13と減速ギヤ列16とクラッチ機構17が組み込まれている。グリップ部12bには、電源スイッチ14とトリガ15が設けられている。トリガ15を引き操作して電源スイッチ14をONにすることで、駆動モータ13に電力が供給され、駆動モータ13の出力軸が軸回転する。そしてその軸回転力が減速ギヤ列16とクラッチ機構17とを経てスピンドル18に伝達される。
【0018】
スピンドル18は、モータハウジング部12aの先端部に設けられた軸受19によって回転可能に、かつ軸方向に一定範囲に移動可能に支持されている。スピンドル18の先端部には、ドライバビット20が脱着可能に取付けられる装着孔が形成されている。クラッチ機構17は、通常、切断状態になっており、スピンドル18が奥方向(図1右方向)に移動した際に接続状態になる構成になっている。
【0019】
モータハウジング部12aには、図1に示すようにガイド部材22と、ねじ送り装置1が取付けられている。ガイド部材22は、ねじ連結帯Bを案内する案内路22aを有している。
【0020】
ねじ送り装置1は、ねじ連結帯Bを1ピッチ(ねじS一本)ずつ供給するための装置であって、図2に示すようにベースケーシング2とフィーダケーシング3とねじ供給機構4を有している。ベースケーシング2は、四角筒状のベース筒部2aと、ベース筒部2aの基端部(右側端部)を覆う底部2bを有し、底部2bに軸受19が挿通される孔2cが形成されている。ベース筒部2aの外周面の一部には、図1に示すようにガイド部材22に脱着可能に取付けられる取付部2dが設けられている。
【0021】
フィーダケーシング3は、図2に示すように四角筒状に形成されたフィーダ筒部3aと、フィーダ筒部3aから先方に延出するフィーダ先端部3bを有している。フィーダ筒部3aは、ベースケーシング2に移動可能に取付けられ、ベースケーシング2の先端部に対してねじ締付方向に出没する。フィーダ筒部3aとベースケーシング2の間には、フィーダ筒部3aを突出方向に付勢する圧縮コイル21が設けられている。
【0022】
フィーダ先端部3bは、先端部が先細り状になっており、先端面には、ねじ締付時にねじSが貫通する貫通穴3cが形成されている。そして貫通穴3cの近傍には、ねじSの振れを防止する振れ防止機構8が設けられている。
【0023】
振れ防止機構8は、図2に示すようにフィーダケーシング3に傾動可能に取付けられる傾動部材8aと、傾動部材8aを付勢する付勢部材8bを有している。傾動部材8aは、ねじ連結帯Bの供給方向に延出しており、基端部がフィーダケーシング3に対して傾動可能に取付けられている。傾動部材8aは、ねじ連結帯Bの供給方向先方に位置しており、傾動部材8aの先端部が先頭に位置するねじSaと対面している。そしてその先端部に永久磁石を有する吸着部8a1が設けられている。
【0024】
付勢部材8bは、巻きばねであって、一端部がフィーダケーシング3に取付けられ、他端部が傾動部材8aに取付けられる。付勢部材8bは、自由状態において傾動部材8aを図2に示す姿勢に保持して、吸着部8a1をねじSaに対面させる位置に保持する。図5に示すようにねじSaを締付ける過程で、傾動部材8aがねじSaの頭部Sa2に押されて付勢部材8bに抗して締付方向に傾動することで、ねじSaの頭部Sa2の経路が開放される。そしてねじSaが通過した後に傾動部材8aが付勢部材8bの付勢力によって元の位置に戻る。
【0025】
ねじ供給機構4は、ねじ連結帯Bを1ピッチづつフィーダ筒部3a内に送り込む装置であって、図2に示すようにフィーダ筒部3aに設けられるアーム5と中間ギヤ6とラチェットホイール7を有している。
【0026】
ラチェットホイール7は、図2,3に示すように鼓形であって、フィーダ筒部3aに軸回転可能に取付けられている。ラチェットホイール7の軸方向両端部には、歯車部7b,7cが形成されており、歯車部7b,7cの外周には、ねじ連結帯Bに形成された送り孔に係合する送り歯が複数形成されている。中間ギヤ6は、図3に示すようにフィーダ筒部3aに回動可能に取付けられる回動軸6aと、ラチェットホイール7の歯車部7cに噛合う歯車部6bを有している。
【0027】
