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メタルボンド超砥粒ホイール - 特開2008−62310 | j-tokkyo
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【発明の名称】 メタルボンド超砥粒ホイール
【発明者】 【氏名】田仲 正生

【要約】 【課題】金属結合相にSn、Bi、およびZnから選択される1種類または2種類以上を20〜60重量%を含む超砥粒層を欠損しないように保護する。特に、眼鏡用ポリカーボネート製レンズの玉摺り加工において、鏡面加工または超仕上げ加工に用いても超砥粒層を欠損しない、メタルボンド超砥粒ホイールを提供する。

【構成】超砥粒層の両側面に、抗折強度が20Kgf/mm以上で、かつ、超砥粒層よりも高い抗折強度を有する焼結金属からなる補強層を設ける。超砥粒層の金属結合相としては、例えば、(33〜75重量%)Cu−(18〜55重量%)Sn−(0〜25重量%)黒鉛などの合金を用いる。補強層としては、超砥粒層よりもCu含有率を高くして、抗折強度を高めたものを用いる。例えば、Cu−(5〜25重量%)Snが用いることができ、これにFe、Ni、Co、SiCなどから選択された1種類または2種類以上を添加したものを用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属結合相中に超砥粒を分散してなる超砥粒層と、
前記超砥粒層の両側面に設けられた補強層と、
円盤状の台金とを有する、メタルボンド超砥粒ホイールであって、
前記金属結合相は、Sn、Bi、およびZnから選択される1種類または2種類以上を20重量%〜60重量%含み、
前記補強層の抗折強度は、20Kgf/mm以上で、かつ、前記超砥粒層よりも高い抗折強度を有する焼結金属からなることを特徴とする、メタルボンド超砥粒ホイール。
【請求項2】
前記超砥粒層は、円盤状の台金の外周面に固着されていることを特徴とする、請求項1記載のメタルボンド超砥粒ホイール。
【請求項3】
前記超砥粒層は、平均粒径が1μm〜100μmの超砥粒を含むことを特徴とする、請求項1または2記載のメタルボンド超砥粒ホイール。
【請求項4】
前記台金は、焼結金属からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタルボンド超砥粒ホイール。
【請求項5】
樹脂製レンズの研削加工に用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタルボンド超砥粒ホイール。
【請求項6】
ポリカーボネート製レンズの乾式研削加工に用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタルボンド超砥粒ホイール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルボンド超砥粒ホイールに関するものである。特に、眼鏡用ポリカーボネート(Polycarbonate)製レンズの玉摺り加工において、鏡面加工または超仕上げ加工に用いるメタルボンド超砥粒ホイールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
メタルボンドとは、各種の金属からなるボンドのことで、例えば、Cu、Sn、Fe、Co、Ni等の金属粉末を通常、2種類以上混合してボンドとする。そしてこのボンドとダイヤモンド砥粒、CBN砥粒を混合し、焼結して超砥粒層を形成する。よく用いられるボンドとしては、ブロンズ系ボンド(Cu−Sn)、スチール系ボンド(Fe−Cu−黒鉛)、コバルト系ボンド(Co−Cu−Sn)等が上げられる。
(例えば、非特許文献1および特許文献1、2参照)
【0003】
超砥粒層を補強する技術については、超砥粒層の両側を超砥粒層とは異なる素材、樹脂、および青銅、黄銅、鉄合金、超硬合金など粉末冶金法で補強することが知られている。
(例えば、特許文献3参照)
【0004】
【非特許文献1】ダイヤモンド工具マニュアル、昭和54年5月10日発行、ダイヤモンド工業協会、
