Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
超仕上用砥石 - 特開2008−68362 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨

【発明の名称】 超仕上用砥石
【発明者】 【氏名】鉦打 栄治

【氏名】高橋 毅

【氏名】大野 誉洋

【氏名】木村 剛

【要約】 【課題】トロイダル型無段変速機のディスク等の、スラストを受ける軌道面を有する被加工物の当該軌道面を超仕上加工する超仕上用砥石において、加工時の揺動による仕上げムラの発生を抑制する。

【構成】軌道面及びこれに接する砥面を、被加工物の径方向に直交する複数の断面で見たとき、砥面の左右のエッジにおいて当該砥面とこれに接する軌道面とが一定の角度dθで交差するように、径方向外方から内方に向かって漸次、径方向と直交する方向への砥面の幅が狭くなる形状を有する超仕上用砥石とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラストを受ける軌道面を有する被加工物の当該軌道面を超仕上加工する超仕上用砥石であって、
軌道面及びこれに接する砥面を、前記被加工物の径方向に直交する複数の断面で見たとき、砥面の左右のエッジにおいて当該砥面とこれに接する軌道面との交差角度が均一化されるように、径方向外方から内方に向かって漸次、前記断面における砥面の幅が狭くなる形状を有する超仕上用砥石。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、トロイダル型無段変速機のディスクやスラスト玉軸受のような、スラストを受ける軌道面を有する被加工物の当該軌道面を超仕上加工する超仕上用砥石に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトロイダル型無段変速機のディスクには、断面が円弧状となる軌道面が周方向に連続して形成されている(例えば、特許文献1参照。)。図5は、このようなディスク10を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。図において、ディスク10の中心には、シャフト(図示せず。)への取付孔10bが形成され、また、片面には軌道面10aが形成されている。予め図示のような所定の形状に形成された軌道面10aは、さらに、ディスク10を軸周りに回転させて、超仕上用砥石により超仕上加工される。
【0003】
図6は、軌道面10aに超仕上用砥石11を当接させた状態のディスク10の断面図である。超仕上用砥石11は、支持部12により支持され、軌道面10aの曲率中心Pを中心として、所定角度範囲内で揺動する。このような超仕上用砥石11によって、軌道面10aに超仕上加工が施される。
【0004】
図5において、ディスク10の径方向に直交する任意の断面として例えば図示のA−A断面からG−G断面までの7断面を想定すると、3次元曲面である軌道面10aは、例えば中間のD−D断面でフラットな形状となり、ここから径方向内方へ、E−E断面、F−F断面、G−G断面の順に、断面の中央が徐々に盛り上がった凸形状となる。一方、径方向外方には、C−C断面、B−B断面、A−A断面の順に、断面の中央が徐々に凹んだ凹形状となる。
【0005】
図7の(a)及び(b)はそれぞれ、従来使用されている超仕上用砥石11の正面図及び側面図である。超仕上用砥石11の幅Wは一定であり、側面から見るといわゆる蒲鉾形の形状となっている。ワーク(ディスク)馴染ませ後の砥面11aについて、軌道面10aに対応するA−A断面からG−G断面までの7断面を想定すると、中間のD−D断面でフラットな形状となり、ここから径方向内方へ、E−E断面、F−F断面、G−G断面の順に、断面の中央が徐々に凹んだ凹形状となる。一方、径方向外方には、C−C断面、B−B断面、A−A断面の順に、断面の中央が徐々に盛り上がった凸形状となる。すなわち、軌道面10aと砥面11aとは、互いの表面形状が凹凸の関係で合致する。
【0006】
【特許文献1】特開2002−295618号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記超仕上用砥石11は、前述のように揺動が可能である。軌道面10aと砥面11aとの表面形状が合致した位置(例えば揺動の角度中心位置)から、図6に示すように超仕上用砥石11が径方向外方にdω揺動した場合、軌道面10aに対して当接する砥面がずれて、例えば前述の例では、軌道面のD−D断面に対して、砥面のE−E断面が当接する関係となる。図8は、このように軌道面10aと砥面11aとが互いにずれた場合の両者の接触状態を示す図である。図において、実線は砥面11aの形状を、破線は軌道面10aの形状を、それそれ表している。曲率は凸1,凸2,凸3の順に、また、凹1,凹2,凹3の順に大きくなる。
【0008】
この場合、一断面で見た砥面11aが、砥面全体で軌道面10aに接するのではなく、断面形状における左右のエッジが当接する状態となる。しかし、実際には曲率が小さいほどエッジ近傍も当接する。ところが、図示のように、径方向内方ほど当接が両端に集中し、エッジロードが高い状態となる。この結果、場所によって加工条件が不均一となり、超仕上の仕上げムラが生じるという問題点がある。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、超仕上用砥石が揺動しても仕上げムラの発生が抑制される超仕上用砥石を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の超仕上用砥石は、スラストを受ける軌道面を有する被加工物の当該軌道面を超仕上加工する超仕上用砥石であって、軌道面及びこれに接する砥面を、前記被加工物の径方向に直交する複数の断面で見たとき、砥面の左右のエッジにおいて当該砥面とこれに接する軌道面との交差角度が均一化されるように、径方向外方から内方に向かって漸次、前記断面における砥面の幅が狭くなる形状を有するものである。
【0010】
