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【発明の名称】 トルクレンチ装置
【発明者】 【氏名】高頭 要作

【氏名】鈴木 正毅

【氏名】廣井 晃

【要約】 【課題】第1又は第2の締結部材の双方又は一方を設定トルクまで簡単に締め付けることができるトルクレンチ装置を提供する。

【構成】切替操作部14eを回転してソケット部8を回転許容状態にし、切替操作部15eを回転してソケット部9を回転禁止状態にする。ピストンロッド17cがB1方向に進出すると、レンチ部10,11がA1方向に同時に回転する。レンチ部10側のつめ車にはつめが噛み合っているため、レンチ部10がA1方向に回転すると、ソケット部8にトルクが伝達されてソケット部8とともにボルト6AがA1方向に回転して締め付けられる。一方、レンチ部11側のつめ車にはつめが噛み合っていないため、レンチ部11がA1方向に回転しても、ソケット部9にトルクが伝達されずボルト6BがA1方向に回転しない。ボルト6Aが設定トルクに到達すると、油圧回路18が作動油の供給を自動的に停止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の締結部材と第2の締結部材とを締め付けるトルクレンチ装置であって、
前記第1の締結部材に着脱自在に装着される第1のソケット部をこの第1の締結部材とともに回転させる第1のレンチ部と、
前記第2の締結部材に着脱自在に装着される第2のソケット部をこの第2の締結部材とともに回転させる第2のレンチ部と、
前記第1のレンチ部を回転駆動するための駆動力を発生する駆動力発生部と、
前記第1の締結部材と前記第2の締結部材とが同時に締め付けられるように、前記第1のレンチ部の回転駆動に連動して前記第2のレンチ部を回転駆動する連動部と、
を備えるトルクレンチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のトルクレンチ装置において、
前記第1のソケット部の回転を許容する回転許容状態とこの第1のソケット部の回転を禁止する回転禁止状態とに切り替える第1の切替部と、
前記第2のソケット部の回転を許容する回転許容状態とこの第2のソケット部の回転を禁止する回転禁止状態とに切り替える第2の切替部とを備えること、
を特徴とするトルクレンチ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のトルクレンチ装置において、
前記第1の切替部は、前記回転許容状態に切り替えるときには、前記第1のソケット部側のつめ車と前記第1のレンチ部側のつめとを噛み合わせ、前記回転禁止状態に切り替えるときには、前記第1のソケット部側のつめ車と前記第1のレンチ部側のつめとの噛み合いを解除し、
前記第2の切替部は、前記回転許容状態に切り替えるときには、前記第2のソケット部側のつめ車と前記第2のレンチ部側のつめとを噛み合わせ、前記回転禁止状態に切り替えるときには、前記第2のソケット部側のつめ車と前記第2のレンチ部側のつめとの噛み合いを解除すること、
を特徴とするトルクレンチ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のトルクレンチ装置において、
前記第1及び前記第2のソケット部は、前記第1及び前記第2の締結部材によって車両の一本リンクを締結するときに、この第1及びこの第2の締結部材と主電動機との間の間隙部に挿入可能なようにこの間隙部よりも高さが低いこと、
を特徴とするトルクレンチ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のトルクレンチ装置において、
前記第1及び前記第2のソケット部は、前記第1及び前記第2の締結部材によって車両の一本リンクを締結するときに、この第1及びこの第2の締結部材に装着可能なように、この第1及びこの第2の締結部材と一本リンクとの間の間隙部よりも肉厚が薄いこと、
を特徴とするトルクレンチ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、第1の締結部材と第2の締結部材とを締め付けるトルクレンチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトルクレンチ装置(従来技術1)は、一対のボルトにそれぞれ着脱自在に嵌め込まれる一対の係合部と、係合部をボルトに嵌め込んだ状態でこの係合部を回転する一対の回転アームと、一対の回転アームがボルトを回転するように、一対の回転アームを回転駆動するための駆動力を発生する1台の油圧シリンダと、一対のボルトを締め付ける方向に係合部を回転させ、一対のボルトを緩める方向に係合部が回転するのを規制する回転規制部(ラチェット機構部)と、一対のボルトによって固定される熱交換器のプレートに油圧シリンダを着脱自在に固定する固定ピンなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1では、油圧シリンダに作動油が供給されてピストンロッドが伸縮すると、一方の回転アームと他方の回転アームとをピストンロッドが交互に回転駆動し、係合部が回転してボルトを交互に締め付ける。
【0003】
