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【発明の名称】 インペラ取外し具
【発明者】 【氏名】永渕 馨

【氏名】平田 茂道

【氏名】山田 寛之

【要約】 【課題】構造が簡単で渦巻きポンプなどのポンプ類に適用可能な効率のよいインペラ取外し具を提供すること。

【構成】中心軸を構成する長尺ボルトに螺合し、短尺ボルトに螺合しかつ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を構成する長尺ボルトに螺合し、短尺ボルトに螺合するとともに先端に係合用爪片を有する可動に軸支されたレバーを備えた支持体からなるインペラ取外し具において、該レバー先端の爪片が外開きになっていることを特徴とするインペラ取外し具。
【請求項2】
該レバーを少なくとも3本有する請求項1記載のインペラ取外し具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はインペラ取外し具に関する。さらに詳しくは、中心軸を構成する長尺ボルトに螺合し、短尺ボルトに螺合するとともに先端に係合用爪片を有する可動に軸支されたレバーを備えた支持体からなるインペラ取外し具において、該レバー先端の爪片が外開きになっているインペラ取外し具に関する。
【背景技術】
【0002】
渦巻きポンプなどのポンプ類の補修を行う場合やインペラを交換する場合、インペラを取外すことが必要になることがあるが、これまでこのようなポンプ類のインペラを取外すのに適した治具がなく、ドライバー状のものを使用してインペラを取外すのが通常であった。しかしながら、ドライバーなどを使用したのではインペラの取り出しが容易ではなく、インペラを無理に取り外そうとするとポンプの精密な部分を傷つけることが多く、作業は慎重に行う必要があり長時間を要していた。
【0003】
従来、インペラ取外し具として、船舶用内燃機関の冷却用海水ポンプのインペラの取外しに適用されている特殊工具が知られている(特許文献1)。この工具は例えば図6に示すようなものであり、1.蝶ナット20を矢印方向に回転して爪部21を開き、ハンドル22を回転して軸23を支持体24と反対方向に移動させてから、工具全体をポンプインペラ方向へ移動して爪部をインペラ25の羽根の間に差し込み、2.蝶ナットを1と反対の方向に回して、両側の爪部をインペラの側面ゴム部に喰い込ませ、3.ハンドルを1と反対方向に回転し、軸先端部を海水ポンプ26のシャフト27に当接し、軸をさらにねじ込みながらインペラをシャフトから引き抜くものである。この種の工具はすでに市販されており多く使用されている。
【特許文献1】特開平11−257248号公報
【0004】
一方、側面周囲の作業スペースが狭い場所であってもインペラの抜取り作業を可能とするポンプのゴム製インペラ取外し具が提案されている(特許文献2)。これは図7に示されるようなものであり、簡単に説明すれば次のとおりである。図7において、30は円筒状ケーシング、31はゴム製フィン32を有するインペラであり、回転駆動軸33に取り付けられている。34は基枠である。このインペラ取外し具は、一端に円盤が設けられ外周に基枠の雌ネジ孔にねじ嵌合する雄ネジが設けられ、中心軸部に雌ネジが貫設されたアジャストネジ35を有することが特徴であり、基枠にねじ嵌合したアジャストネジをねじ込み、離間距離Sを増加させることによってレバー36の先端に設けられた爪片37がインペラ軸部のゴム層に喰い込み、さらに長尺ボルト38を回転させることによってインペラが引き抜かれる。
【特許文献2】特開2004−108305
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載のインペラ取外し具は、いずれもレバー先端の爪片が内側に向かって鋭角に尖るように構成されたものであるため、これを渦巻きポンプなどのポンプ類に適用しても爪片の噛み込み具合が不充分となるため、依然としてドライバー状の工具を使用して煩雑で大変な作業をしているのが実情である。したがって、本発明の目的は、構造が簡単で渦巻きポンプなどのポンプ類に適用可能な効率のよいインペラ取外し具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討し、爪片を外開きにするという極めて簡単な着想によって上記目的を達成することができることを見出し本発明に到達した。すなわち本発明は、中心軸を構成する長尺ボルトに螺合し、短尺ボルトに螺合するとともに先端に係合用爪片を有する可動に軸支されたレバーを備えた支持体からなるインペラ取外し具において、該レバー先端の爪片が外開きになっていることを特徴とするインペラ取外し具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のインペラ取外し具によれば、渦巻きポンプなどのポンプ類から効率よくインペラを取外すことができ作業効率を大幅に改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のインペラ取外し具を図面によって詳細に説明する。