【特許文献1】特開2000−141230号公報
【特許文献2】特開平8−243926号公報
【特許文献3】特開昭55−34668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、金属結合相にSn、Bi、およびZnから選択される1種類または2種類以上を20重量%〜60重量%を含むメタルボンド超砥粒ホイールの超砥粒層を欠損しないようにする保護することが困難であった。特に、眼鏡用ポリカーボネート(Polycarbonate)製レンズの玉摺り加工において、鏡面加工または超仕上げ加工に用いるメタルボンド超砥粒ホイールに関しては、超砥粒層を欠損しないように保護することが極めて困難であった。
本発明の解決しようとする問題点は、上記のメタルボンド超砥粒ホイールにおいて、超砥粒層を欠損しないメタルボンド超砥粒ホイールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、金属結合相中に超砥粒を分散してなる超砥粒層と、超砥粒層の両側面に設けられた補強層と、円盤状の台金とを有する、メタルボンド超砥粒ホイールであって、金属結合相は、Sn、Bi、およびZnから選択される1種類または2種類以上を20重量%〜60重量%含み、補強層の抗折強度は、20Kgf/mm以上で、かつ、超砥粒層よりも高い抗折強度を有する焼結金属からなることを特徴とするメタルボンド超砥粒ホイールである。
【0007】
金属結合相中に、Sn、BiおよびZnから選択される1種類または2種類以上を20重量%〜60重量%含むメタルボンド超砥粒ホイールは、研削加工中に発生する熱により超砥粒層の硬さが低下する。その際に、研削抵抗や研削液などの外力によって超砥粒層のエッジ部が欠損することがあり、エッジ部の欠損を防止するには補強層が必要になる。特に、金属結合相中にSnを20重量%〜60重量%含む場合は極めて欠損し易く、補強層が必要になるのである。
【0008】
ここで補強層の抗折強度は、20Kgf/mm以上であることが必要である。抗折強度は、20Kgf/mm未満では、補強層が研削抵抗や研削液などの外力によって欠損するおそれがあり、補強層の役割を果たさないからである。なお、抗折強度は30Kgf/mm以上であることがより好ましく、40Kgf/mm以上であることが最も好ましい。
そして、補強層を焼結金属とするのは、超砥粒層と同時に焼結することにより、補強層と超砥粒層との境界に間隙が発生することなく、しかも強固に接合するためである。さらに、超砥粒層、補強層のみならず、台金も焼結金属とすることによってすべてを同時に焼結できるので高強度のホイールが得られるだけでなく、製造コストを低減できるので経済的でありメリットが極めて大きい。
【0009】
ここで20重量%〜60重量%と数値限定した理由は、20重量%未満では、研削加工中に発生する熱により超砥粒層の硬さの低下が僅かで補強層を必要としないためである。そして、60重量%を超えると研削加工中に発生する熱により超砥粒層の硬さの低下が著しく、超砥粒層の摩耗が激しくなり使用に耐えられないからである。
超砥粒層の金属結合相としては、例えば、(33〜75重量%)Cu−(20〜55重量%)Sn−(0〜25重量%)黒鉛などの合金を用いることができる。ここで黒鉛は任意成分であって、黒鉛を含まなくても用いることは可能である。
補強層としては、超砥粒層よりもCu含有率を高くして、抗折強度を高めたものを用いることができる。例えば、Cu−(5〜25重量%)Snが用いることができ、これにFe、Ni、Co、SiCなどから選択された1種類または2種類以上を添加したものを用いることができる。
【0010】
なお、抗折強度は図5に示す方法によって測定する。対象となる試料を機械加工などによって、長さ40mm、幅10mm、厚み5mmの試験片を製作する。この試験片を支持台(φ2mmの超硬合金製丸棒、2本の中心間距離は20mm)の上に置く。次に、先端半径がR1mmの加圧くさびを加圧速度1mm/秒で降下させて、試験片を破断させて抗折強度を測定する。抗折強度は、以下の式により算出する。
(抗折強度)=3PL/2WT