アーム5は、図3に示すように筒状の取付部5aと、取付部5aから延出する延出部5bを有している。取付部5aは、中間ギヤ6の回動軸6aに一定角度範囲内で傾動可能に取付けられており、中間ギヤ6との間には、ワンウェイクラッチが形成されている。したがって中間ギヤ6は、アーム5の一方向の傾動にのみに連動して回転する。
【0028】
延出部5bは、図3に示すように取付部5aから延出し、フィーダ筒部3aに形成された穴から突出している。延出部5bの先端部には、ローラピン5cが取付けられており、ローラピン5cは、図2に示すようにベースケーシング2に形成された長穴2eに突入し、長穴2eに沿ってスライド可能になっている。
【0029】
長穴2eは、図2に示すようにねじ締付方向に延出する直線部2e1と、直線部2e1のねじ締付方向先端から中間ギヤ6中心に向けて斜めに湾曲する湾曲部2e2を連続して有している。したがって図2,4に示すようにフィーダケーシング3をベースケーシング2に対して挿入させると、長穴2eに沿ってローラピン5cがスライドしてアーム5が傾動し、中間ギヤ6を介してラチェットホイール7が回転する。
【0030】
アーム5は、図3,4に示すようにラチェットホイール7が回り過ぎることを防止する爪5dを有している。爪5dは、取付部5aの外周面から突出しており、ラチェットホイール7がねじ連結帯Bを1ピッチ供給した直後に、ラチェットホイール7の歯車部7bに係合する位置に設けられている。
【0031】
以下に、連続ねじ締付け機10によってねじSを締付ける方法を説明する。図2に示すように先ずフィーダケーシング3の先端をワークに押し当て、その状態でトリガ15を引き、駆動モータ13を起動させる。次に、ねじ締付け機11をワークに向けて移動させ、図4に示すようにベースケーシング2内にフィーダケーシング3を侵入させる。これによりアーム5が傾動して、中間ギヤ6を介してラチェットホイール7が回転し、ねじ連結帯Bがフィーダケーシング3内に1ピッチ供給される。
【0032】
そしてねじ連結帯Bが1ピッチ供給された直後に、図4に示すようにアーム5の爪5dがラチェットホイール7の歯車部7bに係合する。これによりラチェットホイール7は、ねじSの重量等による慣性力によって回り過ぎることが爪5dによって防止される。ねじ連結帯Bの先頭に位置するねじSaは、傾動部材8aの吸着部8a1によって先端部Sa1が吸着される。そのためねじSaの先端部Sa1は、吸着部8a1によって供給方向への振れが防止される。
【0033】
ねじ締付け機11をさらにワークに向けて移動させると、図4,5に示すようにねじSaの先端がワークに当接し、続いて、ねじSaの頭部Sa2にドライバビット20が当接する。そしてスピンドル18が奥側に移動し、クラッチ機構17が接続状態になり、スピンドル18が回転する。これによりねじSaがドライバビット20によってワークに締付けられる。そして図5に示すようにねじ締付け過程途中において傾動部材8aがねじSaの頭部Sa2に押されて、ねじ締付方向に傾動する。これによりねじSaの頭部Sa2の経路が開放される。そしてねじSaが通過した後に傾動部材8aが付勢部材8bにより初期位置に戻る。
【0034】
以上のようにして実施の形態1が形成されている。
すなわち振れ防止機構8は、図4に示すようにフィーダケーシング3に傾動可能に設けられる傾動部材8aを有しており、傾動部材8aは、先頭のねじSaの供給方向先方に位置しかつ磁力を利用して先頭のねじSaを吸着する吸着部8a1を有している。そしてねじを締付ける際に傾動部材8aがねじSaの頭部Sa2に押されて傾動してねじの頭部の経路を開放する構成になっている。
【0035】
したがって振れ防止機構8は、磁力を利用してねじSaを吸着するために、ねじSaの径などに係わらずねじSaを確実に吸着して、ねじSaの振れを確実に防止できる。また振れ防止機構8の傾動部材8aは、ねじSaを締付ける際に傾動してねじSaの頭部Sa2の経路を開放するために、ねじSaの頭部Sa2に係わらず吸着部8a1の位置を設定することができ、吸着部8a1の位置設定によりねじSaの振れを効果的に防止することができる。
【0036】