上記のように構成された超仕上用砥石においては、径方向外方への揺動により、各断面で見た砥面の左右のエッジが軌道面に当接するが、砥面と軌道面との交差角度が各断面で均一化される。これにより当接状態が均一化され、エッジロードが均一化される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の超仕上用砥石によれば、揺動により砥面の左右のエッジが軌道面に当接する状態となっても、仕上げムラの発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による超仕上用砥石について図面を参照して説明する。被加工物は、図5に示した前述のトロイダル型無段変速機のディスク10である。
図1は、超仕上用砥石1を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。また、図2は、斜視図である。各図において、ディスク10の径方向に相当する砥面1aの径方向をY方向として、互いに直交するX,Y,Z方向を図示のようにとると、超仕上用砥石1の砥面1aと反対側の裏面1b並びに、径方向内方側端面1c及び径方向外方側端面1dは平面若しくは略平面である。
【0013】
一方、側面から見た砥面1aの形状はZ方向に凸な円弧であり、Y方向の中心で最も厚くなっている。砥面1aのX方向の幅は、Y方向の上方から下方に、すなわち、径方向外方から内方に向かって、漸次、径方向と直交する方向へ砥面1aの幅が狭くなる形状を有
する(言い換えれば、径方向内方から外方に向かって、漸次、径方向と直交する方向へ砥面1aの幅が拡がる形状を有する。)。また、両側面1e,1fは、平面に近い緩やかな曲面であり、例えば、曲率半径が僅かに異なる複数の曲面によって構成される。
【0014】
図2において、砥面1aについて、軌道面10a(図5)に対応するA−A断面からG−G断面までの7断面(X−Z平面に平行な断面)を想定すると、中間のD−D断面でフラットな形状となり、ここから径方向内方へ、E−E断面、F−F断面、G−G断面の順に、断面の中央が徐々に凹んだ凹形状となる。一方、径方向外方には、C−C断面、B−B断面、A−A断面の順に、断面の中央が徐々に盛り上がった凸形状となる。このようにして、軌道面10aと砥面1aとは、互いの表面形状が凹凸の関係で合致する。
【0015】
図4は、軌道面10aに超仕上用砥石1を当接させた状態のディスク10の断面図である。超仕上用砥石1は、支持部2により支持され、軌道面10aの曲率中心Pを中心として、所定角度範囲内で揺動する。このような超仕上用砥石1によって、軌道面10aに超仕上加工が施される。
【0016】
軌道面10aと砥面1aとの表面形状(曲面)が合致した位置(例えば揺動の角度中心位置)から、図4に示すように超仕上用砥石1が径方向外方にdω揺動した場合、軌道面10aに対して当接する砥面がずれて、例えば前述の例では、軌道面のD−D断面に対して、砥面のE−E断面が当接する関係となる。図3は、このように軌道面10aと砥面1aとが互いにずれた場合にこれらを、径方向(Y方向)に直交する断面(X−Z平面に平行な断面)の複数(7)箇所で見たときの接触状態を示す図である。図において、実線は砥面1aの形状を、破線は軌道面10aの形状を、それそれ表している。曲率は凸1,凸2,凸3の順に、また、凹1,凹2,凹3,凹4の順に大きくなる。
【0017】
図3において、各断面で見た砥面1aは、左右のエッジにおいて軌道面10aに当接する。また、砥面1a及び軌道面10aは、径方向のどの断面で見るかによって、曲率が変化する。そこで、各断面における砥面1aの両エッジにおいて砥面1aと軌道面10aとの交差角度dθが、すべて同一となるように、砥面1aの幅Wを変化させる。すなわち、径方向内方に至るほど、砥面1aの幅を漸次狭くする。これにより、砥面1aの両エッジ及びその近傍における砥面1aと軌道面10aとの当接状態が均一化され、エッジロードが均一化される。従って、どの場所でも加工条件が均一となり、超仕上の仕上げムラ発生が抑制される。
【0018】
上記のような砥面1aの幅の変化は、任意の断面で上記の交差角度dθが一定となるように連続していることが理想的であるが、径方向外方から内方に向かって漸次、砥面の幅が狭くなる形状であって、有限個の断面で、各断面における交差角度dθの差が小さくなり均一化されるように幅を変化させれば、仕上げムラの発生を抑制(軽減も含む。)する一定の作用効果が得られる。
【0019】
なお、上記実施形態における被加工物は、トロイダル型無段変速機のディスクとしたが、上記のような超仕上用砥石は、他にも、スラストを受ける軌道面を有する種々の被加工物(例えばスラスト玉軸受)について、その軌道面の超仕上加工に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による超仕上用砥石を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】図1に示す超仕上用砥石の斜視図である。
【図3】軌道面と砥面とが互いにずれた場合にこれらを、径方向に直交する断面の複数箇所で見たときの接触状態を示す図である。
【図4】軌道面に超仕上用砥石を当接させた状態のディスクの断面図である。
【図5】トロイダル型無段変速機のディスクを示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図6】軌道面に従来の超仕上用砥石を当接させた状態のディスクの断面図である。
【図7】従来使用されている超仕上用砥石の正面図及び側面図である。
【図8】従来の超仕上用砥石について、軌道面と砥面とが互いにずれた場合の両者の接触状態を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 超仕上用砥石
1a 砥面
10 ディスク(被加工物)
10a 軌道面
【出願人】 【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−68362(P2008−68362A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249095(P2006−249095)