ここでPは破断加重、Lは支点間距離(ここでは20mm)、Wは試験片の幅(ここでは10mm)、Tは試験片の厚み(ここでは5mm)である。
【0011】
砥粒層は、円盤状の台金の外周面に固着されていることが好ましい。
台金の断面形状は、JIS B4131(ダイヤモンド及びCBNホイール)において規定されているホイールの形状による種類記号で、例えば、1A1、3A1、14A1などの円盤状の台金の外周面に固着されていることが好ましい。
【0012】
超砥粒層は、平均粒径が1μm〜100μmの超砥粒を含むことが好ましい。
超砥粒層には微粒の超砥粒を含む、鏡面加工、精密加工用のメタルボンド超砥粒ホイールに適用することが好ましい。特に、50μm以下の超砥粒を含有する超砥粒層は脆く、いっそう欠損し易いので、このようなメタルボンド超砥粒ホイールに適用することがより好ましく、30μm以下の場合に適用することが最も好ましい。
【0013】
本発明のメタルボンド超砥粒ホイールは、樹脂製レンズの研削加工に用いることが好ましい。
本発明のメタルボンド超砥粒ホイールは、各種の樹脂製レンズの研削加工に用いることができる。
【0014】
本発明のメタルボンド超砥粒ホイールは、ポリカーボネート製レンズの乾式研削加工に用いることが好ましい。
例えば、眼鏡用樹脂製レンズでは、ポリカーボネート製レンズ、アクリル製レンズが知られている。これらのレンズを玉摺り加工で鏡面に仕上げる場合には、ダイヤモンド粒度が#2000〜#5000のメタルボンドダイヤモンドホイールが使用されている。しかしながら、このような微粒のダイヤモンド砥粒を用いたメタルボンドダイヤモンドホイールは、切れ味は良好ではなく、しかもツルーイング・ドレッシング性も良好ではないので、これらの性能を向上させることが重要である。さらに、メタルボンドダイヤモンドホイールの切れ味、ドレッシング性を向上させるボンドを選択しようとすると、自生作用を促進させるために、例えば、Sn、BiおよびZnなどの低融点金属を多く含む、ボンドの抗折強度の低いメタルボンドを選定する方法がある。
【0015】
レンズの玉摺り加工は研削液を供給しながらの湿式加工であるが、ポリカーボネート製レンズの場合は乾式加工が一般的である。ポリカーボネート製レンズを乾式で連続加工を行うと、研削熱によって超砥粒層の温度が100℃以上に上昇することがある。玉摺り機用のメタルボンドダイヤモンドホイールは、ダイヤモンド粒度が細かいため、超砥粒層の抗折強度は低い。それだけでなく、低融点金属を多く含むメタルボンドダイヤモンドホイールは、低融点金属が加工熱によって軟化するため、超砥粒層の抗折強度の低下が起こる。この状態で更に乾式加工を続けると、加工荷重および、ホイールの回転による遠心力に耐え切れなくなり破損するおそれもある。
以上の理由により、樹脂製レンズ、特に、ポリカーボネート製レンズを乾式加工する場合、本発明の補強層を備えたメタルボンド超砥粒ホイールが極めて優れた性能を発揮するので最も好ましい。
【発明の効果】
【0016】
超砥粒層が研削抵抗や研削液などの外力により欠損することがなく、メタルボンド超砥粒ホイールが長期間に渡って高性能を発揮する。特に、乾式研削加工においては超砥粒層が研削熱によって軟化することが発生しても、超砥粒層が欠損するおそれが少ない特長がある。特に、ポリカーポネート製の眼鏡用レンズの乾式研削加工においては長期間に渡って高性能を発揮するので、高品質なレンズが得られるので最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
発明を実施するための最良の形態については、実施例で詳しく説明する。なお、以下の実施例では、同一または相当する部分については、同一の符号を付し、その説明については繰り返さないこととする。
【実施例1】
【0018】
図1に示す、実施例1のメタルボンド超砥粒ホイール1の製造過程を説明する。