従来のトルクレンチ装置(従来技術2)は、一対のボルトにそれぞれ着脱自在に嵌合する一対のソケットと、ソケットをボルトに嵌合された状態で一対のソケットをそれぞれ回転駆動する一対の油圧モータと、一対のソケットを間隔調整可能に連結する連結部などを備えている(例えば、特許文献2参照)この従来技術2では、一対の油圧モータに作動油がそれぞれ供給されると、一対のソケットをそれぞれの油圧モータが回転駆動し、ソケットが回転してボルトを同時に締め付ける。
【0004】
【特許文献1】特開昭55-037267号公報
【0005】
【特許文献2】特開平3-142175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術1では、両ロッド式の復動油圧シリンダによって一対のボルトを交互に締め付けるため、予め設定された所定の設定トルクに達するまでボルトを締め付けるのに要する時間が長くなって、作業効率が悪くなってしまう問題点がある。また、従来技術1では、一対の回転アームを油圧シリンダが回転するため、一対のボルトの初期の締結量にばらつきがある状態で、ボルトに係合部を装着してボルトを締め付けてしまうおそれがある。このため、従来技術1では、いずれか一方のボルトが所定の設定トルクまで締め付けられたときには、他方のボルトが所定の設定トルクまで締め付けられていないにも関わらず、回転アームの回転駆動を油圧シリンダが停止してしまう。その結果、従来技術1では、一方のボルトの締結量と他方のボルトの締結量とが不均一になって片締め状態になってしまう問題点がある。また、従来技術1では、熱交換器のプレートの一対のボルト間に固定ピンを着脱自在に挿入するための凹部を形成する必要があり、熱交換器のプレートを加工する手間がかかる問題点がある。さらに、従来技術1では、熱交換器のプレートの一対のボルト間に凸部が存在するときには、油圧シリンダと凸部とが干渉するため、固定ピンを挿入するための凹部を形成することができない問題点がある。
【0007】
また、従来技術2では、一対のソケットをそれぞれ一対の油圧モータによって回転駆動するため、従来技術1に比べて油圧モータが複数必要になりコストが高くなってしまう問題点がある。また、従来技術2では、一対の油圧モータをそれぞれ駆動するための油圧回路などが必要になって装置が大規模になるとともに、それぞれの油圧モータの設定トルクを調整する必要があり装置が複雑になる問題点がある。
【0008】
この発明の課題は、第1又は第2の締結部材の双方又は一方を設定トルクまで簡単に締め付けることができるトルクレンチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図4〜図7に示すように、第1の締結部材(6A)と第2の締結部材(6B)とを締め付けるトルクレンチ装置であって、前記第1の締結部材に着脱自在に装着される第1のソケット部(8)をこの第1の締結部材とともに回転させる第1のレンチ部(10)と、前記第2の締結部材に着脱自在に装着される第2のソケット部(9)をこの第2の締結部材とともに回転させる第2のレンチ部(11)と、前記第1のレンチ部を回転駆動するための駆動力を発生する駆動力発生部(17)と、前記第1の締結部材と前記第2の締結部材とが同時に締め付けられるように、前記第1のレンチ部の回転駆動に連動して前記第2のレンチ部を回転駆動する連動部(16)とを備えるトルクレンチ装置(7)である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のトルクレンチ装置において、図6及び図7に示すように、前記第1のソケット部の回転を許容する回転許容状態とこの第1のソケット部の回転を禁止する回転禁止状態とに切り替える第1の切替部(14)と、前記第2のソケット部の回転を許容する回転許容状態とこの第2のソケット部の回転を禁止する回転禁止状態とに切り替える第2の切替部(15)とを備えることを特徴とするトルクレンチ装置である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のトルクレンチ装置において、図7に示すように、前記第1の切替部は、前記回転許容状態に切り替えるときには、前記第1のソケット部側のつめ車(12a)と前記第1のレンチ部側のつめ(12b)とを噛み合わせ、前記回転禁止状態に切り替えるときには、前記第1のソケット部側のつめ車と前記第1のレンチ部側のつめとの噛み合いを解除し、前記第2の切替部は、前記回転許容状態に切り替えるときには、前記第2のソケット部側のつめ車(13a)と前記第2のレンチ部側のつめ(13b)とを噛み合わせ、前記回転禁止状態に切り替えるときには、前記第2のソケット部側のつめ車と前記第2のレンチ部側のつめとの噛み合いを解除することを特徴とするトルクレンチ装置である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のトルクレンチ装置において、図2及び図5に示すように、前記第1及び前記第2のソケット部は、前記第1及び前記第2の締結部材によって車両の一本リンクを締結するときに、この第1及びこの第2の締結部材と主電動機(4c)との間の間隙部(Δ1)に挿入可能なようにこの間隙部よりも高さ(H)が低いことを特徴とするトルクレンチ装置である