また傾動部材8aは、図4に示すように先頭のねじSaの先端部Sa1の供給方向先方に位置し、かつねじ締付時にねじ締付方向に傾動する構成になっている。したがってねじSaは、先端部Sa1が傾動部材8aによって振れ防止されるために、先端部Sa1が振れることが防止される。そして傾動部材8aは、ねじ締付時にねじ締付方向に回動することで、ねじSaの頭部Sa2の経路を開放する。
【0037】
またねじ供給機構4は、図4に示すようにフィーダケーシング3とベースケーシング2との相対移動に連動して傾動するアーム5と、アーム5の一方向の傾動に連動して回転する中間ギヤ6と、中間ギヤ6に噛合って回転することでねじ連結帯Bをフィーダケーシング3内に供給するラチェットホイール7とを有している。そしてアーム5には、ねじ連結帯Bをラチェットホイール7によって1ピッチ供給した後にラチェットホイール7に係合することでねじ連結帯の送り過ぎを防止する爪5dが設けられている。
【0038】
したがってアーム5に設けられた爪5dによってねじ連結帯Bのねじ供給機構4による送り過ぎが防止される。そのため送り過ぎによるねじの振れを防止することができる。しかも爪5dは、アーム5に設けられており、アーム5は、ねじ供給機構4のタイミングを決定する部材である。したがって特別な構造を設けることなく、爪5dをタイミング良くラチェットホイール7に係合させることができる構成になっている。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態2を図6〜9にしたがって説明する。実施の形態2は、実施の形態1とほぼ同様に形成されているが、図2に示す振れ防止機構8に代えて図6に示す振れ防止機構30を有している。以下、相違点を中心に実施の形態2について説明する。
【0040】
振れ防止機構30は、図6,7に示すように一対の傾動部材31と一対の磁石32を有している。一対の傾動部材31は、ねじ連結帯Bの送り方向に沿って延出しており、基端部がピン32によってフィーダケーシング3に傾動可能に取付けられている。ピン32は、ねじSaの軸線と平行であって、一対の傾動部材31は、ピン32周りに傾動する。そして一対の傾動部材31は、傾動することで離間し、ねじSaの頭部Sa2の経路を開放する。
【0041】
傾動部材31の基端部には、磁石32に向けて延出して磁石32に当接する磁力受部31aが形成されている。傾動部材31は、磁力受部31aが磁石32に当接することで磁力を帯びる。傾動部材31は、先端部にねじSaの供給方向先方に張出す張出部31bを有している。張出部31bは、傾動部材31が磁石32の磁力を帯びた際に、磁力を利用してねじSaを吸着する吸着部31cを有している。
【0042】
以下に、ねじ締付時の様子を説明する。ねじ締付時にねじ供給機構1によってねじ連結帯Bが供給されると、ねじ連結帯BのねじSは、一対の傾動部材31の間を通過する。そして先頭に位置するねじSaの中央部が傾動部材31の張出部31bに吸着される。したがってねじSaは、張出部31bによって先端部Sa1が供給方向に振れることが防止される。
【0043】
ねじ締付け機をさらにワークに向けて移動させると、図8,9に示すようにねじ締付け過程において、ねじSaの頭部Sa2に押されて一対の傾動部材31が離間方向に傾動し、ねじSaの頭部Sa2の経路を開放する。そして傾動することで傾動部材31の磁力受部31aが磁石32から離間し、これにより傾動部材31の磁力が解放される。そのためねじSaが磁力に邪魔されることなく一対の傾動部材31の間を通過して、通過した後に一対の傾動部材31が磁石32の磁力によって初期位置に戻る。
【0044】
以上のようにして実施の形態2が形成されている。すなわち振れ防止機構30は、図6,7に示すように一対の傾動部材31を有しており、これら一対の傾動部材31の間にねじ連結帯BのねじSが供給される。そして一対の傾動部材31には、先頭のねじSaの供給方向先方に張出す張出部31bが形成され、その張出部31bに、磁力を利用してねじSaを吸着する吸着部31cが設けられている。
【0045】