金属結合層の組成が65重量%Cu−35重量%Snの混合粉末、ダイヤモンド粒度が#1000(平均粒径20μm)、ダイヤモンド集中度100となるように、超砥粒層4を公知の焼結法によって焼結し、鋼製の台金2に接合した。超砥粒層の焼結と同時に補強層3を超砥粒層の両側にそれぞれ接合した。補強層は組成が80重量%Cu−20重量%Snの混合粉末を焼結したものである。片側の補強層のサイズは、外径100m、幅15mm、厚み1mmである。超砥粒層の抗折強度は約15Kgf/mmであった。補強層の抗折強度は超砥粒層よりも高く、約50Kgf/mmであった。なお、抗折強度は試験片を作成して、前述の方法で測定した。メタルボンド超砥粒ホイールのサイズは、JIS B4131に規定される1A1型、サイズは、外径100mm、幅10mm、超砥粒層の厚み3mmである。
実施例1のメタルボンド超砥粒ホイールを用いて、アクリル製樹脂を乾式研削加工したところ、超砥粒層が欠損することはなく、長期間に渡って良好な研削性能を発揮した。なお、補強層の欠損もほとんど確認できなかった。
【実施例2】
【0019】
図2に示す、実施例2のメタルボンド超砥粒ホイール1の製造過程を説明する。
金属結合層の組成が70重量%Cu−30重量%Snの混合粉末とした以外は実施例1と同様にしてホイールを製造した。超砥粒層の抗折強度は約20Kgf/mmであった。
実施例2のメタルボンド超砥粒ホイールを用いて、ポリカーボネート製樹脂を乾式研削加工したところ、超砥粒層が欠損することはなく、良好な研削性能を発揮した。
【実施例3】
【0020】
図3に示す、実施例3のメタルボンド超砥粒ホイール1の製造過程を説明する。
金属結合層の組成が65重量%Cu−35重量%Snの混合粉末とした以外は実施例1と同様にしてホイールを製造した。超砥粒層の抗折強度は約15Kgf/mmであった。
実施例3のメタルボンド超砥粒ホイールを用いて、ポリカーボネート製樹脂を乾式研削加工したところ、超砥粒層が欠損することはなく、良好な研削性能を発揮した。
【実施例4】
【0021】
図1に示す、実施例4のメタルボンド超砥粒ホイール1の製造過程を説明する。
金属結合層の組成が70重量%Cu−30重量%Snの混合粉末とした以外は実施例1と同様にしてホイールを製造した。超砥粒層の抗折強度は約20Kgf/mmであった。
実施例4のメタルボンド超砥粒ホイールを用いて、ポリカーボネート製レンズを乾式研削加工したところ、超砥粒層が欠損することはなく、良好な研削性能を発揮した。
【実施例5】
【0022】
図1に示す、実施例5のメタルボンド超砥粒ホイール1の製造過程を説明する。
金属結合層の組成が65重量%Cu−25重量%Sn−10重量%黒鉛の混合粉末とした以外は実施例1と同様にしてホイールを製造した。超砥粒層の抗折強度は約15Kgf/mmであった。
実施例5のメタルボンド超砥粒ホイールを用いて、ポリカーボネート製レンズを乾式研削加工したところ、超砥粒層が欠損することはなく、良好な研削性能を発揮した
【比較例1】
【0023】
図4に示す、比較例1のメタルボンド超砥粒ホイール1の製造過程を説明する。
金属結合層の組成が65重量%Cu−35重量%Snの混合粉末とした以外は実施例1と同様にしてホイールを製造した。補強層は設けなかった。
比較例1のメタルボンド超砥粒ホイールを用いて、ポリカーボネート製レンズを乾式研削加工したところ、超砥粒層のエッジ部が欠損した。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のメタルボンド超砥粒ホイールの平面図と断面模式図である。
【図2】本発明の別のメタルボンド超砥粒ホイールの断面模式図である。
【図3】本発明のさらに別のメタルボンド超砥粒ホイールの断面模式図である。
【図4】従来のメタルボンド超砥粒ホイールの断面模式図である。
【図5】抗折強度を測定する方法を示す模式図である。
【符号の説明】
【0025】
1:メタルボンド超砥粒ホイール
2:台金
3:補強層
4:超砥粒層
【出願人】 【識別番号】000220103
【氏名又は名称】株式会社アライドマテリアル
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−62310(P2008−62310A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−239911(P2006−239911)