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のトルクレンチ装置において、図3、図4及び図5に示すように、前記第1及び前記第2のソケット部は、前記第1及び前記第2の締結部材によって車両の一本リンクを締結するときに、この第1及びこの第2の締結部材に装着可能なように、この第1及びこの第2の締結部材と一本リンクとの間の間隙部(Δ2)よりも肉厚(T)が薄いことを特徴とするトルクレンチ装置である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によると、簡単な構造で操作が容易であり第1の締結部材と第2の締結部材とを均一に締め付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置が使用される鉄道車両を概略的に示す側面図である。図2は、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置が使用される鉄道車両のけん引装置を概略的に示す側面図である。図3は、図2のIII方向から見た正面図である。図4は、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の正面図である。図5は、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の側面図である。図6は、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の背面図である。図7は、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の一部を破断して示す背面図である。以下では、鉄道車両のけん引装置の締結ボルトの締め付け作業にトルクレンチ装置を使用する場合を例に挙げて説明する。
【0016】
図1に示す軌道1は、車両2が走行する通路(線路)であり、車両2の車輪4aを支持し案内してこの車両2を走行させるレール1aなどから構成されている。車両2は、軌道1に沿って走行する鉄道車両であり、例えば電車又は気動車などである。車両2は、図1に示す車体3と、台車4と、図1及び図2に示すけん引装置5などを備えている。車体3は、旅客又は貨物などの積載物を輸送するための構造物である。台車4は、車体3を支持して走行する装置であり、図1及び図2に示すようにレール1aと転がり接触する車輪4aと、台車4の主要構成部である台車枠4bと、車輪4aを駆動するための駆動力を発生する主電動機(モータ)4cなどを備えている。
【0017】
図1及び図2に示すけん引装置5は、車体3と台車4とを連結してこれらの間で前後方向の力を伝達させる装置である。けん引装置5は、例えば、車体3と台車枠4bとをゴムブシュを介して一本のけん引リンクによって連結した一本リンク式けん引装置である。けん引装置5は、図2に示すように、車体3と台車4との間で駆動力及び制動力などの前後力を伝達する棒状体である連結管(引張棒)5aと、この連結管5aの一端部を車体3に連結するための連結部5bと、この連結管5aの他端部を台車4に連結するための連結部5cと、連結部5b,5cを貫通するブシュ孔(貫通孔)5d,5eと、ブシュ孔5d,5eに挿入されて振動の伝達と衝撃とを緩和する緩衝ゴム5f,5gなどを備えている。図3に示すボルト6A,6Bは、連結部5bと車体3とを締結する締結部材であり、連結部5bを車体3に着脱自在に連結する。ボルト6A,6Bには、図4に示すようにボルト頭部の側面に側面角部6aが形成されている。
【0018】
図3〜図7に示すトルクレンチ装置7は、ボルト6A,6Bを締結可能な装置である。トルクレンチ装置7は、ボルト6A、6Bの双方を同時に回転させて締結可能であるとともに、ボルト6A,6Bのいずれか一方のみを回転させて締結可能である。トルクレンチ装置7は、例えば、油圧シリンダに供給される作動油の油圧を利用してボルト6A,6Bを回転させ、所定の設定トルクに達するまでボルト6A,6Bを締め付けるダブルリンク式の油圧トルクレンチである。トルクレンチ装置7は、図4〜図7に示すように、ソケット部8,9と、レンチ部10,11と、一方向回転規制部12,13と、切替部14,15と、連動部16と、駆動力発生部17と、油圧回路18と、動作切替部19などを備えている。
【0019】
図4に示すソケット部8は、ボルト6Aに着脱自在に装着される部分であり、ソケット部9をレンチ部11が回転するときに発生する反力を受ける反力受けとして機能する。ソケット部9は、ボルト6Bに着脱自在に装着される部分であり、ソケット部8をレンチ部10が回転するときに発生する反力を受ける反力受けとして機能する。ソケット部8,9は、図3に示すけん引装置5をボルト6A,6Bによって締結するときに、図2に示すボルト6A,6Bと主電動機4cとの間の間隙部Δ1に挿入可能なように、間隙部Δ1よりも図5に示す高さHが低く形成されている。また、ソケット部8,9は、図3に示すけん引装置5をボルト6A,6Bによって締結するときにこれらのボルト6A,6Bに装着可能なように、図3に示すボルト6A,6Bの側面角部6aと一本リンクの連結管5a及び緩衝ゴム5fとの間の間隙部Δ2よりも図4及び図5に示す肉厚Tが薄く形成されている。ソケット部8,9は、いずれも同一構造であり、以下ではソケット部8について説明し、ソケット部9側の部分のうちソケット部8側と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。ソケット部8は、ボルト6Aの径に応じて交換可能なようにレンチ部10に着脱自在に装着されている。ソケット部8は、外観が円筒状の部材であり、図4に示す嵌合部8aと、図6に示す取外し操作部8bなどを備えている。