したがってねじSaは、一対の傾動部材31に案内されて供給されるために、供給方向に対して直交する方向の振れが防止される。そしてねじSaは、傾動部材31の吸着部31cに吸着されて供給方向への振れが防止される。
【0046】
また傾動部材31は、図9に示すようにねじSaを締付ける際に傾動してねじSaの頭部Sa2の経路を開放するため、ねじSaの頭部Sa2に係わらず張出部31bの位置を設定することができ、張出部31bの位置設定によりねじSaの振れを効果的に防止することができる。
【0047】
(他の実施の形態)
本発明は、実施の形態1,2に限定されず、以下の形態であっても良い。
(1)すなわち実施の形態1に係る傾動部材は、ねじ締付方向に傾動することでねじの頭部の経路を開放する構成になっていた。しかし傾動部材がねじ締付方向と直交する方向等、他の方向に傾動することで、ねじの頭部の経路を開放する構成になっていても良い。
(2)実施の形態2に係る振れ防止機構は、一対の傾動部材を有しており、一対の傾動部材が離間方向に傾動してねじの頭部の経路を開放する構成になっていた。しかし一対の傾動部材がねじ締付方向等、他の方向に傾動することで、ねじの頭部の経路を開放する構成になっていても良い。
(3)実施の形態1に係る傾動部材は、磁石を有する吸着部を有していた。しかし図2に示す傾動部材8aに磁石が設けられておらず、フィーダケーシング3側に磁石が設けられ、傾動部材が磁石に当接する形態であっても良い。例えば傾動部材の基端部に磁石に当接する磁力受部が設けられ、磁力受部が磁石に当接することによって傾動部材が磁力を帯びる。そしてその磁力を利用して傾動部材の先端部に設けられた吸着部がねじを吸着し、ねじ締付時に傾動部材がねじの頭部に押されて傾動し、ねじの頭部の経路を開放するとともに、磁力受部が磁石から離間する形態になっていても良い。
(4)実施の形態2に係る振れ防止機構は、一対の傾動部材のそれぞれに張出部が設けられていた。しかし一対の傾動部材の一部材のみに張出部が設けられる形態であっても良い。
(5)実施の形態2に係るフィーダケーシングには、磁石が設けられていたが、磁石が設けられておらず、一対の傾動部材を初期位置に付勢するばね等の付勢部材が設けられている形態であっても良い。この形態によっても、ねじ連結帯の供給時に傾動部材の張出部によって先頭のねじの供給方向への振れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】連続ねじ締付け機の左側方断面図である。
【図2】ねじ送り装置の左側方断面図である。
【図3】図2のIII―III線におけるフェーダケーシングとねじ供給機構の断面図である。
【図4】ねじ締付け途中におけるねじ送り装置の左側方断面図である。
【図5】ねじ締付け途中におけるねじ送り装置の左側方断面図である。
【図6】実施の形態2のねじ送り装置の一部左側方断面図である。
【図7】図6のVII―VII線断面矢視図である。
【図8】ねじ締付け途中における実施の形態2のねじ送り装置の一部左側方断面図である。
【図9】図8のIX―IX線断面矢視図である。
【符号の説明】
【0049】
1・・・ねじ送り装置
2・・・ベースケーシング
2e・・・長穴
3・・・フィーダケーシング
4・・・ねじ供給機構
5・・・アーム
5d・・・爪
6・・・中間ギヤ
7・・・ラチェットホイール
8,30・・・振れ防止機構
8a,31・・・傾動部材
8a1,31c・・・吸着部
8b・・・付勢部材
10・・・連続ねじ締付け機
11・・・ねじ締付け機
20・・・ドライバビット
31b・・・張出部
32・・・磁石
B・・・ねじ連結帯
S・・・ねじ
Sa・・・先頭のねじ

【出願人】 【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
【出願日】 平成18年8月3日(2006.8.3)
【代理人】 【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−36741(P2008−36741A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212057(P2006−212057)