図1は、本発明のインペラ取外し具(以下、治具という)をポンプインペラ部分に装着した状態を示す概略図であり、1は中心軸を構成する長尺ボルト、2はボルトを操作するための把持部、3は長尺ボルトに螺合した支持体、4、4’は短尺ボルト、5、5’は各々短尺ボルトを操作するための把持部である。6、6’はレバーであり、短尺ボルトに螺合するとともに支持体3に止め具7、7’で軸支され、短尺ボルトを操作することにより、自由に開閉する。レバー6の先端には係合用爪片8、8’を有しており、この爪片をインペラ9に係合させる。本願発明においては、かかる爪片が外開きとなっていることが最大の特徴である。10はポンプの回転駆動軸、11はポンプ本体のインペラケース部である。
【0009】
治具をポンプインペラ部分に装着するには、先ず長尺ボルト把持部2を回してボルトを弛め、短尺ボルト4、4’をねじ込んで係合用爪片同士8、8’を接近させる。その状態でインペラに挿入し、短尺ボルトを逆に回して爪片をインペラ内部に係合させる。
【0010】
図2は、インペラの抜取りを開始したときの図である。インペラの抜取りを開始するには、上記したポンプインペラ部分に装着した状態から、そのまま長尺ボルトをさらにねじ込んで行けばよい。インペラが抜取られつつあることは、図1及び図2の回転駆動軸10の位置を比べてみれば容易に理解することができる。図2及び図3における矢印はインペラの移動方向を示したものである。
【0011】
図3は、インペラの抜取りを完了した図である。抜き出されたインペラは短尺ボルトを弛めることによって治具から容易に取り外すことができる。
【0012】
図1〜図3の治具はレバーを2本有し、該2本が180度に位置するよう構成された例であるが、レバーを3本有するように構成すると爪片のインペラへの噛み込みがより確実となり好ましい。3本の位置関係は略120度になるように構成されるがこれに限定されるものではなく、任意の角度で構成してもよい。レバーはこのように3本有するように作製してもよいが、図4及び図5に示すようにレバーを2本でも3本でも使用できるようにするとさらに好ましい形態となる。
【0013】
レバーを2本の状態で使用する場合は、12、12’の把持部とそれに追随する2本のレバー16、16’で操作し、レバーを3本の状態で使用する場合は、17、17’、12’の把持部とそれに追随する3本のレバーで操作すればよい。このまま4本で使用してもよいことは勿論である。14は長尺ボルト、15は把持部である。レバーの本数はあまり増やしても作製が煩雑となるだけでなく、操作しにくくなるので通常は2本〜3本で使用される。
【0014】
本発明の治具を作製するための材質はとくに限定されるものではないが、通常は金属製である。金属としては強度的に満足できるものであればとくに限定されるものではなく、例えば、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼などの低合金鋼や低合金鋳鋼などが使用される。耐腐食鋼を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明によれば、構造が簡単で渦巻きポンプなどのポンプ類に適用可能な効率のよいインペラ取外し具を提供することができる。本発明のインペラ取外し具を使用するとポンプ類から効率よくインペラを取外すことができ作業効率を大幅に改善することができ、産業上の有用性が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のインペラ取外し具をインペラに装着した概略図である。
【図2】インペラを抜取り開始したときの概略図である。
【図3】インペラの抜取りを完了したときの概略図である。
【図4】レバーを3本以上有するインペラ取外し具の正面立面図である。
【図5】レバーを3本以上有するインペラ取外し具の側面図である。
【図6】従来のインペラ取外し具の例である。
【図7】従来のインペラ取外し具の別の例である。
【符号の説明】
【0017】
1 長尺ボルト
2 把持部
3 支持体
4、4’ 短尺ボルト
5、5’ 把持部
6、6’ レバー
7、7’ 止め具
8、8’ 係合用爪片
9 インペラ
10 回転駆動軸
11 インペラケース部
12、12’ 把持部
13 止め具
14 長尺ボルト
15 把持部
16、16’ 係合用爪片
17、17’ 把持部
20、20’ 蝶ナット
21、21’ 爪部
22 ハンドル
23 軸
24 支持体
25 インペラ
26 海水ポンプ
27 シャフト
30 円筒状ケーシング
31 インペラ
32 ゴム製フィン
33 回転駆動軸
34 基枠
35 アジャストネジ
36、36’ レバー
37、37’ 爪片
38 長尺ボルト
【出願人】 【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−12634(P2008−12634A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188003(P2006−188003)