【0020】
図4に示す嵌合部8aは、ボルト6A,6Bの側面角部6aと嵌合する部分であり、ソケット部8,9の内周部に形成されている。嵌合部8aは、ボルト6A,6Bの回転角度が30度毎に変化しても側面角部6aと嵌合可能なように、ソケット部8,9の内周部に等間隔に12個形成されている。図6に示す取外し操作部8bは、ソケット部8,9を取り外すときに作業者によって操作される部分であり、ソケット部8,9を取り外すときに作業者によって押し込まれると、レンチ部10,11からソケット部8を解放する。
【0021】
図4〜図7に示すレンチ部10は、ソケット部8をボルト6Aとともに回転させる部分である。レンチ部10は、図4、図6及び図7に示すように、ソケット部8を中心としてA1方向に回転することによって、ソケット部8をA1方向に回転しボルト6Aを締め付ける。レンチ部10は、図4〜図6に示すように、外観が板状のリンク部材であり、ボルト6Aを回転中心として回転する回転アーム部として機能する。レンチ部10は、図6に示すように、保持部10aと、連結部10b,10cなどを備えている。
【0022】
保持部10aは、ソケット部8を保持する部分である。保持部10aは、レンチ部10の先端部に形成された貫通孔であり、内周部にソケット部8の外周部が着脱自在に嵌合する。連結部10bは、レンチ部10と駆動力発生部17のピストンロッド17cとを回転自在に連結する部分である。連結部10bは、図7に示すように、レンチ部10の保持部10aとは反対側の端部に形成された貫通孔10dと、この貫通孔10dに挿入される挿入ピン10eとを備えている。連結部10cは、レンチ部10と連動部16とを回転自在に連結する部分である。連結部10cは、図7に示すように、レンチ部10の保持部10aと連結部10bとの間でこの連結部10bの近傍に形成された貫通孔10fと、この貫通孔10fに挿入される挿入ピン10gとを備えている。
【0023】
図4〜図7に示すレンチ部11は、ソケット部9をボルト6Bとともに回転させる部分である。レンチ部11は、図4、図6及び図7に示すように、ソケット部9を中心としてA1方向に回転することによって、ソケット部9をA1方向に回転しボルト6Bを締め付ける。レンチ部11は、図4〜図6に示すように、外観が板状のリンク部材であり、ボルト6Bを回転中心として回転する回転アーム部として機能する。レンチ部11は、図6に示すように、保持部11aと連結部11bなどを備えている。保持部11aは、ソケット部9を保持する部分である。保持部11aは、レンチ部11の先端部に形成された貫通孔であり、内周部にソケット部9の外周部が着脱自在に嵌合する。連結部11bは、レンチ部11と連動部16とを回転自在に連結する部分である。連結部11bは、図7に示すように、レンチ部11の保持部11aとは反対側の端部に形成された貫通孔11dと、この貫通孔11dに挿入される挿入ピン11eとを備えている。
【0024】
図7に示す一方向回転規制部12は、ボルト6Aを締め付けるA1方向にソケット部8が回転するのを許容し、ボルト6Aを緩めるA2方向にソケット部8が回転するのを規制する部分である。一方向回転規制部13は、ボルト6Bを締め付けるA1方向にソケット部9が回転するのを許容し、ボルト6Bを緩めるA2方向にソケット部9が回転するのを規制する部分である。一方向回転規制部12,13は、いずれも同一構造であり、以下では一方向回転規制部12について説明し、一方向回転規制部13側の部分のうち一方向回転規制部12側と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。一方向回転規制部12は、図7に示すように、つめ車12aと、つめ12bと、ガイド部12cとを備えている。一方向回転規制部12は、つめ車12aとつめ12bとを噛み合わせることよって、ボルト6A及びソケット部9のA1方向の回転を許容しA2方向の回転を規制するラチェット機構部である。
【0025】
つめ車12aは、ソケット部8と一体となって回転する部分であり、ソケット部8の外周部に多数の歯が所定の間隔をあけて形成されている。つめ12bは、つめ車12aと噛み合う部分であり、つめ車12a側の歯と噛み合う歯が所定の間隔をあけて形成されている。つめ12bは、ボルト6Aを締め付けるA1方向に回転したときには、つめ車12a側の歯と噛み合ってつめ車12aの回転を許容する。一方、つめ12bは、ボルト6Aを緩めるA2方向に回転したときには、このつめ車12aの歯の上を滑り、つめ車12aの回転を規制する。ガイド部12cは、つめ車12aに対してつめ12bを進退自在にガイドする部分であり、レンチ部10に固定されている。
【0026】
切替部14は、ソケット部8の回転を許容する回転許容状態とこのソケット部8の回転を禁止する回転禁止状態とに切り替える部分である。切替部14は、ソケット部8を回転許容状態に切り替えるときには、ソケット部8側のつめ車12aとレンチ部10側のつめ12bとを噛み合わせる。一方、切替部14は、ソケット部8を回転禁止状態に切り替えるときには、ソケット部8側のつめ車12aとレンチ部10側のつめ12bとの噛み合いを解除する。切替部15は、ソケット部9の回転を許容する回転許容状態とこのソケット部9の回転を禁止する回転禁止状態とに切り替える部分である。切替部15は、ソケット部9を回転許容状態に切り替えるときには、ソケット部9側のつめ車13aとレンチ部11側のつめ13bとを噛み合わせる。一方、切替部15は、ソケット部9を回転禁止状態に切り替えるときには、ソケット部9側のつめ車13aとレンチ部11側のつめ13bとの噛み合いを解除する。図7に示す状態では、切替部14は、ソケット部8を回転許容状態に切り替えており、切替部15はソケット部9を回転禁止状態に切り替えている。切替部14,15は、いずれも同一構造であり、以下では切替部14について説明し、切替部15側の部分のうち切替部14側と対応する部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。切替部14は、図7に示すマグネット部14aと、ばね14bと、カム部14cと、カムフォロア部14dと、図6に示す切替操作部14eと、指標部14fなどを備えている。
【0027】
図7に示すマグネット部14aは、つめ車12aからつめ12bを後退させた状態に保持する部分である。マグネット部14aは、つめ12bに固定されており、つめ12bと一体となって進退可能である。マグネット部14aは、切替部14が回転禁止状態に切り替わったときには、ばね14bの付勢力(ばね力)に抗して磁力によってガイド部12cに吸着し、つめ12bをつめ車12aから後退させた状態に保持する。
【0028】
ばね14bは、つめ車12aに向かってつめ12bを進出させる方向に付勢する部分である。ばね14bは、一方の端部がマグネット部14aに取り付けられ、他方の端部がカムフォロア部14dに取り付けられており、マグネット部14aとカムフォロア部14dとの間に挟み込まれている。ばね14bは、切替部14が回転許容状態に切り替わったときには、つめ車12aとつめ12bとが密着するようにつめ12bを付勢する。
【0029】
カム部14cは、カムフォロア部14dと接触する部分である。カム部14cは、外観が円板状の部材であり、レンチ部10に回転自在に支持されている。カム部14cは、外周部に所定の間隔をあけて凹凸のカム面が交互に形成されており、カムフォロア部14dの端部と回転接触する。
【0030】
カムフォロア部14dは、つめ12bを進退させる部分である。カムフォロア部14dは、カム部14cの凸部と接触しているときには、つめ12b、マグネット部14a及びばね14bをつめ車12aに向かって進出させ、つめ車12aにつめ12bを接触させて噛み合わせる。一方、カムフォロア部14dは、カム部14cの凹部と接触しているときには、つめ12b、マグネット部14a及びばね14bをつめ車12aから後退させ、つめ車12aからつめ12bを離間させて噛み合いを解除させる。カムフォロア部14dは、カム部14cとの間の摩擦抵抗が小さくなるように、カム部14cと接触する側の端部が半球状に形成されている。
【0031】
図6に示す切替操作部14eは、ソケット部8を回転許容状態と回転禁止状態とに切り替えるときに作業者によって操作される部分である。切替操作部14eは、外観が円板状の部材であり、作業者によって回転操作されると、図7に示すカム部14cと一体となって回転する。切替操作部14eは、レンチ部10に回転自在に支持されている。
【0032】
指標部14fは、ソケット部8の回転許容状態と回転禁止状態とを指し示す部分である。指標部14fは、作業者による目視が容易なように、レンチ部10の切替操作部14eの周囲に形成されている。指標部14fは、図7に示すカム部14cの凹部と凸部とに対応して所定の間隔をあけて形成されている。指標部14fは、例えば、ソケット部8が回転許容状態になるときの切替操作部14eの回転位置には白色が表示されており、ソケット部8が回転禁止状態になるときの切替操作部14eの回転位置には赤色が表示されている。
【0033】
図4〜図7に示す連動部16は、ボルト6A,6Bが同時に締め付けられるように、レンチ部10の回転駆動に連動してレンチ部11を回転駆動する部分である。連動部16は、ソケット部8を中心としてレンチ部10がA1,A2方向に回転すると、ソケット部9を中心としてレンチ部11も同時に同一方向に回転するように、レンチ部10とレンチ部11とを連動させる。連動部16は、外観が略T字状のリンク部材であり、図4及び図6に示すように、連結部16a〜16cを備えている。
【0034】
連結部16aは、レンチ部10と連動部16とを回転自在に連結する部分であり、連動部16の一方の端部に形成され挿入ピン10eが挿入される貫通孔である。連結部16bは、レンチ部11と連動部16とを回転自在に連結する部分であり、連動部16の他方の端部に形成され挿入ピン11eが挿入される貫通孔である。連結部16cは、駆動力発生部17のシリンダ17aと連動部16とを回転自在に連結する部分であり、連動部16の連結部16b寄りの側面から突出した部分に形成された貫通孔16dと、この貫通孔16dに挿入される挿入ピン16eとを備えている。
【0035】
図4〜図7に示す駆動力発生部17は、レンチ部10を回転駆動するための駆動力を発生する部分である。駆動力発生部17は、図7に示すシリンダ17aと、ピストン17bと、ピストンロッド17cと、シリンダライナ17dと、連結部17eと、図4及び図6に示す連結部17fと、図7に示す固定部17gと、給排出部17hなどを備えている。駆動力発生部17は、シリンダ17a内に供給される作動流体によってピストンロッド17cをB1,B2方向に進退させて駆動力を発生する。駆動力発生部17は、例えば、作動油によって駆動力を発生し、連結部17eを回転中心として揺動自在に支持されるクレビス形油圧シリンダである。
【0036】
図7に示すシリンダ17aは、作動流体を収容する部分であり、ピストン17bによってヘッド側室とロッド側室とに内部が二つに区画されている。ピストン17bは、シリンダ17a内を往復移動する部分であり、作動流体の流体圧に応じてシリンダ17a内を移動する。ピストンロッド17cは、ピストン17bと一体となって進退動作する部分であり、一方の端部がピストン17bに固定されている。ピストンロッド17cは、シリンダ17aのヘッド側室の油圧が上昇しロッド側室の油圧が下降するとB1方向に進出し、シリンダ17aのヘッド側室の油圧が下降しロッド側室の油圧が上昇するとB2方向に後退する。シリンダライナ17dは、ピストンロッド17cを進退自在にガイドする部分であり、シリンダ17aの端部を塞ぐようにシリンダ17aに固定されており、中心部をピストンロッド17cが進退自在に貫通している。連結部17eは、連動部16とシリンダ17aとを回転自在に連結する部分であり、挿入ピン16eが挿入される貫通孔である。図4及び図6に示す連結部17fは、レンチ部10とピストンロッド17cとを回転自在に連結する部分であり、ピストンロッド17cの先端部に形成され挿入ピン10eが挿入される貫通孔である。図7に示す固定部17gは、ピストンロッド17cの先端部に連結部17eを固定する部分であり、ピストンロッド17cと連結部17eとを締結するボルトである。給排出部17hは、シリンダ17a内に作動油が供給されるとともにシリンダ17a内から作動油が排出する部分である。給排出部17hは、油圧回路18から供給される作動流体が流入する供給口と、シリンダ17a内の作動流体が油圧回路18に戻る排出口とを備えている。
【0037】
図4、図6及び図7に示す油圧回路18は、ピストンロッド17cを進退動作させるための回路である。油圧回路18は、油圧を発生する油圧ポンプなどを有する油圧源と、作動油の油圧を制御する圧力制御弁などを有する油圧制御回路と、作動油の流量を制御する流量制御弁などを有する流量制御回路などを備えている。
【0038】
動作切替部19は、駆動力発生部17の動作を切り替える部分である。動作切替部19は、例えば、油圧回路18を動作開始及び動作停止させるときに作業者によって操作される切替スイッチであり、油圧回路18に動作開始信号及び動作停止信号などを出力する。
【0039】
次に、この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の動作を説明する。
(ボルト6A,6Bを同時に締結する場合)
以下では、図1〜図3に示す車両2の一本けん引リンクの連結部5bをボルト6A,6Bによって締結する場合を例に挙げて説明する。図3及び図4に示すボルト6A,6Bの径に適合するソケット部8,9を作業者が選択し、保持部10a,11aにソケット部8,9を作業者がそれぞれ挿入すると、レンチ部10,11にソケット部8,9が装着される。
【0040】
次に、図4〜図7に示すように、ボルト6A,6Bにソケット部8,9をそれぞれ作業者が装着し、図6に示す指標部14f,15fを参照してソケット部8,9が回転許容状態になる回転位置まで切替操作部14e,15eを作業者が回転操作する。その結果、図7に示すカム部14c,15cの凸部とカムフォロア部14d,15dとが接触し、マグネット部14a,15a及びばね14b,15bをつめ車12a,13aに向かってカムフォロア部14d,15dが進出させて、つめ車12a,13aとつめ12b,13bとが噛み合い状態になる。
【0041】
次に、図7に示す動作切替部19を作業者が操作して動作開始に切り替えると、シリンダ17aのヘッド側室に給排出部17hを通じて油圧回路18から作動油が供給される。その結果、シリンダ17a内のヘッド側室の油圧が上昇してピストン17bがシリンダ17a内を移動し、ピストンロッド17cがB1方向に進出する。ピストンロッド17cがB1方向に進出すると、レンチ部10とレンチ部11とが連動部16によって連結されているため、レンチ部10,11がA1方向に同時に回転する。つめ車12a,13aの歯には、つめ12b,13bの歯が噛み合っているため、レンチ部10,11がA1方向に回転すると、ソケット部8,9にトルクが伝達されてソケット部8,9と一体となってボルト6A,6BがA1方向に回転して締め付けられる。このとき、ボルト6Aを締結するときに発生する反力をボルト6Bが受け、ボルト6Bを締結するときに発生する反力をボルト6Aが受けるため、ボルト6A,6Bが互に反力受けとして機能する。
【0042】
ピストンロッド17cが最大ストロークまで伸びると油圧回路18が作動油の供給を停止し、シリンダ17a内のロッド側室に給排出部17hを通じて油圧回路18から作動油が供給される。その結果、シリンダ17a内のロッド側室の油圧が上昇してピストン17bがシリンダ17a内を移動し、ピストンロッド17cがB2方向に後退する。ピストンロッド17cがB2方向に後退すると、レンチ部10,11がA2方向に同時に回転するが、つめ車12a,13aの歯に対してつめ12b,13bの歯が滑るためソケット部8,9にトルクが伝達されず、ボルト6A,6BがA2方向に回転して緩むことがない。ピストンロッド17cが最小ストロークまで縮むと、シリンダ17aのヘッド側室に油圧回路18から作動油が再び供給されてピストンロッド17cがB1方向に進出し、レンチ部10,11がA1方向に回転してボルト6A,6BがA1方向に回転しさらに締め付けられる。以降、同様の操作が繰り返されてボルト6A,6Bのいずれか一方が設定トルクに到達すると、油圧回路18が作動油の供給を自動的に停止し、連結部5bがボルト6A,6Bによって締結される。
【0043】
(ボルト6A,6Bを交互に締結する場合)
以下では、最初にボルト6Aを締結した後に、ボルト6Bを締結する場合を例に挙げて説明する。図6に示す指標部14f,15fを参照して、図7に示すようにソケット部8が回転許容状態になる回転位置まで切替操作部14eを作業者が回転操作するとともに、ソケット部9が回転禁止状態になる回転位置まで切替操作部15eを作業者が回転操作する。その結果、図7に示すように、カム部14cの凸部にカムフォロア部14dが接触するため、つめ車12aとつめ12bとが噛み合い状態になる。一方、カム部15cの凹部にカムフォロア部15dが接触し、マグネット部15a及びばね15bをつめ車13aから離れるようにカムフォロア部15dが後退して、つめ車13aとつめ13bとの噛み合い状態が解除される。
【0044】
この状態で、ピストンロッド17cがB1方向に進出すると、レンチ部10,11がA1方向に同時に回転する。レンチ部10側のつめ車12aにはつめ12bが噛み合っているため、レンチ部10がA1方向に回転すると、ソケット部8にトルクが伝達されてソケット部8と一体となってボルト6AがA1方向に回転して締め付けられる。一方、レンチ部11側のつめ車13aにはつめ13bが噛み合っていないため、レンチ部11がA1方向に回転しても、ソケット部9にトルクが伝達されずボルト6BがA1方向に回転しない。このとき、ボルト6Aを締結するときに発生する反力をボルト6Bが受けるため、ボルト6Bが反力受けとして機能する。ボルト6Aが設定トルクに到達すると、油圧回路18が作動油の供給を自動的に停止し、連結部5bがボルト6Aによって設定トルクで締め付けられる。
【0045】
次に、図6に示す指標部14f,15fを参照して、図7に示すようにソケット部8が回転禁止状態になる回転位置まで切替操作部14eを作業者が回転操作するとともに、ソケット部9が回転許容状態になる回転位置まで切替操作部15eを作業者が回転操作する。その結果、ボルト6Bを締結するときに発生する反力をボルト6Aが受けるため、ボルト6Aが反力受けとして機能する。ボルト6Bが設定トルクに到達すると、油圧回路18が作動油の供給を自動的に停止し、連結部5bがボルト6Bによって設定トルクで締め付けられて、左右のボルト6A,6Bが均一に締め付けられる。
【0046】
この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、ボルト6A,6Bが同時に締め付けられるように、レンチ部10の回転駆動に連動してレンチ部11を連動部16が回転駆動する。このため、従来技術1のような両ロッド式の復動油圧シリンダによって一対のボルトを交互に締め付ける場合に比べて、ボルト6A,6Bを同時に締め付けることができる。その結果、作業効率を向上させることができるとともに作業時間の短縮化を図ることができる。また、二本のボルト6A,6B同士で反力を受ける構造であるため、締め付け作業時に反力を受けるための治具を特別に用意する必要がなくなるため、作業負担を軽減することができる。
【0047】
(2) この実施形態では、レンチ部10を回転駆動するための駆動力を駆動力発生部17が発生する。このため、従来技術2のような一対の油圧モータによって一対のボルトをそれぞれ締め付けるトルクを発生する場合に比べて、1台の駆動力発生部17によってボルト6A,6Bを締め付けるトルクを発生せることができる。その結果、機構が簡単になって低コスト化を図ることができるとともに、装置が軽量になって作業者が一人で簡単に使用することができる。
【0048】
(3) この実施形態では、ソケット部8の回転を許容する回転許容状態とこのソケット部8の回転を禁止する回転禁止状態とに切替部14が切り替え、ソケット部9の回転を許容する回転許容状態とこのソケット部9の回転を禁止する回転禁止状態とに切替部15が切り替える。その結果、従来技術1のような一つの油圧シリンダによって一対のボルトを締め付ける場合に比べて、ボルト6A,6Bをそれぞれ均一に設定トルクに達するまで締め付けることができるため、いわゆる片締めを防止することができる。
【0049】
(4) この実施形態では、ソケット部8,9を回転許容状態に切り替えるときには、このソケット部8,9側のつめ車12a,13aとレンチ部10,11側のつめ12b,13bとを切替部14,15が噛み合わせる。また、この実施形態では、ソケット部8,9を回転禁止状態に切り替えるときには、ソケット部8,9側のつめ車12a,13aとレンチ部10,11側のつめ12b,13bとの噛み合いを切替部14,15が解除する。このため、ボルト6A,6Bにトルクが作用する状態とトルクが作用しない状態とに簡単な操作によって切り替えることができる。
【0050】
(5) この実施形態では、ボルト6A,6Bによって車両2の一本リンクを締結するときに、これらのボルト6A,6Bと主電動機4cとの間の間隙部Δ1に挿入可能なように、この間隙部Δ1よりもソケット部8,9の高さHが低い。また、この実施形態では、ボルト6A,6Bによって車両2の一本リンクを締結するときに、これらのボルト6A,6Bにソケット部8,9を装着可能なように、ボルト6A,6Bと一本リンクとの間の間隙部Δ2よりもソケット部8,9の肉厚Tが薄い。このため、ソケット部8,9とボルト6A,6Bとの装着状態が完全になるため、締め付け作業中にソケット部8,9がボルト6A,6Bから外れるのを防止することができる。特に、主電動機4cを備えていない付随車(T車)に比べて、図2に示す主電動機4cを備える電動車(M車)では台車4の間隙部Δ1が狭くなるが、車両2の種類に関わらずソケット部8,9を頻繁に交換せずにボルト6A,6Bに装着することができる。
【0051】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、鉄道車両のけん引装置5のボルト6A,6Bの締め付け作業にトルクレンチ装置7を使用する場合を例に挙げて説明したが、フランジや軸受などを固定するボルトの締め付け作業にこのトルクレンチ装置7を使用することもできる。また、この実施形態では、トルクレンチ装置7によってボルト6A,6Bを締め付ける場合を例に挙げて説明したが、ボルト6A,6B以外にナットなどの他の締結部材をこのトルクレンチ装置7によって締め付けることもできる。
【0052】
(2) この実施形態では、駆動力発生部17が油圧シリンダである場合を例に挙げて説明したが、油圧シリンダ以外に空気圧シリンダなどを使用することもできる。また、この実施形態では、一対のボルト6A,6B間の間隔(ボルトピッチ)が一定である場合を例に挙げて説明したが、ボルト間の間隔が異なる場合についてもこの発明を適用することができる。この場合には、連動部16の長さを調整可能な構造にすることによって、ボルト間の間隔が異なる一対のボルトを締め付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置が使用される鉄道車両を概略的に示す側面図である。
【図2】この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置が使用される鉄道車両のけん引装置を概略的に示す側面図である。
【図3】図2のIII方向から見た正面図である。
【図4】この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の正面図である。
【図5】この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の側面図である。
【図6】この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の背面図である。
【図7】この発明の実施形態に係るトルクレンチ装置の一部を破断して示す背面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 軌道
2 車両
3 車体
4 台車
4a 車輪
4b 台車枠
4c 主電動機
5 けん引装置
5a 連結管
5b,5c 連結部
5d,5e ブシュ孔
6A ボルト(第1の締結部材)
6B ボルト(第2の締結部材)
7 トルクレンチ装置
8 ソケット部(第1のソケット部)
9 ソケット部(第2のソケット部)
10 レンチ部(第1のレンチ部)
11 レンチ部(第2のレンチ部)
12,13 一方向回転規制部
12a,13a つめ車
12b,13b つめ
14 切替部(第1の切替部)
15 切替部(第2の切替部)
16 連動部
17 駆動力発生部
17a シリンダ
17b ピストン
17c ピストンロッド
Δ1,Δ2 間隙部
H 高さ
T 肉厚
【出願人】 【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】592070890
【氏名又は名称】株式会社広井工機
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100104064
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 岳人


【公開番号】 特開2008−6515(P2008−6515A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176494(P2006−176494)